アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 全ての財団職員は原田宏美氏へのあらゆる手段による接触を禁止されます。
説明: SCP-XXX-JPは2002年7月5日に財団データベースに不明な人物により不明な手段で追加された報告書エントリであり、現在表示されている報告書そのものです。
SCP-XXX-JPには出現した時点で特別収容プロトコル(以下、SCP-XXX-JP-A)のみが記載されていました。このSCP-XXX-JP-Aの項の削除、編集は不可能であり、同様にSCP-XXX-JP自体の削除も不可能です。SCP-XXX-JP、及びその他の媒体においてSCP-XXX-JPの収容方針に関する内容を記録することは不可能です。
SCP-XXX-JP-Aに従わなかった場合、SCP-XXX-JP収容に関わる財団職員はSCP-XXX-JP-Aが強制的に想起されます。このことと前述した異常性により、SCP-XXX-JPの収容はSCP-XXX-JP-Aに従うものとされています。
SCP-XXX-JP-Aの内容は不定期に変化します。しかし、その内容は原田宏美氏(氏に関する情報は別紙XXX-423を参照)、もしくは氏が被害を受けていたストーカー事件に関するもののみでした。
補遺: 以下は、過去のSCP-XXX-JP-Aの抜粋です。また本来の文章で検閲されていない箇所も資料的価値が無い、もしくは検閲されるべきであると判断された場合は検閲が施されます。
2002年7月5日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は[削除済み]在住の原田宏美氏が被害を受けているつきまとい行為を防止するために、原田氏、及びつきまといを行なっていると見られる[削除済み]在住の████氏、またその周辺の監視、調査を行います。この際、必要であれば周辺の警察機関との連携も認められます。
2003年2月13日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は原田宏美氏が被害を受けているつきまとい行為を防止するために、つきまとい行為を行っている████氏が原田氏に接近することを防ぎます。これに並行して、████氏の原田氏に対する行為が違法であるとされる根拠の調査を行い、発見された場合には原田氏、及びその家族に提示します。
原田氏の精神的なストレスケアのために月に1度、財団職員が原田氏の自宅を訪問します。
2003年7月24日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は原田宏美氏が被害を受けているつきまとい行為を防止するため、████氏が原田氏に接近することを防ぎます。この際、██氏に対して、自身の行動が監視、制御されていることを気付かれないように行ってください。██氏が暴力行為、性的行為、破壊行為を行おうとした場合はその行為を行った証拠を記録し、警察に連携を要請します。
原田氏が████氏と[削除済み]の関係であるという情報は否定されます。必要であれば、主張を行っている人物に対しての低レベルの記憶処理が認められます。原田氏の精神的なストレスケアのために月に1度、財団職員が原田氏の自宅を訪問します。
2005年5月6日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は原田氏が████氏と[削除済み]の関係であるという情報を可能な限り抑制します。その際、記憶処理を用いることは推奨されませんが、原田氏とは知人の関係になく、情報を拡散しようとする人物に悪意があることが明らかな場合、低レベルの記憶処理剤の使用が許可されます。
原田氏の精神的なストレスケアのために2ヵ月に1度、財団職員が原田氏に対して電子メールを用いて対話を行います。
補遺: 現在のSCP-XXX-JP-Aを実行するのに必要なコストを鑑み、SCP-XXX-JP収容チームは大幅に減員されました。
ちょっと!この報告書どういうことだよ!
え、何ですか?ちゃんとフォーマットに従ってるはずですが……
いや、フォーマットは問題ないんだよ。
じゃあ、何が……
順を追って説明しよう。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPは外見、及びDNAが河村隆一氏と同一である人型実体です。
ここ良くないねえ。
え?これは実際の河村氏のDNAも採取して検査した結果なので、間違っていないのですが……
いや、そういう問題じゃないんだよ。何ていうかなあ。取りあえず個人名はやめようか?
しかし、情報災害、もしくは一部の職員にのみ制限されるべき情報でない限りは検閲はしない方が良いのでは?
いや!違うんだよ!……仕方ない、先に進めよう。
しかしながら、SCP-XXX-JPは自らを"輝夜月"であると自称しており、実際の河村氏と大きく異なる人格を有しています。
はい、ストップ。
ええ!?何がダメなんです?
