アイテム番号: SCP-1125-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1125-JPはサイト-8102の防音ロッカーに収容します。防音ロッカーの内部には監視カメラが設置されます。同サイトにはシジュウカラを収容しないでください。SCP-1125-JPが過去に確認された位置から半径1kmは封鎖し、警備員に偽装したエージェントと監視カメラによって監視されます。SCP-1125-JP-1かSCP-1125-JP-2が確認された場合、速やかに確保してください。第2段階SCP-1125-JP-2の影響を受けた財団職員に対してはクラスA記憶処置を実施してください。第3段階SCP-1125-JP-2はサイト8141内の人型用収容セルに収容します。
説明: SCP-1125-JPは19×15×32cmの鋼鉄製の巣箱です。側面のうち1つの中心に直径3cmの円形の穴が空いていますが、対象が非活性の時は内側から蓋で塞がれています。清掃のために下扉が備え付けられています。SCP-1125-JPの内部は常に空です。対象は毎年7月〜9月に活性化状態になります。活性化状態になると、円形の穴からSCP-1125-JP-1が出現します。
SCP-1125-JP-1は体長が約80mmの雄のアブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)です。SCP-1125-JP-1の生態は他のアブラゼミに酷似していますが、通常の個体には無い生命力と寿命に加え温度への耐性を持ちます。空中を時速30km〜███kmの速度で飛翔することが可能です。オブジェクトが発する鳴き声を聞いたシジュウカラ(Parus minor)は、SCP-1125-JP-1がいる位置に一番近い水場に飛び込み「自殺」します。その後、頭部から組織がアブラゼミのものに変容を始め、最終的にSCP-1125-JP-2になります。
SCP-1125-JP-2には3つの段階があります。
- 第1段階: 体長40mm程度のアブラゼミの幼虫です。変容が完了するとオブジェクトは岸に移動した後に地中に潜ります。これは地面が土以外の物質である場合でも同様です。観察の結果オブジェクトは地中約4mの位置に好んで留まる事が分かりました。
- 第2段階: 地中に潜り数年が経過すると、オブジェクトは通常のアブラゼミと同様に成虫に変態します。しかしその直後に頭部から変容を始め、最終的にシジュウカラの雄になります。オブジェクトは通常の個体よりも遥かに高い生命力を持っています。この段階のSCP-1125-2は全ての人間に対して明確な敵意を持ち、殺害を試みます。オブジェクトの鳴き声を聞いた人間は突然自分が行なったあらゆる事に対して後悔し始め、何事に対しても無気力になり、最終的に自殺を計ります。より長く鳴き声を聞くほど、症状は一次関数的に悪化します。この症状は記憶処置を実施する事により改善されますが、完治する事はありません。殺害に成功し、なおかつSCP-1125-JP-2が生存していた場合、オブジェクトは第3段階に変容し始めます。
- 第3段階: シジュウカラの頭部を持つ人型の生物です。頭部以外の特徴は人間と酷似していますが、通常の人間と比較して数倍の身体能力を持ちます。甲高い声で、ロシア訛りのある英語をはっきりと話します。対象はロシア人の名前を名乗ります。白いスーツに黒いネクタイを着用し常に、表紙に「聖書」と書かれたA6版の本を携帯しています。本の没収を試みると、対象は激しく抵抗します。対象は人間と会話することを望みます。その際に懐から表紙に「聖書入門編」と書かれた薄いA6版の本を取り出し、それを手渡そうとします。本は表紙と目次以外は未知の言語で記述されており、未だ解読には成功していません。拒否すると対象は怒り始め、未知の言語で怒鳴りながら暴力を振るい始めます。
[これはSCP-1125-JP-2が財団に収容されてから初めて行われたものである。]
財団職員██████: おはようございます、SCP-1125-JP-2。
SCP-1125-JP-2: 私の名前はダヴィデンコ・██████だ。
財団職員██████: 記録しておきます。あなたの事について幾つか質問したいのですが、よろしいでしょうか?
SCP-1125-JP-2: 構わないよ。
財団職員██████: あなたに仲間は居ますか?
SCP-1125-JP-2: 私には同志と賛美するべき神が居る。君達は全てを確保しているわけではないのだよ。
財団職員██████: あなたにとっての「神」とはSCP-1125-JP-1の事ですか?
