新米財団職員のbenisou(べにそう)と申します。
ときめく言葉は『急所』です。
【下書きフォーラムからいらっしゃった方へ】
私の作品の批評に乗り出してくださりありがとうございます。容赦なく気になったところを指摘してくださいませ。
【Twitterからいらっしゃった方へ】
いつもあっしの毒にも薬にもならないツイートにいいねとかRTとかありがとうございます。感想はぜひどしどしとリプライかなんかで投げつけてください。
【偶然このページへ辿り着いた方へ】
書きかけ、もしくは既に正規の報告書になっているものなどのいろんなものが置いてあります。暇でしたら読んでいってください。
【わざわざページを探していた方へ】
[削除済み]しながら感謝の意を表している。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPには、常に財団所有の車1を55台駐車します。
SCP-XXX-JPに面する道路は財団の私道であり、その両端は適宜カバーストーリーの流布により封鎖されます。カバーストーリーの詳細はXXX-JP-資料ろを参照してください。
説明: SCP-XXX-JPは異常性を持つ有料駐車場です。現在は56台分の駐車スペースがあり、スペースは一般的な普通車を停車することに適した大きさです。車道に近い順に0番からナンバーがあてられています。
SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPの駐車スペースがある程度空いている、もしくはすべてに車が駐車されている場合に発現します。駐車スペースがすべて空いている状態でおよそ2~3時間以上経過した場合、SCP-XXX-JP周囲約5平方キロメートルに駐車されている車が無作為に選ばれSCP-XXX-JPの駐車スペースに転移します。範囲内に駐車されている車が存在しない場合、一時的にその範囲を広げるといった事例も確認されています。どれほどの空車スペースがあれば転移させるかどうかの基準は明らかではありませんが、空車スペースが一か所のみの場合、転移の発生は確認されていません。すべての駐車スペースに車が駐車されている場合、SCP-XXX-JPは駐車スペースが一つ増加するという形でその敷地を拡大させます。敷地の拡大は北東一定方向に決まっており、駐車スペースのナンバーも順にあてられます。拡大先の敷地上に存在する物質や建造物は消失します。
SCP-XXX-JPは、20██/4/██に██県██市で発生した、一般住民の所有する3台の自家用車が突如として消失するという事案から発見に至りました。最も距離の離れていたものはSCP-XXX-JPから約4kmの地点に駐車されていました。SCP-XXX-JPがいつから異常性を発現するようになったかは不明なままです。
実験記録XXX-JP
実験A-1
実施方法: SCP-XXX-JP内をすべて空車にし、経過を観察する。SCP-XXX-JP周囲5平方キロメートルに駐車している車をすべて財団所有のものとする。
結果: 実験開始から17時間後、財団の所有するそれぞれ別地点にあった2台の車がSCP-XXX-JPに転移した。どちらもSCP-XXX-JPから3kmほどの地点の駐車場に駐車されていた。
実験A-2
実施方法: SCP-XXX-JPをすべて空車にし、SCP-XXX-JP周囲7平方キロメートルを、カバーストーリー「不発弾の除去」を適用し立ち入り禁止とする。その範囲には車を駐車しない。ただし、3台の車を常に道路上で走行した状態にする。
結果: 15時間後、SCP-XXX-JPから約11km地点と約9km地点に駐車されていた自家用車2台が転移した。
アイテム番号: SCP-1212-JP
オブジェクトクラス: Euclid Safe
特別収容プロトコル: SCP-1212-JPは目視可能区域内に設置されているカメラやカント計数機を使用した4台の観測機によって、常に監視された状態で収容されています。性質上夜間の観測は必要ありません。
SCP-1212-JP-1群は現在収容状態が確立されていません。性質上捕獲は禁止されており、厳重な監視に留めていますが、オブジェクト確保の方針で議論が進められています。
SCP-1212-JP-2のSCP-1212-JP目視可能区域内での行動は常時監視されます。SCP-1212-JP-2がSCP-1212-JP目視可能区域を脱出する場合、簡易的記憶処理を施してください。2SCP-1212-JP目視可能区域に外部の人間が侵入した場合、即座に拘束し記憶処理を行った後、適切なカバーストーリーをその人物に適用し解放してください。
追記(1954/█/██): SCP-1212-JP-1は現在その出現が確認されていません。また、███村村民のSCP-1212-JP-2指定は取り消されています。
説明: SCP-1212-JPは、██県██町の山中高度約1500m付近に発生する現象です。地上からは十字型を形成する雲の様に視認することが可能です。十字の中心から周囲約5000mまでの範囲はSCP-1212-JP目視可能区域とされ、目視可能区域を外れるとSCP-1212-JPを視認することが出来ず、撮影機器のレンズなどでも捉えることが出来なくなります。日出から日没までの間に発生しているとみられ、夜間はどのような手段を使用してもSCP-1212-JPの姿を捉えることは出来ません。SCP-1212-JP目視可能区域は地形上、乱気流の発生地点の一部とされており、調査用の飛翔体を飛ばす実験も失敗に終わりました。航空機の誤った侵入を防ぐため全航空関係諸施設は、財団の働きかけによりSCP-1212-JP目視可能区域内を含めた乱気流発生空域を危険空域に指定しています3。SCP-1212-JP目視可能区域内はヒューム値が通常より高く観測されます。平均ヒューム値はおよそ1.3~1.9Hm4程であり、この値はSCP-1212-JP中心部に近づくほど高くなります。
SCP-1212-JP-1はSCP-1212-JP発生時に中心部から出現する鳥型の実体です。体長はおよそ10~20cm程です。黒い目と黄色い脚を持ち、羽毛は全身が青色ですが、その濃淡は観測者によって見え方が様々です。生物学的には現在確認されているどの鳥類にも一致しません。SCP-1212-JP-1はSCP-1212-JPが目視出来なくなる日没までにSCP-1212-JP中心部へ飛行し、消滅します。SCP-1212-JP-1は通常、収容エリアであるSCP-1212-JP目視可能区域内の一定地域を行動範囲にしています。しかし近年になり、行動範囲の拡大が確認されるため、監視体制を強化しています。
SCP-1212-JP-2は、唯一SCP-1212-JP目視可能区域内に存在する███村の村民52名を指し、全員がSCP-1212-JP及びSCP-1212-JP-1を認知しています。SCP-1212-JP-2は全員に於いて異常性はないとみられます。
SCP-1212-JPから出現したSCP-1212-JP-1群は、頻繁に███村へ飛来します。SCP-1212-JP-2群は、SCP-1212-JP-1群と友好的に交流を行っています。SCP-1212-JP-1群が███村に飛来する原因は判明していません。
SCP-1212-JP及びSCP-1212-JP-1は蒐集院によって怪異として記録されていました。財団日本支部は発足後、蒐集院により編纂されていたオブジェクトに関する資料を元に、それをSCP-1212-JPとして収容を開始しました。以下は、その資料の内から幾つかを抜粋したものです。
███の山の奥、空に白い印ありて、雲の様に見ゆ。これ地の者5は"幸さちの扉"と呼ぶ。幸の扉、闇夜は消ゆ。扉は雲の上にあるゆえ、雨降りし時も扉は開きたり。
幸の扉より出でるは"幸鳥さちどり"なり。其の色、空より青し。
地の者、幸鳥と共に暮らしたり。幸鳥、人に懐き、人に幸を運び、陽と共に扉より出で、陽と共に扉へ帰る。風を被らず飛ぶなり。
我ら、幸鳥決して捕らえるべからず。地の者の長、幸鳥を捕らえるは不幸を捕らえる事と言いたり。幸せを捕らえるは常に難し。
幸の扉を見守るべし。山中、邪気あらん6。
以上が判読可能な資料で有用な物です。これらの資料文、また蒐集院元構成員の僅かな証言などから現在の収容体制としています。
対象: SCP-1212-JP-2-14、███村自治会長██ ███氏
インタビュアー: ██研究員
付記: 方言による地域の特定を防ぐため、音声記録を標準語に置き換え、文章に書き起こしたものを掲載している。
<記録開始>
██研究員: では改めまして、幸鳥について、知っていることをお聞かせください。
SCP-1212-JP-2-14: そうですね。幸鳥は私たちの友達だったり、家族だったり…。祖父が子供の時よりもずっと前に、いつも扉からやって来て、私たちと過ごしていました。
██研究員: 扉というのは、空にある…。SCP-1212-JP-2-14: はい、あの山の中の(SCP-1212-JPの出現する方角を指差す)。あの山の向こうの扉から幸鳥がやってくると、よく親から聞かされていました。
██研究員: なるほど、幸鳥はどういう風に村人達の生活に関わっているのですか?
