アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPは東京都██区に存在する廃工場に設置されていた窓です。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
///
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
///
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
実施方法:
結果:
分析:
こう?
[
アイテム番号: SCP-1469-JP

潜伏中のSCP-1469-JP(ドローンによる撮影)
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 現在SCP-1469-JPの1体がサイト-81██の標準型小型収容ロッカー内に保管されています。ロッカーの保守点検は全てロボットアームによる遠隔操作とし、監視カメラで常にSCP-1469-JPの所在が分かるようにしてください。
一般に流通している製品がSCP-1469-JPと同様の異常性を生じている可能性があるため、隠蔽部隊み‐5("雑学王")はSCP-1469-JPの情報の収集、調査、回収を行ってください。SCP-1469-JPに関連した事案が発生した際にはカバーストーリー「食中毒」が適用されます。
新たに確保したSCP-1469-JPは実験に用いる予定のものを除いて全て粉砕破棄されます。実験に用いた個体も実験後に同様に破棄されます。
SCP-1469-JPは自身のU字状の分岐部を交互に前後運動させることにより時速25kmまでの走行を可能としています。SCP-1469-JPは周囲に対象となる生物が存在するとき、上記の走行により対象へと接近し、多くの場合その開口部を目指します。開口部周辺に到達したSCP-1469-JPはその外周部を回り、開口部につながる一番外周の短い部分、多くの場合は首を探します。
該当部分にSCP-1469-JPが接触した場合、ナノ秒単位でのSCP-1469-JPの変形が起こり、該当部分を挟み込みます。この時該当部分はどのような物体であれSCP-1469-JPに挟み込まれるような形状に変形します。また、同時に挟み込まれた対象の内部空洞におおむね1斤程度の、ランダムな枚数の食パンが発生します。多くの場合対象は窒息、もしくは内臓破裂による失血によって死亡します。このプロセスは瞬時に発生するものであり、Dクラスを用いた実験の胃カメラおよび内部スキャンによる測定では、食パンの発生過程は観測できませんでした。
SCP-1469-JPは石川県██市にて、「妻がパンの袋を留めるアレに殺された」との不可解な通報を受け、警察内部のエージェントが現場である住宅に急行した際に発見されました。エージェントの到着時、SCP-1469-JPは通報者とその妻である女性の2名をすでに殺害していました。突入したエージェントのうち1名もまた、固定電話近くに倒れていた被害者に接近した際に襲撃され、16斤の食パンの出現による胸部の破裂により死亡しました。最終的に、エージェントの一人の機転によって住宅にあった掃除機に吸い込ませることでSCP-1469-JPの回収が終了しました。その後、標準的カバーストーリー「食中毒」が適用されました。
SCP-1469-JPの外見は一般に流通している製品と同様であり、どのようにして異常性が発現するのかは一切不明です。
実験記録抜粋:
実験記録1469-JP-001
対象: D-1469-01
実施方法: 45m×40mの広さを持つL4倉庫内を完全封鎖し、SCP-1469-JPを1体設置する。対象にオブジェクトから逃げ続けるよう指示を出す。
結果: 約3時間後、D-1469-01が疲弊により転倒した際にSCP-1469-JPが首に結合、D-1469-01は食パンの発生による食道、肺の破裂により死亡した。
