名前: 珪けい 敏郎としろう
職務: Safeクラスオブジェクトの調査及び研究(場合に応じてEuclidクラスの調査・研究も担当)
所在: サイト-81██
セキュリティレベル: 2
人物: 珪博士は生年月日197█年4月4日、身長17█cm、体重7█kgの東京都出身の男性です。非常に好奇心旺盛な性格であり、初対面の人物や未知の物体を発見すると現在進行中の仕事を放棄してでも積極的に接触を試みます。
珪博士は財団職員として勤務する以前は███大学の歴史学を専門とする非常勤講師でしたが、自宅内に出現したSCP-████-JPに遭遇、その後の対応によってSCP-████-JPを無力化し、被害の拡大を防いだ事が評価され、財団に保護された後に正式に財団職員としてスカウトされました。
また、珪博士はSCP-████-JPとの遭遇時に異常性に暴露した事により、彼のペットであるキバタン(Cacatua galerita)の「ノム」と肉体的に連動しています。例として、珪博士が筆記を行なう場合、「ノム」が肢を用いて筆記具による記入を行い、「ノム」が餌を求めている場合は珪博士の身体が給餌場へと歩行し、餌の摂食を行ないます。代わりに珪博士と「ノム」は自身の身体を動かす事が出来ず、現在まで珪博士は「ノム」の身体を操作する事で業務を行っています。このため、珪博士と「ノム」が2m以上離れる事は禁止されています。
ノムトイッショナノハカマワナイケド、ズットハナレラレナイノハショウショウフベンダネェ! - 珪博士(発声しているのはノム)
最初に会った時は「何だこいつ」って思ったよ。鳥が人間の体で喋るとああなるんだな… - ███研究員
SCP-1080-JP
名前: 岸田きしだ 佐織さおり
職務: フィールドエージェント、関係者及びSCiPオブジェクトへのインタビュー調査、珪博士の補佐
所在: サイト-81██
セキュリティレベル: 2
人物: エージェント・岸田は生年月日199█年3月3日、身長1██cm、体重██kgの女性です。性格は堅実で、主にSCiPに関するインタビュー調査において高い評価を得ている反面、非常に人見知りであり、休憩中の彼女と遭遇する事はごく稀です。
そりゃあ仕事なら人と話しますけど、プライベートな時間くらいは一人でいたいですよ… - エージェント・岸田
サイト-81██の監視カメラをチェックしましたが、今まで作業中以外の彼女が映った事はありません。人見知りの度を越えていませんか? - エージェント・██
財団に勤務する以前に自宅でSCP-████-JPの異常性の影響を受け、現地エージェントの報告により駆けつけた機動部隊によって保護されました。機動部隊が現場に到着した時、エージェント・岸田はリビングで気絶した状態で発見され、その周囲には大量の肉片が散乱していました。調査の結果、肉片は全て彼女の両親、及び飼育していたキバタン(Cacatua galerita)の「キョウスケ」である事が判明しています。現場の状況及び彼女の証言から、彼女の両親及び「キョウスケ」の死因はエージェント・岸田がSCP-████-JPの異常性により[編集済]した事だと考えられています。しかし、エージェント・岸田本人の記憶に多くの欠落が見られ、催眠療法等による記憶の復元を試みた所[削除済]。これ以上のエージェント・岸田の記憶の復元は彼女の精神状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があるため、現在凍結されています。
機動部隊に保護された後、彼女は財団による調査の結果、SCP-████-JPとの遭遇以前の身体計測結果と比較して筋力の大幅な向上が見られましたが、それ以外に異常性の影響は確認されませんでした。その後の検査により財団職員としての高い適正値が確認され、正式にエージェントとして雇用されました。
補遺1: エージェント・岸田は████で発生した超常現象記録の調査の際に珪博士と知り合って以降、珪博士の補佐を志願しており、実際に珪博士の補佐を担当した結果エージェント業務の成果に著しい向上が見られたため、20██/█/██に申請が受理されました。現在エージェント・岸田はサイト-81██に所在を移しており、主にサイト-81██周辺を中心としたフィールドエージェント・インタビュー調査を担当しています。
この子、なんだか昔飼ってた鳥に良く似てるんですよ。何て名前だったかなぁ… - エージェント・岸田
イツモイロイロテツダッテクレテタスカッテルヨ!デモモウスコシボクトモハナシテクレナイカナ! - 珪博士(発声しているのはノム)