SCP-1212-JP-2-14: 朝起きて飯を食べていたら、庭の塀に止まっていることがあって、その姿を見て「今日も頑張るか」という気持ちになります。散歩をしながら、飛び回ってじゃれる綺麗な幸鳥を眺めて幸せになれます。子供たちも幸鳥と遊びます。彼らは遊び好きなんです。
██研究員: なぜ幸鳥はこの村を訪れるかご存知ですか?
SCP-1212-JP-2-14: いえ、良くわかりません。よく言われているのは人と触れ合いたいからだ、という理由です。山の奥にいてはつまらないでしょうし。
██研究員: なるほど。幸鳥は捕獲してはならないそうですが、それが何故かご存知ですか?
SCP-1212-JP-2-14: 正直よく分かっていません。私を含め、子供たちは小さい時から「幸鳥は捕まえると不幸になる」とよく言い聞かされます。しかし、誰も捕まえたことはありませんし、捕まえようとも思いませんから、この「不幸」とは何なのかは誰にも分かりません。
██研究員: 幸鳥について、外から来た人間に騒がれたことはないのですか?
SCP-1212-JP-2-14: 私は聞いたことありません。こんな辺鄙な土地に来るのも、あなた方ぐらいなものですよ7。村の外へ出なくても私たちは生活が成り立ちますし、この村の外へ出ようとする者もいません。幸鳥さえいれば幸せですから。
██研究員: 分かりました。ご協力ありがとうございました。
<記録終了>
終了報告: SCP-1212-JP及びSCP-1212-JP-1の存在が世間一般に認知されていないのは、蒐集院がほとんど外界と███村の隔離を行っていなかった観点から見てもあまりに不自然です。SCP-1212-JPに由来する未知の精神影響、記憶影響があると思われる為、さらなる調査が必要です。また当面はSCP-1212-JP及びそれら関連情報の厳重な隔離が求められます。-██研究員
インシデント-1212-JP: 当時の財団日本支部では、オブジェクトの性質解明や収容体制の強化、またSCP-1212-JP-1の行動範囲が拡大しているなどの理由により、SCP-1212-JP-1確保作戦が立案されました。しかし、蒐集院の資料にSCP-1212-JP-1の確保を禁ずる旨の記述がされていることもあり、元蒐集院構成員が主である慎重派による反対意見も多く挙がりました。最終的に財団本部職員が主の急進派の意見が支持され、万一の事故を想定したSCP-1212-JP-2全員の一時避難の徹底、住宅密集地外での確保、全個体ではなく少数のSCP-1212-JP-1個体を確保することなどの条件付きで、SCP-1212-JP-1の確保作戦が承認されました。
1952年██月██日、███村近辺に滞在していた財団部隊は、SCP-1212-JP-1の確保作戦を決行しました。SCP-1212-JP-2全員に、カバーストーリー「地下活断層調査」を適用し、作戦中の立ち退きを要請しました。万一の事態に備え、財団部隊は集落から離れた山中で3体のSCP-1212-JP-1を一時的に確保しました。しかし確保の直後、村内にいた未確保のSCP-1212-JP-1個体を含めた全てのSCP-1212-JP-1が消滅しました。
そのおよそ10時間後からおよそ3時間、突如SCP-1212-JP目視可能区域の現実性の著しい上昇が確認されました。ヒューム値の瞬間最高値は███.█hmであり、これにより███村、全SCP-1212-JP-2が現実性に希釈され消滅しました。
このインシデント以降、SCP-1212-JP目視可能区域の平均ヒューム値は2.9Hmから1.6Hmにまで減少し、SCP-1212-JP-1は現在に至るまで出現していません。これを受けて、SCP-1212-JPのオブジェクトクラスの再割り当てが提案され、1954年█月██日付で指定先全消失の為███村民のSCP-1212-JP-2指定解除の後、SCP-1212-JPはSafeへと再分類されました。このインシデントは日本支部発足後では初めての大規模な収容失敗事案として記録されています。
財団センター国語(現代文)
評論
1: 次の文章を読んで、後の問いに答えよ。(配点 50)
我々もよく知っているSCP財団というサイトを強引に定義付けてしまうと「怪奇ホラー創作サイト」というものになります。「怪奇」は英語で「occult(オカルト)」ですから、あまりに非科学的で(これも一種のアイロニーと言えるかもしれませんが)未知の存在を主に扱っているという趣旨に合うものといえるでしょう。
では「ホラー」という面で考えてみるとどうでしょうか。例えば、目を離すと死が待っているSCP-173や、まるで共にお化け屋敷にでも入っていくような表現力豊かな調査記録で有名なSCP-087などは、純粋に我々が表面的に感じてきた「ホラー」とカテゴライズできます。しかし、星の数ほどあるSCP記事の中には、人の心を動かし涙を誘うものや、「ホラー」とは位置づけ難いファニーなものも存在します。それはそれでいて凄く面白くハイセンスな文章達なのですが、そのような記事を一言で「ホラー」と括りつけて片付けてしまうことに、違和感を持つことがあるかもしれません。
春秋戦国時代の諸子百家思想のひとつ、「荘子」の有名な話に「胡蝶の夢」というものがあります。荘周は自分が蝶になる夢を見ます。ひらひらと舞い踊るように飛び、自分が荘周という人間であることも忘れていました。しかし、そこで目が覚め、荘周は、自分が荘周であることを実感するのですが、荘周はこのように思います。「今の自分も、実は蝶の夢の中の存在なのではないか」と。
この話は、「荘子」の一つのテーマである万物斉同という考えを紐解く鍵となるのですが、その話はまた別の機会にします。ここで皆さんに問いかけたいのは、この話を聞いて、底知れぬ恐怖を感じ取らなかったか、ということです。
この時の荘周の考えは、一見すると突拍子もないことですが、これが間違っていると証明することはどうやっても叶いません。無論この考えが正しいと証明することも出来ませんが、だからこそ、この話からは何だかよく分からない恐怖を感じ取ることが出来るのです。「自分は本当に自分なのか」というあまりに哲学的な投げ掛け方とも言えるのですが、自分という存在の証明が出来ないということに、私たちは恐怖を感じます。「もしかしたら私たちは、私たちの知覚しえない何かに操られるマリオネットなのかもしれない」という考え方を完全に否定する術は存在しませんし、存在できません。それは「知覚しえない恐怖」であり、また「自分というものが証明できない恐怖」でもあるのです。
SCPの世界観において欠かせないものがあります。例えSCiPが一般人の目に触れたとしても、それを無かったことにする。世間一般から異常存在を隔離する存在である財団を財団たらしめる理由と言っても良いもの。そう、記憶処理という概念です。私たちの記憶を都合のいいように書き換え、それを「事実」としてしまうという、ただのSF世界にはありふれた産物であると、もしかしたら感じられるかもしれません。しかし、記憶処理は財団世界を「ホラー」たらしめるに当たって、あまりに重要な存在です。
