carbon13の砂箱

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは印刷された全ての実例を焼却処分し、電子媒体をサイト-81██の電子保管庫に保存します。実験はクリアランスレベル3以上の職員の許可を必要とします。

説明: SCP-XXX-JPはかつて株式会社ユニクロの企業広告として使用されていた画像です。主に同社のロゴマークと商品であるジーンズを着用した男性の写真から構成されます。SCP-XXX-JPの図柄で他の広告から逸脱を見せる唯一のポイントは、被写体の男性の左眼球の部分に複数の線形図形からなる文様が刻まれていることです。この文様を除去すると異常性質は半減されますが、完全に失われません。面積にして全体の2分の1以上、あるいは一定の範囲内の解像度であればSCP-XXX-JPは異常性を問題なく発揮できます。

SCP-XXX-JPは10秒以上集中して視認した人物(SCP-XXX-JP-Aと表記)の環境認知能力を恒久的1に破壊し、自分が固定された環境に存在するという虚偽の情報を脳に与えます。それに合わせて自認識も変化し、検査では全てのSCP-XXX-JP-Aが"自分は現在ユニクロに来店している"というような潜在意識を持っていることが判明しました。SCP-XXX-JP-Aはその環境認知能力の欠如により、周辺のランドマークや物品をユニクロにある商品、内装、店員、同じ客などのいずれかに認識します。そのため、多くのSCP-XXX-JP-Aは目の前にある人物や物品の実像を正確に捉えることが不可能でした。これらの影響下において、SCP-XXX-JP-Aは主に"ユニクロにいる時の自然な行動"を行います。代表的なものとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 自分の好みに合う服を選ぶ。
  • 店員に話しかける。
  • レジに向かう。
  • 選んだ服の試着をする

SCP-XXX-JP-Aが持つ認識の中で唯一"選んだ服の試着をする"が他者に影響を与えることのできる異常を保持しています。SCP-XXX-JP-Aにより"試着"が行われた際、その対象となった物品はそれ行うのに適切な形状に変化します。SCP-XXX-JP-Aには前述の周辺環境の認知の歪みがあるため、この"試着"に選ばれるものは服飾品に限定されず、これまでに行われた実験では生物などを含む様々なものが対象となりました。

場合により、SCP-XXX-JP-Aの試着はする側とされる側双方向に有害な作用をもたらします。身体の変形は生物の微小な生命的活動を維持するものの、全体としての機能が著しく損なわれます。その結果典型的には餓死や内臓不全などを起こして死亡に至ります。

補遺1: SCP-XXX-JPは2012/08/25から秋用広告として全国のユニクロ店舗で使用されていたと考えられています。財団による異常性の発覚があったのは2012/09/13のことです。現在のSCP-XXX-JPに見られる文様や異常性質をどこから獲得したのかは定かではありません。"ユニクロから出られない"といった民間人からの通報が警察にあり、財団のエージェントによる調査がなされ異常性質の把握に至りました。以下に示すのはSCP-XXX-JP回収後行われた実験記録です。

補遺2: 実験後終了処分されずに残されたDクラス職員(D-1601)へのインタビュー記録です。これによりSCP-XXX-JP発見時の民間人の用いた"ユニクロからでられない"といった発言の理由が判明しました。

インタビュアー: 稲村博士

インタビュー対象: D-1601


<記録開始>

沢田博士: インタビューを開始します。

D-1601: はい…。

沢田博士: 理性が戻られたようなのでSCP-XXX-JPを見た時の自分の感情を説明してください。

D-1601: あの時の私は熱狂的な状態にあって何もかもが絢爛としてて、非常に魅力的なものに見えました。そしてあれを見た時はとても侮蔑的な象徴で、色合いとか普段は気にしない些細なことがとても大きなものに見えたのです。

沢田博士: 躁な状態になっていたと?

D-1601: そうですね、感情の振れ幅が大きいという意味ではそれに近いかもしれません。

沢田博士: あれというのはしまむらのジーンズですね。

D-1601: あのクソ[嗚咽]できればそれの名前は伏せてもらえますか…。

沢田博士: わかりました。では今の状態はどうですか?まだあなたは躁鬱な状態にありますか?

D-1601: 私はいま、熱狂的な状態にあるわけではありません。理解はしています。

沢田博士: 何を理解しているのですか。

D-1601: あなたが実はストールじゃないことです。

沢田博士: 私がストールに見えると?

