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Todo
スパイスとインド多神教
人間がタスクラントン
ASPを前に
インド人によるカレー粉の発明
エージェントザビ江エル
玉ねぎの追加がイギリス
イギリスt王立魔法院の共同開発
肉のこじつけ
スパイスの話

アイテム番号: SCP-1625-JP "おかず戦争"

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-1625-JPに必要な植物はエリア-81NHを中心に世界中で栽培されます。特に日本における影響を考慮し、SCP-1625-JPが日本において安価かつ簡単に作成できるように順次日本国内におけるミームの喧伝ならびに流通に力が注がれます。
ASPに認定される存在の新たな発生を防ぐため、財団が保有しているオブジェクトに関連するミームはその認定から98年周期でのプロトコル・ナンバーシフトが行われます。これに伴い、全世界規模でのennui・プロトコルが必要とされます。
未だASPの発生が認められていないそれぞれのオブジェクトと関連ミームへのプロトコル・ナンバーシフトの実施時間と日程は、その発見あるいは認定から98年±3ヶ月周期での範囲でランダムに設定されます。

説明: SCP-1625-JPは、歴史的に薬草学や魔術学的見地より使用されてきた複数のオブジェクトの複合により発生する現象で、主に財団によって指定されるすべてのASP情報司操存在(以下、単純にASPと呼称)から人類を保護するため、日本を中心として用いられる収容手順です。
SCP-1625-JPは主に-Aから-Dに指定される4つのオブジェクトから調合され、さらにその異常性を調整するために十数種類の植物性微量物質と共に調合の後過熱して完成されます。SCP-1625-JPは1869年、当時の財団と蒐集院の共同工作により完成され、主に日本を中心に拡散されています。以下に使用される物質の詳細を示します。

SCP-1625-JP-A: 南米発祥の植物であり、元来は異常性を持っていなかったと推測されています。財団による調査で発見された文書から、紀元前██年以前に発生したとされる[検閲済]の大規模な多次元間消失事件(SCP-████との関連性が桑名博士により示唆されています。別紙参照)の際に発生した膨大な宇宙線がオゾン層を超え、ペルー西部アンデス山脈周辺に到達したことにより、現地に自生していたSCP-1625-JP-Aの遺伝子構造に変化をもたらしたと推測されます。
発生したSCP-1625-JP-Aはその茎に特殊なアルカロイド系化学物質を持ち、これによりSCP-1625-JP-Aの成分は低度の幻覚作用を持ち、これを摂食させることで暗示や洗脳への軽微ながら持続的で有用な作用が認められます。南米における多くの古代国家ではSCP-1625-JP-Aが大規模に栽培されており、濃縮されたSCP-1625-JP-Aの原液から作成された酒によって、意識的に王家による一種の洗脳と専制政治が敷かれていました。
のちに財団に吸収合併される██████の構成員によって15世紀ごろに持ち帰られたSCP-1625-JP-Aは当初その異常な性質よりむしろ食用としての栄養価を注目され栽培が進められました。日本にSCP-1625-JP-Aが伝わったのは江戸時代であり、蒐集院がその異常性を研究し始めた18世紀末までのおよそ300年間、SCP-1625-JP-Aの異常性はほとんど認識されていなかったと推測されていますが、財団の歴史学者によってSCP-1625-JP-Aの異常性が無自覚のうちに当時の西欧において使用されていたという示唆がなされています。
蒐集院によってその異常性が確認されたSCP-1625-JP-Aは異常性の利用のため、明治時代以降に国策として現在のエリア-81NH地区にて大規模な栽培が進められ、現在では後述のASPの影響の認識を歪めるために使用されています。

SCP-1625-JP-B: ヒガンバナ科ネギ属の植物で、成長途中に空気中から細胞内に現実性を取り込み、特異な正20面体の結晶1を精製します。これにより、SCP-1625-JP-Bはきわめて安定した現実を周囲にもたらします。SCP-1625-JP-B栽培地周辺は天然のスクラントン現実錨のような性質を示し、周囲の現実性がある程度一定に保たれます。SCP-1625-JP-Bは調理の過程で切断することによりその切断面から固定化された現実揮発し、これを日常的に摂取することにより人類は人型サイズの簡易的な現実改変防護性質を得ることが可能です。
ネギ属の植物は種差こそあれど一般にこの性質を持ち、歴史的には特に西洋を中心に魔除けとして使用されていた記録があります。ニンニクやアサツキは栽培方法によってはSCP-1625-JP-Bを超える安定した現実を内包することもあり、歴史的にはエジプトにおける使用例が挙げられます。エジプトでは現地におけるASP2の影響から逃れるため、墳墓建設の労働者たちにSCP-1625-JP-Bが支給され、土着的な対策療法が行われていました。
日本においては日本書紀にニホンネギに関する記述がありますが、SCP-1625-JP-B自体の栽培は江戸時代に持ち込まれた長崎にのみ留まっていました。当時の長崎における基督系要注意団体████████会はこれを使用することで、日本におけるASPの影響から逃れ信仰を守り続けていたと考えられています。
SCP-1625-JP-Bの栽培も、-Aと同様に明治時代以降に国策として現在のエリア-81NHを中心に栽培が開始されました。SCP-1625-JP-Bは未調合の状態でも空気中にその異常性を発散させることができるため、現在では全国でASPの影響を抑えるために栽培が行われています。

