BUBBLE203 清水

現在、SCP-XXX-JPの記事を書いた職員の行方を機動部隊り-2("魔女狩り")が捜索中です。

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伝・発見時のSCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の換気システム及び排水口の設備されていない縦5m×奥行き1m×横5mの地下室内プールに収容され、その様子は360度赤外線カメラで監視されます。プールは指紋認証・顔面認証の施された、二重扉でロックされています。日常環境下においてオブジェクトの半径3.5m以内に植物はあってはいけません。また、職員はプールの入り口に設置されている気圧操作パネルを使用し、対象の収容されているプールの気圧を常に10hPa以上に保ち、対象が気体化するのを阻止してください。

SCP-XXX-JPの実験・調査をする際は、3名以上のセキュリティクリアランスレベル3以上の職員の承認を受けなければなりません。その場合、耐環境用スーツと防護マスクを着用した2名以上の女性職員で行い、オブジェクトに素肌で接触、体内に摂取しないよう注意してください。尚、対象をプール外へと持ち出すことは禁止されています。対象の実験・調査をする場合、その全てはプール内で行って下さい。

SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2へと変態し脱走を試みた場合、職員は速やかに常備された排水用ポンプを使用し、SCP-XXX-JP-1並びにSCP-XXX-JP-2を吸引の後、再びプール内へと収容して下さい。

SCP-XXX-JPの有する特異性から、オブジェクトの半径3.5m以内に男性職員が接近することは禁止されています。

説明: SCP-XXX-JPは20██/██/██に██県██山の山中で████研究員1よって発見された、面積436ha・周囲長7km・水深40cm・透化度10-45mの湖 知性を有する総量0.5klの透化度の高い水及び、その異常性によって発生する体長218㎝の雄の███オオハクチョウ(学名:Cygnus 以下SCP-XXX-JP-1と呼称)と雌の███オオハクチョウ(以下SCP-XXX-JP-2と呼称)の総称です。

SCP-XXX-JPは特定領域における現実改変能力を有しています。当該オブジェクトの周囲3.5mに存在する植物は、その存在を[編集済み]へと改変されます。オブジェクト発見時、本来であれば██山に確認されていない植物が群生していました。しかし、オブジェクトの確保時、それらの植物と動物は一斉に消失してしまいました。また、この特異性によって生じた植物は、その形態こそ既存の植物に相違はありませんが、発生する香りにオブジェクトに対する好奇心を高める興奮作用が確認されています。

SCP-XXX-JPの半径3.5m以内に60秒以上留まった男性被験者はオブジェクトに対して強い庇護欲と接触欲求を持つと同時に、中脳・腹側被蓋野よりドーパミンと下垂体前葉からエンドルフィンが過剰放出され、強烈な幻覚・幻聴を顕す統合失調症や中毒性疾患、覚醒剤作用に類似した症状を急速に発症します。性ホルモンの異常産生、筋肉組織の増強、血流の促進を併発する場合もあります。これらの症状は慢性的なもので、実験終了後、██被験者は発見時の湖のような状態のSCP-XXX-JPを泳ぐSCP-XXX-JP-1並びにSCP-XXX-JP-2の幻覚と「エルザ」という女性に関する恋愛妄想に基づいた言動を繰り返すようになり、オブジェクトに対する実験や観察の阻害、[編集済み]脱走の手助けをしてくれようとしました。一週間後、被験者は終了処置を施されました。

前述の通り、SCP-XXX-JPは男性に対して強い特異性を有していると同時に、男性が当該オブジェクトに接触した場合、触れた部分が激しい炎症を起こします。それは濃硫酸に直接素肌で触れた時の症状と酷似していますが、オブジェクトによる炎症の場合、強いバニラ臭すると報告されています。[削除済み]。このバニラ臭には精神汚染効果があり、摂取した場合、「SCP-XXX-JPにさわりたい」「SCP-XXX-JP-とひとつになりたい」というような欲求を持つようになります。オブジェクトを体内に摂取した男性被験者は、およそ1分後に赤褐色の液体を垂れ流し、死んでしまいました。調査の結果、液体はタンパク質とオブジェクトを多く含んでおり、被験者の運動器官・消化器官・呼吸器官・循環器官・神経系統・生殖器官・内分泌器官・泌尿器官の全てがオブジェクトによって溶解されたということが判明しました。その際も同じようにバニラ臭が漂っていたことが確認されています。