D-1601: ええ、はい。現状の私はまだユニクロにいるといってもよいです。どこへいってもユニクロの内装が続いています。このユニクロは広い…。

沢田博士: [手をあげる]私が何をしているのか理解できますか。

D-1601: わからないです。声は聞こえます。

沢田博士: 今も試着をしたという感情がありますか?

D-1601: あります。

沢田博士: 私をですか?

D-1601: あなたよりもそこ[警備員を指差して]のあれが好みですね。冬にぴったりなデザインです。

沢田博士: そうですか。では自分が冷静になれた理由には心当たりがありますか。

D-1601: 広告を見た瞬間にわっと湧き上がる気持ちわかりませんか?衝動買いみたいな感じなんですよ。██████3の広告を見て腹が減ることは?あそこはもう包み紙だけであなたの腹を減らすことが可能なのです。

沢田博士: 瞬間的な感情は持続せずとも根本的な、██████の包み紙を見たら腹が減るという部分。それは変わらないということですね?

D-1601: そうです。それは人間に普遍的な本能です。反射です。それ自体が悪いこととは言いません。ただ、あれは。

沢田博士: SCP-XXX-JPは普通より強く影響を与えます。

D-1601: そうです。普段の生活の内に忘れてしまうようなことをそれは許容しません。普通よりどぎつい絵です。よほどの名文でない限り絵より文章の方が広告としては意味があります。

D-1601: そして私はいつのまにかスキニージーンズの男と同化していたんです。店員が囁きかけます。私にはこの服が似合うと。

稲村博士: [時計を見る]そろそろ時間のようですね。インタビューを終了します。

D-1601: はい。

<記録終了>

D-1601の躁状態の緩和と従順性の獲得から新たな実験が実施されることになりました。実験のために用意されたサイト-8123の大型ホール4にD-1601を投入し、無線での命令と複数の監視カメラによる観察を行いました。この実験は主にSCP-XXX-JP-Aにより言及される"店員"がどのような存在であるかを確認するために実施されたものです。


<記録開始>

稲村博士: 周辺状況の観察と説明を行ってください。

D-1601: 何って普通のユニクロの内装が見えます。[沈黙]冬物バーゲンセールやってますね。

稲村博士: それでは"店員"かそれに類する人物に話しかけてください。

D-1601: 今の私は店員を見ていません。そもそも私は一度も店員に会えていないのですよ?

稲村博士: あなたから話かければいつでも居ると予想しています。

D-1601: そう言われても。

[D-1601はエリア内を歩き始め、時おりつまむなどして壁を変形させた。]

稲村博士: 試着はしてはいけませんよ。

D-1601: すみませんでした。

[D-1601は痙攣する。]

D-1601: いや、見てただけです。

稲村博士: 確認できましたか?その人物の構成要素を説明してください。例えば性別や身長などです。外見から性別が判断できないならそれでも構いません。身長はあなたより高いですか?名札のようなものはありますか?

D-1601: えっと、女性のように見えます。私より頭1つ分背が高いです5。名札があります。矢野?

稲村博士: 了解です。会話を続けてください。

D-1601: ネズミとか壁とか普通着るものじゃないでしょう。

[付近の壁が振動する。]

D-1601: それだったら早く出て行きたいです。でもいつまでも出口が見えないんですよ。マップはもう見ましたよ。まるで意味不明なんです。

D-1601: 私は長いこと探していますがまだ見つからないのです。ただ感情やその猛烈な意欲を少しでも疑えたらいいと思います。

[この時別室でモニタリングを行なっていた職員の多くは"何かを怒らせた"といった感情を一斉に感じた。]

D-1601: 博士、駄目みたいです。

稲村博士: 駄目、とはどのようにでしょうか。

D-1601: 彼女は服を売ることしか考えていないように感じられます。おススメがとても魅力的なんです。そこの監視カメラを似合うと言ってくれたんです。

稲村博士: 想定の範囲内です。それでは別の店員に話しかけてみましょうか。

D-1601: わかりました。すいません、店員さん。

[沈黙]

稲村博士: どうしましたか?

