注意: 当該オブジェクトの特異性が及ぼす影響につき、当報告書内では、日本語の仮名「あ段9行目」の2種類の文字を便宜的に「@」で表します。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトク@ス: Safe Euclid Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPとその類似書籍及び各写本は、サイト-8149の紙媒体オブジェクト保管用書庫に収容されています。研究目的を除き、全書籍の持ち出しは禁止されています。書庫へは研究チームの許可と、それとは別にセキュリティクリア@ンスレベル3以上の職員2名の許可を得て入室して下さい。万が一の影響を考慮し、内容を確認する必要がある場合は写本を利用して下さい。SCP-XXX-JP及び類似書籍本体を確認する必要がある場合は、Dク@ス職員を使うよう留意して下さい。
SCP-XXX-JP及び類似書籍はその全個体が収容済みとされていますが、万が一別個体と思わしい書籍を発見した場合は、決して内容を読まずに最寄りの財団サイトに通報・移送して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは、表紙と背表紙に『@抜き言葉のすすめ』と印刷された、全212ページの文庫本サイズの書籍です。組成は一般的な紙とインクであり、特筆すべき点はありません。また奥付が存在しないため、著者や出版社等の書籍情報は一切不明です。20██/04/██、奥付の出現が確認されました(詳しくは下記補遺2参照の事)。本文内容については、写本作成のため読み進めた複数のDク@ス職員へのインタビューによって「@抜き言葉使用の賞賛及び、@を使用した正しい日本語文法への罵倒」「@抜き言葉使用の利点と発展の歴史」「@抜き言葉の正しい使用法とその例文」等である事が判明していますが、各分野を専門とする研究者によってその正当性は完全に否定されています。
SCP-XXX-JPの第1の特異性は、SCP-XXX-JPについての言語表現において発生します。SCP-XXX-JPについて言語の関わるいずれかの方法で表現・理解を試みる際、当該人物は仮名五十音における「あ段9行目」の2文字を認識・表記・発音出来ません。この影響は日本語表現全般に及び、アルファ ベットや漢字を用いた表記の読み、電子端末での入力作業にも影響します。全文読了しない限り、SCP-XXX-JP内に表記された「@」の字については通常通り認識可能ですが、SCP-XXX-JPの音読及びSCP-XXX-JPへの「@」の字の書き込みについては、この特異性の影響を受けます。
SCP-XXX-JPの第2の特異性は、SCP-XXX-JP全文を読了した人物(以下、暴露者)に発生します。暴露者はSCP-XXX-JP読了の瞬間より、「あ段9行目」の文字表現についての概念と認識能力を恒久的に喪失します。この影響は記憶処理によっても取り除く事は不可能です。またこの特異性については、SCP-XXX-JPの写本の読了では発生しない事が確認されています。
実験記録XXX - 日付 20██/03/██
対象: D-XXX-1(SCP-XXX-JP暴露者、暴露以前は十分な日本語識字能力を備えていた)
実施方法: 「ひ@がな」「@ーメン」「蘭」「裸(音読みせよ)」と書かれたフリップを順に見せ発音させる。また、単語の意味について簡単に説明させる。
結果: それぞれ「ひがな」「アメン」「ん」「はだか」と発音。説明としての発言は以下の通り。
- ひがな…「日本人が一番最初になう文字」
- アメン…「元は中華料理だった食いもん。屋台とかで売ってる奴」
- ん…「花はあんま詳しくねえけど、派手な見た目だったと思う」
- はだか…「この漢字に音読みなんてあったか?」
それぞれ2度ずつ繰り返させたが結果は同じであった。付随する説明内容も大差ないものであったため割愛。
備考: 当時第1の異常性の影響範囲が不明であったため、出題と記録はSCP-XXX-JP効果を認知しない研究者の手で行われた。また、被験者は2度目に「ひ@がな」のフリップを視認した際、「思ったんだけど、何で「ひ」と「が」の間、そんなに空いてんだよ。あんたの発音もおかしいし。ひっがな、じゃなくてひがなだろ」と発言。
分析: 平仮名、片仮名、漢字表記のすべてにおいて特異性の発現を確認。「ひ@がな」の説明における「なう」は「習う(な@う)」の事だと思われる。上記被験者の発言を考えると、「@」の概念の欠損は暴露者の単語認識にまで影響を与えていると言っていいだろう。視覚的・聴覚的に認識出来ない「@」の部分は単純に空白として脳内処理しているようだが、一方で発音における欠損は違和感を抱く事なく詰めているのがその証左だ。加えて、「@」一音の漢字の読みを無いものとして考えているような反応は、SCP-XXX-JPの異常性が暴露者の記憶にまで影響する可能性を示唆している -██博士
インタビュー記録XXX - 日付 20██/03/██
対象: D-XXX-1(SCP-XXX-JP暴露者、上記実験XXX直後)
インタビュアー: 枝角博士
付記: 枝角博士にはSCP-XXX-JPについて認知させず、D-XXX-1については「とあるオブジェクトの特異性によって@の字の概念を失っている」と説明。またD-XXX-1は「@」の字を認識・発音出来ないため、必要に応じて@を加えてある。
<記録開始>
枝角博士: では、インタビューを開始します。D-XXX-1、先程の実験内容を覚えていますね?
