初めまして、日本支部職員のfish_paste_sliceと申します
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[蛇御門具足(SCP-1702-JP)] 蛇御門具足
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[SCP-CN-078] 孤灯
[SCP-CN-610] にんべんにうし
[SCP-CN-419] 新時代宇宙出会いフレンド系ソフトウェア!
[SCP-CN-077] 破砕星塵
[SCP-CN-500] 饕餮
[SCP-CN-186] 弱水
[SCP-CN-666-J]ニャオニャオニャオ
[SCP-CN-520]発送は分割できます
[SCP-CN-289]地球辛酸史
[SCP-CN-119]家族愛餃子館
[SCP-CN-001]アングリアの提言
[SCP-CN-1578]銀針
[SCP-CN-660-J]鳩達の無間地獄
[SCP-CN-527]愛は世界を救った
[SCP-CN-815]祖国の花
[武器整備士ブリーフの人事ファイル]ブリーフ博士の人事ファイル
[SCP-CN-792]スズラン街灯
[SCP-CN-469]伐採木
[[http://ja.scp-wiki.net/silent-pine-bloodstained-girl 沈黙の紅松、血染めの女]]沈黙の紅松、血染めの女
できるといいななんか、いける気がする
freedomkoo的提案 -八荒-
http://scp-wiki-cn.wikidot.com/freedomkoo-s-proposal
あなたは再度俯き、手中のナビゲーターを見た。サイトーCN-89を示す光点は、あなたから数キロメートル離れた場所で薄暗く点滅している。スクリーンの微かな光は薄暗い空模様の中にほぼ融け込んでしまった。
さほど離れていない場所の茂みが、騒々しく音を立てて動いた。あなたはすぐさま銃を構え、緊張と共に周囲を見渡した 。――この辺りには何らかの異常や、あるいは敵対するGOIのエージェントがいるはずもないが、しかし山奥に位置するサイトの常で、その危険性はそれらと全く遜色がない―か弱い人間にとっては。飢えて腹を鳴らした狼や凶暴な熊は、無防備なあなたを 死地に追いやるだろう。
幸いにも、間もなく音はしなくなった。もしかしたら、ただの好奇心旺盛なウサギだったのかもしれない。あなたは息を長く吐き出し、傍らに見つけた平らな岩に腰を下ろして、一息つくことにした。
頭上では黒色の太陽が周囲の空を薄暗く照らしており、光輪は太陽の表面を静かに覆っている。現世では、これは日食の時にだけ見られる光景だ。東方遙か遠くの天幕は重苦しい鉛色が現れ始め、黒い太陽は西方に傾いている。あなたは、間もなく夜が訪れることを知った。天が黒くなる前に、サイト-CN-81に到着しなければならない。
時間はあまり残されていない。
あなたはサイト-CN-89へ踏み入った。あなたは眼前の功労とした光景に驚きを禁じ得ない…通行カード証も無いのに、サイトのゲートは開かれ、セメントの壁には墨が筆で“纵有千古,横有八荒,此乃放逐之地1”と書き殴られている。左側にはまた“你为什么要欺骗我们2?”の“欺骗”二字の下に隠すように、ナイフで深々と“回家”3と刻まれている。
二歩歩いて、唐突にあなたは何かに躓いたことに気付いた。それは手首の位置で切断された右腕だった。その薬指にはダイヤモンドの指輪がはまり、無造作に道端へ投げ捨てられている。そこで、血肉は腐敗しておらず、何故サイトの職員はそれを回収するか火葬せず、往来で踏みつけられるままにしているのか判らない。ひょっとしたら外に出るのを嫌がっているのか、他の理由があるのだろうか。あなたは無視することに決めた。
あなたは建物に入り、階段に沿って上へ進む。この場所は観測と研究サイトであり、そのため収容ユニットは設置されていない。奇妙なことは、あなたがこのサイトの通路を進んでも、誰一人職員を見かけないことだ。
F5層主通路を通りサイト管理監室へ向かう。あなたは扉をノックしたが、この動作は徒労に終わった。扉はあなたの一押しで軽々と開いたためだ。すでに主人が替わっているが、しかしここはかつてKooの執務室で、入るとすぐに高さ四メートルの大型水槽が目に飛び込んできた。彼女は以前“Scarlet"と名付けた一匹のレモンザメを、鮫と鮫を名付けた主人が突然死ぬまで飼っていた。
当然、現在はその水槽は空になっている。新任のサイト管理官は生臭いのが好ましくないためだ。あなたは手帳でこのことを読んだ。あなたの右側には、一代のパソコンがある。スクリーンセイバーは微弱ながら白黒に点滅し、来客へパスワードの入力を指示している。
あなたは、パソコンの前に座った。
警告!
