注意: オブジェクトSCP-XXXX-JPは実在せず、この報告書の内容は架空のものだと考えられています。この特別収容プロトコルについては、現在削除を含めた処置が検討されています。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8107の低脅威物品保管ロッカーに保管されます。影響の大きい現実改変を避けるため、SCP-XXXX-JPへのすべての操作はプロトコル「内乱の予感」に基づいて管理される必要があります。
説明: SCP-XXXX-JPは、判21×21cmの24ページにわたる画集です。題名、作品名、作者名に類する記載は見られません。紙面に手を触れようとすると、その先が一種の異空間に接続していることが分かります。
SCP-XXXX-JPは、██県███町に所在する███████美術館の収蔵庫に保管されていたと考えられています。ページの空間異常性に気付いた学芸員によって、██████████(オカルト系の内容を扱う視聴者投稿型番組)にSCP-XXXX-JPを記録したビデオが投稿され、同番組を監視していた財団によって確保されました。空間異常の性質を検証する実験の最中、架空の物品を使用した実験が行われていることに実験者自身が気づき、その現実改変的な性質が発見されました。
SCP-XXXX-JPは特有の回復可能な現実改変能力を有します。これは物体を紙面から異空間に投入することで発現します。SCP-XXXX-JPに投入された物体はその紙面上で、SCP-XXXX-JPの既存の背景と同様のタッチで描かれたように見え、その物体はこの世界において架空の存在となります。この現実改変の影響は、その物体を異空間から取り出すことで回復します。
実験記録2 - 日付20██/██/██
対象: マグカップ(████社製)
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、対象が記載された商品カタログの内容を記録し、比較する。
結果: 投入時、対象の製品の記載のみが消失。投入前と取り出し後の記録内容は一致した。
分析: 刊行物の記載はSCP-XXXX-JPの影響を受ける。影響は取り出しによって完全に回復する。また、工業製品は「マグカップ」や「カップ」といった概念単位ではなく、生産型に基づいて同一性が判定されると推定される。
実験記録4 - 日付20██/██/██
対象: マグカップ(████社製)
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、サイトから████km離れた量販店の店頭の状況をエージェントに記録させ、比較する。
結果: 投入時、店頭からすべての同型製品が消失。この際、陳列棚の不自然な空きに関して、店員は不備によるものと考え別製品の補充を試みた。補充は問題なく実行され、対象の取り出し後、対象と同型の製品と補充された製品が混在して陳列された状態となった。
分析: 現実の物体はSCP-XXXX-JPの影響を受け、実際に消失および再出現を行うものと考えられる。影響の及んだ距離から推定すると、影響範囲は少なくとも日本の大部分をカバーする。
実験記録8 - 日付20██/██/██
対象: セイヨウミザクラ(Prunus avium)の実
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、サイト内に用意した別の対象の状態、および植物図鑑6種の記述を記録し、比較する。
結果: サイト内の別のセイヨウミザクラの実が消失。6種すべての植物図鑑からセイヨウミザクラの記述が消失。一方、Prunus属の他の植物には影響がなかった。
分析: 生物の場合は種単位で同一と見なされると推定される。
実験記録14 - 日付20██/██/██
対象: 美術館のポスターから切り抜いた、フィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」の画像
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、フィンセント・ファン・ゴッホの画集および同絵画を保有する美術館の公式サイト上の記載を記録し、比較する。
結果: ファン・ゴッホの画集および美術館の公式サイトから、画像のものに一致する「ひまわり」の絵画のみ記載が消失。
分析: 美術品の場合は複製も同一と見なされると推定される。また、題名と作者名のみによっては同一性は判断されないと考えられる。
実験計画16 - 日付20██/██/██
対象: 自作したイラストレーション冊子。同内容の冊子がもう一冊存在する
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、もう一方の冊子の様子を記録し、比較する。
SCP-XXXX-JPが能動的に外部に働きかけた例の報告はありません。ただし、操作次第ではK-クラスシナリオを含む大規模な現実改変を引き起こす可能性が考えられるため、取扱いには細心の注意を要します。
確保時点で、SCP-XXXX-JPには3つの対象が描かれていました。これらは財団がSCP-XXXX-JPを確保する前に投入されたものと考えられ、正常な現実を復旧するために、すべてSCP-XXXX-JPの異空間から取り出されました。このとき取り出された物体は以下のとおりです。
・セイヨウリンゴ(Malus pumila) 1個
・ハンカチ、███████美術館の名前とマークがプリントされているもの 1枚
・ムジュジュジュジュミュエル人(Mujxjxjxjxmyel phantasiae) 1体
