アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP-Aの周辺█kmを封鎖しています。また、SCP-XXXX-JP-Aを常に多数の監視カメラで監視し、何かしらの異常が起こった際に備え、すぐに出動できる部隊を常に準備してください。現在、SCP-XXXX-JP-A内部または周辺の実験・調査は凍結されています。
説明: SCP-XXXX-JPはS県の██山の山中に存在している老朽化の進んだ民家(SCP-XXXX-JP-A)とその民家による異常の影響を受けた人間(SCP-1311-JP-B)からなります。SCP-XXXX-JP-Aは、200█年の時点で既に50年以上人が住んでいた形跡はありませんでした。SCP-XXXX-JP-Aは不定期に発光しており、映像媒体では認識できずSCP-XXXX-JP-Aから一定の距離にいる人間のみがその光を認識出来ます。またその光に一定以上被爆した人間をSCP-XXXX-JP-Bとします。
SCP-XXXX-Bは自分の欲求を満たす為に行動するようになります。またSCP-XXXX-JP-Bは水分や栄養を摂取する必要がなくなり、自分の欲求を満たす為に適した身体に変形します。
補遺1: SCP-XXXX-JP-Aは事例1に関する調査より発見されましたが、現在それ以前の事例を調査中です。
事例1
19██年に当時SCP-XXXX-JP-A周辺に住んでいた60代の細身の男が█~1█の少女4人を誘拐する事件が発生し ました。最終的に男は警察官に発見されたときに見た目からは想像できない程の力で抵抗し、その際警察官に射殺されました。男性は過去に1█歳の少女にわいせつな行為をした罪で逮捕されていたことが判明しました。
またこの地域周辺は以前から犯罪が多く、財団が調査を開始したところ██山付近の住民の犯罪が特に多いことが判明し、██山を探索した際に、SCP-XXXX-JP-Aが発見されました。
補遺2:以下はSCP-XXXX-JP-Aの実験記録と周辺で起こった事例の資料です。
対象:D-XXXX
研究主任:██博士
実験方法:D-████に無線ビデオカメラを持たせ、SCP-XXXX-JP-A内部を探索させる。
<録画開始>
██博士:D-████、この先にある建物の中を探索してください。
██博士:私語は出来るだけ控えて下さい。
D-████:はいはい、わかりましたよ。
<5分後>
D-████:・・・?
██博士:D-████、どうしましたか?
D-XXXX:いやなんか一瞬向こうの方で何かぎ光ったような気がして・・・(SCP-XXXX-JP-Aの方向を指で差す)
██博士:わかりました。これからも何か気づいた事があったら、随時報告して下さい。
<3分後>
D-XXXX:着いたぞ。なんだよただの廃墟じゃねぇか・・・。
██博士:ではこの建物の中を探索して下さい。
D-XXXX:マジかよ・・・。はぁ、お邪魔しまーす・・・って誰もいないか。
██博士:何か気になるところはありますか?
D-XXXX:そんな直ぐに見つかるわけないだろ。ん?壁に何か書いてあるぞ?
██博士:周囲が暗くて読めません。懐中電灯で照らして読み上げて下さい。
D-XXXX-:はいはい。えーと、『個人の欲求は個性でありそれを尊重することは憲法にもある通り大変重要なことである』『またそれを咎める存在はあってはならないのだ』・・・なんだこれ。
██博士:他に書いているところはありませんか?
D-XXXX:・・・よく見たら壁一面に書いてるじゃねーかよ・・・これ全部読めってか?
██博士:わかりました。懐中電灯を持って再度探索する為に一旦帰還して下さい。
D-XXXX:・・・了解。ってなんだこれ。地下への階段か?・・・うわっ!?