SCP-XXX-JPは自発的に移動することが可能です。オブジェクトは30日間の周期でSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2と指定される二匹の透明な白鳥の姿をとります。SCP-XXX-JP-1並びにSCP-XXX-JP-2は一般的なオオハクチョウに類似した見た目を有します。その肉体はオブジェクトと同様の特異性を有する水で構成されており、その状態はオブジェクト同様に流体です。[削除済み]。

SCP-XXX-JPに対しての実験は計14回行われました。下記にオブジェクトを用いた実験の記録の一部を纏めます。

インタビュー記録XXX - 日付20██/09/08

対象: D-████

インタビュアー: ███研究員

付記: D-████ 日本人。28歳。 三日前にSCP-XXX-JPに接触した男性。過去に計8回の強姦殺人を犯しています。SCP-XXX-JPと接触して以来自身の事を「ローエングリン2」だと認識する重度の誇大妄想を発症。薬物の摂取経験は無し。

<録音開始>

███研究員: お久しぶりです。 D-████。気分はどうですか?

D-████: ああ、あんたか。最悪だ。俺は彼女の所に行かないといけないのに、ずっとこんな所に閉じ込められてる。聞いてくれよ、最近どんな女を見ても██しないんだ。以前まではすげぇ██してたのに。あんたにも、すげぇ興奮してたんだぜ? 彼女に会いたい。俺はもう彼女しか愛することができない体になっちまったんだよ。
 
███研究員: 彼女(███研究員のくしゃみ)。というのはSCP-XXX-JPのことでしょうか?

D-████: あぁ? ちげぇよ、そんな囚人みてぇに番号で言うんじゃねぇ。彼女はそんな名前じゃない。彼女の名前はエルザだ。 俺は彼女の為のローエングリン。なあ、いかせてくれよ。彼女が呼んでるんだ。

███研究員: エルザ3。SC……貴方の言う「彼女」は、自身のことをそう名乗ったのですね。彼女は、エルザは貴方になんと声を掛けているんですか?

D-████: 「此処から出して」。「助けにきて」。「そうしたら、貴方を誰よりも愛してあげる」。そう言ってくれてるんだ。だからいかなきゃいけない。俺が、愛してもらうんだ。

███研究員: [2秒沈黙] そうですか。今回のインタビューは、これで終了です。

D-████: は? おい。待てよ。エルザに会わせてくれよ。なぁ!


<録音終了>

終了報告書: D-████はSCP-XXX-JPとの一度目の接触以降、SCP-XXX-JPの特異性に影響された反応が見られました。どうやらSCP-XXX-JPは知性を有しており、自らを「エルザ」と称しているようです。加えて、D-████に恋愛妄想、覚醒剤作用に似た症状が顕れています。引き続き、インタビューを行います。

 
インタビュー記録XXX - 日付20██/09/17

対象: D-████

インタビュアー: ███研究員

<録音開始>

███研究員: こうして話すのは一週間ぶりですね。こんにちは、D-████。

D-████: なんだ、テメェか。なあ、出してくれよ。 出させてくれよォ。 俺はもうエルザの███に████を███たくてたまらねぇんだ!! 毎日毎日夢にエルザが出て来る。いつ来るの、はやく来てって。ああ今行くぜエルザ……お前の███に俺の████を█████やるよ [語気を強める]

████研究員: 随分とご機嫌ですね。何故、貴方はそこまでエルザに固執するのですか?

D-████: 決まってんだろ。俺がエルザの騎士だからだ。俺はエルザに選ばれたんだよ。エルザは俺を愛してくれる。エルザだけが俺を、俺と一緒になれるんだ。[語気を強める] オデットとオディールがエルザを連れ去る前に、早く行かねぇと。

████研究員: オデットとオディール。[三秒沈黙] それは(███研究員のくしゃみ)何のことですか?

D-████: エルザを連れてく███野郎どもだ。あいつらが来たらもうエルザに、エルザ!!