当該ドキュメントの取得にはレベル4/001クリアランスが必要です。クリアランスを取得していない、或いは財団設備登録のなされていないアクセスは全て侵入と見なされ、即刻レベルRed-Killer致死性ミームが展開されます。
あなたは警告されています、そしてこれは最終警告です。
パスワード入力 ________________________________
アクセス[データ破損]再起動/回復データベース:最高機密に含まれる管理官クリアランスが必要です
検索中……
…
……
指令を確認、4/001クラスアクセス権限を授与
あなたはKoo博士から渡されたポータブルHDDを取り出した。彼女から伝えられた任務は、このHDDをサイト-CN-89へ運び、中の資料を読むためのパソコンを探すことで、その後は休暇を楽しむことができる。あのろくでなしにこんな親切心があるだろうか?彼女が一緒にいた研究員の頭蓋を拳銃で撃ったと聞いた後では、とても信じられないだろう。しかし、あなたはこの任務に就かねばならない。
あなたはポータブルHDDをパソコンへ接続し、リズミカルに点滅する白色のパイロットランプを見つめた。しかし、あなたの思考はどこへ向けられているのかわからない。
転送が完了したことを示すアラームが鳴り、あなたの意識は突然戻された。HDDを展開し、番号がつけられた幾つかのファイルを見つける。あなたは、番号順に閲覧するべきなのだと考えた。
マウスを最初のファイルへ移動させた。
“八荒”オブジェクト先行調査及び評価報告
オブジェクト時期: 1999年11月5日
調査チーム: 情報部門
主な責任者: フリーダム S.クー博士
目的:
サイト管理官ダークライトの命令により、SCP財団の関連規定に基づき、準則及びガイドラインに従い、番号未分類オブジェクトへのリスク、収容意義及び研究価値等を鑑み、速やかに"八荒"を調査・評価し、収容のための参考にする。
範囲:
当該オブジェクトは財団に回収される以前の記録され、現地への影響の有無についての第一段階調査は私の個人的理由により、歴史的文献や新聞のバックナンバーに焦点が当てられた。オブジェクト内部への調査は探索チームの提出したレポートによって行う。
内容:
財団の記録上では、オブジェクト(番号未分類、暫定的に"八荒"と命名)は雲南省の██████で発見された、空間異常として記録されています。その入口(壁面上で絶えず動き回る門、"閉鎖"と呼称)は███時期に建設された二階建ての建物に付属し、その移動不可能及び不定形の性質により、収容することができなません。財団はその周囲にサイト-CN-89を建設し、SCP-CN-890、SCP-CN-426等を含む多くのドキュメントファイル内の虚偽資料によってサイト-CN-89の真の機能を隠蔽されています。
オブジェクト内部は進入可能かつ無限大であり、試験中は通常"無音で静寂な白黒の空間"と表現されます。その内部の物質構成はこちら側との差違はないと考えられているますが、それを確認する方法はありません。また、"閉鎖"が開かれた瞬間にこの両空間がいかなる相互作用も発生させない理由も判明していません。しかし、内部のヒューム値レベルは低い(約0.3~0.65)ことが判明しており、このため探索に関わる機動部隊員へ標準防護服を着用させ、かつ長時間或いは複数回内部に留まらせないことを提案します。
この場所では異常現象が発生します。通常、この種の状況に遭遇した場合は、異学会の資料を調査して構いません。例えば███年の記録には「██████、███山陰墨の如き泉の湧く、陰晦点を蔽い、霧雨の如く重なり、星日を見ず昼夜を累ねる」と記載されています。これは"八荒"空間の異常性質と符合しますが、この異常現象をオブジェクトの影響によるものなのか、或いは誇張された伝聞なのかを証明することはできません。また、ここ二十年間のニュースでも上記の記載は見られないため、この方面の調査は当面保留されます。
検査によれば、ほとんどの職員は帰還時に一様に焦燥、緊張等の負の感情を表わします。しかしそれが生理学的指標なのか、或いはミーム抵抗性レベルがこれまでより遙かに高いのか、現在の所、このように変化する副作用については依然として不明です。
加えて、探索職員が報告した退館時間と外部記録は一致しません。補給品の消耗量もそれを証明しており、このためオブジェクトには時間異常が存在すると推測されます。
後続意見と提案:
ああ……私に議案を提出したいのなら、それは少し難しいかもしれません。結局私は、卒業したばかりの情報科の学生なのです。 あれの本質は実に神秘的で、異常な点が多くあります。研究して使用することができれば、必然的に将来の我々の仕事の大きな助けとなるでしょう。しかし……我々は既にこのオブジェクトのためにサイト-CN-89を建設し、それを用いて更に多くのことをすることができるのではないでしょうか。例えば - 私が言いたいのは、幾つかの方法を改変することが見つけられるかどうかということですが - 内部構造や物理法則、特にヒューム値レベルの改変が極微細なレベルに留まる限り、この空間はつまり、相対的に、人類にとって敵したものにできるでしょう。建設計画を開始し、固定式で安全な予備のサイトを建設することで、起こりうるリスクに備えるのです。それは避難港にはならないでしょうが、少なくとも、低威力かつ自我のないアイテムを保管することには使えるでしょう。
また、上述の例によれば、後続調査をして、それが最終的にどのような影響を人間に与えるかを判断しなければなりません。物理的なレベル?異常な力量または某かの精神影響?この他に、いくつかのセキュリティ対策を申請します。しかし、具体的な方法はまだ考えていないので、後日、あなたと面談して直接話すことにします。
補遺: 何故かはわかりませんが、最近、少し疲れているようです。そして……私は、実のところ些か恐ろしいのです。見て判るとおり、私は…まだ若いでしょう?このオブジェクトは今のところ…大きな危険は無いように見えるけれど、それでも - そう、私は少しばかり緊張しているのでしょう。あなたが、ご自分の下した任命に慎重になってくれることを願います。何か進展があれば、報告を書いて提出します。
- Freedom Koo,レベル2情報職員(あなたの個人的な秘書ではありません)
日時:1999年11月7日
TO:情報部門責任者フリーダム クー