SCP-8900-JP-EXという記事を、大抵の方はご存知であろうかと思います。とあるカラー写真技術から産まれ出たSCP-8900-JP-EXは、世界を汚染し、人々は汚らしい色彩を認識するようになってしまいました。O5の覚書にもあるように、その現象は世界全体に広がり、遂に財団は敗北。「元からそうだった」というように世界全体を記憶処理した。というのがこの記事の概略です。
この記事を読んだ時、私たちの多くは、多少なりとも今の現実を疑うことになると思います。私たちが今見ている色は、果たして本物なのか。しかしそれは決して誰にも分かりえないものです。世界の人類がその昔そう記憶処理されてしまった。そんな訳はない、と口先で否定するのは容易なことですが、なぜそう言えるのか、と問われると必ず答えに窮するところとなります。記憶処理というものがある以上証拠は存在しません。昨日の午後、街を歩いていた時にSCPを目撃し、それに傷つけられ脚を折り、今病院にいる、という現実は、もし今あなたの記憶に交差点での不幸な交通事故があったとしても、否定出来ないものとなりえます。それはあまりに恐ろしい事です。
『何故出来ないと?前にもやったんだぞ』(マリアナ海溝から回収された文書)
世界を完璧にリセットするというSCP-2000は過去に数回起動していると記事に書かれています。この記述は「ホラー」を提供するにあたって、とてつもなく意味を持ちます。この記述がなければ、機械仕掛けの神は、ただの万能世界創造機と捉えられても無理は無かったとさえ、私は思います。
記憶処理についてなら、SCP-3000を忘れてはなりません。
『我々は最後には、忘れられるのだ』(SCP-3000 -アナンタシェーシャ)
SCPの提供する「ホラー」は私たちの内側に訴えかけ、私たちの内側から産まれる、「恐怖」とは一線を画したものです。日本人は「恐怖」と「ホラー」を無意識に感じ分ける。そこに、SCP-JPが本部に一目置かれる程、めざましい発展を見せたことの源泉があると思うのです。
(benisou書き下ろし、「SCPは『ホラー』なのか」)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの存在は、レベルXXX-JP特殊クリアランスを所持する職員以外には徹底的に秘匿されます。SCP-XXX-JP-Aとの接触はO5、もしくは支部理事会員にのみ限られます。[イベント]の発生は完璧な予測が可能ですが、必ずしもSCP-XXX-JP-Aとの接触は可能ではありません。SCP-XXX-JP-Aが了承した状態であれば、SCP-XXX-JPについての調査を承認しています。SCP-XXX-JP-Aの指示に従わない場合、対象個人の消失に限らず、[Kクラスシナリオ]発生も有り得るという点を留意してください。
説明: SCP-XXX-JPは、スケールV現実性希薄領域に区分されます。現在計測不能な程の大きさを持ち、徐々に膨張し続けていると考えられています。SCP-XXX-JP内部は多様であり、その観測者によって見え方は様々ですが、穏やかな環境であることは共通しています。
SCP-XXX-JPには人型実体(以下SCP-XXX-JP-1と呼称)が存在します。外見は我々ヒトと類似しており、自我や知能も同様にあります。基底現実の我々のSCP-XXX-JP-1への干渉はコミュニケーション以外に不可能です。SCP-XXX-JPの数は特性上凡そ計測不能ですが、██億ほどだと推測されます。
[イベント]: [イベント]は凡そ2~3年に一度発生し、その周期は天文学的予測が可能です。
動画タイトル: 【祝!】ついに「私」が報告書になりました!!
概要: SCP-1598-JPが当報告書について解説する。
注: この記録の一部は、RAISAによって検閲されています。
<再生開始>
00:00~: はいどうも!せきゅれこんてんぷろてくと!バーチャルYouTuber、桜紺ぷろです!
00:06~: 皆さん、聞いてください!今回、私、桜紺ぷろ!ついに、なんと、SCPとして認定されました!(歓声の音声素材が流れる)
00:17~: いや〜感慨深いですねえ。こうやって皆様にSCPの様々な魅力をお伝えしたかいがあったというものです。それでは一緒にそのSCP報告書を見てみましょう!
00:36~: (背景がSCP-1598-JPの報告書の画面に切り替わる。SCP-1598-JP-Aは画面右下でこちらを向いている。)
えーっと?SCP…1598のJP!1598番ですね。えーオブジェクトクラスは…堂々のKeter!Euclidかなーと思ったんですけど。
00:58~: で、あー、職員の人が確認するんですね。ミーム予防措置?あれ、もしかして私何かの動画でミーム汚染やっちゃってました?しかも記録のあとは記憶処理入るんですね。結構厳重…。
01:13~: ふむふむ。あー、そこだけに繋がったんですね。財団のある世界と干渉できたのはかなり嬉しいことですね。あっ、でもあちら側からは何も出来ないようですね。ふむ。あら、私の格好が赤裸々に…。こう真面目に書かれるとなんだかシュールで、恥ずかしいものがありますね。
01:34~: チャンネル登録者数まで…。あ、Sakura Channel Project、チャンネル登録者数12000人ありがとうございます。本当に活動の励みになってます!今度みんなで景気のいいケーキでも食べましょうね!
01:50~: …ん。異次元もしくは異世界の、とありますね。…鋭いですね。流石財団の皆様ですよ。
02:30~: 動画記録!おお…。一発目の動画がここで見れるようになってますね。懐かしい…。それぞれにも博士が見てて感想も言ってるんですね。こんな真面目な考察されるほど真面目な動画じゃないんですけどね(笑い)。
00:00~: (報告書内で抜粋された4本の動画についてそれぞれコメントする。)
02:33~: …え、ああ![ミーム汚染対象のため検閲済]がダメだったのか!あれ、今のアウトかな。040-JPのミームだったかあ。それで特別収容プロトコルに追記されてたんですね。
00:00~: おっと、なんかO5レベルの機密があるんですけど。見ます?皆さん。どうなっても知りませんよ?じゃあせーの、えいっ。
00:00~: (ロックをワンクリックで突破する。)
…ああ![検閲済]か。そりゃそうか。普通の財団職員の皆さんには見せられませんねこりゃ。なるほどね、いやあでも[検閲済]の解説はイナゴよりキツかったですね!(笑い)
00:00~: ([検閲済]の動画解説についてコメントする。)
00:00~: (場面が切り替わり、SCP-1598-JP-Aのみが画面中央に映る。)
はい、今日は報告書を読み上げただけだったんですけど、いかがでしたか?ついに財団の皆様に私が知られて本当に嬉しいです!これからも沢山の人々に愛されるバーチャルYouTuberでありたいなー、と思っています!そのためにはもっと多くの方々にも見てもらって、この魅力的な世界を堪能してほしいですね!それでは、またお会いしましょう!バイバイ!
