錬金術師の遺産

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは移動させることが不可能な為オブジェクトを中心に6.5メートル四方のニッケル合金製の収容室を作成し、管理・収容を行ってください。また、いかなる場合であっても収容内にSCP-XXX-B以外の光源を持ち込んだり、SCP-XXX-B-JPを収容室外に持ち出してはいけません。現在、SCP-XXX-JPの収容室に6人未満で入室する事及び活性化させることは禁止されています。SCP-XXX-B-JPは部屋の四隅に設置して下さい。SCP-XXX-Bの炎が大きくなった際に大量の蝋が溶けだす為、Cクラス職員が物を投入し、Dクラス職員が蝋の除去を行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは地上約1.5メートルを浮遊する、頭頂部がくり抜かれた人間の頭蓋骨を模した容器とそれに付随する4本の蝋燭(以降SCP-XXX-B-JP)です。SCP-XXX-JPの頭蓋内は紫色の不透明な液体で満たされています。SCP-XXX-JPは非常に遅い速度で反時計回りに回転し、約██時間掛けて一回転します。この運動を止める試みはどのような器具を用いても達成されていません。SCP-XXX-B-JPは、常に12ルクスの光を発し続け、尚且つ火が消えることの無い蝋燭です。火は風などの影響で靡く事がありますが、光量は常に一定に保たれます。SCP-XXX-B-JPは代謝によく似た機能を持ち、溶けた分の蝋を補填するのでSCP-XXX-B自体が燃え尽きて無くなったり短くなったりすることはありませんが、溶けた蝋は床に零れて固まります。1度溶けたSCP-XXX-Bの蝋は強い腐食性を持ち、放置すると強酸腐食性ガスを発します。職員が5名以下しか入室していない時にSCP-XXX-JPは活性状態に入ります。SCP-XXX-JPの活性時に頭蓋内に物を投げ入れると、SCP-XXX-B-JPの炎が一瞬大きくなった後、投げ入れたものと同体積の金が収容室内のどこかに発生します。この時、変換前の物質を同体積の金に変換する際に足りない分の質量を補おうとして周囲の物質を吸い込み始めます。逆に、金より重い物質(鉛など)を投げ入れた場合、余剰な質量が無条件で放出されます。この際放出されるエネルギー量はE=mc^2の式に当てはめることで求めることができます。吸引は勿論収容室自体にも及びます。

活性非活性に関わらず、SCP-XXX-B-JP以外の光源が当たった場合、致死性でとても強い腐食力を持った強酸腐食性ガスを発生させます。如何なる防具を持ってしても、収容室内の職員は死亡します。SCP-XXX-JPは活性時に稀に歯軋りをして音を発する事がありますが、物理精神ともに影響を受けることはありません。金銭に関わるトラブルや犯罪を起こした事のある職員がこの音を聞いた場合、その職員は一種の精神異常に陥ります。魅了状態に置かれた職員をSCP-XXX-C-JPと呼称します。SCP-XXX-C-JPは、体積が大きく質量が小さいものをSCP-XXX-JP内に積極的に投入しようとします。SCP-XXX-C-JPを発見次第、排除して下さい。

オブジェクト収容記録
19██/██/██ 西ヨーロッパに位置する[削除済]の洞窟内で現地住民に発見されました。発見した現地住民は本人の同意の下クラスB記憶処理を施し解放しました。

19██/██/██ 洞窟に食い込む形でSCP-XXX-JPを中心に4.5メートル四方で鉄筋コンクリート製の収容室を作成しました。

19██/██/██ Bクラス研究員████がSCP-XXX-JPを撮影しようと試み、フラッシュ撮影を行った所強酸腐食性ガスが発生し常駐職員7名、研究員1名、研究補佐3名が死亡、収容室が崩落しました。

20██/██/██ 新たにニッケル合金製の収容室を6.5メートル四方に作成しました。

20██/██/██ 実験中に職員が発泡スチロールを投入する事故が続発。関連性を調べた所、全員が何らかの金銭トラブルを起こしたことがあることが判明。犯罪歴の調査徹底を決定。

注意: 変化後の金はおよそ██時間後に有機水銀に変化します。