分析: それなりに長い時間運動させたが疲弊や劣化の兆候は見られない。はたから見てあれは走っている生物のように見えなくもないが、既存生物と同様の考え方は通用しないと見ていいだろう。一から習性を調べていく必要があるな。-南雲博士
実験記録1469-JP-003
対象: D-1469-03
実施方法: L4倉庫内を完全封鎖し、簡易的な間仕切りとドアを設置。対象にオブジェクトから逃げ続けるよう指示を出す
結果: SCP-1469-JPはD-1469-03を正確に追跡。12分後、ドアの陰に隠れたD-1469-03のジャンプスーツの裾から、SCP-1469-JPがドア下の隙間をくぐって侵入。陰部に結合し尿道、膀胱、睾丸他2箇所の臓器に食パンが出現した。これにより重傷を負ったD-1469-03は終了処分が下された。
分析: D-1469-03は、相手が通常の人間であればその視界から上手く外れるように逃走していた。オブジェクトの追尾性は視覚的なものでなく、熱探知のようなものと推測される。この仮説を証明するためにはまだまだ実験が必要だ。-南雲博士
実験記録1469-JP-012
対象: D-1469-012
実施方法: L4倉庫内に一般的な家屋を模した構造を再現。内部にSCP-1469-JPを1体設置。対象には何も知らせずに実際のオブジェクト遭遇ケースを想定した実験を行う。
結果: D-1469-12にオブジェクトが反応せず、実験中止
分析: キッチンシンク上にあからさまに見えるように設置したが、対象に反応しないのは初めてのパターンだ。D-1469-12に特別に考慮すべき要因はなし、まだオブジェクトに知られていない性質があると考えられる。実際のケースを想定した実験を現場の収容部隊の安全性確立のために優先して行いつつ、オブジェクトの性質についてもう一度試験する必要がありそうだ。
実験記録1469-JP-013
対象: D-1469-13
実施方法: L4倉庫内に一般的な家屋を模した構造を再現。内部にSCP-1469-JPを1体設置。対象には何も知らせずに実際のオブジェクト遭遇ケースを想定した実験を行う。
結果: 家屋各所の監視カメラによる観測開始から15分後、浴室でシャワーを浴びようとしたD-1469-021にSCP-1469-JPが襲撃、驚いたD-1469-13がシャワーより水をかけることで襲撃は失敗。SCP-1469-JPは再度D-1469-13に攻撃を仕掛けるも、脱衣場の衣服により押さえられた。その後、D-1469-13が持ってきた粘着テープクリーナーによって行動不能に陥り活動を停止した。
分析: 自身が行動不能に陥ると完全に沈黙する以上、回収作戦に用いる装備に必要な機能は目途が立った。だが、ドローンによる設置はキッチンの電子レンジ下を指定したはずだ。
実験記録1469-JP-015
対象: D-1469-15
実施方法: L4倉庫内にコンテナ等障害物を多数設置。オブジェクト回収エージェント用装備、市街地での発生を想定し、回収用高機動型気密スーツのテストを行う。D-1469-15にこれを支給しオブジェクトの有効範囲に侵入させる。
結果: オブジェクトの効果範囲に進入してもオブジェクトが動作せず。異常性確認のためD-1469-15が気密スーツを開けた瞬間、突如としてオブジェクトが跳躍。オブジェクトはD-1469-15の右耳に接着し、異常性の発現により食パンが生じたため、内部からD-1469-15の頭蓋は破裂した。
分析: これ以降の実験は凍結すべきだ。アレは私が思っていたよりも凶悪な代物かもしれん。-南雲博士
補遺1: 南雲博士の意見書
アレの恐ろしさを我々は理解していなかった。決して瞬間的な殺害手段でも疲れ知らずの追跡能力でもない、アレは確実に対象を追いつめられるよう、技術を学習し個体間で共有している。今後、我々は立体的な跳躍移動を繰り返しながらだまし討ちまで行う、我々が育てたゲリラの相手をせねばならないのだ。