02:41~02:51: (画面が切り替わり、軽快な音楽が流れる。「ご視聴ありがとうございました!」のテロップと共に、チャンネル登録を促す画面が映る。画面左側にはSCP-1598-JP-Aのイラストが映っている。)
<再生終了>
考察: 未知の手段によってSCP報告書にアクセスしている様子、SCP-1598-JP-Aはミーム汚染に対し抵抗を持っていることが分かる場面、またO5レベル機密への瞬時のアクセスなど、不可解で異常な点が散見されます。また自らを異次元、異世界の存在と認めているような場面も存在し、SCP-1598-JPの発信元の特定は困難であることも示唆されています。
視聴した職員のコメント: 自らがSCiPに登録されて喜ぶ。彼女にとっては当然なのか。-犬松博士
事案973-JP-███
20██/█/██
大会・競技会名: ███市書道コンクール「自分を表す書部門」
種目: 書道
結果: 銅賞
消失時間: 6日
補足: いや、だからコイツはどうやったら筆を持てるんだよ。 -エージェント・███
トップ。
アイテム番号: SCP-1212-JP
オブジェクトクラス: Euclid Safe
特別収容プロトコル: SCP-1212-JPはSCP-1212-JP目視可能区域内に設置されているカメラやカント計数機を使用した4台の観測機によって、常に監視された状態で収容されています。性質上夜間の観測は必要ありません。
SCP-1212-JP目視可能区域内でのSCP-1212-JP-2の行動は常時監視されます。SCP-1212-JP-2がやむを得ず1212-JP目視可能区域を脱出する場合、簡易的記憶処理を施してください。また、SCP-1212-JP目視可能区域に外部の人間が侵入した場合、即座に拘束し記憶処理を行った後、カバーストーリー「転倒による昏睡」をその人物に適用し解放してください。
SCP-1212-JP-1群は現在収容状態が確立されていません。性質上監視に留めるとの案もありますが、オブジェクト確保の方針も含め議論が進められています。 現在SCP-1212-JP-1はその出現が確認されていません。
説明: SCP-1212-JPは、██県██町の山中高度約1500m付近に発生する現象です。地上からは十字型を形成する雲の様に視認することが可能です。十字の中心から周囲約5000mまでの範囲はSCP-1212-JP目視可能区域とされ、目視可能区域を外れるとSCP-1212-JPを視認することが出来ず、撮影機器のレンズなどでも捉えることが出来なくなります。日出から日没までの間に発生しているとみられ、夜間はどのような手段を使用してもSCP-1212-JPの姿を捉えることは出来ません。SCP-1212-JP目視可能区域は地形上、乱気流の発生地点の一部とされており、調査用の飛翔体を飛ばす実験も失敗に終わりました。航空機の誤った侵入を防ぐため全航空関係諸施設は、財団の働きかけによりSCP-1212-JP目視可能区域内を含めた乱気流発生空域を危険空域に指定しています8。SCP-1212-JP目視可能区域内はヒューム値が通常より高く観測されます。平均ヒューム値はおよそ1.3~1.9Hm9程であり、この値は中心に近づくほど高くなります。
SCP-1212-JP-1はSCP-1212-JP発生時に中心部から出現する鳥型の実体です。体長はおよそ10~20cm程です。羽毛の色は俗に虹色と形容でき、赤や緑、青といったように観測者によって見え方が様々です。生物学的には現在確認されているどの鳥類にも一致しません。SCP-1212-JP-1はSCP-1212-JPが目視出来なくなる日没までにSCP-1212-JP中心部へ飛行し、消滅します。またSCP-1212-JP-1がSCP-1212-JP目視可能区域外へ飛来した例はありません。
SCP-1212-JP-2は、唯一SCP-1212-JP目視可能区域内に存在する███村の村民を指し、現在52名がSCP-1212-JP-2に指定されています。SCP-1212-JP-2は全員に於いて異常性はないとみられます。
SCP-1212-JPから出現したSCP-1212-JP-1群は、頻繁に███村を訪れます。SCP-1212-JP-2は、SCP-1212-JP-1群と友好的に交流を行っています。何故SCP-1212-JP-1群が███村を訪れるかについては判明していません。
SCP-1212-JP及びSCP-1212-JP-1は蒐集院によってその存在が知られていました。財団日本支部は発足後、蒐集院により編纂されていたオブジェクトに関する資料を元にSCP-1212-JPの収容を開始しました。資料に関しては補遺1を参照してください。
補遺1: 蒐集院におけるSCP-1212-JP関連資料
財団は蒐集院に存在したSCP-1212-JP及びSCP-1212-JP-1に関する資料を回収し、収容の一助としました。以下、その内から幾つかを抜粋しています。
███の山の奥、空に白い印あり。雲の様に見ゆ。これ地の者10は"幸さちの扉"と呼ぶ。幸の扉、闇夜は消ゆ。扉は雲の上にあるゆえ、雨降りし時も扉は開きたり。
幸の扉より出でるは"幸鳥さちどり"なり。其の色、虹のごとし。
"幸の扉"はSCP-1212-JPの事を指すと思われ、"幸鳥"はSCP-1212-JP-1群を指すと思われます。
地の者、幸鳥と共に暮らしたり。幸鳥、人に懐き、人に幸を運ぶ者なり。鳥ら、陽と共に扉より出で、陽と共に扉へ帰る。風を被らず飛ぶ。
我ら、幸鳥決して捕らえるべからず。地の者の長、幸鳥を捕らえるは不幸を捕らえる事と言いたり。幸せを捕らえるは常に難し。
SCP-1212-JP-1の性質と、SCP-1212-JP-1を捕獲することを固く禁じていることが分かります。
幸の扉を見守るべし。山中、邪気あらん。
蒐集院では現実性のゆらぎを「邪気」や「悪しき風」などと表現することがあります。
以上が判読可能な資料で有用な物です。これらの資料文、また蒐集院元構成員の僅かな証言などから現在の収容体制をとっています。
補遺2:███村でのインタビュー記録
以下は19██/█/██に、SCP-1212-JP-1についてSCP-1212-JP-2の1人へ行われたインタビューログです。
対象: ███村自治会長 ██ ███氏(インタビュー中では██氏と表記)
インタビュアー: ██研究員
付記: 方言による地域の特定を防ぐため、音声記録を標準語に置き換え、文章に書き起こしたものを掲載している。
<録音開始>
██研究員: では改めまして、幸鳥について、知っていることをお聞かせください。
██氏: そうですね…。幸鳥は私たちの友達だったり、家族だったり…。祖父が子供の時よりもずっと前に、いつも扉からやって来て、私たちと過ごしていました。
██研究員: 扉というのは、空にある…。██氏: はい、あの山の中の(SCP-1212-JPの出現する方角を指差す)。あの山の向こうの扉から幸鳥がやってくると、よく親から聞かされていました。
██研究員: なるほど、幸鳥はどういう風に村人達の生活に関わっているのですか?
