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収穫前のSCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、栽培地を財団の現地フロント企業の契約農場というカバーストーリーのもとに運営することで収容されます。担当職員は、SCP-XXX-JPを通常のコーヒーノキと同様に管理し、SCP-XXX-JPおよびSCP-XXX-JP-1の総量を毎日観察・記録して、毀損および遺失がないかどうかをチェックしてください。外部にて発見されたSCP-XXX-JPおよびSCP-XXX-JP-1は、報告の上で速やかに焼却処分してください。
収穫されたSCP-XXX-JP-1は、研究に使用する分だけ現地フロント企業にて脱穀・選別された後、企業の専用倉庫に収容されます。担当職員は、SCP-XXX-JP-1の総量を毎日記録し、余剰および劣化したものは焼却処分して下さい。

研究・実験目的以外でのSCP-XXX-JP-1の利用は、原則として禁じられています。
職員がSCP-XXX-JP-1加工品の摂取を行うことは、レベル4クリアランス以上の職員が業務上の有効性または必要性を認めた場合にのみ、精密検査の後、標準人間型オブジェクト収容室において機動部隊か-8("モーニングコーヒー")による摂取後24時間の監視と鎮静が行われる条件のもとに可能となります。その場合においても、加工品中の摂取可能なSCP-XXX-JP-1成分は一度につき生豆換算17gまでに限定されます。

説明: SCP-XXX-JPはアラビカコーヒーノキ(学名:Coffea arabica)の変異種と考えられる植物です。現在までに3株のSCP-XXX-JPが発見され、管理されています。
通常のアラビカ種のコーヒーとの主な形態的相違点は、その果実1(SCP-XXX-JP-1)のほぼ全てがピーベリー2であることです。
SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JP-1の抽出液を飲用した生物の内部ヒューム水準を高め、またヒューム値の拡散に対して緩衝作用をもたらすことです。SCP-XXX-JP自体の内部ヒューム水準も、通常空間の現実性濃度と比較してわずかな高値にあり、クラスE現実性濃厚存在の基準を満たします。
この性質は、SCP-XXX-JP内に含まれる未知の成分(SCP-XXX-JP-A)によるものと考えられていますが、成分の同定および分離は未だできていません。

SCP-XXX-JPは、20██/██/██に、インドネシア・スラウェシ島██████州█████県███の山岳地帯に存在する██集落にて栽培されているものを、現地フロント企業に派遣されていたエージェント・██が発見しました。
██集落は、かつて19世紀のオランダ植民地時代に東インド会社によるコーヒーの強制栽培が行われていた場所の中でも最も高地3に存在していた地域の一つであり、発見当時、周囲半径10km圏内にコーヒーの栽培が現在まで行われている場所はありませんでした。
このコーヒーは現地集落で『コピ・メラヤカン(Kopi Merayakan:祝するコーヒー)』と呼ばれており、その他のコーヒーの株とは分けて育てられ、集落の人々が祝祭の折に健康・長寿等を祈念して少量を消費するほか、煎じ薬として内服するに留まっていました。
██集落のコーヒーは、他の種と交雑することがなく、19世紀に輸入されたアラビカコーヒーノキの原種が遺伝的にほぼそのまま保たれていました。SCP-XXX-JPは、こうした隔離された環境下で100年以上自家受粉を繰り返していたために突然変異を起こし、現在の性質を獲得するに至ったと推測されています。内部ヒューム水準が高値に保たれていることは、過酷な環境下での生存に有利に働くと考えられます。
集落の住民はSCP-XXX-JPの効果に対して、「コピ・メラヤカンで淹れたコーヒーは味わい深く美味であり、飲むと、頭がはっきりして思った通りに体を動かせる。病気や怪我の痛みも改善する」と評しており、他のコーヒーとの違いを認識しているようでした。
しかしながら、SCP-XXX-JPから取れる豆がほとんどピーベリーである性質上、現地のブローカーからは買い叩かれることが多く4、これまで市場にはほとんど出荷されていませんでした。
エージェント・██は飲用時の体感からSCP-XXX-JPに何らかの異常性が有ることを認識し、SCP-XXX-JP-1を直接購入して持ち帰りました。検査の結果、前述の性質が確認され、SCPとしてのアイテム番号が割り当てられることとなりました。
██集落の住民は「企業によるスペシャルティコーヒーの買収と移住支援」というカバーストーリーのもと、記憶処理の上で麓の街に移住させられ、集落のコーヒー株はその全てが財団の管理下に置かれました。検査の結果、SCP-XXX-JPとしての性質を有していた株は3株でした。

SCP-XXX-JP-1の抽出液の味は、現地で飲用したエージェント・██によれば、「ビロードのように舌触りが柔らかく、チョコレートのような重厚な甘みが颯のように吹き抜ける中、断続的にラズベリーの芳香が弾けるようであった」とされます。
飲用したDクラス職員には概して「香り高く、後味がすっきりとしてキレがあり、甘み・苦み・酸味のバランスが良い」と評されています。