D-XXX-1: ああ。なんなんだよあいつ@、俺の事馬鹿を見るみてえな目で見やがって。気分悪いった@ねえよ。
枝角博士: ええ、まあ私もあなたの実験を直接見ていた訳ではないのですが。しかし話を聞く限りでは、無理もないかもしれないと思いましたよ。これを見て下さい。
<枝角博士が平仮名の五十音表を取り出し、D-XXX-1の前に置く>
D-XXX-1: なんだ、あんたもかよ?今さ@あいうえお表って…ガキじゃねえんだぞ。
枝角博士: わかってますよ。ではD-XXX-1、これを見なが@順番に文字を読み上げて下さい。ま行か@で構いませんが、一文字も飛ばさないように。「ガキじゃない」あなたには、簡単な事でしょう?
D-XXX-1: そうだけどよ…わかったよ。ま、み、む、め、も。や、ゆ、よ。り、る、れ…
枝角博士: ああ、そこで結構。残念なが@D-XXX-1、あなたは文字を一つ飛ばしました。「よ」と「り」の間です。
D-XXX-1: (噴出して)博士、あんたこそ馬鹿になったんじゃねえのか?そんなわけねえだろ。俺はちゃんと書いてある順番で読んだぞ?
枝角博士: しかし本当の事ですよ。「@」という文字が抜けています。あ段9行目の文字です、その表にも書いてあるでしょう?
D-XXX-1: 博士さんよ、あんまり馬鹿にしてっと流石にキレんぞ。聞こえねえんだよ、なんて文字だって?表だって確かに空白は空いてるが、なんも書いちゃいねえし、そもそもここはそういうもんだろうが。
枝角博士: そういうもん、とは?
D-XXX-1: だか@、や行やわ行に空白があるのと同じだって事だよ。第一、「よ」の次が「り」なんてのは、それこそ小学生にもな@ねえガキでも知ってるぞ。
枝角博士: …わかりました、では質問の方向性を変えてみましょう。あなたも見た事があるでしょうが、現代仮名遣いにおけるや行とわ行の空白は、1つの子音につき5音という日本語の原則に基づき、それぞれ「やいゆえよ」「わいうえを」と埋める表記法もあります。と言うより、本来五十音と言うと、撥音…「ん」を抜いた子音10音×母音5音のこの表記の方が正しいのですが。さて、それでは同じように、あなたが思う「よ」と「り」の間を埋める文字を教えてくれませんか。
D-XXX-1: そりゃあ、当然…(5秒間の沈黙)
枝角博士: …D-XXX-1?どうしました?
D-XXX-1: ん、いや…あれ?おかしいよな、「ありるれろ」なんて聞いた事もねえし、他の文字だって…
枝角博士: しかし、や行とわ行には空白を埋める文字があるのに、「り」の行だけが4音で「あ」を母音とする文字がないのも、「五十音」としてはおかしな話でしょう?
D-XXX-1: なんだよこれ…なあ博士、どういう事だ?あんたさ、え@い先生なんだろ?教えてくれよ、なんで俺はここのひ@がなだけ知@ねえんだ?「よ」と「り」の間には何があるんだよ?
枝角博士: それが、先程申し上げた「@」という文字です。rを子音、aを母音とする、あ段9行目の文字です。読めますか?