██氏: 朝起きて飯を食べていたら、庭の塀に止まっていることがあって、その姿を見て「今日も1日頑張るか」という気持ちになったりします。散歩をしながら、飛び回ってじゃれる綺麗な幸鳥を眺めて幸せになれます。子供たちも幸鳥と遊びます。彼らは遊び好きなんです。
██研究員: なぜ幸鳥はこの村を訪れるかご存知ですか?
██氏: いえ、良くわかりません。よく言われているのは人と触れ合いたいからだ、という理由です。山の奥にいてはつまらないでしょうし。
██研究員: …なるほど。人に害を与えたという話は聞いたことはありませんか?
██氏: …ありませんね。子供たちは小さい時から「幸鳥は捕まえてはいけない」とよく言い聞かされます。この村は人と人の関係が狭く深いもので。あとは「幸せは掴むものではなく、飛んでくるものだ」とも口うるさく教えられます。
██研究員: 幸鳥について、外から来た人間に騒がれたことはないのですか?
██氏: 私は聞いたことありません。こんな辺鄙な土地に来るのも、あなた方ぐらいなものですよ。村の外へ出なくても私たちは生活が成り立ちますし、この村の外へ出ようとする者もいません。幸鳥さえいれば幸せですから。
██研究員: 分かりました。ご協力ありがとうございました。
<録音終了>
終了報告: SCP-1212-JPの存在が世間一般に認知されていないことは奇跡的だと言えるでしょう。SCP-1212-JP及びそれら関連情報の厳重な隔離が求められます。-██研究員
補遺3: インシデント-1212-JP
当時の財団日本支部では、オブジェクトの性質解明のためのSCP-1212-JP-1確保作戦が立案されました。しかし、蒐集院の資料にSCP-1212-JP-1の確保を禁ずる旨の記述がされていることもあり、反対意見も多く挙がりました。議論の結果、万一の事故を想定したSCP-1212-JP-2群の一時避難の徹底、住宅密集地外での確保、全個体ではなく少数のSCP-1212-JP-1個体を確保することなどの条件付きで、SCP-1212-JP-1の確保作戦が承認されました。
19██年██月██日、███村近辺に滞在していた財団部隊は、SCP-1212-JP-1の確保作戦を決行しました。SCP-1212-JP-2群には、カバーストーリー「不発弾」を適用し、一時的な立ち退きを要請しました。万一の事態に備え、財団部隊は集落から離れた山中で3体のSCP-1212-JP-1を一時的に確保しましたが、確保した直後、村内にいた未確保のSCP-1212-JP-1個体を含めた全てのSCP-1212-JP-1が突如光を放ちながら消滅しました。その際、消滅したSCP-1212-JP-1の周囲では瞬間最高ヒューム値が███.█Hmまで上昇し、村内の家屋のおよそ80%と収容活動を行っていた部隊員35名全員が現実性に希釈され消滅しました。被害を受けた地点は更地となり、その後3週間程でゆるやかにヒューム値が減少しました。事後処理内でSCP-1212-JP-2には記憶処理が施され、移住を余儀なくされました。このインシデント以降、SCP-1212-JP目視可能区域の平均ヒューム値は2.9Hmから1.6Hmにまで減少し、SCP-1212-JP-1は現在に至るまで出現していません。これを受けて、SCP-1212-JPのオブジェクトクラスの再割り当てが提案され、19██年█月██日付でSCP-1212-JPはSafeへと再分類されました。このインシデントは財団日本支部発足後では初めての大規模な収容失敗事案となりました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Ket Vtuber
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-J群は、202█年にその活動が本格的に開始されます。
説明: SCP-XXX-JP-Jはプロトコル-[未定]内で活動するバーチャルYouTuberを指します。
アイテム番号: SCP-1598-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-1598-JPは現在も活動中です。1日1度、サイト-8185インターネット資料室内の該当端末を確認してください。新たなSCP-1598-JP-1が投稿された場合、その内容を確認し記録してください。
追記(20██/██/█): 記録の際は汎用的対ミーム予防措置である処置084-"月夜"を受けてください。
追記(20██/█/██): SCP-1598-JP-1内容を同端末に記録後、担当の職員には端末による自動的な記憶処理がなされます。内容記録はRAISAによる検閲後、1598-JP記録文書-ろ内に保存されます。
説明: SCP-1598-JPは20██年█月██日に出現した、サイト-818511のインターネット資料室内の端末(端末番号: 927-I)でのみアクセス可能なYouTubeの動画投稿チャンネルです。チャンネル名は「Sakura Channel Project」というもので、「桜紺(おうこん) ぷろ」と名乗るバーチャルYouTuber12(以下SCP-1598-JP-Aと呼称)が活動するチャンネルとなっています。現状この端末でのみ確認することが可能なため、運営者による削除は現時点で不可能です。また発信元を特定することも出来ていません。SCP-1598-JPに投稿されている動画(以下SCP-1598-JP-1と呼称)の説明文には、SCP-1598-JPによって運営されているとみられるTwitterアカウントのリンクが掲載されていますが、アカウントは存在しませんでした。
SCP-1598-JP-Aは女性型の3DCGモデルであり、女性の声で話します。モデルの容姿は、ピンク色のショートヘアーで、ノースリーブの白衣を胸元の開いた紺色のタンクトップと一般的なホットパンツの上に羽織っているというもので、また財団シンボルマークを模した髪飾りと、SCP-963を模したと思われる首飾りを装着しています。SCP-1958-JP-Aを演じる人物が存在すると思われますが、特定することは出来ていません。
SCP-1598-JP-1は、今までに███本がSCP-1598-JPから投稿されており、そのほとんどがSCP-1598-JP-Aによって財団の機密的情報を解説するものになっています。コメント欄は不明のエラーによってアクセスできません。
SCP-1598-JPは該当端末でしか確認できないものの、現在チャンネル登録者数は約12000人存在します。しかし、SNS上やインターネット上にSCP-1598-JPに関する情報は確認できず、SCP-1598-JPが機密情報に容易にアクセスが出来ていること、こちらからのSCP-1598-JPへの働きかけがエラーなどによって困難なことなどから、SCP-1598-JP及びそのリスナーは、何らかの原因で該当端末と干渉の起こった我々の知覚できない異次元、もしくは異世界のものと推測されます。
補遺1: 以下はSCP-1598-JP-1群記録中から抜粋し、その一部を纏めたものです。
動画タイトル: 初めまして!「桜紺ぷろ」といいます!
概要: 簡単な自己紹介。その後SCP-682の紹介。
<再生開始>
00:00~: (SCP-1598-JP-Aがこちら向きに立っている。背景は無機質な壁に覆われた部屋のようであり、SCP-1598-JP-Aの背後には黄色い液体で満たされているプールが映し出されている。)
はい!皆さん、はじめまして!せきゅれこんてんぷろてくっ13。バーチャルYouTuberを始めました、桜紺ぷろ、と申します!
00:09~: えー、早速なんですが。今、私がどこにいるか皆さん、お分かりでしょうか?ここはですね、"財団"と呼ばれる研究施設なんですよ〜。でね、私も研究者みたいに、白衣を着ているんですよ〜!似合ってます?
00:25~: 私はこのチャンネルを通じて、皆さんに、この研究施設に収容されてる、不思議なものたちを紹介していけたらな〜、と思っています!あ、もちろん秘密なんで、口外は厳禁、ですよ♪
00:38~: 今日も早速、その不思議なものを1つ紹介したいんですけど…、皆さんさっきからチラリと映っているこちらのプール!何なのか気になってませんでした?