これはあくまで私の推測だが、SCP-1469-JPはもともと「パンの袋を留める」という学習、遺伝する概念だったのではないだろうか。時代を経て今の形に落ち着いたのだろう。だが自身の名称を知る者を襲う性質はおそらく後付けで獲得した性質だ。どうしてパンの袋を留めるために人間を襲うのかは分からない。だが明らかに人間に対する悪意を以てこの性質はあるのだろう。手掛かりは少ないが調査を進めるしかない。-南雲博士
補遺2: 20██/7/21 報告
SCP-1469-JPはかつて、体温の高い哺乳類を狙いとする性質を有していると考えられていました。しかし、最近の調査によって「パンの袋を留めるアレ」の正式名称を知る人物を優先的に狙うことが判明しました。そのため、当報告書には「パンの袋を留めるアレ」の正式名称である、「バッグクロージャー」を一切使用していません。直前の文章を正しく読解する、もしくは「パンの袋を留めるアレ」の名称を想起可能なSCP-1469-JP担当職員は認知阻害薬と暗示による処置を行うためサイト-81██医務室まで出頭してください。また、一般人へのオブジェクトによる被害を減少させるため、「バッグクロージャー」の名称の社会からの抹消を視野に入れた情報隠蔽作戦が隠蔽部隊み‐5により継続的に行われています。
SikiSikiSiki 24 Dec 2018, 02:32
読んでて気になった点です。
収容プロトコルの 全体の30%以上の損壊~~。→これは説明ではないでしょうか
〇説明の最初。「一般にパンの袋を留めるアレ」→一般に「パンの袋を留めるアレ」
ナノ秒単位でのSCP-1469-JPの変形~~。→”変形”が不明瞭に感じます。後を読むと大きさが変わるだけだと考えますがどうでしょう
〇スキャンによる測定では観測できませんでした。→何が 観測できなかったが欲しいです
〇説明の最後。普通のアレが異常性を発現するのか、異常性を持ったアレが紛れ込んでいるのかどちらなのでしょう。収容プロトコルを読むと後者に思えますが、説明の最後の記述だと前者に思えてしまいます。
補遺1,2。前コメのk_u_m_aさんの指摘の通り、アレの名前に関する内容が唐突に出てきたように思えました。
総じてですが、内容の書く位置が特別収容プロトコル・説明・実験記録・補遺を使い分けられてないように読んでて思いました。
返信 オプション
閉じる
basicoftheunderbasicoftheunder 24 Dec 2018, 18:20
SikiSikiSikiさん
ご指摘ありがとうございます。
1の内容に関しては詳細な記述を説明のほうに移動し、収容プロトコルは書き直します。
2、4のの内容については文章ごとにふさわしい内容に変更します。
3の内容については、サイズの変化以外の変形、運動も含めた内容に書き直します。
5の内容については、「通常のパンの袋を留めるアレが突然異常性を持ち始める」という認識で書いたので、収容プロトコルを見直し、説明の記述に内容を合致させるようにします。
全体的な使い分けを意識して改稿を検討しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
///
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
///
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
実施方法:
結果:
分析:
こう?
「……どうやら,賭けは私の勝ちのようだね。博士。」
アラートの鳴り響くサイト-8157の連絡通路で,大和博士はポツリと告げた。セットされた髪は乱れ,トレードマークであった黒の白衣は己の血でさらに深く濁る黒に染まっていく。
「私の言った通りだろう?君は……っ」
抑えた口から漏れ出す血に咳き込む。多量の出血が身体から熱を,力を奪い,大和博士は力なく通路の壁に身を預け,座り込む。しかし,その眼は日々の入ったモノクル越しに爛爛と輝き,自身を見下ろす男の眼を見据えていた。
「いいえ,私の勝ちですよ。博士。」
