Dajare_Darejay
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 毎年の10月31日にSCP-XXX-JP担当エージェントは全ての気象衛星画像を監視します。SCP-XXX-JPが発生した時、SCP-XXX-JP担当エージェントはその年のSCP-XXX-JP-Aを11月1日まで閲覧不可能な状態にさせ、代わりの雲画像、衛星写真を用意して下さい。その後、SCP-XXX-JP-Aに暴露された気象予報士にAクラス記憶処理を施して下さい。
(追記)沖縄県██島にエージェントを派遣し、気象予報士を立ち入りを妨害してください。

説明: SCP-XXX-JPは10月31日におよそ█%の確率で発生する熱帯低気圧です。SCP-XXX-JPの雲写真、衛星写真(SCP-XXX-JP-A)によると沖縄県██島上空に出現し、そこから北上することはありません。しかし、SCP-XXX-JPによる気候変動は██島とその沿岸から3 km以内の周辺でしか再現されません。11月1日になるとSCP-XXX-JPは消滅します。それに伴って、SCP-XXX-JP-Aの異常性も消滅します。
日本に住む気象予報士がSCP-XXX-JP-Aを用いてSCP-XXX-JPの進路を予測しようとすると、それを中断し、自らに何らかの仮装を施して沖縄県██島に旅行をしようと準備を始めます。この影響は時間経過によって減少し、11月1日には完全に消滅します。

補遺1: 1984年11月3日に██島の民家が竜巻によって破壊され、そこに住んでいた3名の家族が死亡しました。そして、瓦礫の中から2つの文書が発見されました。1つは気象予報士の男性のものとされる日記です。以下の文章はその抜粋です。

10月30日(火) 天気:快晴

(中略)明日は息子が学校のハロウィンイベントに参加するらしい。可愛らしいお化けさん達が家に来る前に、お菓子を買っておこう。

10月31日(水) 天気:晴れのち大荒れ

今日は凄いものを見ることが出来た。お菓子を買いにコンビニへ行こうと外へ出ると海岸に大きな影が3つあった。私は不思議な誘惑に取り憑かれ、本来の目的を忘れて海岸の方へ車を走らせた。
海岸にはF1〜F31程度の子供達が3つ遊んでいた。ちょうど私の息子と近い年に見えたので、声をかけてみた。すると、彼らは元気よく「トリック オア トリート!」と返してきた。私はお菓子を持ち合わせていなかったので、今晩家に来るように言った。
その時の私には彼らの仮装は一体何を表しているのか分からなかった。私はそれについて訊ねると、彼らはヒントを出してあげると嬉しそうに海の方へ走って行った。すると、彼らの両親が現れた。最近は親も仮装をするのかと感心した。来年は私も家族で仮装を楽しもう。
彼らは私に劇を見せてくれた。完成度が高く驚いた。どうやら、彼らはこの日の夜に行われる仮装大会に出場し、大賞を狙うらしい。彼らは記念にと、私に劇の台本をくれた。私は、あなた達なら大賞を取れるだろうと伝え、その場を後にした。今頃、彼らはあの劇を演じているのだろうか。なら、入賞するに違いないだろう。
そういえば、仮装大会とは何だったんだろう。いつか観に行きたいものだ。

2つ目は気象予報士の男性が日記に書かれた家族から譲り受けた劇の台本です。以下がその文書です。

昔々、あるところに、三匹の子ブタがいました。三匹の子ブタは、それぞれ自分のお家を作る事になりました。
長男ブタは、瓦の屋根のお家を作る事にしました。
「安い家だよ!」
次男ブタは、木材で出来たお家を作る事にしました。
「2000万円かかったよ!」
三男ブタは、コンクリートの高層ビルを作る事にしました。
「それはそれは高い!」
紆余曲折あり、家は完成しました。
「大事に使ってね!」
ある日、家の完成を聞きつけた悪いオオカミが、長男ブタのお家にやって来ました。
「長男ブタくん、君の家が邪魔なんだよ。どいてくれるかな。」
長男ブタは、ビックリして答えました。
「なんだって!僕を食べるつもりだろ!」
「なんのことかな?まあいい、こんな家、一吹きだ!」
オオカミが息をふいたら、瓦の屋根はバラバラと吹き飛んでしまいました。
「ぎゃあー!」
長男ブタは頭を、降ってきた瓦にぶつけて死んでしまいました。
それからオオカミは、木材のお家にやってきました。
「次男ブタくん、君の家が邪魔なんだ。さっさとどいてくれよ。」
次男ブタはビックリして、家の窓をきっちりと閉めて言いました。
「嫌だね!絶対に空けるもんか!」
「そうかい、そうかい、ならば、長男ブタと同じ目にあわせてやる!」
オオカミがフーッと息をふきましたが、次男ブタの家はなかなか壊れません。
「へへ、どうだ!」
「なら、これはどうかな!」
オオカミは口の中から大量のヨダレを吐き出し、木材の家をグチャグチャに流してしまいました。
「助けて!助けて!たす…」
次男ブタはヨダレに飲み込まれ溺死してしまいました。
長男ブタと次男ブタの家をどけて、最後にオオカミは、高層ビルへやってきました。
「三男ブタくん、君のビルが邪魔なんだ。どけなきゃ殺すぞ!」
三男ブタもビックリして言いました。
「とんでもない! 絶対に嫌だね!」
「しょうがない、吹き飛べ!」
オオカミが、ブワーッと息をふきましたが、ビルはビクともしません。
「ファック!ヨダレでどうだ!」
オオカミはビルに向けてヨダレを噴射しました。
しかし、ビルはビクともしません。
オオカミは、狼狽しました。
「くそったれ。こうなったら屋上から入って、三男ブタのやつを食べてやるぞ!」
それを聞いた三男ブタは、大急ぎで大きなナベで油を熱しました。それと、卵やパン粉も準備しました。
侵入してきたオオカミは、三男ブタの不意打ちで卵とパン粉まみれになり油の中に入れられました。
「熱い、熱い! 助けてくれー!」
泣きさけぶオオカミに三男ブタが言いました。
「晩飯のコロッケを逃すはずがないだろ?」