補遺2: SCP-████-JP収容当時、エージェント・岸田の自宅PCに送信されたメールの全文。機動部隊によるエージェント・岸田の自宅の調査中に送信されていた。
どうか彼女の痛みを解ってやってください。
|ざまあみろ
財団によるメールの送信者の特定は失敗しました。
エージェント・岸田はこのメールの送信者に関する記憶が無く、送信者とSCP-████-JPの関連性は不明です。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは適切な大きさの内部が視認不可能な箱に収められた状態で、サイト-8114の低脅威度物品用ロッカーに収容されます。実験の際はDクラス職員のみを対象者とし、レベル2以上の職員2名の承認が必要となります。
説明: SCP-XXX-JPは大きさ150 × 300mmの透明なビニール袋です。SCP-XXX-JPの内部に人間が手を挿入した場合(以下、手を挿入した人間を対象者と記載)、内部にニンジン(Daucus carota)に酷似した実体(以下、SCP-XXX-JP-1と記載)が出現します。
SCP-XXX-JP-1は現在までにおよそ6cm~8cmの大きさの物が確認されており、一般的なニンジンと比較して腐敗が速く、低温の環境下で保存しない場合、出現した数時間後には腐敗が始まります。SCP-XXX-JP-1の出現後、対象者は体重の僅かな減少、及び挿入した手による筆記、箸やスプーン等の食器の使用等の動作が不可能になるといった影響が発生し、手の動作を行おうとした際には「物を掴んでいるはずなのに掴めていないような感覚」に襲われると証言しています。この影響による対象者の死亡事例は現在まで確認されていません。また、SCP-XXX-JP内部にSCP-XXX-JP-1が存在し、かつ50%以上腐敗していない場合に対象者が手を挿入した場合はSCP-XXX-JP-1は出現せず、対象者への影響はありません。
SCP-XXX-JP内部にSCP-XXX-JP-1が存在していない、もしくは内部のSCP-XXX-JP-1の50%以上が腐敗している状態で人間がSCP-XXX-JPを直接視認した場合、「SCP-XXX-JPの中に物を詰めなければならない」という強迫観念に陥り、自発的にSCP-XXX-JP内部に手を挿入しようとします。この精神影響はAクラス記憶処理によって消去する事が可能です。
SCP-XXX-JPは███・███・███県で発生したホームレスが突然片手・もしくは両手が動かせなくなるという異常現象の調査中に発見されました。当初異常現象の原因は新種の奇病だと考えられていましたが、対象者となったホームレスの「手が動かなくなる前にボランティア団体から不思議な袋とレシピを渡された」という証言からSCP-XXX-JPの存在が明らかになりました。回収したレシピにはSCP-XXX-JP-1と[削除済み]を用いたサラダの調理法と思われる内容が記載されており、レシピ自体には異常性は確認されていません。現在までに確認されているSCP-XXX-JPの対象者となった人数は███名に上り、計67個のSCP-XXX-JPが回収されています。関係者にはAクラス記憶処理を行い、カバーストーリー「集団食中毒」を流布しています。
実験記録XXX-JP-1 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-1、D-XXX-JP-2
実施方法: D-XXX-JP-1にSCP-XXX-JP内部に手を挿入させ、SCP-XXX-JP-1を出現させる。その後、D-XXX-JP-2に摂食させる。なお、D-XXX-JP-2は「ニンジンは大して好きではない」と証言している。
結果: D-XXX-JP-1が左手を挿入した結果、SCP-XXX-JP-1が5本出現した。D-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1を摂食後、直後にSCP-XXX-JP-1を吐き出し以降の摂食を拒否した。SCP-XXX-JP-1については「今まで食べたどんな食い物よりも不味い」と発言している。
分析: 摂食による悪影響は無いようだ。
実験記録XXX-JP-2 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-1、D-XXX-JP-3
実施方法: D-XXX-JP-1にSCP-XXX-JP内部に手を挿入させ、SCP-XXX-JP-1を出現させる。その後、D-XXX-JP-3に摂食させる。なお、D-XXX-JP-3は「ニンジンは大好物だ」と証言している。