その見下ろす男,梁野博士が応える。二人を除いて誰もいない通路で話すには,奇妙なほど明瞭な通る声で自らの勝利を宣言する。
梁野博士の右手の拳銃がわずかに震える。本来は機動部隊の支給品であるそれは,デスクワークを主とする梁野博士が扱うにはいささか難儀なものであった。しかし,ぎこちなく構えられた銃口は真っ直ぐに大和博士の眉間を捉え,弾倉には瀕死の男一人に使うには十分すぎる数の銃弾が込められていた。
「さようなら,また会いましょう」
引き金が引かれ,火薬の爆ぜる乾いた音を聞きながら大和博士はにこやかな笑みを浮かべ,壁に血と脳漿を撒き散らした。
サイト-8157の一角のベンチで,梁野博士ははあ,と大きなため息をつきうなだれる。
その手には分厚い紙の束が固く握られ,ばさりと音を立てる。綴られたその表紙には堂々とした赤字で却下の文字が書かれていた。
その傍らには眉間にしわを寄せ、頭を痛くさせている坂枝研究助手が座っていた。イルカのそれに似た尾を大きく揺らしながら,彼女は梁野博士に向かって文句を言う。
「やっぱりダメだったじゃないですか!何のためにわざわざここまで時間割いて来たんですか!」
「なーんで却下されたかなぁ,このアイデアはかなり名案だと思ったのに……」
「何が名案ですか,名案どころか迷案ですよ,それ。」
坂枝研究助手が鼻先で指した方向には、梁野博士の握る紙の束がある。
坂枝研究助手には、梁野博士が一昨日、人型オブジェクトの完全なる収容方法を編み出した!と叫びオフィスに籠ったと思ったら,今朝になって印刷されたそのアイデアを抱えこのサイト-8157まで引っ張り回された怒りがある。
ましてや,そのアイデアが
「そもそもなんで学校なんですか!一体何を学ばせるつもりだったんですか!!それがどう収容につながるんですか!!!」
珍しく声を荒げて突っかかる彼女に対し,梁野博士は,
「いいかい坂枝君,彼らにも学ぶ権利はあると思うんだよ私。彼らはほんの少し道を間違えてしまっただけに過ぎないんだ。彼らに自分自身と社会についてより学んでもらうことで、彼らの持つ異常性を制御できるはずなんだ!なのにどうして許可が下りない!こんな世の中間違っている!」
と逆恨みに近い言いがかりをつけ立ち上がり声を震わす。
その拍子に握られた彼の努力の結晶がバサバサと床に散らばっていく。
それを見た坂枝研究助手が、あきれ果てたようにため息をつき,
「いや言ってることはもっともらしいですけど,半分以上が私利私欲ですよね,例えばほらここ。」
落とした冊子の中から,前足でさっと押さえられたページには「担当教員:梁野武一」の文字が躍り狂っていた。
1~3限:体育 4~5限:保健という大変健やかな時間割のすべてにおいて、彼が教鞭を執ると記されている。
「うっ,確かにそこは少しばかりの夢を見たけども,他の部分は完璧だね!賭けてもいい!」
「はい授業日程表の一覧です。」
間髪入れずに示されたページには「生物の体構造的に見た最適████の実演」「近代文学と██」「██の██」と墨塗り教科書よろしく検閲の跡が見られた。
「何がダメなんだいこれの!」
「何もかもですよ!!」
二人の声が錯綜する最中、坂枝研究助手は重い革靴の音を耳にし、ぞくりと背筋に冷たいなにかが通っていくのを感じた。
思わず振り向いた彼女の眼前に、黒い白衣が翻る。
「御機嫌よう。梁野博士。」
大和博士が口を開く。それと同時に坂枝研究助手が梁野博士の後ろへ飛び退る。
「ああ、ごきげんよう、大和博士。どうしてここに?」
うるるると唸る助手を後ろ手に抑え、梁野博士はにこやかに答える。
目の前のこの世の不快を凝縮したような男は、そんな彼らの様子をニヤケながらひとしきり眺めたのちに
「ここのサイトにこの間、人型オブジェクトが担ぎ込まれたらしくてねぇ。タバコ吸いがてら、見物に来たのさ。」
「仕事はどうしたんです?」
「オイオイ、私は臨床心理の分野なら君よりかは明るいんだ、これからその人型オブジェクトの精神鑑定にお邪魔するつもりなんだよ。ホラ、立派な仕事が出来た出来た。」