FROM:サイト-CN-89ホーリー・ダークライト管理官
報告を受け取った。まず、君に説明しなければならない。私の人事任命は熟考を重ねた上でのものだ。君のこれまでの職歴を見ると、君は単なる情報職員に留まらない、Euclidクラスオブジェクトに単独で責任を負える一般研究員としての能力を完全に備えていると考えている。このオブジェクトの細部に私への申請と私の承認が必要ではあるが、君の研究と提案には価値があると考えているよ。
しかし、我々の眼前にある事実は極めて厳しく、現在CN支部の日々緊縮される予算と削減される補給を見れば、例えオブジェクト内部を安定させるためにスクラントン現実錨等の様々な工具を使用したとしても、その後にどれ程の物資と人力が投入されるか見積もることは難しい。報告もまた曖昧模糊としている。そのため、残念ながらこの提案を通すことはできない。
しかし、これは君の提案に価値が無いというわけではない。我々はオブジェクトを更に理解せねばならず、また計画に加わる人員へも配慮せねばならない。君には、速やかに次の報告書を提出して欲しい。
更に、注意しなければならないことは、財団のドキュメント中の報告に記載する場合は、可能な限り超然客観的な語調を用いて欲しい。君のドキュメント中には情緒的な表現が多すぎる。これは不必要でかつ避けるべきだ。
君の新しい成果を期待する。
“八荒”オブジェクト後続報告
オブジェクト時期:2000年1月30日
調査チーム:情報部門
主要責任者:フリーダム S. クー博士
目的:
- 八荒内部状況の探索;
- 実用的かつ適切な処理実施及び計画の提供;
- 必要な資金及び研究設備について明細提出;
- セキュリティプロトコルの制定。
事項1:
“八荒”内部の距離は無制限に広がっていると考えられ、地質構成は現実の虚像となっていますが、███時代とより相似していると思われます。現在に至るまに、財団職員はサイト-CN-89のある山岳地帯に対してのみ探索を行っています。オブジェクト内部は顕著な光学以上を呈し、人間の目で識別できる色彩に欠いており、照度と彩度は外部環境の50%しか無く、照明設備は殆ど機能しません。かつ、時空異常はオブジェクト内部の昼夜の著しい不均一を引き起こし、昼は長さ4-5時間程度です。太陽もまた異常を呈し、その目撃者は“ブラックホールを彷彿させられる”と表現され、現在もオブジェクト内部の植物がどのようにしえ異常な陽光から光合成に必要な証明を獲得しているのかは判明していません。
オブジェクトは現実と相対的な空間以上であると考えられ、ミーム指数は相当低い値に達します。これは、オブジェクト内部の事象は通常よりも遙かに低い速度で損壊または腐敗し、一部の物理法則は現実に反し、異常性の出現頻度は比較的高く、しかし致命的ではないことを意味します。財団の派遣した職員を除き、オブジェクト内部に人間は居住していないと考えられます。
事項2:
オブジェクトの明確な空間異常により、“八荒”内部にサイトを建設し、実験サンプルの緊急倉庫を移設し、オブジェクト内部の致命的ではない全ての異常性に対する研究をも可能にすることにより、財団に利益をもたらすという目的を達成する。“八荒”内で抽出された物質を分析し、改造する実験チームの手配を申請する。
事項3:
- SCP-148“テレキル合金”の獲得及び使用
- 物品-███“テセウスの門”の獲得及び使用
- ██台のスクラントン現実錨及び非物質変位無効装置(nPDN)
- 侵入性実験設備█████-IV
- 一般的なKeterクラスオブジェクトを処理するために必要となる収容装置及び重装火器類
- 実験に用いるためのDクラス職員を少なくとも50名
事項4(安全措置):
今のところ無し。
- フリーダム クー、レベル2情報専門員
日時:2000年4月6日
インタビューアー:クー博士
インタビュー対象:エージェント・リーン
前書:第一回通常探索を経た後、“八荒”の新たな異常性が発見されたため、エージェント・リーンはオブジェクトの内部機能及び彼の現在の状態、そして彼の現在の心理をより理解し評価するため、クー博士のインタビューを受けた。
<記録開始>
クー博士:それじゃあ……ああ、それでは、あなたは今どのように考えていますか?
エージェント・リーン:幽霊を見た!俺はダークライトのクソ野郎は仕事を全部やり遂げているか、少なくとも自分でやるだろうと思ってたのに、どうしてあいつの助手が俺を煩わせるんだ?ああ良いだろう、協力してもいい。ただし、手短に頼む——
クー博士:…うん?いいでしょう、それでは、あなたが第六次“門”内部探索へ参加した時、何か特殊な感覚はありましたか?
エージェント・リーン:ちょっと待った、聞くんだ博士、そんな同情の目で俺を見るな。俺はあんたのこんなにも溢れる共感に感謝しているんだ。それは財団では貴重だが…それは俺を不快にさせる。(一次停止)ああ、ありがとう。他の奴がこれをを聞いたかどうか知らないが、俺は、奴らは泣いてるんだと思う。
クー博士:泣いている?
エージェント・リーン:ああ、そうだ。実のところ、“聞いた”っていう所は正確じゃないと思う。もっと言うなら、俺はある種の幻覚があった。第三回から何となく感じ初めて……俺があの中を歩いている時に、泣き声が聞こえた。だが、それはあってはならなかった。そうだろ?あんたの測定では、音声はあの空間中では伝播できないことが証明されてなきゃならない。だから、俺は幻聴を疑った。(ポケットへ手を伸ばす)あー、煙草があったと思ったんだがな。
たまに……たまに俺を注視する視線を感じた。俺は群衆の中で一人で立ってて、他の奴らはみんな一方向を向いていて、俺と並んでいたり、向かい合ったり、あるいは俺の後ろに立っていたりした。だが、俺を見てる“奴”がいたんだ。この感じは普段の生活でもたまに現れた。これはすこぶる良くなかったが、だが絶えられない程のもんじゃなかった。
クー博士:他の人はそれを感じなかったのですか?
エージェント・リーン:誰も感じなかったと思う。もしこれが本当に精神影響だとしたら…俺があそこの中にいた時間は、新人どもを何人か足したのよりも長いんだろう…それで、俺だけが今、こんな風にになっちまったことを説明できるだろう。あんたは、他の奴には検査はしてないのか?
クー博士:もしかしたらするかもしれない。ああ…その声以外では…そうね、あなたは今、何か感じるの?