補遺1(20██/██/██追記): 上記の現実回復措置について研究チームから異議が出されました。しかしながら、討議の結果、現状を維持することが決定されました。以下はT博士による結論部分の抜粋です。
懸念自体はもっともだ。確かに、回復措置で取り出されたもののいずれかが、例えばリンゴが、単なる手違いや不注意によりこのオブジェクトの中に紛れ込んだのではなく、初めからこの絵画に描かれていた"架空"だったという可能性は否定できない。しかし、それでもなお、それらを絵の中に戻すべきだという理由にはならない。
当初の措置はいささか軽率で、議論が不足していた可能性はある。しかし、回復措置は行われ、今、世界は問題なく機能している。仮にリンゴがもともと架空の植物であり、我々がその手で全世界的な現実改変に与してしまったとして、その真偽を判定する方法は今の我々にはない。ならば、その判定方法が見つかるまでは、我々は最もありそうな可能性に基づいて対処する他ない。すなわち、不注意な学芸員のハンカチと同様、3つすべてが混入物であるという仮定だ。
よって、我々はSCP-XXXX-JPの今の状態を維持する。
S博士。君の言いたいことは分かるが、その主張はあまりにも危険というものだ。あまりにもリスクが大きすぎる。当然のことと思うが、今一度はっきりと言っておく。ムジュジュジュジュミュエル人は世界中で重要なポストを占めている。大統領後見人、首相監督、党上級書記・・・その他、その他。世界的に影響力のあるどれほどの企業が、ムジュジュジュジュミュエル人を役員に迎え入れていると思っている?万が一にも、これらの指導者が、重役が突然一斉にいなくなるようなことがあれば、影響がどれほどのものになるか分かったものではないだろう。
そして、これはもちろん、博士も十分に承知しているものだと願いたいが・・・。O6は、13人全員がムジュジュジュジュミュエル人だ。君は我々が組織の一員であり、組織として活動していることを改めて自覚したほうが良い。これは我々だけで決めて良いような問題ではない。どうか少し頭を冷やして考えてみてほしい。
O6はこの討議について報告を受け、結論を支持しました。加えて、SCP-XXXX-JPを特別監視対象に指定しました。
補遺2(20██/██/██追記): 20██/██/██、SCP-XXXX-JPに危害が及ぶようなすべての実験は、O6によって改めて厳正に禁じられました。O6はSCP-XXXX-JPのさらなる保護措置を予定しています。
また、上記措置に対するS博士の抗議は却下されました。人事部との話し合いの結果、S博士はCクラスに降格されることが決定されました。SCP-XXXX-JPの研究方針に対する以降のS博士の権限は制限されます。
補遺3(20██/██/██追記): 20██/██/██、O6により、SCP-XXXX-JPを永久収容体制に移すことが決定されました。SCP-XXXX-JPはサイト-████に移送され、鋼鉄製の収容ユニットに永久的に保管されます。移行は20██/██/██に予定されており、それまでの確実な保護と、スムーズな実施が命じられます。
注意: オブジェクトSCP-XXXX-JPは実在せず、この報告書の内容は架空のものだと考えられています[[footnote;-)]]オブジェクト自体の非実在性に加え、実在しない生物および財団内機関に関する記述も見られます。[[/footnote]]。この特別収容プロトコルについては、現在削除を含めた処置が検討されています。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8107の低脅威物品保管ロッカーに保管されます。任意に操作を行わない限り安全ですが、現実改変性のオブジェクトであるため取扱いには十分に注意してください。SCP-XXXX-JPは上位知性体委員会の特別監視対象に指定されています。特に、SCP-XXXX-JPの破壊は上位知性体委員会によって厳正に禁じられています。
説明: SCP-XXXX-JPは、判21×21cmの24ページにわたる画集です。題名、作品名、作者名に類する記載は見られません。紙面に手を触れようとすると、その先が一種の異空間に接続していることがわかります。
SCP-XXXX-JPは特有の回復可能な現実改変能力を有します。これは、物体を紙面から異空間に投入することで発現します。SCP-XXXX-JPに投入された物体はその紙面上で、SCP-XXXX-JPの既存の背景と同様のタッチで描かれたように見え、この世界において架空の存在となります。この現実改変の影響は、その物体を異空間から取り出すことで回復します。
SCP-XXXX-JPが能動的に外部に働きかけた例の報告はありません。ただし、操作次第ではK-クラスシナリオを含む大規模な現実改変を引き起こす可能性が考えられるため、取扱いには細心の注意を要します。
SCP-XXXX-JPは、██県███町に所在する███████美術館の倉庫に保管されていたと考えられています。ページの空間異常性に気付いた学芸員によって、██████████(オカルト系の内容を扱う視聴者投稿型番組)にSCP-XXXX-JPを記録したビデオが投稿され、同番組を監視していた財団によって確保されました。空間異常の性質を検証する実験の最中、架空の物品を使用した実験が行われていることに実験者自身が気づき、その現実改変的な性質が発見されました。
実験記録2 - 日付20██/██/██
対象: マグカップ(████社製)
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、対象が記載された商品カタログの内容を記録し、比較する。
