嘲笑う濃霧
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SCP-XXX-JPの影響下で撮影された内部の様子


アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの収容は不可能です。SCP-XXX-JPの発生後、その周囲5㎞を速やかに隔離、遮断するべきです。また、侵入者や目撃者、生存者に対してはAランク記憶処理を行ってください。SCP-XXX-JPの自然消滅後、対象地域に生存者がいないか確認し、発見された場合は財団が有する医療施設で精密検査を受けさせる必要があります。

説明: SCP-XXX-JPは面積60k㎡、人口█万人以下の人口密集地を覆うように発生する濃霧です。SCP-XXX-JP内部では視界が極端に低下し、15m先を視認することも困難になります。SCP-XXX-JPの内部に在住する全ての人間は極度の疑心暗鬼や人間不信に陥り、妄想・異常行動を起こします。SCP-XXX-JPは内部の健常者全員が生命活動を停止すると自然消滅し、██ヶ月から██ヶ月の間隔で別の人口密集地にて再び発生します。SCP-XXX-JP内部では住人同士による殺害行為、自傷行為に発展します。SCP-XXX-JPは健常者にのみ悪影響を及ぼし、精神病疾患者に対しては対照的に容体を回復させることが確認されています。また、SCP-XXX-JPの影響下にある人間はSCP-XXX-JPの影響下から離脱したり、外部と連絡を取る事を無意識下に避ける傾向があります。現時点でなぜSCP-XXX-JPが人体にこのような影響を与えるのかは明らかになっていません。SCP-XXX-JPによる人体以外への影響は確認されていません。

実験記録XXX-JP-1 - 日付20██/██/██

対象: D-836129

実施方法: ██県███市に発生したSCP-XXX-JP内部での身体への状況観察とその記録

結果: 内部では暴行、強奪が多発しており、都市としての機能を完全に喪失しています。記録開始から2分53秒後、偶然遭遇した民間の男性に接触を試みたD-836129に対し、男性は所持していた刃物で切り付けD-836129は絶命。民間男性は「お前が悪いんだ…お前が殺そうとするから…」と口遊みながら霧の中へと消えていきました。SCP-XXX-JP消滅後の調査で男性がD-836129との接触地点から38m離れた路上で自身の腹部に刃物を刺した状態で発見されました。生存者は確認されていません。

分析: 内部は自然災害等が発生した直後のパニックに近い状況だったと推測されます。また、男性は重度の疑心暗鬼、被害妄想に囚われており典型的な偏執病の可能性が高いです。薬物投与による症状の軽減が可能かもしれません。 -██研究員

実験記録XXX-JP-2 - 日付20██/██/██

対象: D-23568

実施方法: ██県██市███島に発生したSCP-XXX-JP内部での身体への状況観察とその記録

結果: ███島に接近すると大量の火災による黒煙と住人たちの怒声が確認されました。上陸直後、D-23568は生存者四名と遭遇しました。四名は父母兄妹からなる一家族でした。記録開始から1時間27分12秒後、突如として父親男性が母親女性の首を絞め殺害しました。父親男性は怯えた様子で「お前たちは誰だ!?俺をどうするつもりだ!」等と発言しD-23568と口論になりました。D-23568が所持していた精神安定剤を父親に投与しましたが、直後、父親男性は付近にあった角材でD-23568の頭部を強打し、D-23568は死亡しました。その後父親男性の手によって兄妹が殺害される光景が記録されています。SCP-XXX-JPの自然消滅後の調査で父親男性が隣室で首を吊って自殺しているのが発見されました。生存者は確認されていません。

分析: 内部は実験記録XXX-JP-1同様にパニック状態にあったと推測されます。男性は重度の精神疾患を患っていたと思われます。また、即効性のある薬物の効果も期待できないことが判明しました。 -██研究員

補遺-1: 20██/██/█、██県██市にて初のSCP-XXX-JPが確認されました。発生から1時間22分後、機動部隊か-7(”祭囃子”)による区画整理ののち内部調査が行われましたが、調査開始から7分29秒後に数回の発砲音、その52秒後に部隊員のものと思われる奇声を確認した後、一切の連絡が途絶しました。発生から3時間19分00秒後SCP-XXX-JPは自然消滅、生存者は確認されていません。その後の調査により、機動部隊か-7(”祭囃子”)全員の遺体が確認されました。遺体には多数の銃痕や切り傷が残っていたことから、SCP-XXX-JPの影響を受けパニック状態に陥ったものと推測されます。

補遺-2: 20██/██/█、██県沖合を航行中の大型客船███号の周囲にSCP-XXX-JPが確認されました。SCP-XXX-JPの陸地以外での発生はこれが初めてです。SCP-XXX-JPは発生から1時間47分26秒経過した後、自然消滅しました。生存者は確認されていません。乗客███人程度の非常に狭い範囲にSCP-XXX-JPが発生した事から、SCP-XXX-JPの発生条件には人口密度が関係していると推測されます。

補遺-3: 20██/██/█、██県██市の山中に存在する精神病罹患者専門の治療施設でSCP-XXX-JPが確認されました。SCP-XXX-JPの自然消滅後、施設で生活していた全ての患者の容体が回復し、完治した状態で発見されました。生存者は全員「天使の声を聴いた」「とても安心できる美しい声だった」と供述しています。また、偶然施設に滞在していた██博士による手書きの手記が確認されています。

██博士による手書きの手記: 本手記はSCP-XXX-JPの自然消滅後、事後調査を行っていた財団職員によって発見されました。手記の傍では██博士を含む9人の遺体が発見されました。

SCP-XXX-JPの発生後すぐ、施設内に変化が起きた。先ほどまで意思の疎通も出来なかった患者たちの容体が急激に回復しているのだ。対照的に私と残されたスタッフ8人は段々と正常な判断が出来なくなっていくのを感じる。このままでは彼らを傷つけてしまうのも時間の問題だろう。我々はスタッフルームに集まり自らの命を絶つことで同意した。最後に回復した彼らの姿を拝むことが出来たのがせめてもの救いだ。あぁ、また笑い声が聞こえる。私をあざけ笑うかのような、悪魔の声が。