いや、まあ固有名詞を避けるべきなのはそれとして、私も歳だからよくわかんないけどこういうユーチューブ?報告書に出されてもよくわからないのよ……
それはあなたの問題じゃないですか!あとYoutubeだとかそういうネットに関連するアノマリーは多く存在しますし、現代においてこういったサブカルチャーは無視できないです。失礼ですが、研究員としてこういったことも勉強していただきたいところです。
ああ!わかった!なんで私が説教されるんだ!
河村隆一氏、もしくは輝夜月氏のどちらかを知っている人物がSCP-XXX-JPの存在を何らかの方法で認知した場合
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、未収容です。SCP-XXX-JPが発見された際は、対象に気づかれないように収容作戦を行ってください。SCP-XXX-JPの特異性による民間人に対する被害は機動部隊り-2("餓鬼の遊び相手")により復元されます。SCP-XXX-JPに自身のアイテム番号やオブジェクトクラスなどの、対象の管理に関連する情報を教えることは情報の混乱の回避の為に避けてください。またSCP-XXX-JPに対して「譲渡」を行うことは如何なる場合であっても、終了や解雇処分の理由になります。
SCP-XXX-JPは現在、臨時サイト-8175に収容されています。臨時サイト-8175には常に数名の警備員が配備されます。対象に対する食事や物品の支給は必要ありません。実験は最寄りのレベル3以上の職員に申請してください。SCP-XXX-JPに自身のアイテム番号やオブジェクトクラスなどの、対象の管理に関連する情報を教えることは情報の混乱の回避の為に避けてください。またSCP-XXX-JPに臨時サイト-8175が「自身の為の施設である」と認識させることはいかなることがあっても避けてください。
説明: SCP-XXX-JPは5歳ほどの外見の日本人男性です。SCP-XXX-JPは200█年に財団に収容されて以来、一切の老化や成長の兆候を見せておらず、食物の摂取や睡眠などの生命維持に不可欠な要素を必要としません。オブジェクトの知性は外見の年齢と同程度であると見られ、財団の収容活動に対して理解をしていないと考えられています。少なくとも█0代の男性の平均と同程度であると見られ、財団に対しては非常に敵対的です。
SCP-XXX-JPの特異性は他者から物などを譲渡された際に発生します。譲渡された物は未知のプロセスによって即座に消失します。この効果はオブジェクトの認識の範囲内でのみ発生します。実体に譲渡される前の物質にGPSを装着させ、消失した物体の転移先の調査を試みましたが、GPS信号は検出されませんでした。
名前や権限などを譲渡された際は、他者からその名前や権限が付与されていることに関する認識が出来なくなり、記録媒体でのそれらの情報はデータ破損などの原因により、閲覧することが出来なくなります。
これらの特異性により、地球環境や人類文明にとって重要な物、概念などをSCP-XXX-JPが「自身に譲渡された」と認識した場合、XK-クラス:世界終焉シナリオ、またはIK-クラス:世界文明崩壊シナリオを引き起こす可能性があると見られています。
実験ログ:
実験記録1
被験者: D-47854
目的: 対象の認識した状態で特異性が発現するかの確認。
実施方法: D-47854に対象へ飴を手渡させる。
結果: D-47854が指示通り飴を手渡そうとした瞬間に飴が消失した。
実験記録2
被験者: D-47854
目的: 譲渡を行う者の意識が特異性の発現に関わるかの確認。
実施方法: D-47854に対象の睡眠中に対象の枕元に飴を置かせる。この時、D-47854には対象の存在を認識させないように実験を行う。
結果: D-47854が指示通り飴を置いたが、飴は消失しなかった。また対象が目を覚ましてから飴に気づいたが、飴は消失しなかった。