一挙手一投足がひどく神経を逆なでする。坂枝研究助手は胃袋の底が煮え立つような感覚を抑えながら、黒衣の男の青い眼を睨んだ。
そのような嫌悪感、悪意、殺気を察知したかのように、大和博士が今まで梁野博士に向けていた視線は彼女の鼻先に落ちてきた。
「ホラ、例えば彼女は、私を、嫌っている。」
告げる。宣言する。見透かされる。睨んだその眼を返されるように、青い眼が、こっちをむいて、むいて。
「あたりまえでしょう、貴方はそういう人なんだから。」
わしわしと、頭を撫でられる。我に返った坂枝研究助手は梁野博士に抱え上げられていた。
それを理解するより早く、彼の言葉が続いていく。
「第一、貴方の性質くらいここいらの職員ならだれでも知ってますよ。それに、むやみに私の助手を脅かさないでくれるかい?」
「ン、ああ、つい弄りがいのある子を見つけるとね。悪かったよ。この通りだ。」
一ミリたりとも頭を下げていない大和博士に梁野博士は苦言を呈する。坂枝研究助手は恐る恐るその表情を見上げる。そこにはいつもと同じような微笑みがあった。
「反」
概念としての「反」そのもの。ビッグバン以降,①知性体の誕生により「反」もまた認識されてしまった。②11次元よりもたらされたミーム的概念。
これまで世界は犠牲を払いながらも「反」と折り合いをつけてきた。「反」によって現在の世界が作られてきたが、「反」に汚染される概念は増えていく。反物質は何とか封じ込めた。反ミームはは055の存在により予断を許さない。最終的なオチは反の汚染が財団の理念に到達する。つまりは反逆万歳。
「人免権」
人間から人面犬になる誓約書、人間でいることに疲れたあなたへ。
オチ:報告書最後の映像ログ、注視し続けるような簡易ミーム汚染映像が流れる。音声のみで「財団は時として非情な手段を取らねばならない。これ…君が今見ている視覚的人工ミーム汚染もその一環だ。これはまあ、記憶処理剤で除ける程度の、見たものに注視させ続けるだけのものだから安心してくれ。まず、この報告書を見たのなら、君は逃げ道があると錯覚するだろう。人間であることを辞め、本能のまま生きていけたら、と願うかもしれない。事実、収容している彼らは皆、そうだった。彼らは皆、高クリアランス職員でありながら、自身の欲望に負けたのだ。実はあの誓約書は社会に出回ってなどいない。あれは財団に向け何者かが押し付ける攻撃なのだ。我々職員の心の隙間を縫って財団を崩壊に陥れようとするものなのだ。我々は言わば人類の盾だ。我々は闇の中に立ち、無辜の人々を守らねばならない。逃げてはならないのだ。
これは頭では理解していても、実践するのは難しい。だから、このような手を使うしかない、今から流すブザー音は、収容室外の保安要員に、"中で視覚的ミーム汚染が発生した、視覚補助ゴーグルをつけて内部の人間に記憶処理をするように"という指示のものだ。全ては君のような優秀な職員を失いたくない、という組織としてのエゴかもしれない。最低な組織だと思うかもしれないな。だが、それが君の足を踏み入れた場所だ。確保、収容、保護。大切なのはそれだけだ。」(ブザー音)
「カタメ、コイメ、フトメンデ」
ある特定の種類のラーメンを食べる際に、一定の儀式を行うことで発症する認識災害。
色の淡いもの、味の薄いものなどがどんどん認識しにくくなっていく。思想も。
「もうかえるの歌しか聞こえない」
異常性を持ったかえるの歌の楽譜とそれによって生まれてくるかえる(XXX-JP-1と指定)。楽譜を見ながらかえるの歌を歌うことで,歌った人は脳内で延々とかえるの歌が繰り返すようになる。歌声自体を聴いた人もその声の大きさに比例してかえるの歌を歌いたくなる欲にかられる。脳内で響くかえるの歌を鎮めるためには実際に歌うか,楽譜を書き起こすしかない。この対処法は効力が減衰していく性質があり,のども張り裂けんばかりに歌い,手の腱が千切れるほど書いてなお,かえるの歌が止まらなくなり,上記の対処法を諦めた場合,第二段階へ移行する(たいていの場合生物学的限界を超えることは出来ないので確定的に移行する)。第二段階は,歌った人の体を未知の作用によってオタマジャクシに変換するプロセスである。男女問わず,内臓の膜構造が泡状に成形され,3~5 mmの受精卵となる。これがかえるの卵塊のように連なって,口,肛門,泌尿器,外性器等から体外へ排出,産卵される。これら受精卵からは通常と変わりないオタマジャクシが生まれてくる。