SCP-1625-JP-C: 西アジア原産の植物であり、東洋種と西洋種の二種類に大別されます。人間の体内にてビタミンAを含む物質へと変換される成分を保有し、これはSCP-1625-JP-A,B,Dに含まれる成分と結合し体内に固定化させます。空気中に発散されたSCP-1625-JP-A〜Dの成分はすべてSCP-1625-JP-Cの摂食によって体内に残留されます。古来は中国より伝わった東洋種のSCP-1625-JP-Cの栽培が一般的でしたが、エリア-81NHでの栽培に際して寒地に適した西洋種の栽培が奨励されました。

SCP-1625-JP-D: 主にウシやブタの体内に寄生する寄生虫です。200℃以下の加熱によっては死亡せず、人間を最終宿主として寄生します。歴史的には江戸時代にも牛肉の摂食からその薬効は認められていましたが、明治期に財団の生物学者がその体内に含まれる成分の解析に成功し、明治期に一般への啓蒙が進められました。
SCP-1625-JP-Dは人間の体内に住み着き、宿主の脳神経に作用する一種の麻薬物質を分泌します。
SCP-1625-JPに含まれる植物由来の十数種微量物質: SCP-1625-JP-A〜Dの異常性の安定した発現と、それぞれの吸収の促進、体調の調整のために活用されます。SCP-1625-JPを摂食させることで人類を-Cの影響下に置くことができるため、ASPからの影響のうち、-Aによってその認識を、-Bによってその現実改変への影響を、-Dによってその精神的影響を抑制することが可能です。

ASP情報司操存在は特定の情報が一定数以上の人類の中で固有の名詞を持って共有されることにより自然醸成される異常な存在です。すべての情報のうち、そのミームが人類によって特定の名詞を持った上で一定の期間、確認されている以上では100年以上の認識の共有を経たのち、そのミームを起点としてASPに指定される存在が発生します。

発生したASPは共通する実体や特徴を持ちませんが、一般的に起点概念に関連する操作能力及び自我を持ちます。全人類の認識する概念の名称変更によってASPの発生を未然に防止することが可能ですが、すでにASPとして発生している存在は自身の起点概念の改変能力を有するため、そのミームの変更が不可能です。仮にennui・プロトコルなどを用いることでミームの変更を行ったとしても、すでに存在しているASPは起点概念を改変することで自身の起点概念の名称を元のものに戻してしまいます。このため、すでに存在しているASPに対してはその影響から身を守るためにSCP-1625-JPの摂食が必要です。
すでに発生しているASPらは自らを指して一様に[tʌ qʌ mu gə mi]と聞こえる発音で名乗り、これが日本において「付喪神」ならびに「神」として認識されたと考えられています。当時に自然発生したASPのうち、人類に協力的であった幾つか3は日本における原始的な蒐集院の関連組織の創始に関わっており、彼らは特に人類に対して暴力的な意思を示すASP4の収容や破壊に尽力していました。財団に伝えられている文書からは、主に日本国内での政治システムの統一により、国民に共通のミームが保有され始めた飛鳥時代以降からASPの発生が激増したとみられており、当時の蒐集院は皇室などと協力し、特に人類に協力的な存在として日本国民に「救う者」としての神仏のミームを共通認識させる5ことにより、顕現したそれらの協力によってASPの破壊を行っていました。

江戸時代終期、蒐集院と当時の財団との協力により、日本におけるASPへの対策が取られ始めました。当時の日本においては自然信仰が特に認識内に根付いており、仏教や基督教などの統一信仰による他の信仰、ASPへの対策が十分になされていませんでした。歴史的にも強硬な信仰統一が成功しておらず、すでに当時ASPのミームは完全な撲滅が不可能と考えられており、蒐集院は日本国内でのASPとの隔離政策を進めていました6

財団の技術供与により、世界各地で対策として用いられてきた様々な植物を併用することでASPから人類を永遠に隔離する計画が蒐集院所属の荒井氏と財団によって計画されました。SCP-1625-JP-A〜Dを試験的に栽培するため、広大な敷地が必要とされ、エリア-81NHがそのために割り当てられました。荒井氏を含めエリア-81NHにてSCP-1625-JP-A〜Dの栽培が実験され、現在のSCP-1625-JP-A〜Dに指定される品種への改良が進められました。