エージェント・リーン:多分大丈夫だ。これは真実じゃない……あんたは、俺の言いたいことは分かるだろ、始まった頃は慣れていなくて、ある朝目を覚ますと俺はベッドで自分がシーツにはまり込んでいるのを見つけた。(手を上げて目を揉む)だが俺は自分の歩く道を好きなように選べるし、行きたいところへ行ける……たとえ危険に出くわしたとしても顧みない。そして、俺はまだクソったれな俺のままでいる。これは本当に幸福なんだろう。正直に言えば、こういうのは悪くない。
クー博士:あなたは、何がこのような変化を引き起こしたのかは知らないのですね?
エージェント・リーン:これは、あんたが知っておくべきことだろう……指示機は異常な数値を示さなかった。あんたが教えてくれたこと以外にも、俺達はあそに細心の注意を払った。
クー博士:ああ——うん。私も注意するわ、私はきっと解明していく。
<記録終了>
インシデント番号:EVE-001
脅威レベル:黒 ●
インシデント説明:EVE-001は中国国内で発生したXKクラス世界終焉シナリオの番号です。このインシデントが発生した二十四時間以内に少なくとも███████名の一般市民が死亡、そして財団のサイト-CN-██、サイト-CN-██、サイト-CN-89、サイト-CN-██の損失と████名の財団職員の失踪及び死傷を引き起こしました。
2000年9月9日、セキュリティスタッフがサイト-CN-89の管轄範囲内の未編号オブジェクト“八荒”が異常活動の兆候を示したのを観測しました。内部のヒューム値は約3.4まで急上昇し、当時探索中であった機動部隊MTF-辛未-19の損失を招いたと推測されます。同時に、“閉鎖”を含む建物の外観からは色彩が失われ、そしてこの異常性はただちに拡散をし始めました。
現実安定設備類の未配備のため、サイト-CN-89はこれらの異常に対処することができず、指揮部へ緊急支援要請をした時、オブジェクトの異常性質はサイト全体を覆い、すぐに避難した一部の高級職員を除いて、サイト-CN-89の全職員はオブジェクトの異常影響に巻き込まれました。生存者の証言によると、色彩全てが喪失すると同時に、彼等が研究していたオブジェクトは奇妙で攻撃的なものに変貌し初めました。一例を挙げると鳥類が翼を3メートルにまで成長させ。一人の研究員を掴み高度25メートルから放り落としました。
事件発生の35分後、サイト-CN-89の逃げ遅れた職員全ては喪失しました。身分不明の実体(EVE-001-1に分類)はどの不明な時期に殺害または変身した職員であると推測されます。緊急信号が発信されなかったため、これらの実体は救助と保護を求めてサイト-CN-██、サイト-CN-██、サイト-CN-██へ進入し、更に多くの財団職員の死傷を招きました。
EVE-001-1変身させられた実体は以下の特徴を有しています:“八荒”探索実験を実行中であった、或いはオブジェクトの影響範囲内にいた;全身黒色であり、白目と瞳孔のみが白色である;人間の意識をある程度有しているが、それよりも更に大きな割合で集合意識に従う。通常の弾薬で対応は可能ですが傷害を与えることは困難であり、これまでのところ、照明弾等の光学武器が最も有効です。
インシデント発生から2時間が経過しても効果的な収容には至らず、オブジェクト影響エリアに接近した職員は、接触していなくとも明らかに緊張と恐怖の感情を示しました。報告によれば、彼等は激しい悲鳴と啜り泣く声を聞き、オブジェクトから離れた後、これらの影響は消失しました。
事件発止の十時間後、オブジェクトの影響範囲は周辺の町や村に及び、一般人がEVE-001-1に変化する事態を招き、これにより収容は更に困難になりました。利害を比較検討した後、財団は当該エリアに対し重火器を使用して覆蓋式攻撃を実行し、その後緊急現実安定設備を用いて事態を確保しました。
事後処理:
- このインシデント後、“八荒”オブジェクトはSCP-CN-001に分類され、指揮部以外の命令では再開できなくなりました。サイト-CN-89は[編集済み]に再建され、常時SCP-CN-001内部の状態を観察するとともに、研究及び防御任務を担当します。
- ダークライト博士は引き続きサイト-CN-89管理官となり、それ以降の業務についてはO5-█の命令により非公開機密に分類されました。
- 自ら申請を提出したことにより、クー博士は現在の職場から離れ、香港のサイト-CN-71へ異動となり、暫定的に収容スペシャリストのスカーレット博士をサポートして簡単な行政文書を作成し、次回の査定を待って新たな任命を受けました。短期間の調整を経た後、彼女はインタビューを受ける能力を有することを示しました。
- オブジェクト次席責任者██ █は早朝3時50分、宿舎内で死亡しているのが発見されました。死因は自身による銃創であり、対象の非個人的資産は回収されました。インシデント発生時における対象の積極的な責任のある行為により、体操に対する死後の糾弾は公表されません。
- 幸運にも生き残った他のオブジェクト関係職員は記憶処理を受けた後、各自新たな任務が割り当てられます。
- 倫理委員会と人事部の協議を経て、式部はインシデント中に殉職したエージェント・リーンに対して財団の星を贈り、オブジェクト研究計画中の貢献、及びインシデント発生時の英雄的行動を表彰することを投票決定しました。
あなたは微かな風がカーテンを揺らす音を聞いた。顔を窓口へ向けて見れば、既に夜が訪れていた。青白い月が天上に掛かり、薄暗い灰色の光芒が大地を見下ろしている。あなたはとうとう、何かがおかしいことに気がついた。ここは静か過ぎる。人の声が無いだけでなく、鳥獣の鳴き声さえ一切存在しない。
あなたは来た時の道を思い出した - 草むらの僅かな動きを除いて、あなたは一匹も野の獣を見ていない。この認識は突然あなたを恐れと不安の中に陥れる。結局のところくそったれなこの場所はいったいどんな酷い場所なんだ?
待て待て、何がおかしいんというんだ?