これらのオタマジャクシは陸上を這うように進むことで移動し,水辺もしくは線のひかれた床面もしくは壁面を
-「不必要な剪定かもしれない」-
→「剪定と枝の先の蜘蛛」
手に持った人物に異常な行動を取らせる高枝切り鋏。主な行動は人の頭上に向けハサミを使用する。インタビューにより、頭上に伸びる蜘蛛の糸のようなものが見えていると推定。蜘蛛の存在については調査中。
→実際に起きているのは物語との因果、運命、可能性の切断。蜘蛛=メタ視点人物であり、より面白い物語を望むため、強固な因果の糸を垂らし搦めとる。暴露者は糸、もしくは枝を打つためにひとのずじょうにのび
→最後、-補遺として、経過観察中のオブジェクト暴露者が突如苦しみ出して死ぬ。死に方は蜘蛛の捕食に似た麻痺によるもの。蜘蛛は我々メタ視点の人々の暗示。-
→蜘蛛のくだりと剪定をすり合わせる。少なくとも補遺の内容は剪定と合わない。
「三丁目の夕日に向かって撃て」
「」
フレディのtale ラマーズ
以下構文
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid keter
特別収容プロトコル: 現在、SCP-XXX-JPに関する調査は合同調査チーム”一里塚”により連絡用サイト-8149-Aを除いたあらゆる物理的交流、財団ネットワークより隔離して行われております。詳細なプロトコルは連絡用サイト-8149-Aへ問い合わせてください。
現在、SCP-XXX-JP-1と指定された旧SCP-XXX-JPの収容プロトコルへのアクセスは連絡用サイト-8149-Aより許可されています。
SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準人型収容室に収容され、1日に3回淡水生の魚類を中心とした食事が与えられます。SCP-XXX‐JPは現在中度の抑うつ症状を発症しているため、週に2回のカウンセリングが行われます。また、精神状態の向上のため収容室への加湿器の設置、軽作業(主に水産物加工、調理)の報酬による嗜好品の購入(購入前に担当職員による要許可)、サイト付属プールにおける遊泳(週に5回、計10時間まで)が認められています。SCP-XXX‐JPへのインタビューは対象に多大なストレスを与えるため、実施前にレベル3職員2人以上の許可を必要とします。
説明:
SCP-XXX-JPは佐賀県筑後川流域に居住していた、水陸両生の生物個体(SCP-XXX-JP-Aと指定)に関わる異常な名称です。SCP-XXX-JP-Aを含む生物群は日本古来の伝承に伝わる「河童」に類似した体構造を有しており、当該生物群もその呼称を否定しません。
SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aにつけられた名称であり、文章および音声含むいかなる方法によってもこの名称を認識した人物はその名称を無意識的に想起、反復します。この思考は次第にSCP-XXX-JPを記述、保存、拡散する欲求を生じさせます。
Anomalousアイテム番号: AO-916-JP-MTYTKLR
説明: 新潟県妙高市で事故死した████氏と同一と思われる人間。DNAやその他特徴も████氏のものと一致した。
回収日: 1991/10/10
回収場所: 山形県山形市の交番
現状: 標準人型格納個室に収容。 現在は冷凍冬眠装置に収容。
エージェント・三郷は忠実な財団職員である。
「バイタル、脳波、ともに基準値へ到達。冷却材循環、冷凍冬眠装置、起動します……」
ガラス越しの鋼鉄のセルの中では男の身体が土気色に変わっていく。白髪の目立ち始めたぐらいの、初老の男だ。