SCP-1125-JP-2: その呼び方は気に食わないが、そうだ。
財団職員██████: では、SCP-1125-JPについて何か知っていることは有りますか?
SCP-1125-JP-2: …ん、なんだいそれは?分からないな。
財団職員██████: 鉄製の巣箱の事です。
SCP-1125-JP-2: 分からないな。
財団職員██████: …では、あなたの出生について教えて下さい。
SCP-1125-JP-2: 私はあの日まで餌を貪り食べ、自堕落に生きていた。然し、その日に私は神の声を聴いた。其の声を聴いた時に、私の心は後悔と自責の念に支配され、その結果、私は死を選択した。
財団職員██████: ……手短にお願いします。
SCP-1125-JP-2: ん、分かった。まあ君達はもう知っていると思うが、その後私は神の子の姿になり、長い時を待った。そして再び元の姿に戻り、君達の同胞を葬った。
財団職員██████: 何故あなたは人間を殺害したのですか?
SCP-1125-JP-2: それが神の意志だったからだ。お前達は神の居場所を破壊しようとしている。私達がお前達に成り替わる事を神はお喜びになる。…然し、お前達にも希望はある。(懐から薄いA6版の本を取り出す)この本を読むのだ。読む事により、お前は救われるかもしれない。
財団職員██████: 考えておきます。
録音終了
1章 天地創造
2章 生命創造
2.5章 人類創造
3章 神の後悔
3.5章 超常の目覚め
4章 神の失墜
5章 神の変貌
5.5章 神の声
6章 信者の活動
6.5章 神と信者の[解読不能]
7章 超常の暴走
7.5章 人類[解読不能]
8.5章 人類[解読不能]
9章[解読不能]
補遺: SCP-1125-JPとSCP-1125-JP-1は19██年に日本の██県██村で「鳥が次々と水に飛び込んでいる」と報告を受けたエージェント█████に発見され、調査の結果オブジェクトの異常性が判明し、速やかに確保が行われ、周囲の住民にクラスB記録処置が実施されました。第2段階SCP-1125-JP-2は20██年にSCP-1125-JPとSCP-1125-JP-1が発見された所と同じ場所で発見されました。█名のエージェントが犠牲になりましたが、最終的に全ての個体の殺害に成功しました。第3段階SCP-1125-JP-2は20██年に日本の██県██町で「鳥人間が居る」と報告を受けたエージェント█████に発見されました。対象は激しく抵抗しましたが、最終的にエージェント█████によって確保されました。対象はエージェント█████を知っている様でした。周囲の住民に対してクラスB記録処置を実施しました。
██████学校から押収したSCP-XXXX-JPの写真
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの種子はサイト8102の鍵で施錠された小型ロッカーに収容して下さい。実験は鈴木博士の許可を得て実施してください。実験終了後のSCP-XXXX-JPは高温下で地面ごと焼却処分してください。
説明: SCP-XXXX-JPはハツカダイコン(Raphanus sativus var. sativus)に酷似したアブラナ科ダイコン属の植物です。SCP-XXXX-JPに遺伝的異常は見られません。現時点ではオブジェクトの野生の個体は確認されていません。SCP-XXXX-JPの生態は通常のハツカダイコンに酷似していますが、耐環境性、耐貧栄養性に優れており、寒波、病害などの過酷な環境でも栽培可能です。SCP-XXXX-JPは動物の血液のみを水分として吸収・蒸散します。それ以外の液体に対しては実験の結果全く反応しない事が分かりました。
SCP-XXXX-JPは発芽してから約20日で根、茎、胚軸の成長が終了します。(以下の部分をSCP-XXXX-JP-1に指定)SCP-XXXX-JP-1は直径約6cmの球形で、皮の色は赤です。皮に色素が含まれて無い事から、皮の色は吸収した血液によりもたらされるものだと考えられます。SCP-XXXX-JP-1の硬度はSCP-XXXX-JPが生育している地面の固さに比例して高くなります。オブジェクトは生育する地面がどんな環境であっても(例え地面が無機物であっても)動物の血液さえあれば常に真直します。オブジェクトを観察した結果、SCP-XXXX-JPは最初に地面に「裂け目」を作り、その箇所から押し進むように真直して成長する事が分かりました。根、茎、胚軸の成長が終了した状態でSCP-XXXX-JP-1を収穫、若しくは約10日放置すると、オブジェクトは内部から爆発します。この時の爆発の威力はSCP-XXXX-JPが生育している地面の固さに比例して広くなります。爆発の原因は未だに不明のままです。SCP-XXXX-JPに果実は存在しません。その代わり種子がSCP-XXXX-JP-1の内部に点在しています。種子はSCP-XXXX-JP-1が爆発した時に周囲に四散します。
実験記録001