結果: D-XXX-JP-1が左手を挿入した時、SCP-XXX-JP-1は出現しなかった。その後D-XXX-JP-1が右手を挿入した結果、SCP-XXX-JP-1が5本出現。D-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-1を摂食後、直後にSCP-XXX-JP-1を吐き出し以降の摂食を拒否した。SCP-XXX-JP-1については「とてもニンジンとは思えない味だ」と発言している。
分析: 左手と右手それぞれ一度きりしか出現させる事が出来ないようだ。
実験記録XXX-JP-3 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-2、D-XXX-JP-3、D-XXX-JP-4、D-XXX-JP-5
実施方法: D-XXX-JP-2にSCP-XXX-JP内部に手を挿入させ、SCP-XXX-JP-1を出現させる。その後、SCP-XXX-JP-1を回収したレシピに記載されていた内容とは異なる方法で調理し、D-XXX-JP-3、D-XXX-JP-4、D-XXX-JP-5に摂食させる。なお、D-XXX-JP-4、D-XXX-JP-5は「ニンジンは別に好きでも嫌いでもない」と証言している。
結果: D-XXX-JP-2が左手を挿入した時、SCP-XXX-JP-1が4本出現。調理を試みた結果、SCP-XXX-JP-1が刃物による切断に対し通常のニンジンを上回る耐久性を持っている事が判明したため、刃物を使用せずにピクルスとして提供した。3名は摂食後、D-XXX-JP-3、D-XXX-JP-4は以前の実験記録と同様にSCP-XXX-JP-1を吐き出したが、D-XXX-JP-5のみピクルスを完食した。D-XXX-JP-5はSCP-XXX-JP-1については「懐かしい味がした。また食べてみたい」と発言している。
分析: 他の対象者と異なり、D-XXX-JP-2はDクラス職員となる以前に事故で障害を負っていた事から、対象者の健康状態によりSCP-XXX-JP-1の出現本数が変化する事が考えられる。また、D-XXX-JP-5が完食出来たのは大きな収穫だろう。
実験記録XXX-JP-4 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-2、D-XXX-JP-3、D-XXX-JP-4、D-XXX-JP-5
実施方法: D-XXX-JP-2にSCP-XXX-JP内部に手を挿入させ、SCP-XXX-JP-1を出現させる。その後、SCP-XXX-JP-1を回収したレシピ通りの調理法で調理し、D-XXX-JP-3、D-XXX-JP-4、D-XXX-JP-5に摂食させる。
結果: D-XXX-JP-2が右手を挿入した時、SCP-XXX-JP-1が5本出現。その後問題無く調理が行われた。3名は摂食後、全員がサラダを完食した。インタビューの結果全員が味について絶賛し、「やみつきになる味」と発言している。特にD-XXX-JP-5は「我慢してきたがもう耐えられない。もう一度あれを食べさせろ」と発言し、D-XXX-JP-2に再度手を挿入させようとした為、駆けつけた警備員によって鎮静させられた。摂食した3名を検査した結果、異常性は確認されていない。
分析: 健康状態と出現本数は関係ないようだ。興味深いのはD-XXX-JP-5が暴れたのは精神影響で無いという事だ。何故一人だけあのような反応を示したのか調査する必要がある。
補遺1: SCP-XXX-JPの回収作業中、マナによる慈善財団が集会に使用していたと思われる施設が発見されました。以下は施設内部にて発見した電子メールの内、復元に成功した物です。
███████ 様
これまでの活動を収めた映像記録はご確認いただけたでしょうか。
何故かあの野菜は私以外の人間にとって、我々がよく知っている大地の恵みに比べ非常に不満の残る物でありますが、遂に私はあの野菜の為の調理法を発見しました。
実際にこの国の方々に試食を行ってもらいましたが、全員が私に対して「美味しい料理をありがとう」と言ってくださいました。これは私が規範に反するような人間では無い事を示す証拠です。
ですからどうか彼らの話を鵜呑みにしないでください。決して私は[復元失敗]などというおぞましい行為など[以下、データ復元に失敗]
