アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト‐8173に収容されています。
説明: SCP-XXX-JPはアブラゼミの亡骸が████に捕食される光景を見た際に現れる異常現象です。
見た者は直ちに昏睡状態に陥り、約7日間眠り続けます。昏睡状態から覚醒した被験者へのインタビューによると、昏睡中に夢を見ていたと述べています。夢の内容は要約すると「被験者自身の一生」で、被験者の誕生から始まり、死亡する事で終わりを迎えます。一貫した特徴として被験者が曝露する以前の現実の記憶及び経歴と非常に多くの一致を見せています。
今現在、夢中で夢である事を疑った者が存在しておらず、また夢中での記憶はクラスDの記憶処理を施さなければ除去出来ない程、被験者の記憶の根底に根付いており、被験者の多くが覚醒後に酷い錯乱状態に陥る者が相次ぎました。
以下のインタビュー記録は
対象: D-23915
インタビュアー: █████博士
付記:
<録音開始>
D-23915: それで研究員に実験室まで連れて行かれて録音した蝉の鳴き声を聞かされた。その後、いつの間にか寝ていた様でベッドの上で目が覚めたんだ。起きると近くにいた若い研究員に夢の内容を書かされて、書いたやつを見せると研究員は慌ただしくなった。
█████博士: 慌ただしい…夢の内容は覚えているかね?
D-23915: 思い出せない。研究員がその後どっか行ったからおとなしく待機してたらお前とは違う博士がやって来て俺は別の部屋に連れて行かれた。その後は思い出せない。それで気づいたら次の日になってて夢の記憶も抜け落ちてた。
█████博士: ……そうか。その後の我々はどういう対応をした?D-23915: 蝉の鳴き声の実験以降、何故か俺だけ隔離されて…やたら堅牢な独房に入れられた。
█████博士: どんな夢だったんだ……?
D-23915: その後は特段変わった事は無かったけど…二十日程経った頃か?お前らが飼っている化け物達が脱走したらしく、それに巻き込まれて死んだよ。
█████博士: それで目が覚めたんだな?
D-23915: いや違う。またベッドで目が覚めて近くにいた…前の夢にいた博士に夢の内容を聞かれた。
█████博士: なんだって?
D-23915: その時はそんなに慌ただしくなかったな。別の部屋にも連れて行かれなかったし、夢の内容もずっと覚えていた。
█████博士: …それで?
D-23915: また他の奴らとは別の独房に隔離されて、六年くらい経っても実験台にされなければ解放もされなかったな。それでその六年経った頃に俺が化け物の標的になったとかでいつの間にか死んでた。
█████博士: その後は?
D-23915: 今こうしてインタビューされてる。
█████博士: そうか、ではインタビューを終了する。
D-23915: なあ博士。これはどうなっているんだ?蝉の鳴き声を聴くまでの記憶が二つあるんだ。どっちが本物だ?まだこれは[削除済]なんだろ!?お前らもまた
<録音終了>
備考: [削除済]。SCP-XXX-JPを用いて意図的に異常性を曝露させる必要がある実験は無期限に停止されます。
追記: 唯の夢の産物として捉えるべきなのか?もしそうでないとしたら我々がやるべき事は既に我々がやった筈だが、どうしたものか。-█████博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの性質上、SCP-XXX-JPの発生地点から半径1kmの範囲を封鎖し、カバーストーリー「テーマパークの建設」を流布して下さい。各封鎖地点には5名ずつ、SCP-XXX-JP周辺には10名の警備員を巡回、常駐させて下さい。 事案-01の影響により███県██市は封鎖され、カバーストーリー「放射性物質の漏洩事故」が流布されます。██市周辺の各封鎖地点には15名ずつ警備員を巡回、常駐させ、██市内をドローン及び無人陸上車両を併用して巡回させて下さい。
下記は事案-02以降の対策として追加された収容手順です。年に1度、SCP-XXX-JPの発生地点から半径100m及び高さ15mの円柱状の範囲に目隠しを施し、さらに半径500m及びその上空を封鎖した上で、SCP-XXX-JPを発生させて下さい。SCP-XXX-JPの発生を確認後、SCP-XXX-JP-Aが消失するまで、SCP-XXX-JP-A内にDクラス職員を投下して下さい。この際、Dクラス職員を用いたSCP-XXX-JP-B内の研究及びSCP-XXX-JP-A´の更なる発見が試みられます。SCP-XXX-JP-Aを通じた、SCP-XXX-JP-Bによる現実世界への影響が懸念される為、全行程を1時間以内に完了させて下さい。これらは下記と同時期に行う事が好まれます。SCP-XXX-JPの発生地点周辺にて一般人による大規模なイベントの開催が予想される場合、機動部隊り-18("道案内")を中心として、財団が有する大型展示場に一般人を誘導し、クラスAの記憶処理を散布して下さい。その後、財団が買収したテレビ局によって、偽装したイベントの映像が民間に放送されます。