<枝角博士が表の余白に平仮名・片仮名・ローマ字表記の「@」を書く>
D-XXX-1: …わか@ない。
<記録終了>
終了報告書: 暴露者に直接「@」の文字や概念を再教育するのは無理だが、遠回しな論理的指摘で違和感を抱かせる事は可能だった。SCP-XXX-JP読了によって欠損するのは、あ くまで「@の文字」に関する極狭い認識と概念・記憶に限定されるという事か。しかし、一度暴露すると影響が永続的である点も含め、言語コミュニケーションに生じる障害は無視出来ないものがある。我々もSCP-XXX-JP関連の記述にはなるべく「@」の字を使わないようにしているが、実際中々に語彙力を試される。まさに、オブジェクトのすすめに応じて「@抜き言葉」を使用している訳だ。伝染性がない事はせめて もの救いか -██博士
補遺1: 20██/03/██、財団フロント 企業の経営する書店において、SCP-XXX-JPに類似した特異性を持つ書籍が1冊発見・回収されました。当書籍は『理詰めの法廷』と題された奥付のない漫画単行本に見えますが、当書籍に関する言語表現においては「い段9行目の文字」についての認識・表記・発音が阻害されます。またD-XXX-1とは異なるDク@ス職員に全編を査読させた所、「い段9行目の文字」に関する概念と認識の喪失が確認されたため、当該書籍は便宜的にSCP-XXX-JP-βと分類されました。20██/03/██現在、SCP-XXX-JP-β写本の作成が進行中である他、SCP-XXX-JPの暴露効果との重複調査については許可申請中です。
尚、当該書店の書籍発注書や、書籍を納品している出版社・取次会社の各種記録が調査されましたが、SCP-XXX-JP-βに関する記述は一切確認出来ませんでした。
「あ段9行目」の次は「い段9行目」。嫌な予感しかしないな -██博士
補遺2: 20██/04/██、白紙であったSCP-XXX-JPの奥付部分に、記述の出現が確認されました。以下の記述は、観取した研究員によって書き写されたものです。
"Symbol Spoilers series"
第16段 『[あ段4行目の平仮名]ぬきのふしぎ』 series初の絵本。お子様の教育に!
第26段 『楽しい[あ段6行目の平仮名]なしができる本』 口下手なあなたに贈る、飽き@れない話題集。
第27段 『火消 ~誕生と歴史~』 江戸の町を守った消防組織をリアルに描く時代小説。
第41段 『@抜き言葉のすすめ』 美しくあた@しい、日本語のすすめ。[当書]
第42段 『理詰めの法廷』 最新作!法廷を舞台に巻き起こる、本格推理サスペンスコミック!
書けない文字があるという事は、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-β以外の3冊も現存すると見ていいだろうな。当補遺作成時点ではSCP-XXX-JP-βが最新作であるようだが、それは言い換えれば、「う段9行目」以降も続いていくという予告だ。いや、何も日本語に限定せずとも、例えばアルファ ベットやキリル文字・ギ リシャ文字なんかに影響を及ぼす「新作」が追加される懸念さえある。嬉しくない予感的中だな -██博士
「サイン堂」を名乗る存在については、その規模・所在・形態に関して、日本国内を中心に調査が進行中です。上記で言及されている3冊を始め、未発見・未収用のSCP-XXX-JP類似書籍が存在する可能性が高いとされ、SCP-XXX-JPオブジェクトク@スのEuclidへの変更が決定されました。
補遺3: 20██/02/██、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-βを含めた、各清音・濁音・半濁音・撥音に影響する全71種類の類似書籍を収容完了しました。それに伴い、SCP-XXX-JPのオブジェクトク@スはSafeへと差し戻されました。尚2016年時点で存在やその示唆は確認されていませんが、SCP-XXX-JP及び収容済み類似書籍の別個体と、日本語以外の各文字や倍濁音・踊音・倒音に影響する類似書籍の捜索も継続されています。
一部の言語学者の間では、「ぢ」「づ」の文字は今後百年の内に絶滅するだろうなどと言われている。それだけ現代仮名遣いにおける使用頻度が低 いという事だが、それは倍濁音・踊音・倒音とて同じだ。そして、滅多に使われないだ行の2音にさえご丁寧に特異性を持つ書籍が作成されているという事は、「 」「 」「 」に関する類似書籍が存在してもおかしくはない -██博士