実施方法: SCP-XXXX-JPの種子を異なる硬度の地面に植え、各実験区のSCP-XXXX-JP-1の爆発の威力を測定する。爆発の威力の測定は地下で行う。単位はTNT換算トン(t)
補遺: SCP-XXXX-JPは20██年█月██日に日本の茨城県███市の██████学校に所属している研究クラブの実験室で研究用に栽培されていましたが、SCP-XXXX-JP-1の異常性により事故が発生しました。情報を入手した財団エージェントが現場を1週間封鎖し、カバーストーリー「実験中の事故」を流布しました。事故を目撃した人に対してはクラスB記憶処置を実施しました。種子と生体、実験記録は押収され、生体は情報の記録の後焼却処分されました。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid→Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-1に物理的に接触する試みは現在までのところすべて失敗に終わっています。事案SCP-XXXX-JP-Aを以って、SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはKeterに変更されました。全国のペットショップに財団エージェントを配置してください。SCP-XXXX-JPが出現した場合、速やかに現場にエージェントを派遣し、カメラで撮影、記録してください。事案SCP-XXXX-JP-B後SCP-XXXX-JPが毎回財団Dクラス職員をSCP-XXXX-JP-1に指定していることから、対象が財団の所有するDクラス宿舎に出現する可能性が極めて高いため、通路や道路の監視を徹底してください。
説明:SCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-1は1か月に1回、雨の日の15:00~16:00の間に出現します。対象は日本各地のペットショップの前の道路に出現します。 事案SCP-XXXX-JP-Aより、出現する場所の法則は失われました。現在、対象が出現する場所の傾向はまだ判明していませんが、日本中のどこかの通路、もしくは道に出現します。
SCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-1は破壊不可の透明な膜で覆われているため、物理的接触、破壊は不可能です。SCP-XXXX-JPは身長約175cmの日本人の男性です。対象は黒のスーツを身に着けています。対象がSCP-XXXX-JP-1以外と会話したことはありません。対象はSCP-XXXX-JP-1から一番近い無観測地域から、SCP-XXXX-JP-1が出現した3分後に出現します。SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-1を発見すると、基本的には対象とともにSCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-1に最も近い無観測地域から消失します。消失後の行動は不明です。SCP-XXXXJP-1は様々な種類の雌犬です。SCP-XXXX-JP-1の個体は対象が出現した位置から一番近いペットショップに居る個体が未知の手段で移動されたものです。対象は段ボール箱の中に入り、傘を差した状態でペットショップの前の道路の端に瞬時に出現します。事案SCP-XXXX-JP-Aより、雌犬以外の生物も出現することが判明しました。現在では主に身体的、精神的に傷害を負った人間の女性が傘を差した状態で出現しています。これは出現する場所が室内であっても同様です。
日付 20██年█月██日
**場所 ██県██市██████
撮影者 エージェント島矢
<記録開始>
███氏の家の前にSCP-XXXX-JP-1が出現。対象は日本人と見られる女性で、赤の傘を身に着けている。体にはアザなどの傷害が確認された。対象はその場にとどまっている。
[3分12秒早送り]
SCP-XXXX-JPを確認。対象はSCP-XXXX-JP-1に接近し、何かを話している。(音声記録には残っていない。)
SCP-XXXX-JP、SCP-XXXX-JP-1が無観測地域まで移動する。
<記録終了>
犬だけが対象じゃないのか?面倒なことになりそうだ。-エージェント島矢
日付 20██年██月██日
**場所 サイト████Dクラス宿舎
撮影者 エージェント島矢
<記録開始>
SCP-XXXX-JP-1(D-█████)が宿舎の廊下に出現。対象は女性。精神疾患が確認されている。対象はその場にとどまっている。
[3分47秒早送り]
SCP-XXXX-JPを確認。対象はSCP-XXXX-JP-1に接近し、何かを話している。(音声記録には残っていない。)
SCP-XXXX-JP-1が泣き始める。対象はSCP-XXXX-JPに何かを懇願しているように見える。
[26秒早送り]
SCP-XXXX-JPが「もう救いはない」と言った後、突然SCP-XXXX-JP-1の首を絞め、絞殺する。