SCP-XXX-JP周辺は交通機関としての重要度、民間からの認知の広さから封鎖の試みは困難なものになっており、未だに実行の目処は立っていません。
現在、東京都の人口の分散及びSCP-XXX-JPの発生原因となり得る流行を民間から廃止する試みが計画されています。
偽装映像の演者を募集しています。参加を希望する職員はサイト-8115内の研究員に参加の意思を通達して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは、スクランブル交差点に発生する異常現象の総称です。
SCP-XXX-JPはスクランブル交差点の横断歩道上及び横断歩道に囲まれた範囲上に存在する人数が5000人を越えた際に発生します。
横断歩道に囲まれた範囲上にSCP-XXX-JP-Aと指定される不定形の空間異常が瞬時に出現します。SCP-XXX-JP-Aの出現の瞬間を高速度カメラによって撮影する試みが執られましたが、通常のカメラによって撮影した場合と差異は見られませんでした。SCP-XXX-JP-A内に進入した人間(以下、対象と表記)は、SCP-XXX-JP-Bと指定される異常次元に辿り着きます。
SCP-XXX-JP-Aは範囲未確定の空間異常です。しかしながら、SCP-XXX-JP-Aが拡大、進行出来る範囲は横断歩道及び歩道に囲まれた範囲内である事が確認されています。SCP-XXX-JP-Aは外周に陥没した形跡が見られる穴の容姿を取っており、この容姿を肉眼によって認識する事は不可能です。SCP-XXX-JP-Aの正確な認識は写真、映像記録、乱視用の眼鏡またはコンタクトレンズ1を介す事で可能となります。また、SCP-XXX-JP-A内の進入は他者に認知される事は無く、映像記録を介した場合のみ認知が可能です。映像記録では対象がSCP-XXX-JP-A内に転落していく様子が記録されています。
SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JP-Aを抜けた先に存在する異常次元です。SCP-XXX-JP-B内に存在する物体の構造及びその色彩は現実世界のものと僅かな類似点を残して無秩序なものに置き換わっています。また、生物の存在も確認されていますが、これらは上記のものに比べて類似点が少ない事が確認されています。
SCP-XXX-JP-B内部の時間の流れに逆行は無く一方向であるものの、不規則に加速と減速を繰り返しています。
19██年1月1日、███県██市内のみで同日中に367件の捜査願いが███県警に届けられた事により財団の調査対象となりました。その末█████████交差点の防犯カメラによってSCP-XXX-JP-Aの出現が記録されていた事が発覚し、その後の実験によってSCP-XXX-JPの正式な発見に至りました。その後、民間の交通機関としての重要さと性質の不確定さから初期の収容は困難を極め、5年後の19██年10月13日にSCP-XXX-JPの発生地点周辺の封鎖が完了しました。
探索記録XXX-JP-B-01
対象: D-6321
研究主任: ███博士
目的: 認識実験及びSCP-XXX-JP-B内部の探索。
実施方法: ビデオカメラとICレコーダーを持たせ、探索を行う。
<記録開始>
███博士:では、D-6321。目印の地点に立って下さい。
D-6321:このバッテンの上に立てば良いんだな?
███博士:次に、D-███。目の前の横断歩道に進入して下さい。
[D-███が横断歩道に足を踏み入れると瞬時にSCP-XXX-JP-Aが出現。]
D-6321:うわっ!?
[D-6321がSCP-XXX-JP-Aに転落し、5秒間の落下。その後、映像がブラックアウト。]
[1分、ブラックアウトが解消。SCP-XXX-JP-Bの内部が映し出される。]
D-6321:[悲鳴]。
[D-6321が錯乱状態に陥り嘔吐。]
███博士:落ち着きなさいD-6321。
D-6321:こんなもん見て落ち着けるか[罵倒]!?
[10分後]
███博士:少しは落ち着きましたか?D-6321。
D-6321:……ああ。多少はな。
███博士:では、SCP-XXX-JP-Bの内部に辿り着くまでの経緯は覚えていますか?