実験記録3
被験者: D-47854
目的: 本来、この対象に譲渡されるためではない物を対象に譲渡するための物と認識した場合の実験。
実施方法: D-47854に対象の視界にある物を指し、「これは君のために用意した物だよ」と言わせる。
結果: D-47854が実験室にあった備品の照明を指し、命令されたフレーズを実例に言った瞬間にD-47854の指していた照明が消失した。
補遺1: SCP-XXX-JPは愛知県███市をエージェント・██が別件で捜索していた際に発見されました。エージェント・██はこの対象を保護するために食料を与えようとしましたが、与えようとした瞬間にその食料が消失したことを不審に思ったエージェント・██が財団に連絡し、財団はSCP-XXX-JPを認識しました。その後、SCP-XXX-JPのサイト-81██への収容が行われましたが、収容室に対象が入室した瞬間にサイト-81██全体が消失しました。これはSCP-XXX-JPがサイト-81██を「自身に与えられた施設」と考えたためだと思われます。この事案によってサイト-81██に収容されていた[編集済み]体の対象の収容違反が発生しました。その後、財団は複数の収容作戦を行いましたが、その殆どが設備や人員の消失により失敗し、SCP-XXX-JPは長期に渡り未収容の状態が続きました。しかし、200█年に対象が偶然、██ビル1に侵入した際に、██ビルの封鎖を行うことでSCP-XXX-JPの収容が成功しました。現在の収容プロトコルはその際に作成されました。
補遺2: SCP-XXX-JPが臨時サイト-8175に収容されてから最初のインタビュー時、インタビュアーが対象の当時のアイテム番号を発言したため、インタビュー後に全ての人間が対象のアイテム番号を認識することが不可能になりました。これはインタビュアーが発言したアイテム番号を対象が「自分に与えられた名前」と認識したことによると思われます。この事案を受けて、SCP-XXX-JPの効果が概念や情報に対して及ぶことが判明し、SCP-XXX-JPのアイテム番号の変更と収容プロトコルが一部改定が行われました。またインタビュアーは研究チームから異動させられました。
補遺3: 臨時サイト-8175内を巡回する警備員が行方不明になる事案が201█年8月以降、頻繁に発生しています。この事案に対して、SCP-XXX-JPはなんらかの関与をしていると見られます。SCP-XXX-JP自身が関与を認めました。
補遺4: 以下はSCP-XXX-JPへのインタビュー記録の抜粋です。
インタビュアー: やあ、坊や。今日は君とお話しがしたくてね。
対象: おじさん、ここから出る方法って知ってる?
インタビュアー: ごめんね、私にもわからないんだ。
対象: おじさんもここで迷ってるの?
インタビュアー: [しばらくの沈黙の後] そんなことよりもお話をしよう。君の名前を教えてくれないかい?
対象: うんとね、わからないんだ。
インタビュアー: それは覚えてないってこと?
対象: 誰かから付けてもらったかもしれないけど、その人たちもいなくなったかもしれないし、何もわからない。
インタビュアー: そうかい。じゃあ、次の質問だけど、ここに辿り着くまではどうやって生活していたんだい?食べ物だとか住処とか。
対象: うーん、思い出したいから、少し時間ちょうだい?
インタビュアー: ああ、わか [しばらくの沈黙の後] いや、そういうのは無しで単純に待つぞ。
対象: あ、わかったよ。 [この際、対象が不服そうに振舞っていることに留意] ご飯はその辺に落ちてた物、食べてた。寝るのは他人んちの庭に上がり込んで寝てた。バレたら追い出されるし、何回か家ごと消えたこともあった。
インタビュアー: そういえば、このビルの中で歩いてた人が消えるってことが最近、よく起きているんだけど、それについて何か知ってるかい?
対象: それ、訊く必要あるの?
