セキュリティクリアランス3認証・・・・。
アイテム番号: SCP-XXX-JP-EX
オブジェクトクラス: Keter Explained
特別収容プロトコル:収容するSCP-XXX-JP-2-EX個体の凡その大きさに合わせた厚さ3cmの鉄製ゲージ内に収容し、
内部の個体が外部の刺激を受けない様に、厚手の黒い布を覆い被せて保管してください。
それ以上の全長を持つ個体は、各個体の大きさに合わせて製造された四方と上下面共に厚さ7cmの鋼鉄製動物型オブジェクトの収容室に収容してください。
さらに餌の給仕を行う場合、事前に鋼鉄製厚さ3mmの手袋をはめ、
現在、SCP-XXX-JPが死なないとされる5~75mAの電流を流して一度気絶させてから、
意識を取り戻すまでの間に餌の入った容器を配置する必要があります。
説明:SCP-XXX-JP-EXは、人間と遺伝構造の異なる人型実体(以下、SCP-XXX-JP-1-EXと呼称)と
その実体を構成する生物群(以下、SCP-XXX-JP-2-EXと呼称)
セキュリティクリアランス:2におけるSCP-XXX-JP-1-EXと同じ遺伝子異常が発見された個体の総称です。
SCP-XXX-JP-1-EXは、見た目上は人間と何ら変わりがない姿ではありますが、本来の人間ではなく、
それ以外の生物で構成され、集合した実体の多くは言動において社会病質の傾向を持ち、
その特性により社会的な地位を得ており、その一方では一般常識とはかけ離れた、非論理的な行動を取る傾向があります。
SCP-XXX-JP-1-EXは、複数のSCP-XXX-JP-2-EXが結合することによって構成されており、
SCP-XXX-JP-2-EXと同じ遺伝子構造を示します。調査した見た目とは違った遺伝子が検出されますが、
これは現在の財団が持つ専用の機材を用いた時に検出される結果であり、それを使わない検査方法では人間の遺伝子として検出されます。
SCP-XXX-JP-2-EXは、その生物種と同じ遺伝子構造を持ちます。
SCP-XXX-JP-1-EXは、SCP-XXX-JP-1-EX同士の繁殖ではSCP-XXX-JP-1-EXを出産し、
検出された遺伝子を持つ本来の生物とは生物学的に繁殖が不可能であっても、[データ削除済]の確率でほぼ間違いなく繁殖が可能です。
SCP-XXX-JP-1-EX及び、結合SCP-XXX-JP-2-EXの遺伝情報を検査した場合、通常の調査方法ではヒトの遺伝子として検出されます。
この時、その子供がSCP-XXX-JP-1-EXである確率は[データ削除済]現在、
人型実体のSCP-XXX-JP-1-EXは全世界に███████体が確認されているものの、財団はその全てを収容できる程の施設、
及び収容にかかる費用を賄えるだけの資産を持ち合わせておりません。
SCP-XXX-JP-1-EX自身が現在、社会的な権利を有している事もあり、海外への渡航や公共施設の利用を制限しても口論や揉み合いになり、
最悪には訴訟問題に発展し、敗訴に至る事もある為、現在はどの交通機関でもSCP-XXX-JP-1-EXの拡散を食い止める処置は成功していません。
SCP-XXX-JP-1-EX及び、SCP-XXX-JP-2は、201█年6月█日に██、██市の山奥に謎の建造物があるという通報により、
出動した機動部隊ξの突入によって、SCP-XXX-JP-2を██体捕獲。この研究所に居た従業員らのうち、██人がSCP-XXX-JP-1であり、
残りの従業員は通常の人間でした。SCP-XXX-JP-1及び従業員を尋問の後、遺伝子に異常性が見られなかった██人の従業員には、
Aクラス記憶処理を行い解放しました。
SCP-XXX-JPはヒト(学名:Homo sapiens)以外の遺伝子配列をもつ人型実体です。
SCP-XXX-JPは1人に付き概ね人間には含まれていない数種類にも及ぶ、生物の遺伝情報が確認され、
それらは外見上に関係なく全て人間以外の生物で構成されています。
SCP-XXX-JPは、人間以外の遺伝子が確認される以外は、特に突出した異常は見られませんが、
彼らの置かれる社会においての立場、および世代によって、構成される生物の遺伝子の傾向に偏りがあります。
内臓や骨格から循環期間までの内部構造は現在、社会に流通している機材を用いての検査では、いずれの機材を使っても異常性は見られませんでした。
██県██小学校に教論として在籍していたSCP-XXX-JPから採取した遺伝子を分析した所、
鳥や爬虫類に使われているZW型の性別決定機構の染色体が確認されました。
その後、詳しい調査の結果、幾つもの団体の構成員から同等の性別決定機構を持つ個体が発見されました。
これ以降、前述の特異的な遺伝子配列を持ったオブジェクトはSCP-XXX-JPと呼称されます。
インタビュー対象:研究所作業員:研究所襲撃時に確保した、研究所作業員に対して回収した物品やSCP-XXX-JPについてインタビューを行いました。以下、その際のインタビュー記録です。
インタビュアー::山之内博士
<録音開始, 20██/██/██>
山之内博士:初めまして███。私は山之内博士といいます。収容前の施設でのあなたの仕事内容を教えてください。
███研究所作業員:・・・・・私は、あの生物の管理だ。
山之内博士:それでいったい何をしていたのか教えて欲しい。
███研究所作業員:それを言ってどうする?