警告: 倍濁音「 」・踊音「 」・倒音「 」の認識が不可能である職員は、直ちにサイト-8149に通報の上、記憶のサ ルベージと再構築試行処置を受けて下さい。過去のどこかの時点で、倍濁音・踊音・倒音に影響するSCP-XXX-JP類似書籍を読了した疑いがあります。
SCP-XXX-JP実験初期に育成されたSCP-XXX-JP-B(オクラ)。使用回数は右から1回、5回、11回。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8149の低危険物収容ロッカーに収容されています。セキュリティクリアランスレベル2以上の職員に申告し許可を取れば、誰でも使用可能です。ただし使用可能場所は同サイト内の実験用菜園-βのみに限ります。また、使用する前にどの野菜の株に何度既に使用しているかを確認し、11回以上同じ株に使用しないで下さい。
説明: SCP-XXX-JPは、ブリキ製のじょうろです。見た目や組成に特筆すべき点は無く、古びていて全体的に錆が浮いていますが、普通のじょうろとして問題無く利用出来ます。
SCP-XXX-JPの第1の特異性は、人間関係に何らかの"ねじれ"を持つと自覚している人物(以下、該当者)が取っ手を持った時に発現します。該当者がSCP-XXX-JPの取っ手を握ると、その瞬間SCP-XXX-JP内に未知の液体(以下、SCP-XXX-JP-A)が底から湧き出る形で出現します。SCP-XXX-JP-Aは、化学組成的には複数の微量な金属イオンを含んだ水です。飲用したDクラス職員からも「塩を少し溶かした硬水のような味」といった旨の情報を得られたのみで、特に人体に有害な効果は確認されていません。該当者がSCP-XXX-JPからSCP-XXX-JP-Aを撒いていくと、SCP-XXX-JP-Aの残量に比例して該当者の抱えたストレス・憤り・鬱屈感・不安感といった"ねじれ"に起因する感情が薄れていき、SCP-XXX-JPが空になると完全に払拭されます。結果として対象と対象の心に"ねじれ"を生じさせていた人物との仲は高い確率で好転しますが、この事象までがSCP-XXX-JPの効果なのかは判然としていません。
SCP-XXX-JPの第2の特異性は、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-Aを人間が摂食可能な草本性の植物の水やりに使用した際に発現します。SCP-XXX-JPから撒かれたSCP-XXX-JP-Aを吸水した草本性植物の可食部分(俗に「野菜」と呼称され摂食される部分)は、その回数に比例して"ねじれ"ていきます(右写真参照、以降SCP-XXX-JP-B)。それがどんな形状のどのような部位であれ、約5回の水やりで弓形に、10回の水やりで完全に円形になります。まだその部位が形成されていない時にSCP-XXX-JP-Aを吸水してもその回数は記憶され、後に回数に応じた角度で"ねじれ"た状態で形成されます。SCP-XXX-JPに通常の水を入れて水やりをした場合、発現したSCP-XXX-JP-Aを別の容器に入れて水やりに利用した場合では、この異常性は発現しません。また、SCP-XXX-JP-Bは通常の同種の野菜に比べ含有する栄養素が増加しますが、甘味や酸味、えぐみや青臭さといった風味も同時に増加します。この特徴もまた、SCP-XXX-JP-Aの吸水回数に比例します。
SCP-XXX-JP-B摂食実験 - 日付20██/07/██
対象: D-190877
実施方法: SCP-XXX-JPを使用して生育された6段階のトマト(使用回数1回、3回、5回、7回、10回、15回)を各2つずつ、片方は生食させ、もう片方はミネストローネに調理して摂食させる。
結果:
分析:
補遺1:
お元気ですか?こちらはぼちぼちやっています。
最近、疲れは溜まっていませんか?イライラに任せて、つい人に辛く当たったり、それを後悔したり…
そんな貴方を心配してる、優しいこの子を送ります。
栄養満点に育ったお野菜で、仲直りのスープを作って下さいね。
酩酊街より 愛を込めて
画像元:じょうろ udonumai様作 http://www.photo-ac.com/main/detail/572578?title=%E3%81%98%E3%82%87%E3%81%86%E3%82%8D&selected_size=s
オクラ:自家製
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト81██の低危険物収容ロッカーに収容されています。SCP-XXX-JPは現在までに1██個発見されていますが、目に見える相違点が見当たらない場合、外箱含め2例のみを残し残りは焼却処分して下さい。