インタビュアー: 私たちにとっては大事なことなんだよ。
対象: それっておじさんの友達、ああ、もういいや、仲間ってことでしょ?見張ってるってわかってるし、俺のために歩き回ってるやつらなんだなって思った瞬間に消えてくれたよ。
インタビュアー: [司令部に対して] まずいことになった。対象は気付いてる。このインタビュー音声についてもバックアップをちゃんとしといてくれよ。
対象: こそこそ話してんじゃねえって。ああ、こんなクソったれビルに今まで住まわせてくれたのがてめえらだって漸くわかったよ。
<録音終了>
終了報告書: 対象の最後の発言の後、臨時サイト-8175とインタビュアーが消失しました。このインタビュー記録により、対象が財団に対して敵対的であることが判明し、オブジェクトクラスの再評価と収容プロトコルの改定が行われました。
アイテム番号: SCP-YYY-JP
オブジェクトクラス: Safeアイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPによる何らかの被害は一切発生していないため、現在、SCP-XXX-JPの発生を直接的に防ぐ必要は無いと考えられています。(補遺を参照)
さわやか、静岡県██店には常に客を装った財団エージェントが在中し、SCP-XXX-JP-Aの注文が確認された際の従業員、客の両方の様子を研究資料として記録します。
SCP-XXX-JP-Aの注文を可能な限り防ぐため、インターネット、もしくは現地でのエージェントの口コミによって当該店舗でのSCP-XXX-JP-A以外、つまりは当該店舗外で認識すること可能なメニューのいずれかを一般客が注文させるように誘導させます。
説明: SCP-XXX-JPはチェーンレストラン店のさわやか、静岡県██店で発生する短期記憶影響減少です。SCP-XXX-JPは以下のような手順で発生します。
- 客が店員にメニューA(以下、SCP-XXX-JP-Aとする)を注文する。
- 店員は注文を理解し、キッチンに伝えようとするが、その直前に注文を忘却する。
- 店員が客に注文の再確認を行う。その際、店員は「メニューBとメニューCどちらを注文したか」という旨の質問を行う。
- 客は多少の困惑を見せるが、メニューBもしくはメニューCを改めて注文する。
- 注文が正常に伝えられ、客が最後に注文した商品が届く。
SCP-XXX-JP-Aが何であるかは当該店舗内で顧客としてメニュー表を見た際、及び、店員として注文を聞いた際にのみ認識することができ、それ以外の方法でSCP-XXX-JP-Aが何であるかを認識、または記録する試みはすべて失敗しています。
補遺: 以下は、インタビュー当時の当該店舗の店長である██氏へのインタビューの抜粋です。
重要度が低いため省略
インタビュアー: 忘れてしまうメニューがどのようなものであったか、特徴などを思い出すことは出来ますか?
██氏: いや、そう言われても難しいなあ。いつも思い出そうとしてんだけどね。オーダーを厨房に伝えに行く瞬間に忘れちゃうんだよ。
インタビュアー: 具体的でなくても良いので、印象や関連した情報でも思い出すことが出来れば教えていただけますでしょうか。
██氏: えー。あ、でも客として来てた時にはアレがどんなんか忘れることは無かったね。まあ今は思い出せないけど。
重要度が低いため省略
インタビュアー: 件のメニューを忘れることによる業務への影響はどうでしょうか。
██氏: デカいに決まってるでしょ。客からは『なんで、あのメニューだけ注文が通らないんだ』って怒られるし、その割に一定層は注文してくるし。
インタビュアー: では何故、そのメニューの取り扱いを続けているのかわかりますか?
██氏: たぶん、置いとかないと本部から怒られるとか、チーズハンバーグ辺りの定番系だからじゃないかなあ。まあ思い出せてる時点でチーズハンバーグは有り得ないか。
インタビュアー: なるほど。
██氏: あ、あとね、なんか悪い気がしないんだよなあ。
インタビュアー: それはどういう意味でしょうか。
██氏: なんていうか、夢とか起きてからすぐ忘れちゃうけど、別にそれはそれで良いじゃん。
インタビュアー: ん?それとこれとは別のような気がしますが。
██氏: そりゃあ勿論。でもなんて言うか、今、この感覚を言語化するのがじれったい感じと似てるんだよなあ。モヤモヤっていうか、そういう感覚かな?難しいけど。
インタビュアー: あなたを含むこちらの従業員は忘却している感覚を快感としているのでしょうか。
██氏: そうかもしれない。なんて言えばいいのか。ゲロを我慢している時みたいな。
インタビュアー: は?