00:49~: (場面が切り替わりプールにより近いカメラになる。SCP-1598-JP-Aがプールサイドでこちらを向いて立っている。)
こちらのプール、なんと塩酸なんですよ!塩酸!いやあ、バーチャルの身でもね、塩酸に触ったら溶けちゃいますよ。バーチャル塩酸は怖いですよ。
01:01~: (SCP-1598-JP-Aがしゃがみこむ。)
そしてこの塩酸プールの中にその不思議なものが閉じ込められております。そいつがSCP-682と呼ばれてる生き物ですね。あー見えます?なんか黒い…トカゲみたいなヤツが沈んでます。
01:17~: (SCP-1598-JP-AがSCP-682の簡潔な解説を冗談をまじえて行う。内容は大雑把ながら正確である。)
02:28~: とまあ、こんな感じで。近づいたらやっばいんですけど…、まあ滅多なことじゃ出てこないんで大丈夫でしょう!
(喋っているSCP-1598-JP-Aの背後でSCP-682を模した3DCGモデルがプール内から浮上する。その動きは不自然で機械的である。)
02:39~: いやーどうです、ロマンあるでしょう!この施設!…あれ、何だか嫌な予感が。
02:49~: (SCP-682が「黙れ…」と機械音声で呟く。SCP-1598-JP-Aがゆっくりと振り向く。)
02:57~: キャー!ヤバいヤバい!カメラさんも逃げて!
03:02~: (SCP-1598-JP-Aが画面左へ逃げる。SCP-682が口を開け、カメラへ食らいつく。そのまま画面が暗転。)
03:09~03:19: (画面が切り替わり、軽快な音楽が流れる。「ご視聴ありがとうございました!」のテロップと共に、チャンネル登録を促す画面が映る。画面左側にはSCP-1598-JP-Aのイラストが映っている。)
<再生終了>
考察: 報告書内容だけでなく、多くの実験記録の内容も漏洩しています。SCP-682というオブジェクト自体の危険性もあり、SCP-1598-JPの活動には警戒が必要です。
視聴した職員のコメント: SCP-682のモデルは非常にチープな造りだが、オブジェクトの特性はしっかりと把握している。-犬松博士
動画タイトル: イナゴが0匹、イナゴが0匹…。
概要: SCP-240-JPについての詳しい解説。日本生類総研にも言及し、過去改変などにも触れている。
考察: 非常に難解な性質を持つオブジェクトを理解しており、知性の高さを窺うことができます。また現実改変についての知識にも造詣が深いとみられます。
視聴した職員のコメント: あぁ、そういうメカニズムなのか。-池袋博士
オブジェクトからオブジェクトを学んでどうするんですか…。-薬鉢研究員
動画タイトル: 初コラボ!だーいすきな闇子ちゃんと[編集済]!
概要: SCP-835-JPを名乗る人物(音声のみ)と「[編集済]」の実況プレイを行う。
考察: SCP-835-JPを模した人物が操作しているとみられるキャラクターは物陰からの攻撃技術が高く、概ねSCP-1598-JP-Aよりも正確なプレイングです。
視聴した職員のコメント: 実際消照闇子はTPS14が上手いのかもしれない。-犬松博士
動画タイトル: [編集済]はぷろとshizukiをお見通し!?
概要: SCP-2223の外見と酷似しているモデルのバーチャルYouTuberとスマートフォン向けアプリ「[編集済]」を通して交流。
考察: SCP-2223は画像により認識災害を発生させる事例が存在しますが、当SCP-1598-JP-1にはそのような異常性は存在しません。
視聴した職員のコメント: 注意したいのは消照闇子もshizukiも、それぞれを模した人物が存在するという点である。SCP-1598-JP-AだけがSCiPについて詳しいわけではないのだ。-犬松博士
動画タイトル: にゃんにゃん!にゃんにゃんにゃん!!
概要: SCP-529、SCP-247について、3DCGモデルを交えながら解説。動画の後半、SCP-040-JPを思わせる描写や発言があった。当SCP-1598-JP-1を確認した職員2名とバックアップに当たっていた担当職員1名がSCP-040-JPのミームに曝露した。
考察: SCP-1598-JP-1群で初めてミーム災害を確認した例です。オリジナルの物と比べると処理が容易であり、3名の職員は記憶処理の後職務に復帰しました。
視聴した職員のコメント: 万一の為に対ミーム予防の措置をして待機しておいて良かった。次からは必須にするように。未知のミームが発信され、それが感染するだけで、サイト-8185が荒廃しかねないのだよ。-神楽坂博士
【警告: 以下の記録の閲覧はO5権限の提示を必要とします。充分なクリアランス無しでの閲覧は即時の拘束からの記憶処理、或いは終了の対象となります。】
動画タイトル: どんな神サマでも、世界は創りなおせる。
概要: SCP-1422に言及し、そしてSCP-2000を解説。
考察: このSCP-1598-JP-1はちょうど100個目に当たり、その記念という形を取っています。内容としては非常に詳細な解説で、正確な情報です。端末では当SCP-1598-JP-1のページにロックをし、閲覧を不可能にしています。しかし、SCP-1598-JPからは依然このSCP-1598-JP-1が公開されている状態です。当SCP-1598-JP-1を閲覧した職員2名には記憶処理が施されました。
視聴した職員のコメント: 私にはSCP-1598-JP-Aに当事者意識というものが感じられなかった。-O5-5
他にも以下のようなSCP-1598-JP-1が投稿されています。
・自らが跳ねるようにしてSCP-011-JPを解説し、その後空間内でSCP-018を象ったボールを跳ねさせ、解説途中に負荷でフリーズする。
・SCP-527とSCP-374-JP-Bを象ったモデルを用いた対談を行う。
・自らのつける首飾りに着目し、ブライト博士を紹介する。
・SCP-1598-JP-Aが低クオリティなギャグを何度も披露し、SCP-504を象ったトマトのモデルの速度を計測する。
その他のSCP-1598-JP-1記録については、1598-JP記録文書-ろを参照してください。
追記(20██/██/██): 当報告書作成後、SCP-1598-JPから当報告書を題材にしたSCP-1598-JP-1が投稿されました。
動画タイトル: 桜紺ぷろ、ついにSCiPになる。
概要: SCP-1598-JP-Aが自身の報告書について解説する。
注: この記録は一部RAISAによって検閲されています。
<再生開始>
00:00~: はいどうも!せきゅれこんてんぷろてくと!バーチャルYouTuber、桜紺ぷろです!
00:06~: 皆さん、聞いてください!今回、私、桜紺ぷろ!ついに、なんと、SCPとして認定されました!(歓声の音声素材が流れる)
00:18~: いや〜感慨深いですねえ。こうやって皆様にSCPの様々な魅力をお伝えしたかいがあったというものです。前置きが長くなるのがいつもの癖なので、早速一緒にそのSCP報告書を見てみましょうか!