山之内博士:君はただ答えるだけでいいんだ。
███研究所作業員:黙秘権を主張する。
███研究所作業員は暫く口を開かなかった。
山之内博士:君達を確保するまで私達の仲間である職員の何人かが行方不明になっている。できれば・・・。
[山之内博士は何度も███研究所作業員に質問を行った。]
███研究所作業員:[少しため息をついて]君も仲間を失っているのか・・・。私も昔、ある事で失った。私の場合は家族をな。
[███研究所作業員は目の前にある机へ少し蹲る形で顔を下げている。]
███研究所作業員:他の仲間も同じ境遇だろう。その時、私は趣味の登山の最中だったから助かったが、その時期は山小屋で避難生活をしていた。
小鳥逃博士:山之内博士。申し訳御座いませんが、インタビューを終了してください。
山之内博士:私は君を呼んでいない。すまないが帰ってくれ!
小鳥逃博士:私は上からの指示でここに来てます。エージェント九十八、彼を非難させてください。
[警報装置の音が鳴る。]
小鳥逃博士:只今、SCP-XXX-JPを収容している収容チャンバーが破壊されてしまいました。
███研究所作業員:[言葉を詰まらせている]しかし、お前らにはどんな手を使っても我々の秘密は教えない。
山之内博士:分かりました。インタビューを終了します。
補遺:今回、███研究所の襲撃時に機動部隊ξが█点の資料と異常な特性を発揮するオブジェクトを回収しました.。
上記の資料から、回収したSCP-XXX-JPと『博士』の関連が疑われています。
さらに、これらのオブジェクトを簡易的な実験を行った所、共通してDクラス職員で実験した場合は異常な特性が見られるものの、
襲撃した研究施設の従業員で実験した場合は、何の特性も見られないか、あるいは我々が旧知している他のオブジェクトと比べ、明らかな安全性に配慮したと思われる特性がみられました。
回収したオブジェクトの調査が完了次第、追ってオブジェクト番号を設定します。下のオブジェクトは回収した物の一部です。
事案報告: 山中にある研究所の襲撃は成功しましたが、任務を遂行した機動部隊ξの1人であるエージェント鳴焚が、数日前に行方不明となりました。機動部隊ξに所属しているエージェントの証言によって、彼がサイト████の勝手口で喫煙をしていた所を最後に姿を消していた事が分かりました。
行方不明となってから██日後、███県████市内の森でSCP-███-JPを捜索中、喉元が無い頭部だけの状態で、エージェント・鳴焚の遺体が発見されました。それ以外の部位は今も捜索中です。
以下は彼が所有していた手帳から関係がありそうな項目を抜粋した物です。
[[tab title="20██/8/8 晴れ"]]
明日はO5からの命令であの忌々しい奴らの出所を探る作戦に参加することになった。
機動部隊が参加する理由は、奴らの本拠地を探るのだから調査中に襲撃されかもしれないという事だ。
本当に暑い日だ。巷ではアイドルのスキャンダルや政治家のニュースで持ち切りだと言うのに、
俺達は奴らのせいで、山奥で調査班を護衛しなくちゃならない。チクショウ。
ただ、財団のフロント企業がテレビ局のお偉いさんを検査した時に人ではない遺伝子が見つかったって話だ。
ネットを見たらそれも納得の話だが、今回は比喩なんかじゃない。マジモンだ。
インタビューログを見たらただの面白いおっさんにしか見えなかったが、
こんなどう見ても普通の人間としか思えない相手に、クソマジメなインタビューをさせられる山之内博士も可哀想だ。
思った通り、向こうも何も言う事無いから日常会話レベルで終ったよ。
ただ人間じゃないってだけなら誤検知される体質ってだけでケリがつくし、本人もそれをネタに面白い話を作れるだろう。
いや、無理だな。
[[/tab]]
[[tab title="20██/8/9 曇り"]]
昨日の夜に神さま仏さまどうか明日は涼しい日にして下さい!って祈ったら本当に叶ったよ。やったぜ!
俺が担当する調査隊は、山の南側を調査するC班だ。同じ機動部隊員の錫木は自分の担当がA班であることを自慢してくるが、
わけわからん。ガキかよ?俺は去り際に奴のケツを蹴り飛ばしてやった。スカッとしたぜ。
小鳥逃?たかきたと読むらしいが、変わった名前の博士に見られた。怒られてしまったよ。
今日は、比較的ゆるい斜面を調査する。休み時間は河原で休憩した。
その時調査班の一人が俺に子供の写真を見せてくれた。犬を抱きかかえている子供の写真だ。
そいつからペットと子供の名前を聞いたから素直に、良い名前のお子さんですね!と言ったが、
なんかそいつ、驚いてたよ。周りの奴の視線が痛い。
その後すぐに謝ったがものすごく気まずい空気になったさ。
この日は何も収穫が無かった。残念だよ。何か見つかれば気分転換になったと言うのによ。
くそ!錫木め、何所から聞いたのか分からない俺を笑い者にしやがった!