長年の訓練により研ぎ澄まされた神経は、何者かがあなたを見つめていることに気がついた。だが既に暗闇がこの執務室の無数の隙間を侵食しており、いずれの隅からもあなたを見つめる双眼があるのかもいれない。あなたは緊張して唾を呑んで - カーソルを次のフォルダに合わせた。
一点の画像、数点の短い動画で構成されたファイル、いずれも.avi格式だが、あなたにはその動画が何を記録したのか確認することが出来ない。なぜなら、理性がそれらが全く存在し得ない存在だと警告をしているからだ。
サイト管理官ダークライトが執務机に着き、表紙は煌びやかだが大部分は古めかしい書籍を読んでいる。自分が撮影されていることには気付いていないらしい。
ダークライト博士:(不明瞭な囁き声)……混沌の力量、亡者の鮮血……呪文と深淵の色を伴う、これは皆一切全てであり、(道の言語)の学徒が今読んでいる教科書は真実ではないというのか?
[五分間に渡る溜息と啜り泣き]
クー博士が右腕を押さえて医務室へ跳びこみ、すぐさま倒れて昏倒する。
女:血が出ている。
男:傷口は無い。これはどうやったんだ?
女:彼女は苦しんでいるみたい……あら、泣いているわ。
金瞳の黒竜が、ダークライト博士に撫でられている。周囲には鱗が散らばり、尾からは鋭利な骨棘が生えている。
巨大な屍坑で、一人の不明な男性が高知の上に立ち、十五分間に渡り未知の言語を発し、その後高地から飛び降り、屍坑の中央へ落下したが、それでも死亡しない。
男はナイフを取り出し、自身の手首と頸動脈を切る。血液は濃黒色に見え、死体と接触するとその血液をも黒色に変換させた。この時画面は白黒に変換された。
識別の結果、この男性は清代██年間における異学会太尉███であった。
一人の女児が、スズラン畑の傍らに立っている。その姿は漆黒、白目と瞳孔は純白で白色の光を放っている。
一人の財団エージェントが“閉鎖”の外に出る。激しい痛みのために暫し振るえているように見る。傍らの女性研究員が助け起こすと、対象は明らかに困惑している。
[ビデオ画像が消える]
[銃声と女性の金切り声が混じる]
何をしているの?:
男:お前は俺を傷つけた、お前はあそこで俺を死なせた——
[啜り泣く声]
前回インタビュー記録の続きだと思われる。エージェント・リーンとクー博士がテーブルの両側に座り、カメラはさほど離れていない植木鉢の中に置かれている。クー博士は異常に焦燥していると見え、テーブルの下では落ち着き無く指を動かしている。
クー博士:ああ——うん。私も注意するわ、私はきっと解明していく。
エージェント・リーン:ちょっと言いたいことがあるんだが、いいか、博士?
クー博士:あら、どうぞ。
エージェント・リーン:俺が思うに……あんたはとびっきり頭が良くて、或いは前途は計り知れないのかもしれない。だがな、あんたは専門の訓練を欠いている、そうだろう?あんたはまだまだ経験が無いらしく、空間異常と現実歪曲の区別すらついていない……もしも俺がレポートを書かなきゃならないなら、事実上後者を使った書き方を選ぶだろうな。あんたは俺達が直面しなきゃならないことを理解していない、これが財団なんだ、博士 - 煙草か何かをくれないか?
クー博士:あっ、ああ、ごめんなさい、ここは禁煙エリアなの。あなたの提案は考慮するけど -
エージェント・リーン:けど?
クー博士:さっきあなたは喫煙を止めたと言ったわ、それに私はダークライトの研究助手ではないし、あなたもこれまで私を博士と呼ぶことは無かった。忘れたの?前に私の家に招待した際に私の卒業証書を見て以来、あなたはずっと私を本当の名前で呼んでいるわ。
エージェント・リーン:ああ、すまん、どうやら少し記憶が不鮮明らしい、つまるところは、最近多くのことが起こりすぎたんだ。(溜息、こめかみを抑える)ああ、思い出した、あんたの家はすごくきれいで、もちろん -
クー博士:私の家は[削除]にあるのよ、ばか! - ここからは二千キロも離れてる。それで、あなたは一体誰のことを言っているの?
エージェント・リーン:あっ……俺はクソだ。あんた——
[ビデオが消失、重苦しい衝突音と、女性の叫び声が同時に起こり、その後二発の銃声]
[収容違反の警報音]
巨大で双頭のカラス科の鳥類が一羽林上空を飛翔し、鋭利な鈎爪使って目に入る全ての職員を攻撃する。前の画面で出現した黒龍と鳥類がもつれ合いながら争い、両者はそれぞれ地に堕ちる。地面には大量の亀裂が出現し、急速に蔓延する。観測が及ぶ限りの遠方で火焔と煙が出現し、Kクラスシナリオが発生したと思われる。
三名の財団職員が“八荒”オブジェクトの印がある未知の機械を操作する。海水に類似した灰色の物質が地面を覆い、画面が機械の下方向周辺から白黒へ変換され始める。亀裂、火焔及び煙も消失し、画面は完全な白黒になる。
[画面外の音]女:我々は前進しなければならない。
遠くから近くへ、慌てて、かつ乱れた足取りで、扉はノックされて開かれると共に閉じられてロックされる。重たい物が床で引きずられる音は、扉に辿り着いた時には軽くなっており、女性の啜り泣く声と不明瞭な独白が混じる。 |
重々しいあえぎ声。肘掛け椅子に座り、疲れ果ててキーボードを叩く物がいると思われる。 |
き - 緊急プロトコルを起動、[嘔吐く] - - “豈に一時の好なからんや、久しからざるは当に如何すべき4?”