補遺2: 実験記録1380-JP-4から1週間後、D-1380-JP-5が同室内にいたD-1380-JP-3を殺害する事件が発生しました。事件後、D-1380-JP-5は駆けつけた警備員に襲い掛かろうとした所を射殺されました。現場の様子や遺体の傷跡から、D-1380-JP-5は相手を摂食しようとしていたと考えられています。注目すべき点として、D-1380-JP-5はDクラス職員として配属する以前に食人行為による殺人事件を起こしており、財団内部での矯正措置により食人衝動の抑制に成功していました。この食人衝動が何らかの要因で再発した可能性が指摘されています。また、SCP-1380-JP-1を解析した結果、対象者と同様のDNA構造を持っていた事が明らかになりました。SCP-1380-JP-1が摂食者に対して何らかの異常性を引き起こしている可能性については現在調査中です。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの出現する周辺地域は機動部隊そ-6(”夜警”)によって監視され、SCP-XXX-JPの出現する時間帯に内部に侵入した人間は拘束し、尋問後にAクラス記憶処理を施したうえで退去させてください。SCP-XXX-JPの出現が確認された場合は必ず2人以上で会話を行い、SCP-XXX-JPの懇願は全て拒否してください。
説明: SCP-XXX-JPは██県██市█丁目の屋外で、現地時間の0:00頃から4:00頃まで出現する人型実体です。見た目は60代の日本人男性のように見え、大きさ74 × 50 × 33cm程度のキャリーバッグを所持しています。SCP-XXX-JPは出現地域内を移動し、人間(以下、対象者と記載)を発見した場合接近し、対象者に対し「このバッグの中身をあなたに使って欲しい」と懇願します。この懇願は弱い強制力を持ちますが、他者の説得によって拒否する事が可能です。
懇願に対し対象者が承諾、あるいは拒否を示した場合、SCP-XXX-JPは消失し、その翌日まで再出現が確認されていません。
懇願を承諾した場合、SCP-XXX-JPはキャリーバッグから食物を取り出し、対象者に渡した後に消失します。食物の種類、量は取り出す度に変化し、明らかにキャリーバッグの許容量を超えた量を取り出す事例も確認されています。この食物は常に十分な鮮度を保った状態を維持していますが、それ以外の異常性は確認されていません。対象者が食物を受け取ってから24時間後、対象者が消費していなかった食品は全て消失し、対象者を中心とした地域一帯に原因不明の事故・災害が発生します。消失後の食物を追跡するあらゆる試みは全て失敗に終わりました。この事故・災害の規模は対象者が消費した食物の量で変動し、消費量が大きい程影響を受ける範囲と規模が拡大しますが、対象者が受ける被害はより軽度な物となり、反対に消費量が少ない程対象者が甚大な被害を受ける事になります。懇願を拒否した場合には災害の発生は確認されていません。
SCP-XXX-JPが物理的損傷を負った場合、SCP-XXX-JPは即座に消失し、出現地域内のランダムな地点に全ての負傷が回復した状態で再出現します。この時SCP-XXX-JPは自身の負傷に対して無反応であり、再出現後は自身を攻撃した相手にも懇願を行う事が判明しています。
SCP-XXX-JPは██県で起きた不可解なマンションの倒壊の調査中にその存在が確認されました。この倒壊はマンションの102号室の真下10kmを震源としたマグニチュード6の地震によって引き起こされた物であり、その規模にも関わらず影響を受けたのは倒壊したマンション1棟のみでした。生存者の一人の「仕事帰りに変な男から饅頭を貰い、一人では食べ切れなかったから隣人に配って回った」という証言からエージェントが調査を進めた結果、SCP-XXX-JPが発見されました。関係者にはAクラス記憶処理を行い、マンションの倒壊に関してはカバーストーリー「違法建築による欠陥」を流布しました。これまでにSCP-XXX-JPが関与したとされる事案は██件確認されています。
実験記録XXX-JP-1 日付19██/██/██
対象: D-XXX-JP-1、D-XXX-JP-2、D-XXX-JP-3
実施方法: D-XXX-JP-1に懇願を承諾させ、出現した食品をD-XXX-JP-2、D-XXX-JP-3に完食させる。実験時の周囲への影響を考慮し、D-XXX-JP-1、D-XXX-JP-2、D-XXX-JP-3は財団の所有する太平洋上の無人島内で監視される。
出現した食品: アルミ箔に包まれたチョコレート2.5kg
結果: D-XXX-JP-2、D-XXX-JP-3は出現した食品を問題無く完食した。承諾から24時間後、D-XXX-JP-1の周囲█km圏内で森林火災が発生。消火後、D-XXX-JP-2、D-XXX-JP-3は死亡が確認されたが、D-XXX-JP-1は衣服の一部が損傷していたものの、人体への被害は見られなかった。
分析: 摂食するのは対象者以外でもいいようだ。