[[/tab]]
[[tab title="20██/8/10 雨のち曇り"]]
今日は東の沢辺りを調査するはずだったが、午前中はあいにくの雨で、反対側を調査することになった。
昨日の晩、顔が青かった病田が今朝はホッとした表情だったのを覚えている。
理由を聞いたがどうやら家族が病院に入院したらしいが今朝、命に別状はないと連絡が入ったそうだ。
こんな時は労いの言葉をかけないとな。
病田とはよく一緒に酒を飲みに行く仲だし、仕事も同じ班であることも多い。
あいつの家族には早く元気になって貰いたい。
この日は、子供の靴が見つかった。見た目は野犬が狼に噛み付かれたのか、ズタズタになっている。
何かの手掛かりになることを祈るばかりだ。
[[/tab]]
[[tab title="20██/8/11 晴れ"]]
[[/tab]]
インシデントレポートXXX-JP-02 - 日付 20██/██/██__
██月██日██時██分、██名の身元不明の人間によりSCP-XXX-JP-2を保管していた収容チャンバーが破壊されました。収容チャンバーに収容されていたSCP-XXX-JP-2は██体を残して全て消えていました。
先日、掛かって来た電話を逆探知した所、この音声はサイト████付近の公衆電話からの通信、その公衆電話を捉えた防犯カメラの映像を確認した所、身長170cm程の男性が映っていました。
財団職員がその映像を解析するとその身長170cm程の男性は数日前から行方不明になっているエージェント鳴焚である事が判明しました。しかし、本来の頭部は頭程の大きさの物体に大小様々な鳥の嘴を有し、顔がある筈の場所には一つの大きな眼が付けられた様な頭部と見られる物を確認致しました。機動部隊██が駆け付けた時にはこの実体はその場にはおらず、周囲を捜索しても発見されませんでしたが、エージェント鳴焚の物と見られる████を発見された事から、
山之内博士の判断の元、彼の体はこの実体に使用された物と仮定する事に決定しました。以後、この実体を暫定的にSCP-XXX-JP-3と呼称します。
音声記録XXX-JP - 日付 20██/██/██
山之内博士:君は誰かね?
SCP-XXX-JP-3:お前らが捕まえた我々の製品を解放させて貰った。
山之内博士:お前さんは一体、何の目的で私達の施設を襲ったのかね?
SCP-XXX-JP-3:教える義理はないな。だがこれから妨害されない為にもお前らの動向を探らせて貰おう。
山之内博士:いや!待ちなさい。
[電話の通信はここ切られた。]
追記: 先日、機動部隊員を1人失った。しかも、彼の頭と体は無残にも切り離されて、その体はSCP-XXX-JP-3の体として利用されている。
こんな惨たらしいことを奴らは簡単にやってのけるのだから本当に気が滅入るよ。
しかし、この間のSCP-XXX-JPを収容チャンバーから解き放った事件は、外部だけの犯行とは到底思えないんだ。
[データ削除済]『データを復元しました』財団が審査したプロが集められた警備員や機動部隊員が大勢いるのにも関わらず、解放できたのは怪しい。
これはSCP-XXX-JPが収容チャンバーの中から外部と何らかの形で連絡を取っていたに違いだろう。[データ削除済]『データを復元しました』寧ろ、内通者を疑うべきだよな。
一番の脅威は奴らが我々の内部事情をある程度、理解している事だ。もし、自身の意思でSCP-XXX-JP-1とSCP-XXX-JP-2を切り替えられたらどうなるか。
SCP-XXX-JP-2のことを考えると警備員には周辺にいる生物全ての動向には注意を向けて貰いたいが、SCP-XXX-JP-2に虫や水辺の生き物が存在すると言うことは、警戒域がとんでもなく広いな。
ざっと計算してみたが、定期的な駆除などの費用を考えると現在の財団の予算では到底賄えないだろう。
それどころか予算を捻出する為の収入はこれから危うい。なんせ我々の対峙する相手は一般人全てと言ってもいい。私なら親しい誰かと根回しをして関係者や組織を潰しに行く。
傍から見れば経営不振や不審死に見えるだろうな。
これからは人事採用や人型実体全てにSCP-XXX-JPを判別する検査が必要になる。
あの博士に関連していると思われる資料も気になる。あの研究所がもし、彼等の研究所なら我々が日夜下らないの数々に気を取られ、
何か重大な物事に気が付いていない可能性が十分にある。彼等の動向を何よりも警戒しなくてはならないと思うばかりだな。[データ削除済]『データを復元しました』それにしてもあの研究所の従業員をインタビューした時がどうしても私の頭から離れられない。
山之内博士