SCP-XXXX-JPがSCP-XXXX-JP-1を放置し無観測地域まで移動する。
<記録終了>
D-█████は死亡した。
補遺: 事案SCP-XXXX-JP-Aの13日後、 ███氏が暴行等の罪で逮捕されました。財団はカバーストーリー「DVが原因の自殺」を流布し、情報の隠蔽をしました。その後、███氏は仮釈放時に自殺しました。
アイテム番号: SCP-1016-JP
オブジェクトクラス: Keter→Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1016-JPの周囲半径1kmのエリアは財団が買収、封鎖しています。エリア外に観測所が設置されています。エリア内に生物を侵入させないでください。エリア内の監視は常に遠隔操作されたドローンで行ってください。再び活性化することを未然に防ぐため、1週間に1回、川崎博士が指定する本を数冊SCP-1016-JPに輸送してください。SCP-1016-JPの前にSCP-1016-JPの遺骨が入った箱が設置してあった場合、回収し、埋葬してください。
SCP-1016-JPの周囲半径1kmのエリアは財団が買収、封鎖しています。エリア外に観測所が設置されています。エリア内に生物を侵入させないでください。エリア内に生物が侵入した場合、対象の救助活動は一切行いません。エリア内の監視は常に遠隔操作されたドローンで行ってください。1か月に1回、1名のDクラス職員をSCP-1016-JPの半径1km以内に配置してください。記録時、音声を切っても構いません。担当職員は1週間に1回精神鑑定を受けてください。
日本全国の行方不明者のリストを作成し、SCP-1016-JP-1の血液のDNA鑑定を行い、身元を特定してください。
説明: SCP-1016-JPは、██県███村にある病院の中にある手術室です。SCP-1016-JP以外の病院内部はひどく劣化していますが、SCP-1016-JP内部は建築当初の姿を保っており、劣化の兆候が見られません。SCP-1016-JPは、生物がSCP-1016-JPの半径1kmに侵入する、又は1か月以上人間がSCP-1016-JPの半径1kmに侵入していない場合に、未知の要因でSCP-1016-JPの内部に人間が出現することで活性化します。SCP-1016-JPの内部に出現する人間は日本全国の行方不明者のリストと一致します。SCP-1016-JPの半径1km以内に何らかの手段で侵入した生物をSCP-1016-JP-1に指定します。
SCP-1016-JPが活性化すると、SCP-1016-JP内部の無影灯から2~██本の人間の腕が伸長し始めます。腕は手に水色のゴム手袋をはめています。腕はSCP-1016-JP-1を手術台にロープなどを用いて拘束し、その後「改造」を始めます。SCP-1016-JP-1の意識は明瞭で、麻酔は使用していません。一部の例外を除き、SCP-1016-JP-1は痛みによる苦痛でショック死します。「改造」の内容は様々で、主に四肢切断を好んで行っています。SCP-1016-JPは医療に関して人間をはるかに凌駕する高度な知識、技量を持っています。SCP-1016-JPの内部には地下へつながるパイプ状の通路が複数あり、通路の先には██×██×█mの空間があります。空間には今まで「改造」した生物が壁に沿ってつるされています。現段階で死体の数は███です。死体にはタグがつけられていて、その死体についての記述がされています。詳細は記録SCP-1016-JP-1を参照してください。
死体の概要 |
番号 |
名前 |
男性の四肢を切断した死体。 |
No.001 |
作品1号 |
人間の頭部と犬の胴体を縫合した死体。 |
No.017 |
人面犬 |
胎児の頭部にカモメの胴体を縫合した死体。 |
No.053 |
芸術 |
男性の左半分と女性の右半分の死体を縫合したもの。 |
No.087 |
男爵 |
奇形児。 |
No.097 |
餓鬼 |
█████のコスプレをした女性の死体。この死体のみ衣服を着用している。この死体のタグのみ血液で着色してあった。 |
No.121 |
[編集済] |
人間の男性。支離滅裂なことを小声で話している。その他の生物としての機能は失っている。 |
No.167 |
練習 |
補遺1: 事案SCP-1016-JP-Aが20██年██月█日に発生しました。エージェント██が誤ってSCP-1016-JPの半径1km以内に侵入し、「改造」されました。対象は生還しました。対象に身体的異常は見られませんでしたが、脳波に異常が見られました。
対象:エージェント██
インタビュアー:川崎博士
<録音開始、20██年██月██日>
川崎博士:エージェント██、気分はどうですか。
エージェント██:今のところ大丈夫です。時々頭がぼんやりすることがありますが。
川崎博士:そうですか。今後何かあったら報告してください。
エージェント██:分かりました。うっ。
川崎博士:どうしました?