実験記録XXX-JP-2 日付19██/██/██
対象: D-XXX-JP-4、D-XXX-JP-5
実施方法: D-XXX-JP-4に懇願を承諾させ、出現した食品を10%のみD-XXX-JP-5に摂食させる。その後D-XXX-JP-4及びD-XXX-JP-5を互いに2km以上離れた状態で財団の所有する太平洋上の無人島内で監視する。
出現した食品: 加熱処理されたトウモロコシ(Zea mays)5kg。摂食したD-XXX-JP-5は「塩で味付けされていて美味だった」と報告している。
結果: D-XXX-JP-5は問題無く規定量を摂食した。承諾から24時間後、D-XXX-JP-4の周囲200m圏内で風速350km/hに達する風が発生。D-XXX-JP-4は死亡が確認されたが、D-XXX-JP-5及びD-XXX-JP-4の周囲200m圏外は影響を受けなかった。
分析: 摂食したのが対象者以外だとしても、対象者を中心とした異常現象が起こる。
実験記録XXX-JP-3 日付19██/██/██
対象: D-XXX-JP-6
実施方法: D-XXX-JP-6に懇願を承諾させ、出現した食品を摂食させず財団管理下の焼却炉にて処分する。その後D-XXX-JP-6を財団の所有する太平洋上の無人島内で監視する。
出現した食品: 保温された状態のフランスパン7kg
結果: 出現した食品は問題無く焼却された。承諾から24時間後、D-XXX-JP-6の上空で嵐雲が形成され、1時間後に消失するまでに約100回の落雷が観測された。監視カメラの映像を確認した所、全ての落雷がD-XXX-JP-6に誘導されるような軌道を描いていた。D-XXX-JP-6は落雷の直撃による死亡が確認されたが、それ以外の島内の被害は確認されていない。
分析: 摂食以外で消費した場合、対象者が消費したとは見なされないようだ。
実験記録XXX-JP-4 日付19██/██/██
対象: D-XXX-JP-7
実施方法: D-XXX-JP-7に懇願を承諾させた後、SCP-XXX-JPに食物の出現量を指定可能か要求する。
出現した食品: 実験結果を参照してください。
結果: SCP-XXX-JPは了承。その後、エージェントの指示を受ける前にD-XXX-JP-7が「どうせならくれるだけくれ」と発言。結果、SCP-XXX-JPはエージェントの攻撃により消失するまでに加熱処理されたウサギ(Leporinae Trouessart)、シカ(Cervidae)、ウマ(Equus caballus)、[編集済]の肉を██t出現させた。この際、SCP-XXX-JPは翌日まで再出現が確認されていない。出現した肉は全て焼却処分され、D-XXX-JP-7は財団の所有する太平洋上の無人島内で24時間体制で監視された。承諾から24時間後、[データ削除済]。
分析: 今回の事案で財団が失ったのがDクラス1名のみというのは奇跡だろう。これ以降のSCP-XXX-JPの懇願を承諾する実験は禁止とする。
インタビュー記録XXX-JP-1 日付19██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: エージェント・岸田、エージェント・三沢
<録音開始>
エージェント・岸田: こんばんは。少しお時間よろしいでしょうか?
SCP-XXX-JP: おや、こんばんは。どうしました?
エージェント・三沢: あなたは会った人にいつも何らかの食べ物をプレゼントしているらしいですが、何のためにそんな事をしているのですか?
SCP-XXX-JP: 私の事をご存知だったのですね。これは全て私の贖罪の為にやっている事なのです。
エージェント・岸田: 贖罪?
SCP-XXX-JP: はい。私はかつてある少年達に怪我を負わせました。彼らは私に謝罪を要求し、人々も私に罪を償うように言いました。だから私は償いとして未来ある人達の手助けをしているのです。私にはこれくらいの事しか出来ませんが。
エージェント・三沢: あなたが食べ物をプレゼントした人々が全員明らかに異常な災害に遭遇し、中には命を落とした人もいます。あなたの渡す食べ物に何らかの異常性があるのではありませんか?
SCP-XXX-JP: [溜息]それは残念な話ですね。恐らくその死んでしまった人は使い方を間違えてしまったのでしょう。
エージェント・岸田: 使い方、ですか?
SCP-XXX-JP: そうですよ。私が渡した物は全て食べる為に使う物です。溜めておいたりなんてしたら勿体無いじゃありませんか。全て使い切ってしまうべきなんですよ。そうだ、あなた方もこのバッグの中身を使いませんか?