コードFreedom Koo、パスワード……パスワード - ”YOU ARE FILTH””
こうやることにするわ、新しいドキュメントを作るのは、番号……アイテム番号、SCP-CN-001、番号の何が重要なの!? - オブジェクトクラス……Keter或いはEuclid若しくはあの堕天使の名前でもいい……ああ神よ、私はそんなこと気にしません - [啜り泣く]ただ…私はただ…ごめんなさい、私はとても怖かった。
特別収容プロトコル、ああ、そうよ、事実上、私はそれを収容できるとは思えない……もしかしたら以前はできたかもしれない、けど私達がアレを起こしてしまった後では、できない。二度と出来ない。説明については……
あの日、私は夢を見た。夢で私はサイトにあるダークライトの執務室にいて、慟哭と啜り泣く声を聞いた。それはいつも私の脳内に付きまとって拭い去ることの出来ない声と全く同じだった。
数分間の沈黙、震えを押さえつけた喘ぎ声が聞こえる。 |
……
听我说。
[深呼吸]我的名字是顾自由,1997年进入基金会,1999年时被分配至Site-CN-██作为情报分析员,主要负责文书工作和资料调查……也曾在Holy_Darklight博士手下任职。换言之,在我被调至Site-CN-71前,关于这个项目 - “八荒”项目的很多 - 很多信息我都有所了解,甚至 - 甚至大部分我都有所参与。正因如此 - 正因如此,我才能,我才有机会能告诉你们到底发生了什么。
这个项目最初的名字是“阴阳”,而“八荒”则是我提出的,颜师古注:「八荒,八方荒忽极远之地也」,四面八方遥远的地方,犹称“天下”。我将之视作空间的延续,通向无。而且这看起来更像是个具有地点性质的异常,为了混淆视听我甚至还写了些假文档放进了主列表中,旧法,或者说是旧语言 - 晦涩难懂,但行之有效,让不该知道这些信息的人提不起兴趣。
还有一个原因则是源于我的自负。“我愿生两翅,捕逐出八荒。”只要 - 只要,[声音因激动而颤抖]我……我那时太年轻了……Darklight他也有些偏爱 - 纵容我了,所以——
天哪……[啜泣]
无法辨识的低声自语,几次吸气后又归于平静,似乎正在组织语言。 |
……
不论你是谁,如果能看到这个,应该已经听说了发生在Site-CN-89的那场事故,对此我感到十分遗憾。如果你想问我究竟发生了什么,那么从上一份文件中你应该已经看到了。那段时间我们确实取得了非常惊人的成果,在“八荒”内进行的一些SCP实验之成功令人难以想象 - 我们真的,真的太过骄傲了。
我们创造出了很多东西,甚至包括龙,一条真正的龙。作为送给Darklight的礼物。当然,我从未真正穿越“闭锁”进入“八荒”,我是个文职人员,只负责文职工作,Darklight进去过很多次,负责Site-CN-89的管理工作……那天他不在场。然后Lyn闯用枪指着脑袋质问我为什么要杀了他。
近乎痛苦地抽泣,伴随着敲击木桌的声音。约三分钟的沉默,可以听到扶手椅拖开后沉重的踱步,由房间一边踱至另一边,似乎是在思考。 设备调试声,摄像头打开,Koo博士收回左手,垂首坐在终端前,双手交叠撑住额头,颤抖且短促地喘息着,状态似乎很不好:头发和衣服上布满灰烬和污渍,左脸颊沾满血迹,不确定是否受伤,脖颈处有明显淤青和掐痕。房间内几乎是完全漆黑的,只有一盏白色台灯还亮着。 |
你们根本不知道最可怕的是什么。
用了好久我才下定决心 - 我站在“闭锁”面前……我什么都没看到。我甚至没有看到黑暗,我看到无,没有,一片空虚……和从摄像头中看到的不一样……这不一样。
我仿佛意识到会发生什么……其实我也不知自己该做些什么……所以我就只能朝那虚空中伸出手去,我的指尖毫无阻碍地碰到了那虚空之中。然后是手指、手掌、手腕——然后我用刀砍下了自己的右手,Karldark给我的刀,锋利非凡。
Koo博士抬起右手,掌心朝向镜头,尝试着活动手指。外侧皮肤呈现出烧伤后的疤痕,记录显示这是21号站点事故遗留,手腕处则有一圈模糊的深红色伤痕。 |
——痛苦。
有那么几秒……也许是十几秒或者几十秒,我的右手毫无知觉,好像被浸入某种粘稠的介质之中。我不知该怎样形容这个,好像我正要坠入梦乡,放松了全身的神经一样,甜蜜而缓慢……但是紧接着所有的神经都再次连接上了,灼烧痛苦撕裂挤压碾碎——随便用什么人类的语言来形容吧,但也只有短短一瞬。也许十分之一秒都不到。若不是我的大脑仍保有清晰的意识,定然会在刹那的惊惧后茫然无措 - 发生了什么?刚刚发生了什么?
事实上……这种疼痛同我曾在21号站点的火灾中经历过的相比……似乎太不值得一提了。然而我打了个寒颤。那种 - 痛苦,改变了,变成了一种不可言说的东西。我 - 我感到自己的右手无限地延展至我无法感受到的空间,被拉作一条细线又瞬间聚拢,无处不在又无处容身……然后感知消失了,我无法再控制我的手指。
我尖叫一声,跌倒在了地上。透过被眼泪我看到我的右手……它还在那里,而那只断掉的手也坠在我的面前,隔着一层黑色的雾气……我不确定那些烧伤的痕迹还在不在……也许消失了,也许是在不久之后再次攀附而上。我 - 我哭得停不下来,几乎倒在了地板上。不仅是因为那种令人不安的感受,还是……还有 - 如果你亲眼看到了自己的身体被搅碎重构,并且你在那之后仍然活着的话。
我意识到了 - 只有亲身经历才能明白的,这……好吧,如果我知道究竟发生了什么,我……
听说过那条船吗?特修斯之船 - 一艘在海上航行了几百年的船、不间断地维修和替换部件的船。等到所有零件都被替换过后,它是否还是原来的那艘船,还是一艘完全不同的船? - 人体内的细胞每隔五年便会替换一次,等到全部的细胞都被替换过后,我还是原来的我吗?