SCP-XXX-JPの外箱は財団フロント企業である製菓会社「Sweets and Cuties Presents」製のバウムクーヘンに酷似しており、しばしば店頭の商品陳列スペースに混入する形で発見されます。現時点までに、他社製品の中に紛れていたという報告、または店頭以外の場所で見つかったというケースは報告されていません。「Sweets and Cuties Presents」製バウムクーヘンを販売する小売店では各地のエージェントが、生産工場では機動部隊く-4("クロオオアリ")が常に商品を監視し、紛れ込んだSCP-XXX-JPの回収に努めています。
説明: SCP-XXX-JPは、清潔にパッキングされた状態の1個のバウムクーヘンです。少なくとも外見に特筆すべき点はなく、組成分析においても特に異常な成分は検出されていません。摂食した者もほぼ例外なく「普通のバウムクーヘンである」旨の発言をしています。
SCP-XXX-JPの異常性は、これを一口でも摂食した生物が被る認識災害です。SCP-XXX-JP摂食者(以降暴露者)が円盤状のものないしは環状のものを視認すると、暴露者は皆これらを本来の認識とは別に「バウムクーヘンでもある」と認識するようになります。視認する物が増えるにつれ認識は混ざり、暴露者の中でのその認識の差異は消失していきます。またこの症状には視認する円盤状・環状の物体の数によって段階が認められ、ステージが進むごとに視覚以外の知覚も認識障害の影響を受け、"バウムクーヘン"の摂食欲求が強まります。この効果は不可逆性であり、高クラスの記憶処理をもっても影響を取り除く事は不可能です。
SCP-XXX-JP暴露者のステージ進度は以下の通りです。
ステージ |
視認した円盤・環状物の種類数(概算) |
状態 |
1 |
1~10 |
身の回りに"バウムクーヘン"が遍在して見える事に困惑する。バウムクーヘンに見えてはいるものの、 大きさや手触りから違うものであると自力で理解出来る。 |
2 |
10~25 |
四六時中甘い匂いを感じ取るようになる。 甘い物を嫌う場合もその苦手意識が払拭される。自力でバウムクーヘンとそれ以外のものが区別出来なくなるが、指摘されれば多少の困惑を覚えつつも理解出来る。 |
3 |
25~40 |
触覚に影響が及び、明らかにバウムクーヘンよりも堅いものも「口触りがよさそう」と称し摂食欲求を示す。身の回りの円盤・環状物が全て"バウムクーヘン"である事が当然だと考えるようになり、差異を説明されても異常な混乱を示し理解が及ばなくなる。 |
4 |
40~75 |
味覚と食欲が浸食され、 "バウムクーヘン"が傍にあれば常に噛り付いている状態になる。また視覚にも更なる異常が起き、一時的に環状にしたホースやコード、上から見た深皿やコップ、指や腕で形作った歪な輪ですら"バウムクーヘン"として認識する。 |
5 |
75~ |
[削除済]。いかなるコミュニケーションも成立しない。 |
SCP-XXX-JPインタビューログ1
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
補遺: SCP-XXX-JPの発見された商品棚には、必ず以下のようなカードが残されています。
寂しく残酷で哀れな三頭犬へ 甘ぁいお菓子をどうぞ差し上げます
シビュレー・スイーツファクトリー
【自分流:怖いものを書くには?】
すべての前提
SCPの全ては『無について、あるいは自然について』(ゴルギアス,οργίας, Gorgias, 紀元前487年–紀元前376年)に帰結する
「何もない。あったとしても、人間には捉えられない。捉えられたとしても、それを理解する事も、誰かに伝える事も出来ない。」
多くの人間にとっての「何もない」を守る為に、人間には捉えられないものを理解し、仲間に伝え共有しようとするのが財団である。
人知の及ばぬものをヒトの作った言葉で表そうとするのだから、そもそもが無茶ぶりなのである。
①知覚「できる恐怖」と「できない恐怖」を使い分け、両方を盛り込む事
→面白い「恐怖」はそのバランスが神がかってる
ゴジラ:巨体、壊れるビルや戦闘機、逃げる人、「あおーん」…見える・聞こえる恐怖
放射能(生まれた理由)、海の底で寝てた(知らないだけで、ひょっとしたらいるかも)…見えない恐怖
バイハ:ゾンビ(結果)…見える恐怖
ウイルス(原因)…見えない恐怖
→特に視覚は大事! 健常者の情報の8割は視覚から、1割は聴覚からと心得る事!
それ、記事読んでイメージできるか? 物あるいは状況を絵に起こせるか? 画像に頼ってないか?