[その後、エージェント三沢が拒否した為SCP-XXX-JPは消失した]
<録音終了>
補遺: SCP-665-JPの関与が確認された最も古い事案の1年前である19██年に、SCP-665-JPの出現地域での目撃情報を最後に消息不明となっている人物の存在が明らかになりました。消息不明となった██ ██氏は1█歳の少年3名に対し所持していたカッターナイフで切りつけたとして現行犯逮捕され、懲役5年の判決を受けており、消息不明となる前日に刑期を満了していました。被害者である少年3名を調査した結果、1名がSCP-665-JPの関与した災害に巻き込まれて死亡しており、2名は199█年に起こした暴行事件で逮捕され、現在も服役中です。2名に対するインタビューでは有力な情報が得られませんでした。██氏とSCP-665-JPの関連性については現在調査中です。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは電源コードから電力を供給されていない状態でサイト-81██内の電子ロック付き保管庫に収容してください。実験時を除いてSCP-XXX-JPに電力を供給することは許可されません。
追記: 現在SCP-XXX-JPの実験を行う際にはクリアランスレベル3以上の職員2人の承認が得られた場合のみ、月に2度までDクラス職員を用いた実験が許可されます。詳細は補遺を参照して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは重さ125kg、大きさ1200 x 900 x 900mmの冷凍機内蔵型ショーケースです。SCP-XXX-JPは通常は非活性状態であり、電源コードから電力を供給される事で活性化します。SCP-XXX-JPは活性化している場合、不規則なタイミングでSCP-XXX-JPから発生する原因不明の約60dBの警報ブザー(以下、SCP-XXX-JP-1と記載)を発生させます。この音は一般的なブザー音とは異なり、子供の泣き声、または叫び声のように聞こえる事がDクラス職員による実験で判明しています。過冷蔵や周囲の温度上昇といった正常な動作による警報の場合には異常性は発現しません。
SCP-XXX-JP-1は5分後自動的に停止し、その間にSCP-XXX-JP-1を聞いた生物(以下、暴露者と記載)はSCP-XXX-JPに対して攻撃的になり、暴力的な手段によってSCP-XXX-JP-1の発生を停止させようとします。暴露者によってSCP-XXX-JPに生じた損傷は異常な物理的耐久性によって現在まで確認されていません。SCP-XXX-JP-1の停止後、暴露者は沈静化します。この時暴露者は暴行時の記憶を保持していますが、SCP-XXX-JPを攻撃した理由についてはいずれも「音がうるさかったから止めようと思った」といった主張を繰り返しています。
SCP-XXX-JPは██県のスーパーマーケット██████・██支店で起きた傷害事件を警察内部に潜入していたエージェント・██が調査中に発見しました。通報を受けたエージェント・██が現場に到着した時、現場では従業員を含めた██がSCP-XXX-JPへの暴行に巻き込まれ負傷しており、発生していたSCP-XXX-JP-1を聞いたためエージェント・██は暴露者となりました。その後SCP-XXX-JPは暴動によって偶然電源コードが引き抜かれた事で非活性状態となり、沈静化したエージェント・██によって異常性が確認されました。関係者全員にはAクラス記憶処理を行い、カバーストーリー「警報装置の誤作動によるパニック」を流布し、その際に故障したという名目で修理業者に偽装した財団のエージェントによってSCP-XXX-JPは確保されました。
██支店の店長の証言によると、SCP-XXX-JPは内部の故障による動作不良の修理のため、修理業者に7日間預託していた事が判明しました。店長がインターネット上で連絡を取っていた修理業者のホームページを財団が調査した所、ページの大部分が削除されており、代わりに以下のようなメッセージが残されてありました。
諸事情により営業を終了させていただきます。
どうか私達の直した子供達を可愛がってあげて下さい。
長らくのご愛顧ありがとうございました。
ざまあみろ
補遺: SCP-XXX-JPの確保から2日後、エージェント・██が自分の娘である██ ██を殺害する事件が発生。警察の聴取に対する「泣き声がうるさかったから止めようと思った」と言う供述からSCP-XXX-JPとの関連性が疑われ、財団が調査した結果、SCP-XXX-JPの発見時に暴露者となった人間が、同様の動機で事件を起こしている事が明らかになりました。以下は現在確認されている暴露者が発生させた事件の一覧です。
発生した事件 |
エージェント・██が生後7ヶ月の娘を撲殺。殺害後警察に自首した。聴取に対して「泣き声がうるさかったから止めようと思った」と供述。 |