1872年、試験的にSCP-1625-JPの一般への解放が行われ、イギリス支部における英国王立魔法院との共同開発ですでに用いられていた調合法でのSCP-1625-JPが日本に紹介されました。当時実験段階であった-A、-C、-Dは記載されず、ネギ科の植物を増やすことで現実性の固定化によるASPからの影響を弱めることが可能であるとのイギリスの報告7を元に、当時のSCP-1625-JPにはニホンネギに加えてニンニクが併用され、またイギリス魔術学において広汎に使用されていたアカガエルの肉ならびにその寄生虫や、魔除けとして日本においても著名であったユズなどが代用として使用されていました。
日本人に紹介されたSCP-1625-JPの材料は、その開発状況に応じてエリア-81NHから出荷されたものに置き換えられて行きました。財団と蒐集院は、SCP-1625-JPの国民への広汎な普及と、価格・調合法の改良に力を注ぎました。開発された新たな品種としてのSCP-1625-JP-A〜Dならびに微量物質のすべては新たに名前が与えられ、そのミームが固定化せぬよう100年ごとに名称変更が行われました。
1905年、財団のフロント企業であるSpicy Crosse&Prutowell社による研究を契機として、1923年に日本によるSCP-1625-JP-X(複雑で調合が困難とされていた十数種の微量物質の混合)が発明されました。その後大正期にはほぼ現在のSCP-1625-JPが完成しました。この間、ASPにこの工作を察知されないために財団と蒐集院、ほか世界中の団体の協力のもとのほぼすべての能力が注がれ、工作を察知したASPらはいかなる性質をもつものであれ強制的にプロトコル・ナンバーシフトならびにennui・プロトコルによって別ミームを与えられ収容されました8。現在の幾つかのナンバリングオブジェクトは、この際に収容されたものです。

1972年、事案-1625-JP-UUMが発生しました。この年はミームとしての日本におけるSCP-1625-JPの発生と流通から数えて100年目にあたり、SCP-1625-JPを起点とするASPの発生を防止するためのennui・プロトコルの実施が計画されていました。詳細及び経過は補遺を参照してください。

補遺: 事案-1625 -JP-UUM

1972/11/18、財団によるSCP-1625-JPへのプロトコル・ナンバーシフトが予定されていました。内容としては、当時保有されていたSCP-1625-JPの名前の変更、またそれが一般に普及していたものと認識させるennui・プロトコルの実施による広汎なミームの書き換えでした。
全世界への薬物散布が行われる午前10時、プロトコル・ナンバーシフトの実施に割り当てられていたクィアック博士ならびにサイト内部職員全員が突如として財団に離反、薬物の置き換えを試みました。付近の機動部隊も財団に離反したため、現場への到着には時間がかかり、クィアック博士によって変更された薬物が散布されました。
ミームの変更により、これまでSCP-1625-JPとされてきた物体はその内容を変質されました。変更後の物体はSCP-1625-JPと同様の素材で作成されていますが、日本古来から使用されている調味料9をSCP-1625-JP-A〜Dと併用することにより、未根絶であったそれらの調味料のミームを起点とするASPの影響を受けました。結果として、概念としての“醤油”ASPならびに“味醂”ASP、“砂糖”ASPにより、それらの調味料の作用が改変され、SCP-1625-JP-A〜Dの異常性を無効化する作用が付加されました。(以下、偽SCP-1625-JPとする)
のちの調査によれば、クィアック博士ならびに現地のサイト職員はすべて、出生時から一切のSCP-1625-JPならびに関連の植物を摂食させないようにして育てられていたことが判明しました。この大規模な潜伏には帝国負号部隊が関わっていたとされます。SCP-1625-JPの開発と同時期、当時の海軍によってSCP-1625-JPと同様の素材を用い、また醤油や味醂を加えて調理される料理が開発されており、これを作成した海軍職員はASPに精神影響を受けていたと推定されます。以後1930年の創設から帝国負号部隊の一派はこのクーデターを計画し、当時のメンバーの数人は自身の家族を秘密裏に財団に潜伏させていました。彼らはASPからの指示を受けて活動し、ASPが日本の人類すべてに再び影響を及ぼすことができるように、SCP-1625-JPに自身を混ぜこめるようにミームの改変を行う機会を窺っていました。
ミームシフトによって作成された偽SCP-1625-JPはその影響を拡大させました。すでに体内で固定化されていたSCP-1625-JPによってしばらくはその影響が無効化されていましたが、調理段階では醤油や味醂を投入するまでその調理手順がほぼ同じであることから、徐々に偽SCP-1625-JPが本来のSCP-1625-JPを駆逐して行きました。財団職員を含めたすべての人間がそのミームを書き換えられなければならなかった