如果拔下我的一根头发,我仍是我。那么砍下我的一只手呢?挖出我的心脏呢?砍下我的头呢?在日常语言中,我们自然会说一个婴儿和若干年之后长成的老人是同一个人。但是我们不会说这个老人死后千年分散在世界各地的遗骸也是同一个人。
笛卡尔认为,松果体内存在着灵魂,Mannava博士则认为自己正在解体,人类的终结将是被遗忘。那么 - 假定拥有记忆则意味着我即是我,从客观上来看,世界照常运转,而我仍然存在,那么 - 那么对于我本身而言呢?
若是将船所换下来的零件重新拼凑成一艘航船,是否相比之下它更像是原来那艘船?若是拥有与我相同的身体和物质,那是否就正是我自己呢?
自然,我们会说“我是我”,但是这种话毫无意义,因为它从主观来说不能帮我们作出任何判断,这里的自身是一个时间点上的自身 - 或者局限点来讲,是在跨过这扇门前的我。即便我们成功地描述了我在某个时间点的状态,我们也不能据此推断我在一段时间之后的情况,因为说到底,一段时间之后的我指什么。
而“八荒” - 重生之门的本质,不是回归,而是吞噬和再造。
八荒不是我们的故乡,不是我们的起源,它是被“闭锁”撕裂了的人类自身,它吞噬我们,以我们的身体作为养分孕育自身,用它的神秘吸引着我们如飞蛾扑火一般自取灭亡。当原本的你踏入这这扇门的时候你就只能在天堂 - 或者地狱里看到你接下来的事情了,从那里面走出的新生的你 - 拥有你的面貌你的身体你的亲人你的一切,但那真得是你吗?你是八荒的孩子它呼唤着你。而原本的他们 - 它们哭泣,泪流,绝望且憎恨着我。我一直能听到那些声音,纠缠着我,挥之不去。
而那些新生的我们……诞生于死亡和怨恨中的我们……天哪 - 我不知道。
Koo抬手捂住脸颊无声哭泣,停顿片刻,她勉强令自己平静下来。 此刻可以看到房门底部露出了些许灯光。 |
我又做了那个梦。我看到一个黑影站在窗口望着我,他的身后是更多人,而且我看不清他们的脸,但我应该记得他们。我应当在每一份实验报告上看过他们的面貌和名字。他们只是一动不动地看着我 - 但我勃然大怒。“离我远点!”我也哭了起来,尖叫着,伸手去摸我的床头灯。但我只摸到了我的格洛克手枪。我真不该把它摆在那儿的。
我僵直在恐惧之中。我和Lyn对视着,但我知道那不是他。那看起来像他但不是他,他 - 然后它说话了:“我不想回去。”它伸出手来,像是要握住我的枪口 - “杀了我,毁灭我,让我解脱。”
我能做什么?我还能做什么?我知道我犯了错,再给我些时间也许我会去赎罪的……我可能会得到指挥部的处罚,降级或者处决或者什么更为可怕的事情。也许我会良心不安,走进那扇门里,任凭滔天的恨意将我撕为碎片 - 但是不该是这样,我不该 - 哈,哈哈哈哈哈!我为什么要被这些哭声 - 这些哭声,它们阻挡着我,纠缠着我束缚着我,我受够了!我再也无法入眠,“八荒”也许是真实的那么我难道不是吗?我的现实呢?!
“给我滚!!”我 - 哈哈哈哈 -我……我……[猛地抬起头,笑容虚弱而破碎]我开了枪!我扣下了扳机!我一定射光了我全部的子弹!我——
Koo抓起了放在桌面上的手枪,在半空中用力挥舞,她的右手似乎穿过了屏幕。摄像头随即被持枪的左手打落在地,镜头朝向办公室门,门开了一条缝。 |
我听到……子弹射入湿润血肉的声音,和那些绵软无力的半物质体不一样 - 撕裂声,还有压抑不住的痛呼。我的视线恢复了,我看到Darklight在我面前,而他也看着我,我则看着自己手中的枪……然后他在我面前倒了下去,血液浸透了我的鞋子……但是他还活着。
我跪下来握着他的手:“对不起……对不起!”我在陡然而至的悲伤与痛苦中哭泣着,我意识到我在哭,我泪流满面 - 甚至我在哭泣中尖叫,歇斯底里地尖叫,那是我的哭泣和尖叫声。越来越多的声音加入了我。[干呕]我 -
Darklight似乎是想要微笑……但是血越流越多……然后他的手从我掌心滑落 - 穿了过去。是的穿了过去。他的眼睛 - 我……我——[哽咽]
视频画面此刻结束,仍能听到断断续续的咳嗽和笑声。 |
我会 - 我会回去的,我很快就会回到那里去的。我会回去的。我会回去的。等着我——
数分钟的啜泣和破碎的笑声。 |
那么……我能说的就只有这么多了。
我真的很害怕,我该怎么办?我——
博士?你在这里博士?根据指挥部刚刚颁布的应急处理措施你要立刻转移然后去接受A级记忆消除,Darklight主管正在找你——你在这里做什么——关掉它,去找认知危害小组来……
Darklight?!他不是 - 不不不不不不不不不那不是不——!!