██氏、しばらく嗚咽を堪える
██氏: いや、わかんな、すいませんね、わかんないけど。出そうなものをチョビチョビと捻り出して、あう、えっと、そう、捻り出すんですよ。どうにも言葉にするのが、お、むず
██氏、嘔吐する
<記録終了>
終了報告 インタビュー後、吐瀉物の内容を調査したところ、さわやかの全店舗で取り扱われているハンバーグで使用されている牛肉が含まれていることが判明しました。またこの吐瀉物そのものは非異常であることが確認されています。しかしながら、インタビュー前に██氏は牛肉を使用した製品を口にしていないことが判明したため、SCP-XXX-JPに関連した現象であると考えられています。
またこの事案を受け、SCP-XXX-JPが発生後の当該店舗の従業員の臓器の内容物を検査する実験が提案されましたが、決定は現在保留されています。
特別収容プロトコル: SCP-YYY-JPの種子は施錠可能なロッカーに保管されます。SCP-YYY-JPを実験を用いるために生育する際は、担当職員からSCP-YYY-JPの生育に関する手順の説明を受けてください。
説明: SCP-YYY-JPは異常な性質を有したキュウリ(Cucumis sativus L.)です。SCP-YYY-JPの外見や物理的組成は一般的なキュウリのそれと同一です。
SCP-YYY-JPの異常な性質はそれを摂食した際に起こります。オブジェクトを摂食した人物(以下、被験者と表記)は、脱水症状を示します。この症状が出てから5~7分程度で、被験者は直立した状態になり身動きを取れなくまります。その後、被験者が直立したまま尿道から被験者の体液や液状に分解された臓器が排出され始めます。被験者はこの事象により出血多量などにより死亡します。この時に残った被験者の皮膚、毛髪、眼球はそのままの状態で残ります。そのため、オブジェクトにより死亡した人物は一見して直立している正常な人間に見えます。またこの事象は加熱や調理などの人為的な処理をされたSCP-YYY-JPを摂食した場合には起こりません。
SCP-YYY-JPは19██/██/██に発生した漁船の難破により、███島に漂着した██氏が救助された際に発見されました。██氏は発見された当時、███島に漂着したのは自分だけであったと供述していましたが、██氏が発見された約2km先のSCP-YYY-JPの苗木の周りで、██氏の乗船していた漁船の乗組員の直立した死体が数体、発見されたこと、漂流後██日以上経過してなお健康状態を保っていたという点で不審に見られたため、██氏に再度インタビューした所[データ削除済み]を行ったと供述を改めました。この事案により財団にSCP-YYY-JPの存在が認知され、収容に至りました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPによる何らかの被害は一切発生していないため、現在、SCP-XXX-JPの発生を直接的に防ぐ必要は無いと考えられています。(補遺を参照)
さわやか、静岡県██店には常に客を装った財団エージェントが在中し、SCP-XXX-JP-Aの注文が確認された際の従業員、客の両方の様子を研究資料として記録します。
SCP-XXX-JP-Aの注文を可能な限り防ぐため、インターネット、もしくは現地でのエージェントの口コミによって当該店舗でのSCP-XXX-JP-A以外、つまりは当該店舗外で認識すること可能なメニューのいずれかを一般客が注文させるように誘導させます。
説明: SCP-XXX-JPはチェーンレストラン店のさわやか、静岡県██店で発生する短期記憶影響減少です。SCP-XXX-JPは以下のような手順で発生します。
- 客が店員にメニューA(以下、SCP-XXX-JP-Aとする)を注文する。
- 店員は注文を理解し、キッチンに伝えようとするが、その直前に注文を忘却する。
- 店員が客に注文の再確認を行う。その際、店員は「メニューBとメニューCどちらを注文したか」という旨の質問を行う。
- 客は多少の困惑を見せるが、メニューBもしくはメニューCを改めて注文する。
- 注文が正常に伝えられ、客が最後に注文した商品が届く。
SCP-XXX-JP-Aが何であるかは当該店舗内で顧客としてメニュー表を見た際、及び、店員として注文を聞いた際にのみ認識することができ、それ以外の方法でSCP-XXX-JP-Aが何であるかを認識、または記録する試みはすべて失敗しています。
補遺: 以下は、インタビュー当時の当該店舗の店長である██氏へのインタビューの抜粋です。
重要度が低いため省略
インタビュアー: 忘れてしまうメニューがどのようなものであったか、特徴などを思い出すことは出来ますか?
██氏: いや、そう言われても難しいなあ。いつも思い出そうとしてんだけどね。オーダーを厨房に伝えに行く瞬間に忘れちゃうんだよ。
インタビュアー: 具体的でなくても良いので、印象や関連した情報でも思い出すことが出来れば教えていただけますでしょうか。
██氏: えー。あ、でも客として来てた時にはアレがどんなんか忘れることは無かったね。まあ今は思い出せないけど。
重要度が低いため省略
インタビュアー: 件のメニューを忘れることによる業務への影響はどうでしょうか。
██氏: デカいに決まってるでしょ。客からは『なんで、あのメニューだけ注文が通らないんだ』って怒られるし、その割に一定層は注文してくるし。
インタビュアー: では何故、そのメニューの取り扱いを続けているのかわかりますか?