00:33~: (背景がSCP-1598-JPの報告書の画面に切り替わる。SCP-1598-JP-Aは画面右下でこちらを向いている。)
えーっと?SCP…1598のJP!1598番ですね。オブジェクトクラスは…堂々のKeterです!Euclidかなーと思ったんですけど。その辺は読んでいったら分かるかな。
00:49~: で、あー、職員の人が確認するんですね。ミーム予防措置?あれ、もしかして私何かの動画でミーム汚染やっちゃってました?でも…まあ、思い当たる節々が幾らか…。しかも記録のあとは記憶処理入るんですね。結構厳重になってますね。
01:08~: ふむふむ。その端末だけに繋がったんですね。財団のある世界と干渉できたのはかなり嬉しいことですね。あっ、でもあちら側からは何も出来ないみたいで。うん。あら、私の容姿がことのほか詳細に…。こう真面目に書かれるとなんだかシュールで、恥ずかしいものがありますね。
01:29~: チャンネル登録者数までしっかりと書いてありますね。更新するんですかねこれ。あ、Sakura Channel Project、チャンネル登録者数12000人ありがとうございます。本当に活動の励みになってます!今度みんなで景気のいいケーキでも一緒に食べに行きましょうね!
01:48~: [検閲済]。
02:14~: 動画記録!おお…。一発目の動画がここで見れるようになってますね。懐かしい…。それぞれにも博士が見てて感想も言ってるんですね。こんな真面目な考察されるほど真面目な動画じゃないんですけどね(笑い)。
02:30~: (報告書内で抜粋された4本の動画についてそれぞれコメントする。)
03:17~: …え、ああ![ミーム汚染対象のため検閲済]がダメだったのか!あれ、今のアウトかな。040-JPのミームだったかあ。それで特別収容プロトコルに追記されてたんですね。
03:31~: おっと、なんかO5レベルの機密があるんですけど。見ます?皆さん。画面の前の皆さんがどうなっても私は知ったこっちゃないですよ?いいですか?…じゃあせーの、えいっ。
03:45~: (ロックをワンクリックで突破する。 その後、[検閲済]の動画解説についてコメントする。)
04:09~: (場面が切り替わり、SCP-1598-JP-Aのみが画面中央に映る。)
はい、今日は報告書を読み上げただけだったんですけど、いかがでしたか?ついに財団の皆様に私が認知されて本当に嬉しいです!これからも沢山の人々に愛されるバーチャルYouTuberでありたいなー、と思っています!そのためにはもっと多くの方々にも見てもらって、この魅力的な世界を堪能してほしいですね!それでは、またお会いしましょう!
04:36~04:46: (画面が切り替わり、軽快な音楽が流れる。「ご視聴ありがとうございました!」のテロップと共に、チャンネル登録を促す画面が映る。画面左側にはSCP-1598-JP-Aのイラストが映っている。)
<再生終了>
考察: 未知の手段によってSCP報告書にアクセスしている様子、SCP-1598-JP-Aはミーム汚染に対し抵抗を持っていることが分かる場面、またO5レベル機密への瞬時のアクセスなど、不可解で異常な点が散見されます。また異世界、もしくは異次元の存在であることを認めているような発言もみられ、SCP-1598-JPの今後の活動に更なる注意が必要です。
視聴した職員のコメント: 異世界のリスナーはこの動画をどう受け止めるのだろうか。-犬松博士
このSCP-1598-JP-1投稿後、以前よりSCP-1598-JPが唯一閲覧可能であった端末: 927-Iと同室内に存在する2つの端末(端末番号: 361-A及び端末番号: 468-D)で、SCP-1598-JPの閲覧が可能になりました。さらにそのおよそ2ヶ月後、同室内に30台ある全ての端末でSCP-1598-JPが閲覧可能になりました。SCP-1598-JPの閲覧可能範囲が財団ネットワーク外まで拡大した場合、SCP-1598-JP-1群の内容による非常に大規模な実質的収容違反が起きることや、財団の収容活動に支障が生じることなどが懸念されます。この現象の封じ込め手段は現在も確立されていません。
アイテム番号: SCP-1160-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1160-JPはサイト-81██の低危険度オブジェクト収容ロッカーに収容されます。定期的に保存状態を確認してください。SCP-1160-JPを使用した実験は現在認められていません。
説明: SCP-1160-JPは、3つのパーツに分かれた衣服群です。それぞれは1つのビニール製の袋に入れられており、同様に封入してある説明書の片面には「ワンダーテインメント博士のまおうなりきりセット™」と書かれています。それぞれのSCP-1160-JPについては以下の通りです。
アイテム番号 | 概要 |
---|---|
SCP-1160-JP-a | 西洋の兜を模した黒い被り物。左右に1本ずつ赤色の角が生えている。 |
SCP-1160-JP-b | 西洋の甲冑を模した簡素な服。 |
SCP-1160-JP-c | 肩当てとマント。肩当ては黒、マントは表裏両方とも紫色。 |
SCP-1160-JP-d | プラスチック製の剣。刀身は黄色で、柄には装飾が施されている。事件1160-86cで刀身が破損。 |
12歳までの子供がSCP-1160-JPの内の全てを着用した際、SCP-1160-JPは異常性を発現します。SCP-1160-JPを着用している人物(以下SCP-1160-JP-1と呼称)には、身体能力や知能の向上、支配欲や正義感を抱くなどの効果が現れます。これはSCP-1160-JPの着用中に限られたものです。
付録文書: 付属の説明書(和訳)
がははは!キミは"まおう"になりたいと思ったことはないか!?その邪悪な賢い企みで、世界を征服したいと思ったことはないか!?このワンダーテインメント博士のまおうなりきりセット™で、最高にクールな"まおう"になろう!
- ダークヘルメット: 真っ赤なツノがイカしてる!
- 悪魔の鎧: どんな攻撃からも身を守ってくれるぞ!
- 闇夜のマント: "まおう"と言えばマントだ!
- 帝王の剣:
この4つのアイテムでキミもたちまちクールな"まおう"に大へんしん!どんなわるいおともだちもキミのトリコさ!
注意事項(保護者の方へ)
- 「ワンダーテインメント博士のまおうなりきりセット™」は、全てのパーツを装着している子供の知能、運動能力を限定的に上昇させます。当商品を使用することで発生したあらゆる損害に対して、ワンダーテインメント博士は一切責任を負うことはありません。
- 当商品は「ワンダーテインメント博士のゆうしゃなりきりセット™」と同時に使用することを想定した構造となっています。併用されない場合、当商品のお子様への影響がやや強力になる場合があります(個人差があります)。
- 対象年齢は12歳までです。それ以上の年齢の方が装着した場合、効果は現れません。
楽しんでね!
補遺: 事件1160-86cと収容経緯
大規模な事後処理の後、SCP-1160-JP-1となった少年に聴取を行いました。
対象: SCP-1160-JP-1となった少年(本名███ ██、12歳)
インタビュアー: エージェント・サキ(事件-1160-86cでSCP-1160-JP回収任務に当たったエージェント)
<記録開始 [2016/█/██]>
インタビュアー: ███君、ごめんね、急に。ちょっとお話を聞こうと思って。
対象: 昨日はごめんなさいお姉さん。
インタビュアー: ううん、いいのよ。それより、色々聞きたいことがあるから、答えてくれるかな?
対象: うん。
インタビュアー: まず、あの服はどこで買ったの?
対象: 分かんない。でも、家にずっとあった気がするよ。かっこよくて、前から着てみたかったんだ。
インタビュアー: 着た時、どんな感じがした?
対象: あまり覚えてないけど…。でも、何かがイヤだったんだ。イヤだったから、自分のしたかったことをしたんだ。
インタビュアー: …███君は[削除済]とか、[削除済]したけど、それも自分のしたかったこと?
