アイテム番号: SCP-001-JP-J
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-001-JP-Jを取り囲むようにサイト-81KVが建設され、またSCP-001-JP-J-A側からも同様の収容が施されます。SCP-001-JP-Jには常に2人以上の警備員を配置し、SCP-001-JP-J-Aからのオブジェクトの侵入が確認された際には即座に鎮圧して下さい。現在まで、SCP-001-JP-J-Aから基底世界への大規模な収容違反は確認されていません。
説明: SCP-001-JP-Jはサイト-8181に出現した4.6m×5.4mの時空間異常です。SCP-001-JP-Jは平行世界(以下、SCP-001-JP-J-A)と接続しており、SCP-001-JP-Jを通じて両世界の行き来を可能としています。
SCP-001-JP-Aの世界にも基底世界における「SCP財団」が存在していますが、基底世界に比べてオブジェクトの管理方法が異なったり、無力化されているなどの差異が見られます。SCP-001-JP-J-Aで確認されているオブジェクトは基本的に基底世界よりも脅威が小さく、特にKeterオブジェクトに関してはその大部分が基底世界の基準でEuclid、Safeクラスのオブジェクトとなっているか、あるいは無力化しています。また、SCP-001-JP-J-Aにおける財団職員も基底世界に比べ危機管理能力が薄く、基底世界では考えられないような収容方法を実施したり収容違反時にオブジェクトと談笑するなどの行為が観察されています。
インタビュー記録: 以下は、SCP-001-JP-J-A内の人物へのインタビュー記録です。
対象: SCP-001-JP-J内部の██博士
インタビュアー: ██博士(便宜上、██博士’と表記)
<録音開始>
██博士´: 君達はふざけているのか!?財団職員としての誇りはどうした!
██博士: ちょっとちょっと。落ち着いてください。少しイタズラをしただけじゃないですか。
██博士´: イタズラだと!?SCP-173の模造品を見せてくるのがイタズラで済むとでもいうのか!
██博士: 気にしすぎですよ。別に死ぬわけじゃないんですから。
██博士´: ……はぁ。よくもそんな態度で財団職員が務まるものだな。私には信じられんよ。
██博士: とりあえず情報交換でもしましょうよ。せっかくインタビューを行なっているんですから、ね?
██博士´: ふん。どうせこちらの世界でも、あのいまいましいクソトカゲはいるのだろう?
██博士: SCP-682のことでしょうか?それならもう処理は済んでいます。
██博士´: ……なんだと?どういうことだ?
██博士: ですから、SCP-682の完全破壊は成功裏に終わっています。まさか、そちらではまだSCP-682が存在しているのでしょうか?
██博士´: あ、当たり前だろう!あいつがどれだけしぶとく、強く、そしてタフか、君たちもわかっているだろう?一体君たちはどうやってあいつを処理したっていうんだ!
██博士: 処理……というほどでもないですね。ジェラルド博士がドライブに連れて行ったらいつのまにか破壊されていました。
██博士´: ……なんだと?
██博士: そちらの世界にも同様の人物がいることは確認済みです。ですから……。
██博士´: いやいやいや。そんなはずはない。あいつがその程度でくたばるはずが……。な、なら、SCP-076はどうだ?あいつもなかなかにしぶといはずだ。そちらだっててこずっているだろう?
██博士: SCP-076……"アベル"ですか?彼なら来てますよ。
██博士´: そうだよな、Keterに決まって……は?来てる?
██博士: はい。なんならお呼びしましょうか?
██博士´: お、お呼びだと!?何を言って……。
[SCP-076が入室する。]
██博士: あ、来ましたよ。
██博士´: [甲高い悲鳴]
██博士: どうしたんですか、そんな悲鳴を上げて。彼が怖がるじゃないですか。
██博士´: いや、怖がるとかそういう問題じゃないだろう!?まるっきり収容違反じゃないか!警備員は何をしてるんだ!
SCP-076: ハカセ……オカワリ……。
██博士´: お、おい!その右手に持ってるのはなんだ!も、もしやSCP-447じゃあるまいな!?
SCP-076: コレ……サワヤカ……。
██博士´: 何がさわやかだ!ふざけてるのか!
[██博士がコップにドリンクを注ぐ]
██博士: さっきからどうしたんですか。博士も飲みます?
██博士´: 誰がそんなもの飲むか!
██博士: 案外おいしいですよ?隠し味のSCP-447がまたさわやかなミント味でね……。
██博士´: やっぱりSCP-447じゃないか!絶対に飲まないからな!
██博士: そうですか?まあ、とりあえず落ち着いてください。
██博士´: はぁ……だったら、SCP-2317はどうだ?あいつが消えてたらありがたいんだがな。それこそこちらの世界に逃げ込みたいものだ。
██博士: SCP-2317ですか?それなら持ってますよ。
██博士´: そうか。やはり君たちの手にも負えなかったか……。
██博士: これですよね?
[██博士がSCP-2317のカードを提示する。]
██博士´: なんだこれは。
██博士: なんだこれは、って。SCP-TCG-JP-Jのカードに決まっているじゃないですか。
██博士´: S……TCG?何を言ってるんだ?
██博士: もしかしてそちらの世界にはないのでしょうか?これはですね、SCPを題材としたトレーディングカードゲームで……。
██博士´: [沈黙]
██博士: おっと、失礼。私情が入ってしまいました。
██博士´: ああ……うん……。
██博士: 最後に何か質問はありますか?
██博士´: ああ……一つ聞かせてくれ。
██博士: はい。
██博士´: さっきから後ろに佇んでいるあのムキムキマッチョは誰なんだ。
██博士: 彼ですか?SCP-999ですが、それが何か?
██博士´: ……もう嫌だ。
<録音終了>