D-1601: いや、勘違いです。他の店員にも聞いてみますね。

[数分間エリア内を歩き回るD-1601が観察された。]

D-1601: 全員矢野なんです。みな驚くほど顔が似ています。いや、完全に同一人物なんです。私より頭一つ分背が高くショートヘアーでユニクロ店員らしい服装をしています。

稲村博士: わかりました。

[D-1601はまた体を痙攣させる。]

D-1601: いや、万引きはしてないですよ?

[D-1601は目に見えて動揺する。]

D-1601: 本当ですか?

[D-1601の背後の壁が突然融解し始め、開口部が作成された。その内部は使用されていた財団の機器によっても観測できず、監視カメラを通した目視ではそれが完全に暗闇であることを確認した。D-1601を総計23本の人間の手が掴み、ゆっくりと開口部に持ち運んだ。]

D-1601: 大丈夫です。トレンドアイテムだ。今この瞬間の流行が私だ。これで私もファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。

D-1601: [笑い声]博士、私の罪状を教えてください。再確認するためです。私が何を求めていたのかを知らなければいけないのです。今のうちに。

稲村博士: [沈黙]あなたは██県の高校生男女6名の殺害を行なったとして死刑になっています。

D-1601: ありがとうございます。

稲村博士: 再確認はできましたか。

D-1601: 大丈夫です。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ああ、余計なことを知りすぎたんだなあ。ここは試着室?いいえ尋問部屋。

[D-1601は完全に飲み込まれる。開口部は完全に消失しいかなる痕跡も残さない。その後もしばらく声のみがエリア内に残り続けた。]

D-1601: ええ、私だけですか?

謎の女性の声: それを脱いでください。清算をしていませんよね。

D-1601: はい。

謎の女性の声: トルマリンブルーです。

D-1601: 最後に聞かせてもらえますか?何故買わせるんですか?

謎の女性の声: 止まらない化け物。彼らは成長することしか出来ない。停滞はすなわち後退。

D-1601: 個人が気にすることでもないですね。

謎の女性の声: そうでしょう。

D-1601: ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。ファッショニスタ。

謎の女性の声: [D-1601と同じ文言を繰り返し続けた。]

稲村博士: 実験を終了します。

エリア内に残った声は7分続いた後消失しました。実験中に確認された壁の開口部はすでに消失しており、壁内部の構造も通常のものだった。他のDクラスを用いたさらなる実験は申請中です。

D-1601により背の高い女性と言及された"矢野"については現在調査が進行中です。株式会社ユニクロには当該条件に緩やかに一致する人物が3人在籍していましたが、それらの人物は現在のところ異常な兆候を見せていません。今後の調査は呪術的な知識を持つ人物を対象として行う方針です。




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niku

左上から時計回りにSCP-XXX-JP-A-3、SCP-XXX-JP-A-4、SCP-XXX-JP-A-5、SCP-XXX-JP-A-1

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準収容ロッカーに収容されます。実験にはCL2以上の職員の許可が必要です。現在のところSCP-XXX-JP-A-7を実験使用して実験する必要はないと考えられており、禁止されています。

SCP-XXX-JP-Cはサイト-81の大型生物収容室で各個体別々に飼育されます。専任の飼育員がそれぞれ2人ずつつき、生活行為や移動の介助を行います。飼育員はマニュアルを熟読し、作業にあたってください。

SCP-XXX-JP-C-1は羽毛の量が少ないため、適切な保温が望まれます。SCP-XXX-JP-C-2、SCP-XXX-JP-C-3は羽毛が十分に発達しているため配慮は必要ありません。SCP-XXX-JP-Cは必要とされた場合カウンセリングを受けることができます。この時、50音表と補強された図が用いられます。

説明: SCP-XXX-JPは耐水性のある紙質でできたチキン用バケットです。サイズは半径150mm高さ200mmと測定されています。SCP-XXX-JPはKFCコーポレーションから発売されるものと酷似していますが、イラストなどの細部が異なるという特徴を持ちます。SCP-XXX-JPの耐久性は通常のものと同様です。

SCP-XXX-JPを開封すると同社の「オリジナルチキン」と相違ないフライドチキン9ピースに加え、通常発売されていない首から上の部位を使用したフライドチキンと、衣を纏って揚げられたヘビ亜目(学名:Serpentes)に類似する特徴を持つ不明な肉が出現します。どの部位も適温に暖められており、これを摂取した人物はおおむね良好な味だと評価します。

