Fullarmerjonny-sandbox
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト81██の防音ロッカーに収容してください。SCP-XXX-JPを用いた実験にはセキュリティクリアランスレベル3を持つ職員による許可が必要となりますセキュリティクリアランスレベル2を持つ職員であれば自由に使用することができます。

説明: SCP-XXX-JPは白色の24cm×32cm×8cmのA4サイズのバスケットです。調査によりこのオブジェクトは細胞によって構成されている有機体であることが分かっており、破壊された場合、残存するうち最も大きな個体が驚異的な速度で自己再生し、元の形状に戻ります。残りの個体は一定時間後腐敗し、異常性を失います。1

また、底面には東弊重工及び日本生類創研のロゴが刻印されています。この2つの要注意団体とこのSCPの関連性は現在調査中です。

さらなる異常性は、このオブジェクトの中に主原料が植物繊維である厚さ0.3mm未満の紙を入れ、カゴメ唄の歌詞の一部を改変したもの2をSCP-XXX-JPの半径約1メートルの範囲内で歌われることにより発現します。歌われている途中、紙の形状は変化していき、最終的にチドリ目カモメ科カモメ属のカモメに酷似した個体(以下、SCP-XXX-JP-1とする)へと変化します。この時、唄が途中で中止されると数秒後に元の紙に戻ります。

SCP-XXX-JP-1の表面積は入れた紙のそれと一致し、見かけの質感はオブジェクトに入れられた紙の質感に依存しますが、それ以外の特徴は構成物質に至るまですべて一般的なカモメに酷似しています。また、SCP-XXX-JP-1は時折SCP-XXX-JPの外へ脱出しようとするしぐさを取りますが、SCP-XXX-JP-1自身の行動によっても外部からの影響によってもSCP-XXX-JP-1を生存した状態でSCP-XXX-JPの外へ出す試みは失敗に終わっています。さらに、一般的なカモメなら生命維持が不可能になる程度の損傷をSCP-XXX-JP-1に与えると、損傷により欠損した部分以外が変化前の紙に戻ることが確認されています。

SCP-XXX-JPは東弊重工の関連施設と見られる倉庫への突入により発見されました。倉庫内には異常性を持たない22口径拳銃を持った従業員が複数名おり、機動隊と交戦しましたが程なくして鎮圧されました。この戦闘による財団側の死傷者は出ませんでした。また、他にも複数の製品が残されていたものの、SCP-XXX-JPを初めとした製品の生産ラインと見られるものは再起不能なまでに破壊されていました。以下、SCP-XXX-JPと同時に回収された文書です。

補遺1: SCP-XXX-JPを用いた実験中、研究員の一人が”かもめかもめ”と”かごめかごめ”を言い間違えた結果、一時的に不完全な人型物体が形成された後、意味不明な言葉を叫び、程なくして消滅しました。また、実験に使われた紙にはその全てに判別不可能な文字が未知の成分で書かれていました。この時点で実験に携わった財団職員に精神的な影響は見られませんでした。

補遺2: 補遺1の実験の数日後、これに携わっていた職員のうち複数名に軽い興奮が見られました。この興奮はBクラス記憶処理によって抑えられ、以後再発することはありませんでした。これによりSCP-XXX-JPに何らかのミーム汚染作用があることが示唆されました。

補遺3: 2007年2月14日、送り主不明のカセットテープが██にある財団フロント企業█████に送られてきました。以下、その内容を文章化したものです。

やあ。私は東弊重工の者だ。何故私が君たちにこのカセットテープを送ったのか…それを今から説明しよう。1年前、君たちは██県にある我々の倉庫、もとい工場を襲い、いくつかの製品を奪った筈だ。その一つであるリサイクルBASKETS…君たちは多分もう真相にたどり着いたんじゃないかな。そうだ。実はあのバスケットにはヒトが「材料」として使われていたんだ。
全く…悪趣味な話だとは思わないか。これだから、日本生類創研の、奴らは…
(数秒の沈黙)
すまない、少し取り乱してしまった。さて、なぜバスケットに入れた紙が「かもめ」になるかは実はよくわかっていないんだ。そこで、私は一つの仮説を立てた。もともとあの技術は「かごめの歌」に対応したものであり、その媒介として「かごめ」、つまり女性のヒトが必要だったのだろう。[footnote]]この仮説は[「かごめの歌」の「かごめ」は「籠の中の女」である]という都市伝説から立てられたものであると推測されます。[/footnote]]恐らく「かごめの歌」をあのバスケットの前で歌ったときに起こるのが本来あの技術を用いたときに起こる事象なのだろう。なぜ奴らがそんな技術を開発したか?それは私の考察が及ばない域だ。君たちももう試したんじゃないかな?最も、我々が気づいたのは安全性の検証の時なんだがな…。

しかし、その技術には1つのバグがあった。「かごめ」にとても発音がよく似た「かもめ」という言葉を使うと事象は不完全な形、つまり「紙に生命兆候を持たせるだけ」で終了してしまうんだ。恐らく奴らはそのバグを敢えて最適化するよう我々に依頼してきたのだろう。実際、ただの紙屑が食べられるようになればそれこそ革新的だからな。

以上だ。我々はヒトの体をいじくり回していたことになる。

私には恋人がいたんだ。同じ工場で働いていた。ある日、彼女は1年間の長期研修に呼ばれたんだ。割ればなれになるのは悲しかったが、きっとまた会える。そう信じていた。例の研究が始まったのはその1ヶ月後だ。そして研究の大詰め、安全性の検証の時だった。私は知ってしまった。「特殊部材」が人間であること、いや、私の恋人であったことを。私は、彼女をいじくり回して、いじくり回して…
(吐瀉音らしき音声が入る)

ここからは私からの頼みごとだ。どうか彼女を救ってやってほしい。実は、倉庫の情報をリークしたのは私なんだ。彼女を君たちに渡すために。君たちは彼女を収容するだろうが、もうそれでもいい。壊されるよりはよっぽどマシだ。私はせめてもの償いとして、今から例の研究のデータを破壊しに行く。
恐らく、私の命も今日で終わりだろう。
最後に、彼女に伝えておいてくれ。
「すまなかった。こんなことを言えた口ではないが、愛している」と。

内容より、カセットテープの送り主は「雲母 勝」であると予想されます。

補遺4: 財団倫理委員会により、SCP-XXX-JPを用いた今後の実験の是非が話し合われた結果、特別な危険性がないこと、そして倫理観な観点からSCP-XXX-JPによる実験は████年█月██日を以て無期限に禁止にされました。