D-6321:SCP-XXX-JP-Bってのは…ここのことか。交差点に立っていた時、よろめいちまって…目眩がしたと思ったらここにいた。
███博士:分かりました。では、周囲の状況を説明して下さい。
D-6321:…嫌だ。もう見たくねえ。
███博士:D-6321。
D-6321:ああ、分かったよ。しょうがねえな[罵倒]。まず、俺の周囲に派手な色をした手足や顔面がめちゃくちゃな奴が高速で動き回ってる。
[映像が微かに乱れる。]
███博士:ん?…ええ、こちらでも確認出来ます。次は、建造物について説明して下さい。
D-6321:目立つ奴からでいいよな?赤いガラス張りの建物の中にあるかいらんがワケわからねえ所に繋がったり途切れたりしてる。
███博士:何処に繋がっていると言った?
D-6321:階段[判別不能]だろうが。
[映像が途切れる。]
███博士:…ええ、説明を続けて下さい。
D-6321:後は…に[判別不能]ら。数字が別のに[判別不能]て。変わってやがる。
███博士:どの様な文字ですか?
D-6321:1と0が[判別不能]。
[以後ICレコーダーが正常であった30分間、D-6321は不明の言語2を喋り続け、これ以上有益な情報を得る事が出来ないと判断。]
<記録終了>
分析: 対象と映像を介した現実世界からの認識に大きな差異は見られませんでした。また、SCP-XXX-JP-B内部に進入したものはSCP-XXX-JP-Bに強く影響を受けると思われます。次回の探索は事前にSCP-XXX-JP-A内に無人機を投入する事を推奨します。無人機のみの投入は失敗しました。
探索記録XXX-JP-B-02
対象: D-9720
研究主任: █████博士
目的: SCP-XXX-JP-Bの規模の調査。
実施方法: GPSを搭載したビデオカメラとICレコーダーを装備させ、5日分のレーションと500mlのペットボトル8本が入ったバックパックを持たせる。
<記録開始>
█████博士:D-9720。落ち着いていますね。
D-9720:そうか?てか、他の奴らは何処に行ったんだ?
█████博士:…?D-9720、SCP-XXX-JP-Bの内部に辿り着くまでの経緯は覚えていますか?
D-9720:は?辿り着くも何も変わって…。いや、さっき目眩がしてから兄弟達がスローモーションにした様な動きをする奴らに変わっているな。
█████博士:……どういう事だ?我々の認識と食い違う。…続けて説明して下さい。
D-9720:人数もだいぶ減って白衣の連中も見当たらないな。…周りの風景はさっきと変わっていない。
█████博士:……….D-9720、眼鏡を外して下さい。
D-9720:ああ、分かっ…[悲鳴]。
[D-9720は錯乱状態に陥りましたが、すぐに眼鏡を掛け直す事で2分後に落ち着きを取り戻す。]
█████博士:状況も把握出来ましたし本題に戻ります。D-9720、先にある像を通り過ぎてそのまま真っ直ぐ進んで下さい。
D-9720:なんなんだよここは…。えっと、██公の先を真っすぐ行けば良いんだな?
[2時間26分後に███区に位置する██川と思われる場所が出現。GPSの信号は現実世界の███区を示す。]
█████博士:D-9720。空いたペットボトルに川の水を汲んで下さい。
D-9720:ああ、分かった。
█████博士:…すぐにそのペットボトルから手を放しなさい!
D-9720:うおっ、急に大声出すなよ。
█████博士:いえ…。██川の川下に向かって進んで下さい。
[29分後に映像記録が途切れる。]
[1時間49分後にD-9720が海の存在を報告する。GPSの信号は現実世界の███区を示す。]
[削除済]
[9時間54分後に音声記録が途切れる。GPSの信号は現実世界の神奈川県████市を示す。]
[22分後にGPSの信号が途絶える。]
<記録終了>分析: 音声記録によると、SCP-XXX-JP-Bの規模は神奈川県████市まで確認され、GPSによる最終信号は現実世界の静岡県██市を示しました。SCP-XXX-JP-B内部に存在するものとの直接的な接触はSCP-XXX-JP-Bによる影響を促進させる効果があると考えられます。
この後の実験によりDクラス職員と共に自動車を送る事で、更なる探索が試みられましたが、気体との激しい接触により影響の促進が起こった為、徒歩以上の成果は得られませんでした。現在、大型自動車によって複数の自動車を輸送し、走行距離を広げる試みが計画されています。
SCP-XXX-JP-B内に現実世界に繋がるSCP-XXX-JP-Aに類似した半径0.5mの円形の空間異常(以下、SCP-XXX-JP-A´と表記)が発見されました。
探索記録XXX-JP-B-03
対象: D-9786
研究主任: █████博士
目的: SCP-XXX-JP-Bに存在する建造物の内部調査。
実施方法: ビデオカメラとICレコーダーを装備させ、乱視用の眼鏡を持たせる。
<記録開始>
D-9786:うおっ、何だここ!?