<録音終了>

終了報告書: この後、1時間に渡ってD-████は何もない空間に向かって██をするかのような行動をし続け、その10分後に気絶しました。前回のインタビュー時よりも思考能力が低下しており、SCP-XXX-JPによるミーム汚染が進んでいるようです。加えて、常に興奮状態にあるようで、以前より会話に下品な言動が見られるようになりました。オデットとオディール4については、SCP-XXX-JP-1並びにSCP-XXX-JP-2のことを指していると考えられます。来週、D-████を拘束下で、SCP-XXX-JPに接触させる実験を行います。

実験記録XXX - 日付20██/09/25

対象: SCP-XXX-JP、D-████

実施方法: 女性Dクラス職員2名を伴い、拘束服を着用したD-████をSCP-XXX-JPと接触させる

結果: SCP-XXX-JPの収容されたプールに入ったと同時、非常に激しい興奮状態に陥ったD-████は拘束具ごと服を破壊し、職員を拳によって吹き飛ばし気絶させた後、何らかの歌を高らかに叫びながらSCP-XXX-JPに飛び込みました。その後D-████は全身から煙と雄叫びをあげ、「甘い」「エルザ」「気持ちいい」「ひとつになろう」という言葉を繰り返しながら、およそ30秒で完全に融解しました。しかし、D-████とは一体誰なのでしょう。

分析:SCP-XXX-JPは触れた対象を溶かしつくす強力な酸性を有しているようです。しかし、飛沫の付着した女性職員の防護服や髪が溶けなかったことから、男性にのみ発揮され、女性や無機物に対しては発揮されないのではないかと考えられます。加えて、SCP-XXX-JPと一度接触した対象は、SCP-XXX-JPへ強烈な接触欲求、性的欲求を生じるようです。記録に記載されているD-████という人物については誰も詳細な記憶を保持していませんでした。このことからSCP-XXX-JPは何らかの現実改変能力を有していると考えられます。

実験記録XXX - 日付20██/10/11

対象: SCP-XXX-JP、D-749█、D-7499

実施方法: 5ml採取したSCP-XXX-JPに男性Dクラス職員と女性Dクラス職員を接触させる

結果: SCP-XXX-JPに接触した男性職員の指が激しい炎症を起こしました。しかし、女性職員の指には一切傷はありませんでした。炎症は濃硫酸によるものと類似しており、炎症後、周囲3.5mに強いバニラ臭が発生しました。この10秒後、男性職員には実験結果にある人物D-████と同じようにミーム汚染がみられ、「SCP-XXX-JPを口にしたい」という旨の発言をするようになりました。この3日後、男性職員は終了処置を施されました。不可解なことに、誰もSCP-XXX-JPに接触した男性職員の顔を覚えていませんでした。

分析: やはりSCP-XXX-JPの特異性の対象は男性にあるようです。また、この際発生したバニラ臭は、SCP-XXX-JP発見時に発生していたものと同じものであり、男性に対してのみ強い興奮作用を有していました。加えて、SCP-XXX-JPは自らに関与した対象(男性のみかと考えられます)の存在を忘却させるものだと考えられます。

補遺: 実験時、記録にあるD-████という人物の歌唱の内容は、オペラ「ローエングリン」の劇中歌である「婚礼の合唱」だってことが判明しました。この後、SCP-XXX-JPのミーム汚染が極度に進行した被験者達にも、同じような行動が見られました。劇中歌の内容は以下の通りです。

補遺2: 20██/██/██、SCP-XXX-JPが発見された██山麓の廃村から、一冊の書物が発見されました。英語で記されており、欠損が激しく完全な復元はできませんでしたが、解読の結果、オブジェクトについての文書であるということが判明しました。これらはオブジェクトを一種の神格のように崇拝していた彼らの記録であり、本来SCP-XXX-JPは海外にあったものではないかと考えられています。その内容は要領を得ない不可解なものばかりでした。しかし、その一部にオブジェクトに関与しているとされる興味深い内容が発見されました。

補遺3: SCP-XXX-JPに対する成分調査は計11回試みられましたが、SCP-XXX-JPの詳細な成分を分析することはできませんでした。計11回の分析の結果、全てその成分が変化していた為よ。このことから、オブジェクトは自身を構成する成分を変質させられるということが明らかになりました。また、第1回目の調査の際、調査にあたった███研究員はこのような文章をオブジェクトが形成したことを報告しています。

全ては虚構の内。彼も貴方も、変わりはない。

補遺4: この記録が閲覧されているということは、私は無事に彼女と同化することができたようね。あなたは信じられるかしら?彼女のことを。私のことを。そして、あなた自身のことを。