居住しているマンションの隣部屋に押し入った男性が11歳の少女を刺殺。男性は現行犯逮捕された。聴取に対して「あの子供の叫び声がうるさかったから」と供述。事件発生時、殺害された少女の一家はホラー映画を鑑賞していた。 |
██県の公園で遊んでいた8歳の少年を女性が持っていたイヤホンのコードで首を絞めて殺害。その後他の子供を同様に殺害しようとした所、通報を聞いて駆けつけた警察官に現行犯逮捕された。聴取に対して「子供達の笑い声がうるさかった」と供述。 |
SCP-XXX-JPが発見されたスーパーマーケットの従業員█名が営業中、ベビーカーに乗っていた2歳の少女とレジに並んでいた6歳の少年に暴行し、少女を庇った母親が全治2ヶ月の重傷を負い、少年は顔面を[削除済み]。その後SCP-XXX-JPの暴露者で無かった他の従業員と客に取り押さえられ、駆けつけた警察官に現行犯逮捕された。聴取に対して全員が「子供の泣き声がうるさかったから」と供述している。 |
以上の事件とDクラス職員を用いた実験から、暴露者はSCP-XXX-JPに対してだけでなく、暴露者が「子供」と認識している人間が発生させた60dB以上の声によって攻撃的になる事が判明しました。この影響は記憶処理によって消去されません。この事から暴露者となったDクラス職員が予期せぬ事態に出る危険性を考慮し、実験後暴露者となったDクラス職員には終了処置がとられました。実験後の終了処置及び再雇用の費用の増加が懸念されるため、SCP-XXX-JPの実験に関して大幅な改定が行われています。
SCP-XXX-JPの異常性の影響を受けた写真。SCP-XXX-JP-1が写真右下に写っているのが解る。加工により異常性は喪失済み。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP発生地域はカバーストーリー「自然環境保全地域」に基づき高さ2mの有刺鉄線付きの金網柵によって封鎖されています。SCP-XXX-JP発生地域内での実験を行なう際は必ずDクラス職員による写真撮影を行い、親族及び配偶者が生存していない研究員のみが実験を担当します。
SCP-XXX-JP発生地域周辺は常に最低でも4名の警備員によって監視され、撮影機器を所持した部外者の接近が確認された場合は早急に対象を拘束し、SCP-XXX-JPによる影響の対象外の研究員によって撮影された写真の調査を行います。SCP-XXX-JPの発生が確認された場合は該当する写真を全て消去し、その後クラスA記憶処置を行なった上で周辺地域から退去させてください。
説明: SCP-XXX-JPは██県██市内の██████公園を中心とする約500m²の土地で発生する異常現象です。SCP-XXX-JPは土地内部で写真撮影を行なった際に発現します。土地内部で撮影された写真には必ず本来撮影された場所には存在しないベンチ、及びそれに座る3人の人物(以下、SCP-XXX-JP-1と総称して記載)が映りこみます。人物はそれぞれ20代の男性、20代の女性、幼児のように見えます。ですが、撮影された写真では全て背を向けた状態の為正確な特定には至っていません。詳細は補遺を参照して下さい。
SCP-XXX-JPの異常性の影響を受けた写真を人間(以下、対象者と記載)が視認した場合、対象者はSCP-XXX-JPが発生した写真を全て破壊します。破損又は加工された状態のSCP-XXX-JPが発生した写真は異常性を喪失し、この破壊行為について対象者にインタビューを行った所、「あの写真の中の人達が妬ましかった」といった主張を繰り返しています。
写真を破壊した後、対象者の親族又は配偶者が生存している場合、対象者は可能な限り多くの親族及び配偶者を自身の家に連れ込み、監禁します。この時、自身の家に連れ込む事が困難な場合は拉致等の暴力的な手段を用いる事が確認されています。監禁に成功した後、対象者は監禁した相手に対しワイヤーや縄等によって拘束する、先端の鋭利な棒を作成し突き刺す、[削除済み]といった行為を行ないます。
SCP-XXX-JPは██県で起きた監禁事件の調査中に確認されました。監禁事件を起こした男性の友人の「██████公園で風景写真を撮影した直後に██の様子がおかしくなり、自分で撮った写真を引き裂いていた」という証言から公園の調査が行なわれ、警察内部に潜入していたエージェントによりその異常性が明らかになりました。関係者にはクラスA記憶処置を行い、監禁事件に関してはカバーストーリー「無理心中未遂」を流布しました。財団の調査の結果、対象者となった人物が引き起こしたとされる事例は██件確認されています。
インタビュー記録XXX-JP-1 日付19██/██/██
対象: ██ ██(SCP-XXX-JPによって対象者となった男性)
インタビュアー: エージェント・岸田
<録音開始>
エージェント・岸田: ではインタビューを開始します。██さん、あなたがあの公園で写真を撮影した時の事について詳しく話してもらえますか?