██氏: たぶん、置いとかないと本部から怒られるとか、チーズハンバーグ辺りの定番系だからじゃないかなあ。まあ思い出せてる時点でチーズハンバーグは有り得ないか。
インタビュアー: なるほど。
██氏: あ、あとね、なんか悪い気がしないんだよなあ。
インタビュアー: それはどういう意味でしょうか。
下書き終わり
[[tabview]]
[[tab 収容プロトコルのあれ]]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 全ての財団職員は原田宏美氏へのあらゆる手段による接触を禁止されます。
説明: SCP-XXX-JPは2002年7月5日に財団データベースに不明な人物により不明な手段で追加された報告書エントリであり、現在表示されている報告書そのものです。
SCP-XXX-JPには出現した時点で特別収容プロトコル(以下、SCP-XXX-JP-A)のみが記載されていました。このSCP-XXX-JP-Aの項の削除、編集は不可能であり、同様にSCP-XXX-JP自体の削除も不可能です。SCP-XXX-JP、及びその他の媒体においてSCP-XXX-JPの収容方針に関する内容を記録することは不可能です。
SCP-XXX-JP-Aに従わなかった場合、SCP-XXX-JP収容に関わる財団職員はSCP-XXX-JP-Aが強制的に想起されます。このことと前述した異常性により、SCP-XXX-JPの収容はSCP-XXX-JP-Aに従うものとされています。
SCP-XXX-JP-Aの内容は不定期に変化します。しかし、その内容は原田宏美氏(氏に関する情報は別紙XXX-423を参照)、もしくは氏が被害を受けていたストーカー事件に関するもののみでした。
補遺: 以下は、過去のSCP-XXX-JP-Aの抜粋です。また本来の文章で検閲されていない箇所も資料的価値が無い、もしくは検閲されるべきであると判断された場合は検閲が施されます。
2002年7月5日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は[削除済み]在住の原田宏美氏が被害を受けているつきまとい行為を防止するために、原田氏、及びつきまといを行なっていると見られる[削除済み]在住の████氏、またその周辺の監視、調査を行います。この際、必要であれば周辺の警察機関との連携も認められます。
2003年2月13日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は原田宏美氏が被害を受けているつきまとい行為を防止するために、つきまとい行為を行っている████氏が原田氏に接近することを防ぎます。これに並行して、████氏の原田氏に対する行為が違法であるとされる根拠の調査を行い、発見された場合には原田氏、及びその家族に提示します。
原田氏の精神的なストレスケアのために月に1度、財団職員が原田氏の自宅を訪問します。
2003年7月24日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は原田宏美氏が被害を受けているつきまとい行為を防止するため、████氏が原田氏に接近することを防ぎます。この際、██氏に対して、自身の行動が監視、制御されていることを気付かれないように行ってください。██氏が暴力行為、性的行為、破壊行為を行おうとした場合はその行為を行った証拠を記録し、警察に連携を要請します。
原田氏が████氏と[削除済み]の関係であるという情報は否定されます。必要であれば、主張を行っている人物に対しての低レベルの記憶処理が認められます。原田氏の精神的なストレスケアのために月に1度、財団職員が原田氏の自宅を訪問します。
2005年5月6日からの抜粋
特別収容プロトコル: 財団は原田氏が████氏と[削除済み]の関係であるという情報を可能な限り抑制します。その際、記憶処理を用いることは推奨されませんが、原田氏とは知人の関係になく、情報を拡散しようとする人物に悪意があることが明らかな場合、低レベルの記憶処理剤の使用が許可されます。
原田氏の精神的なストレスケアのために2ヵ月に1度、財団職員が原田氏に対して電子メールを用いて対話を行います。
補遺: 現在のSCP-XXX-JP-Aを実行するのに必要なコストを鑑み、SCP-XXX-JP収容チームは
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、未収容です。SCP-XXX-JPが発見された際は、対象に気づかれないように収容作戦を行ってください。SCP-XXX-JPの特異性による民間人に対する被害は機動部隊り-2("餓鬼の遊び相手")により復元されます。SCP-XXX-JPに自身のアイテム番号やオブジェクトクラスなどの、対象の管理に関連する情報を教えることは情報の混乱の回避の為に避けてください。またSCP-XXX-JPに対して「譲渡」を行うことは如何なる場合であっても、終了や解雇処分の理由になります。