█████博士:あまり動揺していませんね?D-9786。
D-9786:…まあ、お前らの実験台でもっと酷いのを見たことがあるしな。
█████博士:それは良かったです。では、眼鏡を装備して真っ直ぐ突き当たりの建物に入って下さい。
D-9786:はいよ。おお!?この眼鏡すげえな!
█████博士:早く入りなさい、D-9786
D-9786:ああ分かってるよ。
[1分後、建物に進入。]
█████博士:では、内部の様子を説明して下さい。
D-9786:端的に言うとまんま渋谷駅だな。改札と奥にエスカレーター…工事中の所もある。速くなったり遅くなったりしてる人間もちらほらいるな。
█████博士:次は眼鏡を外して説明して下さい。
D-9786:おう。まず…俺の足場が無いのに何故か落ちない。そして、建物全体がカラフルになって改札のあった場所が一面壁に変わった。
█████博士:では、再び眼鏡を装備して改札の先に進んで下さい。
D-9786:…壁が見えなくなったけど…これ本当に進めるのか?
█████博士:進みなさい。
D-9786:…マジかよ。………進めた。
█████博士:探索を続けます。突き当りを右に曲がって下さい。
[ここから35分間は重要性の低い為編集済み]
D-9786:おい、この便所やたらグチャグチャなのに1つだけ眼鏡の時と見た目が変わらない個室があるぞ。
█████博士:…ふむ。開けてみて下さい。
D-9786:…なんか出てきたりしないよな?
█████博士:それは開けるまでは分かりかねます。
D-9786:そうかよ。開ければいいんだろ開ければ。……普通の便所だ。
█████博士:では中に入って下さい。
D-9786:はあ!?絶対何かあるだろ!入りたくねえよ!
█████博士:入りなさい。
D-9786:またかよ!…入ればいいんだろ入れ。
[一瞬、備え付けのウォシュレットが映り、その後映像がブラックアウト。]
[1分後、ブラックアウトが解消。個室トイレの扉が映る。]
████研究助手:█████博士!渋谷駅構内の一角で収容違反が発生しました!
█████博士:ああ、既に機動部隊を向かわせてある。D-9786はその場で待機していなさい。
<記録終了>
分析:SCP-XXX-JP-Bは実体または認識に直接的な影響を与えている訳では無く、被認識対して影響を与えていると推測されます。
SCP-XXX-JP-A´の周辺の経時による変化から肉眼での発見は困難であり、また探索記録XXX-JP-B-03の結果から対象による現実世界への悪影響が懸念される為、SCP-XXX-JP-A´を通じた帰還は推奨されません。
事案-01 19██/██/██
SCP-XXX-JPの収容後、█████████交差点の横断歩道に酷い摩耗が見られた為、標示の上塗りが施された。【考案・改稿中】その後、機動部隊ほ-18("ライン引き")によって事態が収束するまでにSCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JP-Aの中心部から道路3に沿って全方位██kmの拡大を遂げ、████名の一般人がSCP-XXX-JP-A内に転落しました。SCP-XXX-JP-Aは事態の収束後に消失。救出の試みは失敗に終わっています。
███県██市にクラスAの記憶処理が散布されました。その後、SCP-XXX-JPの発生範囲の拡大による███県██市の封鎖の際には██市民にクラスCの記憶処理が施され、人口密度の低い県に移されました。
███県自体の人口を分散させる計画が実行されました。
事案-02 20██/10/31
東京都渋谷区の渋谷駅前交差点に、███県██市に存在していると思われていたSCP-XXX-JP-Aの出現が確認されました。機動部隊り-18("道案内")と収容スペシャリスト等の尽力がありましたがSCP-XXX-JP-Aの出現場所とその近辺にいた821名の一般人がSCP-XXX-JP-A内に転落しました。救出の試みは失敗に終わっています。
事案-02後、SCP-XXX-JP-A周辺にSCP-XXX-JP-Bの影響による歪みが発生。急遽、379名のDクラス職員をSCP-XXX-JP-B内に送る事でSCP-XXX-JP-Aの消失が確認されました。
事案-02以降、███県██市ではSCP-XXX-JP-Aの出現は確認されていません。
事案-02を受け、収容プロトコルの改定が行われました。
こいつは獲物が自分等から寄って固まるこの場所がお気に入りな様だ。我々は打開策が生まれるまで、こいつをこの場所だけでその気にさせておかねばならない。-█████博士