SCP-3280-JP - 早すぎた埋葬
アイテム番号: SCP-3280-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3280-JPは、内部を海水または塩分35の水溶液で満たし水流ポンプを備え付けた水槽内部で保管されます。水槽の蓋は後述する植物性プランクトンの投入時と清掃時を除いて施錠されます。またカント計数機を配置しSCP-3280-JPの現実性変動について異常がないか常時モニタリングします。
SCP-3280-JPを収容した水槽に、1日につき5 gの植物性プランクトンを3回に分けて投入します。また7日に1回水槽内の清掃を行い、それと並行してSCP-3280-JPに変化がないか調査が行われます。
SCP-3280-JP-1の起源について、超宇宙業務部門および超時間研究部門を中心とした調査が行われています。
説明: SCP-3280-JPは、全長約26 cm、直径約6 cmの円筒におおよそ近い形状をもつ、不明な有機構造体です。先端にある複数本の短い触手様器官から周囲の有機物を取り込み、自身の恒常性を維持する性質があります。これは現時点での一般的な生物の定義1を満たしますが、動物、植物、および細菌といった既知の生物の中に類似する実例は確認されていません。またSCP-3280-JPに移動能力は確認されていません。
SCP-3280-JPの体組織は透き通っており、一見すると内部組織が視認可能なように観察されますが、各種実験の結果は内部組織のように見える対象が物理学的にはその位置に存在していないことを示しています。これについて、財団超宇宙業務部門はSCP-3280-JPの表面組織自体が基底宇宙とは異なる時空への“覗き窓”のように作用しているという仮説を示しています2。
SCP-3280-JPは常時有意かつ規則的な現実性変動を起こしています。SCP-3280-JPの平常時の現実性は約1.0 Hm3ですが、パルス的な現実性の低下が約0.3秒間隔で3回発生し、低下時の現実性は約0.7 Hmです。これを約10.7秒間隔で繰り返します。
SCP-3280-JPは北緯38°10’32”、東経140°57’36”付近の海中に沈んでいるのを現地住民によって発見されました。カバーストーリーとして“特殊なクラゲの一種”を流布したのち、研究のためと称して回収、収容されました。発見当初、SCP-3280-JPは周囲の海中に存在するプランクトン類を取り込んでいたものとみられています。
SCP-3280-JPには、財団が保有する暗号技術4によってコード化されたメッセージ(以下SCP-3280-JP-1と指定)が記録されています。しかし、RAISAによる調査の結果、SCP-3280-JPおよびSCP-3280-JP-1に関連すると考えられる記録は財団内に存在していません。
以下は復号されたSCP-3280-JP-1の日本語訳です。
[なんらかの固有名詞?]再利用宇宙特定針5: この宇宙は生命の痕跡・および将来的な生命の発生可能性が確認できないため、保護する価値はないと判断されました。そのため、[なんらかの固有名詞?]内部現実性安定柱6の継続的な稼働のために将来的に利用可能な砂7の供給地点として指定されています。