SCP-XXX-JPは現在、臨時サイト-8175に収容されています。臨時サイト-8175には常に数名の警備員が配備されます。対象に対する食事や物品の支給は必要ありません。実験は最寄りのレベル3以上の職員に申請してください。SCP-XXX-JPに自身のアイテム番号やオブジェクトクラスなどの、対象の管理に関連する情報を教えることは情報の混乱の回避の為に避けてください。またSCP-XXX-JPに臨時サイト-8175が「自身の為の施設である」と認識させることはいかなることがあっても避けてください。
説明: SCP-XXX-JPは5歳ほどの外見の日本人男性です。SCP-XXX-JPは200█年に財団に収容されて以来、一切の老化や成長の兆候を見せておらず、食物の摂取や睡眠などの生命維持に不可欠な要素を必要としません。オブジェクトの知性は外見の年齢と同程度であると見られ、財団の収容活動に対して理解をしていないと考えられています。少なくとも█0代の男性の平均と同程度であると見られ、財団に対しては非常に敵対的です。
SCP-XXX-JPの特異性は他者から物などを譲渡された際に発生します。譲渡された物は未知のプロセスによって即座に消失します。この効果はオブジェクトの認識の範囲内でのみ発生します。実体に譲渡される前の物質にGPSを装着させ、消失した物体の転移先の調査を試みましたが、GPS信号は検出されませんでした。
名前や権限などを譲渡された際は、他者からその名前や権限が付与されていることに関する認識が出来なくなり、記録媒体でのそれらの情報はデータ破損などの原因により、閲覧することが出来なくなります。
これらの特異性により、地球環境や人類文明にとって重要な物、概念などをSCP-XXX-JPが「自身に譲渡された」と認識した場合、XK-クラス:世界終焉シナリオ、またはIK-クラス:世界文明崩壊シナリオを引き起こす可能性があると見られています。
実験ログ:
実験記録1
被験者: D-47854
目的: 対象の認識した状態で特異性が発現するかの確認。
実施方法: D-47854に対象へ飴を手渡させる。
結果: D-47854が指示通り飴を手渡そうとした瞬間に飴が消失した。
実験記録2
被験者: D-47854
目的: 譲渡を行う者の意識が特異性の発現に関わるかの確認。
実施方法: D-47854に対象の睡眠中に対象の枕元に飴を置かせる。この時、D-47854には対象の存在を認識させないように実験を行う。
結果: D-47854が指示通り飴を置いたが、飴は消失しなかった。また対象が目を覚ましてから飴に気づいたが、飴は消失しなかった。
実験記録3
被験者: D-47854
目的: 本来、この対象に譲渡されるためではない物を対象に譲渡するための物と認識した場合の実験。
実施方法: D-47854に対象の視界にある物を指し、「これは君のために用意した物だよ」と言わせる。
結果: D-47854が実験室にあった備品の照明を指し、命令されたフレーズを実例に言った瞬間にD-47854の指していた照明が消失した。
補遺1: SCP-XXX-JPは愛知県███市をエージェント・██が別件で捜索していた際に発見されました。エージェント・██はこの対象を保護するために食料を与えようとしましたが、与えようとした瞬間にその食料が消失したことを不審に思ったエージェント・██が財団に連絡し、財団はSCP-XXX-JPを認識しました。その後、SCP-XXX-JPのサイト-81██への収容が行われましたが、収容室に対象が入室した瞬間にサイト-81██全体が消失しました。これはSCP-XXX-JPがサイト-81██を「自身に与えられた施設」と考えたためだと思われます。この事案によってサイト-81██に収容されていた[編集済み]体の対象の収容違反が発生しました。その後、財団は複数の収容作戦を行いましたが、その殆どが設備や人員の消失により失敗し、SCP-XXX-JPは長期に渡り未収容の状態が続きました。しかし、200█年に対象が偶然、██ビル1に侵入した際に、██ビルの封鎖を行うことでSCP-XXX-JPの収容が成功しました。現在の収容プロトコルはその際に作成されました。
補遺2: SCP-XXX-JPが臨時サイト-8175に収容されてから最初のインタビュー時、インタビュアーが対象の当時のアイテム番号を発言したため、インタビュー後に全ての人間が対象のアイテム番号を認識することが不可能になりました。これはインタビュアーが発言したアイテム番号を対象が「自分に与えられた名前」と認識したことによると思われます。この事案を受けて、SCP-XXX-JPの効果が概念や情報に対して及ぶことが判明し、SCP-XXX-JPのアイテム番号の変更と収容プロトコルが一部改定が行われました。またインタビュアーは研究チームから異動させられました。
補遺3: 臨時サイト-8175内を巡回する警備員が行方不明になる事案が201█年8月以降、頻繁に発生しています。この事案に対して、SCP-XXX-JPはなんらかの関与をしていると見られます。SCP-XXX-JP自身が関与を認めました。
補遺4: 以下はSCP-XXX-JPへのインタビュー記録の抜粋です。
インタビュアー: やあ、坊や。今日は君とお話しがしたくてね。
対象: おじさん、ここから出る方法って知ってる?