D-████:自力では、無理だ・・・頼む、急に頭痛と吐き気がして、うっ、耳鳴りもだ・・・。早く人を・・・。
██博士:了解しました。
<録画終了>
5分後にエージェント三名が到着しましたが、突然D-XXXXが襲いかかり、エージェントのうち二名が爪で心臓を貫かれて死亡しました。
帰還したエージェントはD-████の爪が異常に発達しており、笑い声のような奇声を発しながら襲ってきたと証言しています。
対象:機動部隊は-13(狙撃犯撃退チーム)十名
担当主任:██博士
作戦内容:機動部隊がSCP-XXXX-B-1を撃退し、活動停止を確認した後に研究員██がSCP-XXXX-JP-A内部の地下を探索する。
<結果>機動部隊に六名の負傷者が出たものの、SCP-XXXX-B-1の活動を停止させる事に成功。その後研究員██、機動部隊の内四人が失踪。以下録音機材の記録。
<録音開始>
研究員██:SCP-XXXX-Aに到着しました。探索を開始します。
██博士:了解しました。動ける機動部隊四名は待機していますので問題が生じた際には伝えて下さい。
研究員██:わかりました。
(木の階段が軋む音)
(木の扉を開ける音)
██博士:部屋には何か気になる物はありますか?
研究員██:木製の机があって、その上に紙があります。
██博士:紙の回収は可能ですか?
研究員██:接着剤のようなもので接着されていて、剥がす事は出来そうにありません。
██博士:わかりました。では、紙には何が書いてありますか?
研究員██:・・・『すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。』と書いてあります。
██博士:了解しました。発光が起こる前に帰還して下さい。
研究員██:・・・わかりました。
(木の扉が閉まる音)
██博士どうしましたか?研究員██
研究員██:・・・部屋に閉じ込められました。外から強い力で抑えられてるようで、開ける事が出来ません。
██博士:直ちに待機している機動部隊を出動させます。その場から動かないで下さい。
(ノイズが走り、以降研究員██からの通信が途絶えたものの、GPSは変わらずSCP-XXXX-A内部の場所を示している。)
<3分後>
アルファ-1:こちらアルファ-1。到着しました。これから救出作戦を開始します。
██博士:わかりました。地下に異常空間が形成されている可能性もあります。十分に気をつけて任務を遂行して下さい。
アルファ-1:了解。アルファ-8はここで待機、アルファ-3は地下の扉前で待機、俺とアルファ-6が部屋に突入する。
(木の階段が軋む音)
アルファ-6:隊長!扉が開いています!
アルファ-1:何?慎重に行くぞ。
アルファ-6:よかった。無事だったんですね。・・・どうしたんですか?ずっと黙って。
アルファ-1:・・・っ!おい、アルファ-6!すぐにそいつから離れろ!
(数分間銃声が鳴り響いた後、アルファ-1、アルファ-6、アルファ-3の通信が途絶える)
██博士:アルファ-1、アルファ-6、アルファ-3応答して下さい。・・・。アルファ-8直ちに撤退して下さい。
アルファ-8:了解しました。
(階段が軋む音)
アルファ-8:・・・え?な!?どうし(以後解析不能)
(以降アルファ-8の通信が途絶える)
作戦1の後、██博士は責任をとって自主的に担当を外れました。
補遺3:作戦1の一週間後、SCP-XXXX-Aから北方█kmの場所にカセットテープが落ちているのが発見されました。
お久しぶりです██博士。私は現在もあの建物の内部にいます。この建物を探索してみましたが、幸い実験や研究に最低限必要な備品を発見することできました。この建物の中は最高です。だって自分の大好きな研究が誰からも邪魔されることもなく、一日中できるのですから。私は私の幸福を追求していることに満足しています。ですのでこの建物から出るつもりはありません。仮に貴方達が私の自由な研究の邪魔をするならば、私は抵抗します。今の私は最低でも、武装した機動部隊三人を同時に相手しても無傷で彼らを嬲り殺すことが出来る程の力を持っています。それに私達が戦闘になった場合、この場所は比較的市街地から近い位置にありますので近辺の住民に被害を与えかねませんよ。また私もそうなのですが、この建物の地下から発生する光は人間の欲望を暴走させ、それに適した身体に作り替える力を持っているようですので、私は人間をこの建物周辺に近づけることを推奨しません。逆に貴方達がこの建物に接近しない限り、私の方から貴方達に何かをするつもりはありません。私は研究がしたいだけで闘いをしたい訳ではありません。互いに平和的にいきましょう。
このカセットテープが発見された三日後、行方不明だった機動部隊四名の遺体が、カセットテープと同じ場所発見されました。このとき頭が異常に発達した生物(SCP-XXXX-JP-B-2と呼称)が遺体を運ぶ姿が監視カメラから発見されました。身につけていた衣服から研究員██であったものとされています。これを機にオブジェクトクラスがEuclidに変更されました。