結果: 投入時、対象の製品の記載のみが消失。投入前と取り出し後の記録内容は一致した。
分析: 刊行物はSCP-XXXX-JPの影響を受ける。また、工業製品は「マグカップ」や「カップ」といった概念単位ではなく、生産型に基づいて同一性が判定されると推定される。
実験記録4 - 日付20██/██/██
対象: マグカップ(████社製)
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、サイトから████km離れた量販店の店頭の状況をエージェントに記録させ、比較する。
結果: 投入時、店頭からすべての同型製品が消失。この際、陳列棚の不自然な空きに関して、店員は不備によるものと考え別製品の補充を試みた。補充は問題なく実行され、対象の取り出し後、対象と同型の製品と補充された製品が混在して陳列された状態となった。
分析: 現実の物体はSCP-XXXX-JPの影響を受け、実際に消失および再出現を行うものと考えられる。影響範囲は少なくとも日本の大部分をカバーすると推定される。
実験記録8 - 日付20██/██/██
対象: セイヨウミザクラ(Prunus avium)の実
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、サイト内に用意した別の対象の状態、および植物図鑑6種の記述を記録し、比較する。
結果: サイト内の別のセイヨウミザクラの実が消失。確認できたすべての植物図鑑において、セイヨウミザクラの記述が消失。一方、Prunus属の他の植物には影響がなかった。
分析: 生物の場合は種単位で同一と見なされると推定される。
実験記録13 - 日付20██/██/██
対象: 美術館のポスターから切り抜いた、フィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」の画像
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、フィンセント・ファン・ゴッホの画集および同絵画を保有する美術館の公式サイト上の記載を記録し、比較する。
結果: ファン・ゴッホの画集および美術館の公式サイトから、画像のものに一致する「ひまわり」の絵画のみ記載が消失。
分析: 美術品の場合は複製も同一と見なされると推定される。また、題名と作者名のみによっては同一性は判断されないと考えられる。
実験記録16 - 日付20██/██/██
対象: スキャン画像を使用して作成したSCP-XXXX-JPの複製
実施方法: SCP-XXXX-JPに対する対象の投入および取り出しの前後において、SCP-XXXX-JPの様子を記録し、比較する。
結果: SCP-XXXX-JPへの影響を考え、実験は保留された。
確保時点で、SCP-XXXX-JPには3つの対象が描かれていました。これらは財団がSCP-XXXX-JPを確保する前に投入されたものと考えられ、正常な現実を復旧するために、すべてSCP-XXXX-JPの異空間から取り出されました。このとき取り出された物体は以下のとおりです。
・セイヨウリンゴ(Malus pumila) 1個
・ハンカチ、███████美術館の名前とマークがプリントされているもの 1枚
・ムジュジュジュジュミュエル人(Mujxjxjxjxmyel phantasiae) 1体
補遺1(20██/██/██追記): 上記の現実回復措置について研究チームから異議が出ましたが、討議の結果、現状を維持することが決定されました。以下はT博士による結論部分の抜粋です。
懸念自体はもっともだ。確かに、回復措置で取り出されたもののいずれかが、例えばリンゴが、単なる手違いや不注意によりこのオブジェクトの中に紛れ込んだのではなく、初めからこの絵画に描かれていた"架空"だったという可能性は否定できない。しかし、それでもなお、それらを絵の中に戻すべきだという理由にはならない。
当初の措置はいささか軽率で、議論に欠けていた可能性はある。しかし、回復措置は行われ、今、世界は問題なく機能している。仮にリンゴがもともと架空の植物であり、我々がその手で全世界的な現実改変に与してしまったとして、その真偽を判定する方法は今の我々にはない。ならば、その判定方法が見つかるまでは、我々は最もありそうな可能性に基づいて対処する他ない。すなわち、不注意な学芸員のハンカチと同様、3つすべてが混入物であるという仮定だ。
よって、我々はSCP-XXXX-JPの今の状態を維持する。
S博士。君の言いたいことはわかるが、君は我々が組織の一員であり、組織として活動していることを改めて自覚したほうが良い。我々も、理事も、O5も、自分達だけで考えて動いているのではない。皆、上に従い、そして上にせっつかれている。会議はこれ以上延ばせないし、結論も変えられない。あまりしつこいようだと、君自身の降格ということもある。言葉は悪いが、我々のような図体ばかり大きい猿が、これ以上考えてみても始まらないだろう。どうか少し頭を冷やして考えてみてほしい。
補遺2(20██/██/██追記): 20██/██/██、上位知性体委員会により、SCP-XXXX-JPを永久収容体制に移すことが決定されました。SCP-XXXX-JPはサイト-████に移送され、鋼鉄製の収容ユニットに永久的に保管されます。現在の特別収容プロトコルは改定されます。移行は20██/██/██に予定されており、委員会の強い要請のため、スムーズな実施が望まれます。
補遺3(20██/██/██追記): S研究員の再三にわたる要請により、移送前に保留中の実験を完了することが許可されました。実験は20██/██/██までに完了されます。