インタビュアー: ごめんね、私にもわからないんだ。
対象: おじさんもここで迷ってるの?
インタビュアー: [しばらくの沈黙の後] そんなことよりもお話をしよう。君の名前を教えてくれないかい?
対象: うんとね、わからないんだ。
インタビュアー: それは覚えてないってこと?
対象: 誰かから付けてもらったかもしれないけど、その人たちもいなくなったかもしれないし、何もわからない。
インタビュアー: そうかい。じゃあ、次の質問だけど、ここに辿り着くまではどうやって生活していたんだい?食べ物だとか住処とか。
対象: うーん、思い出したいから、少し時間ちょうだい?
インタビュアー: ああ、わか [しばらくの沈黙の後] いや、そういうのは無しで単純に待つぞ。
対象: あ、わかったよ。 [この際、対象が不服そうに振舞っていることに留意] ご飯はその辺に落ちてた物、食べてた。寝るのは他人んちの庭に上がり込んで寝てた。バレたら追い出されるし、何回か家ごと消えたこともあった。
インタビュアー: そういえば、このビルの中で歩いてた人が消えるってことが最近、よく起きているんだけど、それについて何か知ってるかい?
対象: それ、訊く必要あるの?
インタビュアー: 私たちにとっては大事なことなんだよ。
対象: それっておじさんの友達、ああ、もういいや、仲間ってことでしょ?見張ってるってわかってるし、俺のために歩き回ってるやつらなんだなって思った瞬間に消えてくれたよ。
インタビュアー: [司令部に対して] まずいことになった。対象は気付いてる。このインタビュー音声についてもバックアップをちゃんとしといてくれよ。
対象: こそこそ話してんじゃねえって。ああ、こんなクソったれビルに今まで住まわせてくれたのがてめえらだって漸くわかったよ。
<録音終了>
終了報告書: 対象の最後の発言の後、臨時サイト-8175とインタビュアーが消失しました。このインタビュー記録により、対象が財団に対して敵対的であることが判明し、オブジェクトクラスの再評価と収容プロトコ> ██氏: なんていうか、夢とか起きてからすぐ忘れちゃうけど、別にそれはそれで良いじゃん。
インタビュアー: ん?それとこれとは別のような気がしますが。
██氏: そりゃあ勿論。でもなんて言うか、今、この感覚を言語化するのがじれったい感じと似てるんだよなあ。モヤモヤっていうか、そういう感覚かな?難しいけど。
インタビュアー: あなたを含むこちらの従業員は忘却している感覚を快感としているのでしょうか。
██氏: そうかもしれない。なんて言えばいいのか。ゲロを我慢している時みたいな。
インタビュアー: は?
██氏、しばらく嗚咽を堪える
██氏: いや、わかんな、すいませんね、わかんないけど。出そうなものをチョビチョビと捻り出して、あう、えっと、そう、捻り出すんですよ。どうにも言葉にするのが、お、むず
██氏、嘔吐する
<記録終了>
終了報告 インタビュー後、吐瀉物の内容を調査したところ、さわやかの全店舗で取り扱われているハンバーグで使用されている牛肉が含まれていることが判明しました。またこの吐瀉物そのものは非異常であることが確認されています。しかしながら、インタビュー前に██氏は牛肉を使用した製品を口にしていないことが判明したため、SCP-XXX-JPに関連した現象であると考えられています。
またこの事案を受け、SCP-XXX-JPが発生後の当該店舗の従業員の臓器の内容物を検査する実験が提案されましたが、決定は現在保留されています。