遠吠えの犬小屋

名前:『承認欲求』

オブジェクトクラス: safe

特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPは、10㎡程度のスペースに収容されます。部屋には外側から鍵をかけ、1名以上の警備員で目視による監視を行ってください。SPC-xxxは、画面や機体に傷が付かないように、接触は最低限にしなければなりません。研究のためパソコンを起動する際には、収容スペースの中にSCP-xxx-JP以外に10cm以上の突起が存在しないことを確認してください。また、機体の電源を途切れさせることのないように、いついかなる場合でも電気を供給しなければなりません。SCP-xxxを収容するサイトには、タイピング技能に優れたDクラス職員を最低3人配置してください。配置されたDクラス職員にSCP-xxx-JPに対する過度な好意が見られた場合、然るべき対応を施した後に終了処置を行ってください。

説明:SCP-xxxは、福岡県■■市の質屋で借金の担保にされていた、黒色の日本製ハイエンドモデル・デスクトップパソコンです。稼働年数は不明であり、稼働による機能の摩耗、老朽化は発見されていません。常時ネット回線と繋がれており、電波暗室においてもパソコンはネット回線に繋がれたままでした。デスクトップ上には、2010年にサービスを開始したSNSサイトへ繋がるショートカットアイコンのみが存在しています。

アイコンをクリックして展開すると、1人の少女と思わしきアカウントとのダイレクトメール画面が表示されます。表示して数秒経過すると、少女のアカウント(以後当該アカウントをSCP-xxx-JP-1と呼称する)から日本語で、こちらが何者かを問う文章が送られてきます。

反応しないまましばらく放置しておくと、次第にSCP-xxx-JP-1が自己否定的なメッセージを送信しはじめます。時間が経過するごとに対象アカウントのメッセージは異常性を有し、最終的に、3時間後には反応が消失しました。
また、反応の消失に伴って、パソコンは機能を停止しました。この機能停止状態は、いかなる方法によっても解除されることがありません。

SCP-xxx内に存在するSCP-xxx-JP-1は、こちらが慮る発言をダイレクトメールで送信すると、次第にこちらに懐くような態度をチャット上で取り始めることが確認されています。また、会話を続けていくと、最終的にこちらへとSCP-xxx-JP-1は、チャットを打ちこんでいる人間が心の奥底で対話を望む相手の姿になることが追加の実験で露見しました。