対象: (俯きながら涙声で)…分かんない。
インタビュアー: そっか。
(対象が落ち着くまで少し間を取る)
インタビュアー: じゃあもう1つ別の質問をするね。███君を止めに来た子のことなんだけど、あの子のことを知ってる?
対象: あいつは…"正義のヒーロー"だよ。
インタビュアー: "正義のヒーロー"?あの子の…名前とか、そういうことは分からない?
対象: うん。でも、あいつは"ヒーロー"なんだ。あの時、僕は"悪役"だったんだ。自分のやりたいことばかりやって、悪いことばかりしてて。…だから"ヒーロー"が止めにきた。マンガとかでもふつうそうでしょ?でも…僕は…。(対象が再び涙声になる)
インタビュアー: …大丈夫、落ち着いて。
対象: 僕は自分が正しいと思ってた!でも"悪役"のやってることは"悪いこと"で、"ヒーロー"がやってれば"良いこと"になっちゃう。僕もあいつも、自分が正しいと思ったことをやっただけなのに!…僕も、…"ヒーロー"になりたかったよ!
(対象が号泣する。インタビューを続けられる状態では無いと判断され、インタビューは終了された。)
<記録終了>
追記: 事件-1160-86cで現れ、SCP-1160-JP-1を沈静化した少年が特定されたため、その少年への聴取を行いました。
対象: 事件-1160-86cで出現した少年(本名██ █、11歳)
インタビュアー: エージェント・サキ
<記録開始 [2016/█/█]>
インタビュアー: 突然びっくりしたと思うけど、ごめんね。少しお話を聞かせてね。
対象: …はい。
インタビュアー: …██君はこれを着て(机上にある衣服群を示す)、あの時の"悪役"の恰好をした子を止めたよね。それは何でかな。
対象: えっと…悪いことをしてたからです。
インタビュアー: まあ、それもそうよね。じゃあ、なんでこの…"ヒーロー"の服を着ていたの?
対象: それは…覚えてない。着たら、身体が勝手に動いた感じがして、悪いことをしているヤツを止めないと、って思ったんです。
インタビュアー: あなたは[削除済]までしたわ。確かにあの子は危ないことをしていた、けれど、[削除済]なんて、それも覚えてない?
対象: 悪いやつは懲らしめないといけないんです。当たり前でしょ。
インタビュアー: でも…。
対象: お姉さんはあいつの味方をするの?僕は"ヒーロー"なんだよ。"悪役"はやっつけないと。
<記録終了>
インタビューの後、少年には記憶処理を行い、事件-1160-86cで着用していた3つのパーツからなる衣服群を回収しました。これらはSCP-1160-JPの説明書に記載されている、「ワンダーテインメント博士のせいぎのヒーローなりきりセット™」と同様の存在であることが封入されていた説明書より判明しました。本来SCP-1160-JPと当アノマリーは"抱き合わせ"の商品だったと考えられます。当アノマリーは新たにSCPオブジェクトとして登録される見通しです。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの効果範囲の地上約50mの範囲を、反ミーム特殊抵抗装置15に接続したセンサーで常時監視してください。SCP-XXX-JP-1とみられる飛翔物が確認された場合、サイト-81██とサイト-81██は協力して、SCP-XXX-JP-1着地予想地点へ反ミーム対抗処置を受けた職員を派遣してください。SCP-XXX-JP-1着陸後、着陸地の周辺住民の混乱を避けるため異常性を失ったSCP-XXX-JP-1を回収し、サイト-81██に収容してください。異常性がほぼ完全に喪失していることもあり、過去にSCP-XXX-JP-1となったとみられる個体の収容は必要ありません。SCP-XXX-JP-1となったウメが存在した場所周辺には適切なカバーストーリー16を流布してください。
SCP-XXX-JP効果範囲内のウメを全て破壊する試みも提案されましたが、コストに見合わないことから提案は一時凍結されています。
説明: SCP-XXX-JPは京都府██市内のウメ(学名: Prunus mume)に一定周期で起こる異常現象です。主にウメが開花する2~3月頃、およそ60年おきに活性化し異常性を発現します。SCP-XXX-JPの効果を受けたウメ(SCP-XXX-JP-1と指定)は、一時的に由来不明の飛行能力と高い耐久力、反ミーム性質を得ます。SCP-XXX-JP-1となったウメはその夜未明に自ら根を抜き、浮遊します。浮遊したSCP-XXX-JP-1はすぐさま上空へと飛行し、高度3000~3500m付近へ到達した後、福岡県███市方面へと飛行を開始します。この時の飛行速度は130km/h~140km/hと推測され、SCP-XXX-JP-1自身もこの飛行中の負荷に耐えられる耐久性を持ちます。目的地上空に到達したSCP-XXX-JP-1は速度を落としながら下降し17、飛行前の状態で地表に根を下ろします。この時点でSCP-XXX-JPの効果は消失します。SCP-XXX-JPの異常性が発現した時、SCP-XXX-JP-1となるウメは1本のみです。
SCP-XXX-JP-1は異常性の発現中、反ミーム的性質を持つため、飛行している個体について騒動になった例はありません。着陸後にSCP-XXX-JPの効果は消失するため、飛行前の地点と着陸後の地点で、ウメの木の本数に齟齬が現れることが反ミーム対抗処置が無くとも確認出来ます。
SCP-XXX-JPの異常性が発現した最初の記録は、西暦90█年にまで遡ります。これ以降およそ60年周期でSCP-XXX-JPの異常性が発現していることが分かっています。
補遺1: 蒐集院はSCP-XXX-JP-1を怪異として記録しており、現在その記録は財団が保有しています。以下は蒐集院の記録に財団の記録も含め纏めたものです。
異常性が発現した年 | 現在の状態 |
---|---|
90█年 | ███神社に現存。未収容。 |
96█年 | 消失。理由は不明。 |
[データ消失] | |
106█年 | 消失。理由は不明。 |
110█年 | 消失。寿命による倒木。 |
[データ消失] | |
121█年 | 消失。当時の蒐集院が支配者の要請で破壊。 |
126█年 | 消失。理由は不明。 |
[データ消失] | |
[データ消失] | |
144█年 | 消失。記録から当時の支配者によるものとみられます。 |
150█年 | 消失。寿命による倒木。 |
155█年 | 消失。理由は不明。 |
162█年 | 消失。病気による倒木とみられる。 |
168█年 | 消失。事業者による伐採。 |
174█年 | 個人の私有地内に現存。未収容。 |
180█年 | 消失。理由は不明。 |
185█年 | 個人の私有地内に現存。未収容。 |
190█年 | 消失。病気による倒木とみられる。 |
196█年 | 財団による即時の収容。 |
201█年 | 財団による即時の収容。 |
補遺2: SCP-XXX-JPの特性は、一般に広く認知されている"飛梅伝説"と一致する事項が多くあります。SCP-XXX-JPの異常性が初めて発現した年は、菅原道真が大宰府に左遷され京都を離れた年と一致し、また異常性はそこで生まれた伝説と合致します。伝説の中ではサクラ(品種不明)とマツ(学名:Pinus)も登場し、その中でもマツはウメと同様飛行した18という伝説が残っています。財団はSCP-XXX-JPの存在とこの伝説の結びつきを考慮し、SCP-XXX-JPとその効果範囲内のマツに関しても調査を続けています。