この合計11ピースのフライドチキンはSCP-XXX-JP-Aとして指定され、部位ごとに別の番号が振り当てられています。脚(ドラム)はSCP-XXX-JP-A-1、あばら(リブ)がSCP-XXX-JP-A-2、胸(キール)がSCP-XXX-JP-A-3、ウイング(手羽先)がSCP-XXX-JP-A-4、サイ(腰)がSCP-XXX-JP-A-5、頭部がSCP-XXX-JP-A-6、そしてヘビ科のものと類似する特徴を持つ不明な肉はSCP-XXX-JP-A-7に指定されています。

SCP-XXX-JP-Aを摂取した人物(SCP-XXX-JP-Bと指定)は強い不安と罪の意識を感じるようになります。財団が行なったツング不安自己評価尺度試験では、どのSCP-XXX-JP-Bも中等度うつ病24.4±9.6であることを示しています。同時に恐怖も見せ、SCP-XXX-JP-Bは食事の際に食品が自分に語りかけられるように感じます。その内容は様々ですが、その食品がSCP-XXX-JP-Bと立場を入れ替える可能性があるというものです。SCP-XXX-JP-Aによって感じる罪の意識は、主に飲食に関してのものです。SCP-XXX-JP-Bは自分が今まで鶏肉をはじめとする肉食を行なっていたことに後悔の念を示します。これ以上SCP-XXX-JP-Bは一切の肉食を行わず、強制的に食べさせようとするとすぐに嘔吐します。ベジタリアンといった肉食を行わない人物の場合、野菜や乳製品に同様の反応を示します。

SCP-XXX-JP-Bは、SCP-XXX-JP-Aの異常といえる影響により自らの肉体を切除しようとします。チキンの部位に対応する肉体を嫌悪し、身近にある鋭利なものを使用してその試みを行います。例えばSCP-XXX-JP-A-2を摂取したSCP-XXX-JP-Bの場合、首下から臍の上までを強く嫌悪し、切除を行おうとします。身近にある鋭利な刃物を使用しますが、大抵は技術的な面から見てもまず成功することはなく、外部から外科的介入が行われなかった場合単なる外傷を得ることになります。

SCP-XXX-JP-Aの中でもとりわけSCP-XXX-JP-A-7を摂取した人物は他とは異なる異常性に暴露させられることになり、肉体的な変化を発現させます。変化後のSCP-XXX-JP-B(SCP-XXX-JP-Cと指定)は明らかにニワトリ(学名:Gallus gallus domesticus)の要素を備えています。頭部には鶏冠、あごの部分には肉垂と呼ばれる皮膚が発達した器官があり、口とその周辺の皮膚が変化して嘴が形成されます。また、羽毛が身体を覆うようになります。消化器関係はかなり人間に近く、嘴などの摂食器官で肉を食べることは無理があります。総排泄肛は今現在の個体で確認されていません。人間の骨格や生態と矛盾が生じているため、移動や生活行為に介助が必要なこともあります。実験を繰り返すに連れSCP-XXX-JP-Cに見られるニワトリ的な特徴が増加している傾向にあります。最初に行なった実験では羽毛はワキや頭部といった人間に毛髪が生えている部分に留まっており全身の5%ほどでしたが、現在では羽毛は全身の50%までに及んでいます。

SCP-XXX-JP-Cに変化することによりSCP-XXX-JP-Bの時の不安感や罪の意識はある程度解消されます。SCP-XXX-JP-Cに変化しても人間本来の知能は変わることがなく、嘴が文字を指し示すことにより意思疎通を図ることができます。

SCP-XXX-JPは██県の高等学校で発見されました。その生徒である██氏のSNSには、科学部の実験でニワトリの骨格標本を作成することを企画しており、そのために近くのケンタッキーフライドチキンで購入してきたものが、通常のカーネルのイラストにツノが生えているなどの特徴を示していることが書かれています。当該店舗は封鎖され、周辺のケンタッキーフライドチキンにも精査が行われましたが、それらは何ら異常を示しませんでした。

補遺: 2019/03/23サイト-81██にて大規模な停電が起きました。原因は判明しておらず、予備電源に切り替わるのに数分を要しました。全オブジェクトが問題なく収容されているか確認していたところ、SCP-XXX-JP-C収容房から全SCP-XXX-JP-Cが消失していました。現場にはこのような紙が残されていました。

ありがとうございました。S

何を持って"ありがとう"なのかは不明です。