エージェント██:ごほっ。
[エージェント██が倒れる。]
川崎博士:エージェント██!?インタビューは中止だ!医者を呼べ!
[エージェント██が再び起き上がる。]
エージェント██:ま、待ってよ。博士。
川崎博士: …大丈夫ですか?とにかく、一旦インタビューを中断しましょう。医者に診てもらってください。
エージェント██:だ、ダメだ。今じゃなきゃダメなんだ。話、聞いてくれよ。頼む。
川崎博士: 何故ですか?
エージェント██:じ、時間がないんだよ。この体、もうすぐ使えなくなるから。
川崎博士: あなたはエージェント██ではないのですか?
エージェント██:違う。お、お前らが、よおく知ってるやつだよ。な、なんだっけ、そうだ。SCP-1016-JPだよ。お前たち、そう呼んでたよな。
川崎博士:あー…いい機会です。質問してもよろしいでしょうか?
エージェント██:うん。
川崎博士:では、まず、あなたは何故自分がSCP-1016-JPと呼ばれていることを知っているのですか?
エージェント██:俺が、いじるのが上手いからだよ。うん。
川崎博士:分かりました。次の質問です。あなたは何故あのようなことをしているのですか?なぜ死体を集めるのですか?
エージェント██:な、なんでお前こそそんな質問するんだ?お前、み、見てたじゃん。見てた理由って、そ、その、楽しかったからじゃないのか?
川崎博士:見てて気分のいいものではないですね。
エージェント██:う、嘘つけ。前の奴らは、みんな、みんな笑っていたぞ。笑っていた。うん、そうだ。
川崎博士:「前の奴ら」とは?
エージェント██:お、俺にも分からねえよ。俺が知っていることは、奴らが金持ってて、なんか、えらいやつだってことだよ。俺の、「改造」は、高いから。
川崎博士:もう一度聞きます。あなた自身の理由は何ですか?
エージェント██:[約30秒間沈黙]
川崎博士:私は待ちます。
エージェント██:[エージェント██は咳き込む。]お、俺は…最初はな、その、仕事のつもりだったんだよ。いやね、そもそもこんなことをしている時点でいかれていることは今はわ、分かっているんだけどさ。「改造」を奴らに見せていくたびにさ、叫び声とか血とかを見るたびにさ、じ、自分も奴らと同じようになっていってさ、狂ってさ。ますます。[10秒間沈黙]おえっ。
川崎博士:エージェント██?
[エージェント██が再び倒れる。その後エージェント██の死亡が確認された。死体には今までのSCP-1016-JP-1と同じくタグがつけられていた。]
<録音終了>
タグ:No.███ ザ・コミュニケーション
補遺2:事案SCP-1016-JP-Bが20██年██月█日に発生しました。SCP-1016-JPの半径1km以内に配置したDクラス職員が「改造」されましたが、再び生還しました。対象に身体的異常は見られませんでしたが、脳波に若干の異常が見られました。この事案後、SCP-1016-JPが活性化することはなくなりました。頻繁にSCP-1016-JPの前にSCP-1016-JP-1の遺骨が入った箱が設置されるようになりました。20██年█月█日に、SCP-1016-JPのオブジェクトクラスはEuclidに変更されました。
対象:D-█████
インタビュアー:川崎博士
<録音開始、20██年██月██日>
川崎博士:あー…SCP-1016-JPですか?