██ ██: ……はい。昔から風景写真を撮るのが好きで、あの時は同じ趣味の友人に誘われてあの場所で写真を撮ったんですが…写真の中にあの人達が写ってたんです。撮る直前までは誰もいなかったはずなのに。それで、写真の中のあの人達を見ていたら、羨ましくなって……
エージェント・岸田: 羨ましい?
██ ██: はい。今まで私は家族の為に尽くしてきました。妻もそれを理解してくれて、███も特にわがままも言わずに勉強を頑張って……自分達みたいな家庭が理想的なんだろう、って思ってたんです。あの人達を見るまでは。
エージェント・岸田: 続けてください。
██ ██: あの人達を見た瞬間、自分がどれだけ馬鹿だったか思い知りました。私と娘ですら血が繋がっているだけの赤の他人なのに、妻はその血すら私と何ら関係が無いんです!娘も妻もいつ私から離れていくか解らないと思うと怖くてたまりませんでした。それに比べて、あの人達はそんな事を考える必要が無いのを良い事に私に見せ付けるように……だから、せめて写真の中だけでもあの家族を引き裂いてやろうと思ったんです。
エージェント・岸田: 家族……何故あの写真に写っていたのが家族だと解ったんですか?
██ ██: 見れば解るじゃないですか。家族でもなければあんなにぴったり合わさるなんてありえませんよ。絶対に離れないあの家族のようなつながりは私達には無いんです。……もういいでしょう?早く家に帰して下さい!あの家族に少しでも近づきたいんですよ。その為に接着剤とか縫合糸とか、使えそうな物を片っ端から集めたんです!お願いします……
[重要度が低いため割愛]
<録音終了>
補遺: SCP-XXX-JP発生地域での実験中、SCP-XXX-JP-1の前面を写した写真の撮影に成功しました。撮影されたSCP-XXX-JP-1の身体は3人の上腹部から下腹部にかけて結合しており、全員が前を向いた状態で笑顔を浮かべていました。現在のところSCP-XXX-JP-1の身元の特定には至っていません。
画像はこちらからお借りしました。
提供元:http://free-photos.gatag.net/?s=gf01a201503122000
作者:Thomas Leuthard
タグ 場所 精神影響 視覚
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大事な事:解りやすい怖さ 解りやすい危険性 対処法がある
・「無意味に死ぬ」より「失敗すると死ぬ」は怖い ・どんなに理不尽でも理屈のような物が垣間見えると、それだけでリアリティがある ・ 首をひねり殺される。例えば「異次元に永遠に幽閉される」とかよりは実感しやすいのだ ・音。五感に影響があるとイメージがしやすい ・謎。173は収容経緯も書いて無ければその起源も何もかもわからない。なぜ人を殺す? コンテナの汚れは何? ・173は「最初に書かれたオブジェクト」だから残ってるんじゃない。「最初に書かれて、「皆が面白い」と思ったから残っているオブジェクト」なんだ ・
消費量が大きい程影響を受ける範囲と規模が拡大しますが、対象者が受ける被害はより軽度な物となり、消費量が少ない程対象者が甚大な被害を受ける事になります。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
※書式について:
SCP報告書の書式は、基本的に本家と同じレイアウトになるよう意識して下さい。
特に「段落頭の1字下げ」や「段落分け以外での改行」はしないよう気を付けて下さい。
(特別な意図がある場合や、どうしても読みづらくなってしまう場合はこの限りではありません)
インタビュー記録のテンプレート
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
実験記録のテンプレート
SCPに関する実験の記録には以下のテンプレートを使用してください。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
実施方法:
結果:
分析:
次のように簡略化しても結構です。
日時: 出来事
実験記録のフォーマットは記事に合わせて適宜変更しても構いませんが、できるだけ同じフォーマットを使用することが推奨されます。
翻訳記事のテンプレート
アイテム番号: SCP-XXXX
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
注意:> (文字を点線で囲む構文)を使う際は、>の後ろに半角スペースを挟まないと機能しないことに気をつけて下さい。