枪声。 |
语音记录中断。 |
你打了个寒颤。从女研究员混乱的叙述中你似乎听到了一件可怕的事情,如同整个世界之重突然压在你的身上,令你呼吸困难,喘不过气来。
我现在身处“八荒”之中,你问自己。那么原本的我已经死去了吗?还是说这将发生在我离开之时?你无法理清思绪。
还有最后一个文件。你手指颤抖地将之点开,熟悉的声线几乎令你立刻发狂。
[音频文件开始]
你好,我是Freedom Koo,曾经Site-CN-89的2级情报专员,穿着运动鞋和牛仔裤飞奔在从资料室到食堂到上司办公室再到宿舍的走廊上。不论你们如何称呼我混账变态还是“首席人渣”,我现在则是CN分部指挥部成员,这意味着我拥有足够的权限开始或重启一个项目 - “八荒”。
Darklight把这个项目交予我的时候本不期待我能做出什么大事,一个毕业不久的学生,在Toaster手下混了两年文职,搞不清时空异常和现实扭曲的区别。怯懦、无知,却急于证明自己。是我提议将“八荒”的一些东西带入现实,从而给予它更多侵蚀我们的世界的机会。它 - 它并不温和地向我们无私地提供帮助和自身拥有的一切,它渴望侵蚀,渴望吞噬,正如它吞噬了所有进入那里的人一样。舍不得孩子套不着狼,它给我们一点儿甜头然后希望我们继续喂养它,直到我们再也没有控制它的可能。
相信有权限接触这个项目的你已经知道,为了彻底收容与研究“八荒”项目,Site-CN-89被重建于“闭锁”内部。你知道它是做什么用的,你也知道从一开始它究竟是为何而建。刚开始我们确实取得了一些成功,这里的物质有着单调但神秘的色彩,对其构成和指数的观测令我们得到了一些算式和制作方法。从“云端”到“逐空”,我们实现了飞天的梦想;“坠入”除了作为非常规的物理修复和记忆消除手段,还因其瑰丽的风景引人遐思;Darklight喜欢那龙,尽管并不完全满意它的颜色。然而从事故发生的那天开始,这个站点的任务就只有两个:解明SCP-CN-001,阻止它或令它为我们所用。我承认我曾犯了错,现在,错误将被弥补。
我们必须这么做。继续前行或等待下一场灾难。然而由于“重生之门”的本质,当你踏入这里的同时,对于现世来说,你就已然死去,或者说你的躯壳已经支离破碎,成为八荒的一部分,留存在这世上、在八荒内部的只是你的灵魂罢了。当你再次通过“闭锁”,你将不复存在。那么现在摆在你面前的只有两条路:留在“八荒”,继续我的研究项目,阻止它的蔓延,同时期待能够找到让你安然通过“闭锁”的方法。或者你也可以现在离开,你知道自己将面对什么。
从前面的五份文档中你已经知道了“八荒”及其项目的绝大多数信息,若还有不明可向Site-CN-89站点主管Darklight询问 - 我不知道他是怎样做到既在这里又在那里,有些事情从来就没有答案。我无路可退。我知道它并不满足,它终将归来。想要了解它就只能进入它,是将更多人送入“八荒”,期待他们能在下一次灾变到来前拯救人类,还是视若无睹?这从来就不是一个选择。
无论你如何抉择,愿上帝保佑你。
[音频文件结束]
你不断地将这段音频回放、回放,希望这一切都是虚假,然而这毫无意义。你终于停了下来,惨白的月光透过残破的窗玻璃照射在电脑前,昏暗的房间里似乎只有这些光源。
一只手搭上你的肩膀,你僵坐在屏幕前,动弹不得。另一只手轻轻握住了你的手,明显是属于女性的手,将你的手指从鼠标上拿开,关掉了电脑屏幕。
“她欺骗了你,”一个身穿白大褂、半长的头发显露出常年梳起迹象的女研究员轻声说道。他们不知何时来到了你的身边,簇拥着你,而你的脸上犹带泪痕。“她没想过让你回去。”
“我们没有勇气回去,我们不想死。”另一个研究员说道,他是个年轻的小伙子,戴着黑框眼镜,恐惧已使他的脸庞蒙上灰败的阴影,“即使我们的死亡会让另一个自己重获新生。”
你已经什么也看不到了,耳边不断回荡着嘈杂的声音和那个混账的自白。你迫切地希望做些什么但你并不能从惶恐带来的莫大绝望中幡然醒悟。你听到恸哭和尖叫,愈演愈烈且近在咫尺,你回头看去,越来越多的身影从月光无法照射的黑暗中走出,无数双眼睛注视着你,他们看起来一模一样。
你像受惊的野兽一般推开扶手椅跳了起来并冲出站点,沿着你来时的道路飞奔。你不知自己正奔向何方,也不知到底跑了多远。你在崎岖的山路上不断跌倒又爬起,划伤的伤口流出浓黑的血液,银白的溪流在月下栩栩生辉。寂静从四面八方挤压而来,在黑暗中似乎连色彩都是奢侈。
你推开那扇门,冲了进去。
疼痛如约而至,仿佛千万钢针刺入你的身体,搅动着全部血肉,你被分散做数以亿万计的颗粒,而每一部分的你都能感受到那种撕裂和磨碎的疼痛。这痛苦是永恒而无限的 - 实际上对于那个世界里此刻冲出了“闭锁”的你来说,这些痛苦只不过是蚊虫叮咬般的瞬间,若是你不知这背后隐藏的惊天辛秘,或许根本不会在意这短促的疼痛。但对于留在这儿的你来说,它就是永恒的。你被撕碎,被分散,被重构,你的思想和所有梦想在这一刻都不复存在,被“八荒”吞噬。
也许是片刻的怜悯,你透过那个你的眼睛看到了些什么,那边的天已经亮了,你看到一轮灿烂的金色太阳,悬挂在碧蓝的天空上。接着你看到Koo站在你的面前,她的眼中毫无光泽和神采,你听到她手中枪火的声音,接着再次被拉回了黑白的深渊,疼痛和某种奇异的超然感席卷而来,伴随着眩晕感渐渐消散。你眼中最后所见的——
是你鲜血的色彩。