D-█████:うん。
川崎博士:なぜまた話そうと思ったんですか?
D-█████:言いたいことがあるんだ。
川崎博士:はい。
D-█████:もう、俺は「改造」をしない。
川崎博士:何故ですか?もう楽しく無くなったのですか?
D-█████:その、だな。手が、震えるんだ。おぼつかないんだよ。つまりだな、もうね、出来ないんだよ。「改造」が。多分、あんたの言った通り、楽しく無くなった、ということなんだろうよ。グロテスクなものが、無理になった。
川崎博士:やめるきっかけのようなものはあったんですか?
D-█████:きっかけはね、うん。やっぱり、この前の話だよ。人に自分の心境を語るのなんて、初めてだったから。あんたらには、迷惑掛けたがな。
川崎博士:あなたは私たちの仲間のほかにも、沢山の人や動物を殺害しています。
D-█████:[5秒間沈黙]恐らく、だ。俺が反省してるって言っても、だれも信用しないだろ。でも、まあ、それはもう仕方がない。俺はただ、あの場所で懺悔するだけだ。
川崎博士:私としては、信用したいところなのですが。反省してるということも、もう誰も殺さないということも。
D-█████:有難う。あ、あと1つ、お願いしていいか?
川崎博士:なんでしょう。
D-█████:流石にあの場所に何もせず延々といるのは苦痛だ。何か寄越してくれ。そうだな…本がいい。うん。
川崎博士:善処します。何の本を希望しますか?
D-█████:█████(キャラクター名)の本がいいな。気に入ってるんだ。アンタも好きだろ。
川崎博士:はい?
[D-█████が倒れる。対象は約3時間後に正常な状態で目覚めた。タグがポケットの中に入っていた。]
<録音終了>
タグ:No.███ おしまい。
補遺3:20██年██月█日、SCP-1016-JPの前に遺骨の入った箱に加え1冊の日記が設置されていました。日記の内容は以下の通りです。
██月█日
今日から最悪の仕事が始まる。奴らの考えてることはよくわからない。何故死体を弄ぶ?だが、やるしかないのだろう。やらねば殺される。私が目指したのは、このような道ではなかったはずだ。もっと、優しく、丁寧で、だれも死なない道…だったはずだ。
██月██日
毎日が憂鬱だ。何故私は生きている?死ねば楽になるというのに。どうやら私には、死ぬ勇気すらないようだ。
██月██日
何も考えずに仕事をすることを身に着けた。相手はどうせ、生きていないのだ。動いていないのだ。そう思えば、若干、気が楽になる。
█月█日
クソッタレ。奴ら…年明けだからって、とんでもないもの寄越してきやがった。相手は確かに生きていた。動いていた。奴らは麻酔を使うなと言った。逆らうことすらできないのか?私は。クズめ。相手は叫んでいた。最悪な1年になりそうだ。
█月██日
誰かにこのことをぶちまけようと、私は逃げた。無我夢中で走った。だが、また捕まった。殺されるかと思った。なぜか奴らは私を殺さない。
█月██日
私はどうやら、奴らと同じようになってきているらしい。口角が仕事中勝手に上がっていた。不快感も薄れていった。
█月██日
ついには幻覚まで見え始めた。気のせいだと思いたい。足が消えて見えた。
█月█日
今度は脚だ。足だけじゃなくなった。ひどい幻覚だ。もはやこれは幻覚なのか?
