Batsumalのなんちゃら
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現在、財団倫理委員会によってSCP-XXXX-JPのオブジェクト認定は不適切であったとの判断が下されています。以前の報告書は虚偽、誇大表現、整合性のない記述が散見されたため、協議の結果第4稿までの破棄が完了しています。現報告書(第5稿)のみ、これらの経緯を財団職員に通達するために72時間の猶予で閲覧が許可されています。その後現報告書は破棄され、それを以って当該ナンバーの白紙化を完了とします。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Non-anomalous

特別収容プロトコル: 現在適用中の特別収容プロトコルはありません。過去の報告書にはSCP-XXXX-JPの在籍する██商事に数名のエージェントを派遣し、職務中のSCP-XXXX-JPに対する外部からのあらゆる評価を事前に差し止める対処を行う旨の記述がありましたが、それ以外の日常生活時の監視、およびSCP-XXXX-JP自身への直接干渉については一切の言及がありませんでした。このことからSCP-XXXX-JPは現在に至るまでほぼ完全な放任状態にあったと思われます。

説明: SCP-XXXX-JPに異常性はありません。身長238cm、体重112kgの極めて一般的な40代日本人男性であり、SCP-XXXX-JPの身体的、ならびに精神的特徴は平均的な日本人男性の有するそれらから一切の逸脱がありません。SCP-XXXX-JPが一般社会に何らかの被害、影響を齎したという記録はありません。
過去の報告書にはSCP-XXXX-JPが限定条件下での大規模な現実改変者であるとの記述がありましたが、現実改変についても日本人だけでも約2000万人が保有する凡庸な特技の範疇であり、それがオブジェクト指定を受ける明確な根拠とはなり得ません。

これについて財団倫理委員会はSCP-XXXX-JP担当職員に対し再三にわたり意見の提出を求めましたが、現在に至るまで充分な回答が得られることはありませんでした。
以上からSCP-XXXX-JPは一部の財団職員が研究費を無心するために捏造されたオブジェクトであるとするのが財団倫理委員会の見解です。SCP-XXXX-JPの報告書作成に関わったサイト-81██管理者、ならびに職員に対しては既に終了、もしくは降格の処分が執行済みです。

補遺: 以下は██博士が残業中のSCP-XXXX-JPに対し接触を試みた際の音声記録です。██博士は担当職員の中で唯一SCP-XXXX-JPの異常性を一貫して主張しており、財団倫理委員会より最優先の拘束の命令が下されていました。この音声は██博士が拘束時に所持していたボイスレコーダーに収録されていました。

<再生開始>

██博士: (焦燥の様子で)SCP-XXXX-JP、お願いだ。本当のことを言ってくれ。

SCP-XXXX-JP: (数秒の沈黙)あなた、誰です? SC……なんですって? それに教えてくれとは?

██博士: SCP-XXXX-JP、あんたは自分のことを「平凡な人間」だと言っていた。「何の取り柄もない無個性な男」だとも。そんなはずがない、その姿、あんただって分かってるはずだ。

SCP-XXXX-JP: (語気をやや強めて)何のことですか!? 私をそんな風に呼ばないでください! あなたのような人を私は知りません! け、警察を呼びますよ!?

██博士: 嘘だ、そんなはずがない。あんたは確かに願ったはずなんだ。そうでなければこんな、あいつらの認識を歪めて(不明瞭な音声)

SCP-XXXX-JP: (動揺)わけがわからない、私が何をしてると?

[階段を駆け上がる複数の足音]

██博士: クソっ! (怒鳴るように)SCP-XXXX-JP、あんたは現実改変をしてる! あんたの都合の良いように現実を書き換えてるんだろ!! (語気を弱めて)お願いだ、私たちはあんたを悪いようにはしない。だから認めてくれ! 早く言うんだ! 早く!!

SCP-XXXX-JP: 現実改変? (数秒の沈黙)いや、ありえない。そんなこと私ができるはずが。(苦悶の様子で)う、ああ、そんなことあってはならない。私は特別であってはならない。見るな、私を、そんな風に、私はただの(絶叫)

[扉の開け放たれる音]

[複数の足音と怒声、それに混じる██博士の不明瞭な音声]

<再生終了>

この直後、駆けつけた機動部隊により██博士は拘束されました。
同じ場に居合わせていたSCP-XXXX-JPは簡易的な聴取の後、即時解放されています。