②テーマとする各文化を正確に把握し、最低限狙った層には喰いつける内容にする事
→デノテーション・コノテーション、パラダイム、ことわざ、界隈の流行り廃りetc…
下手に専門用語使っちゃダメ。無学が露呈する。使いたいならしっかり調べてから。グロックの件は二度と繰り返すな
→みんながみんな気に入る表現、テーマなんぞ無い
誤字無し、文法通る、意味が伝わる、それでよし。特殊な技術が無いから尚更。
意味不明故のnvよりは、「ここがダメ」って理由をつけてdvしてもらえる記事に
③ぽっと出のアイデアを無駄にしない事
→アイデアは大抵1個じゃ役立たず。組み合わせてやっと面白くなるが、くっつけすぎてもくどくなる。生け花の如し。
気持ち骨子のアイデア1個に1・2個肉付けする位で。どうせ書いてる内にまた余計な事考えつくんだから。
→書いてる内に思い浮かんだ事はとりあえず盛り込んどく。
下書きスレに投げる前に見直しして、要らんと思ったら倉庫に残す。消すな。添削で「要らん」って言われたのも同様。
(→スマホにメモったアイデアはその日の内に倉庫に移せ
日が空くと「何このかゆうまみたいな」ってなる。自分の海馬が残念仕様な事だけは忘れるな)
・視認性運動盲。コマ送り。
媒体はありきたりだとネタ被りが心配
・正常性バイアス 付和雷同
・オトシブミのなにか
・ハイチーズの「チーズ」の意味。日本語じゃ元の意味じゃない。
・中途半端な枝豆。大豆になれない内に食われる恨み
全ての鞘が豆三つだから見分けは容易
・週刊少年おまえ マンガの主人公が全部自分の週刊雑誌。アンケート制完備、順位が上下。
・個人的ドイツ支部発足祝いネタ
「ユビキタス・バウム」…食べると周りの円盤状・輪っか状のものが皆バウムクーヘンに見えちゃう。視覚と認知の認識災害、一度見えるとどんどん認識がごっちゃになっていく。ドーナツもDVDも五円玉もフラフープも指輪も全部「バウムクーヘン」。映像が見られて通貨にもなって遊べて着飾れる美味しいケーキ、ただし「お前がそう思うならそうなんだろう、お前の中ではな」状態。一遍輪っかにしたのを見ちゃえば、コードも蛇も指や腕ですらバウムクーヘン。最終的には絶対食えないもんとか他人や自分をかじって[削除済]。要注意団体製(お菓子関連の団体、既にあるか?)、財団のフロント企業のケーキ屋か製菓企業(Sweets and Cuties Presentsとかそんな名前の)の商品列にしれっと混ざる。(主に)財団に対する悪意剥き出し。
・"Andersen"『親指姫』ネタ
クルミの殻を象ったクッションorソファ。タグに銀の糸で"Andersen"の刺繍。こいつでうたた寝した人は、種族構わずあらゆる異性の生命体から性愛の対象として見られるようになる。会話を用いた意思疎通も可能に。既に恋人とか配偶者がいても効果は続く。親指姫が魚やツバメやネズミに助けてもらえたように、個人により友好的な種族がいてもいいのかもしれない。原作は花の国の王子様と結婚してハッピーエンド、問題はどうやってSCPっぽい悲劇オチに持ってくか
・過冷却血栓症 ちょっとした衝撃でその部分に血栓が出来る病気。体温がアホ程下がる。その場で詰まったり脳とか肺に回ったりしてお陀仏。進行状況によって耐えられる衝撃の強さは変わる
・DVD-ROMの生板
ペンで題名を直接書き込むと、その映像が見られる。有名映画から絶版アニメ、ドラマ、CM、AV、学生時代に撮った自主製作映画まで何でも!元アノマラスアイテム。
ただし、誤字や書き損じがあるとそれが内容に反映されて、異常性を持った映像になっちゃう。
・鳥類の求愛行動+意志を持った漢字の部首とつくり。
B5サイズの大学ノート。ページの真ん中に「つくり」を書くと、周囲から「部首」がノートの上に出てきてワイワイやりだす。こいつら鳥の生態を模しており、鳴くし飛ぶ。可視範囲はノートとその上空のみだが、単純に見えなくなってるんじゃなくて、どっかいってるらしい。「つくり」がメス、「部首」がオス。「部首」はいろんな求愛行動で「つくり」を誘う。カップル=漢字成立の時点で他の「部首」は消え、ノートがひとりでに破れて卵を形成、数日するとその漢字の特徴を持った鳥が生まれる。生まれるのが何の種類の鳥になるかは「部首」の行動に依存し、「つくり」がどの「へん」を相手取るかは、「つくり」を書き込んだインクとか筆跡に依存する。実はこの部首、書いた人間の記憶から出て来てる。漢字成立して卵になっちゃうと、それに使われた「部首」の含まれる漢字を、漢字として認識できなくなる。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
実施方法:
結果:
分析:
列1 |
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