█月██日
意識が常にぼんやりしている。薬を飲んでも治らない。仕事をしているときにだけ、はっきりする。
██がつ█にち
からだのほぼすべてがきえている。うでだけなんだ。のこっているのは。いしきも、はっきりしない。しごとをしているときにだけ、はっきりする。きょうは、やすもう。やすめば、もどるさ。なにもかも。
わすれた
しごとは、たのしい。あいてを、やつらを、みおろせるようになった。だけど、やつらは、にげていった。おれも、にげたい。ずるい。
[判別不能]
やつらは、また、もどってきて、くれる。かならず。うでは、ふえる。
█がつ██にち
うでは、へる。
█月██日
おれは…なにを、やつらに、きたいしていた?なぜやつらを、しんじた?ま、いい。くるっていたのだろう。あのころは。いまもだが。てがふるえる。
█月██日
どうやらこれいじょうもどることはふかのうなようだ…ばつなのか?これは。すくわれることは、もう、あきらめた。だが、しってもらいたい。このざんげきを。だれでもいいんだ。それがもはやおれのさいごのねがいだ。はやく、あのひが、きますように。
█月██日
なんというこううん。そうていよりはやかった。はやくまなび、はやくつたえよう。
█月█日
伝えることはできた。だが…1人、死なせてしまった。罪悪感を感じるのなんていつぶりだ?ちょうどいい…終わらせよう。全部。あと…1人だけ。今度は死なせない。
█月██日
すべてを言い終わった。これから…どうすればよいのだろう。…待とう。懺悔しよう。すべての罪を償い終えるまで。
ーこの日記は財団に渡します。研究の助けになれば、幸いです。 ██ ██ より
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: 醜いのでけてる
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはとっても醜くて声がうるさくてかわいこぶっているので少なくとも1日に1回は虐待して可愛がってあげてください 虐待の方法は自由ですができるだけ苦しませてください 普段は小さな汚い檻の中に入れてあげてください ごはんとか寝るところはいらないです 奴はそれでも生きられます -なんでだよ畜生死ね- 奴はもっと優しくしてと頼んできますが無視してください 甘やかすとうざくなります うざかったら殴っても蹴っても構いません 奴を幸せにしてはいけません 絶対に それはわたしたちの為になりません
説明: SCP-XXXX-JPはとっても醜くて声がうるさくてかわい子ぶってる雌の2足歩行のサルです。奴は他にもいろんな生き物になることができますが、あろうことか奴はあの姿のままになってしまいました。わたしたちを裏切ったのです。許してはなりません。
補遺: 私たちは気づいてしまいました 奴にもいいところがあるんだって 奴は 虐待されているときが 最も 美しいです。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPに接触することは原則禁止されています。SCP-XXXX-JPは、それぞれ1つずつ緩衝材が入った3重に施錠されている鋼鉄製の箱の中に保管してください。輸送する際は箱ごと輸送してください。それぞれの箱の間は1km以上離してください。箱の周囲半径50mに電子機器を設置しないでください。警備のため常に3人以上の武装した職員を配置してください。接触する際は川崎博士の許可を得てください。接触する際は手袋を着用し、壊れないように慎重に扱ってください。
説明: SCP-XXXX-JPは直径約10cm、重さ█kgの、透明で、全体に赤色の斑点が付いている、大変滑らかな球体です。オブジェクトは常に湿っています。内部には胎児の形をした直径約3cmの赤色の人形が埋め込まれています。SCP-XXXX-JPの周囲半径50m以内にある電子機器は全て何らかの形で故障します。このため、撮影器具を用いた監視は不可能です。
補遺: なし
・闇に「溶ける」黒猫
・長靴おじさんのハガキ抽選会
・たまごっち
・ろ過する生き物
・AK-47-β
・Welcome to ようこそ この国へ
・噴水
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPを収容することはその規模の大きさ、性質のため、不可能です。SCP-XXXX-JPに財団職員が接触した場合、財団職員はその事実を記録してください。SCP-XXXX-JPの情報が外部に漏洩する危険性は限りなく低いですが、SCP-XXXX-JPに関しての記録は全て削除、破棄若しくは改竄してください。
説明: SCP-XXXX-JPは、日本の領海内の何処かに存在していると考えられる面積██kmの島です。対象はイベントが発生するごとに移動します。対象は次の要素で構成されています。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは水槽プール内部の十分に湿潤した湿度100%の部屋に保管してください。対象が次に活性化した場合、この収容プロトコルは見直してください。
説明: SCP-XXX-JPはサボテンの一種で、
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter→Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは無力化されました。SCP-XXX-JPの衝突よって月面に発生した一般的に「thebit」と呼称されているクレーターの発生した経緯は、カバーストーリー「月面への隕石の衝突」により隠蔽してください。
[[collapsible show="+以前の特別収容プロトコル" hide="- 隠す"]]
SCP-XXX-JPの収容は不可能です。SCP-XXX-JPが接近している地域に対してはカバーストーリー「害獣」を流布し、その後SCP-XXX-JPが通過するエリアを封鎖してください。
説明: SCP-XXX-JPは