冷凍冬眠装置を囲むようにして、医療スタッフや収容スペシャリストが神妙な面持ちで小難しい端末や機器類を弄っている。
そいつらを見下ろす位置にある実験管理室に、実験監督の名目で俺はいた。
「お前にとってはコイツはラッキーってやつか三郷?ようやくあのアノマリーから離れられるんだ。長い間ご苦労様、まだ現場に復帰できる年だろ?望みがかなったじゃないか。もっと嬉しそうにしろよ?」
自分の名を呼ぶ、どこか楽しみを含んだ同僚の声。無意識のうちに眉間にしわを寄せていたのか、同僚は肩をすくめる。
「そう怖い顔しなさんなって、良かったじゃないか。どのみちお前にとってもこいつにとってもこれが最善だと思うぞ。」
焼け石に水のフォローを添えて、同僚は居心地悪そうに管理室から出ていった。アイツはいつも余計なことを言って人の精神を逆なでする。そういう奴だ。
「……最善か」
エージェント・三郷は20歳で財団に雇われ、フィールドエージェントとして各地を飛び回った。各地の公共機関に潜入、異常存在の兆候の確認、報告が主な任務だった。
22歳の時に出向先の警察所でこのアノマリーを発見、そのままインタビューを行い、周辺調査の結果Anomalousアイテムとして分類、収容した。
そこまでがエージェント・三郷の仕事のはずだった。だが、思いもよらぬことに、そのアノマリーのカウンセリング相手として内勤を言い渡された。聞けば、そのアノマリーたってのご希望という。月並みにフィールドエージェントの仕事にやりがいを見出し始めた矢先のことであった。
同期からは「貧乏くじを引いた」「可哀そうなヤツ」と憐憫の目を向けられ、出世の道からは確実に遠のいた。それでもなお、エージェント・三郷は実直に自らの為すべきことをこなし続けた。その為すべきことというのも、サイト内のいくらかの事務仕事と週に数度、そのアノマリーとカウンセリングの名目で世間話をすることだったのだが。
アノマリー曰く、「自分にも君くらいの家族がいて、ここに来てからは寂しく思っていたがこうやって話せるのがうれしい」「息子と似ている」「昔は私も苦労したものだ」などと、三郷の都合などお構いなしに一方的に話している。
それから十数年間、
筆が止まった。
結局,「鵺」を収容するためにDクラスを用いた特定志向発生装置について,胡蝶の夢のようなものとして書きたかったんだけどなあ…収集つかないというか,話の広がりもないしオチが付かない。やめた。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██内の低脅威度物品ロッカーに保管されます。SCP-XXX-JPを用いた実験にはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員3名以上による許可が必要です。
SCP-XXX-JPを用いた実験はその異常性のためDクラス職員のみを被験者とし,SCP-XXX-JPに暴露したDクラス職員は実験終了後に終了されます。
説明:SCP-XXX-JPは外見は一般的に流通しているものと類似した枝切りばさみです。外見には多少の劣化が見られますが,構造,組成解析の結果,通常の枝切りばさみと同様に使用可能であると推測されます。刃部分の側面に製造元を示すと思わしき刻印が存在しますが,この点のみ極度の摩耗のため識別は不可能です。
SCP-XXX-JPの異常性はオブジェクトの柄部分を持つ際に発現します。SCP-XXX-JPを持った人物(以下,暴露者)はこのオブジェクトを用いて,他者の頭上に向け通常の枝切りばさみと同様に使用することを試み,なおかつオブジェクトを手放したのちも手近な包丁,カッター等の刃物類を用いて同様の行為を行うことを第一に行動します。オブジェクトを持ち上げた時点で暴露者は不可逆的にオブジェクトの影響下に置かれます。この影響力は非常に強いものであり記憶処理剤,催眠療法等のの処置は有効ではありません。現在、9人の暴露者が収容されており、それぞれSCP-XXX-JP-1〜9として指定されています。SCP-XXX-JPを使用する行為によって暴露者,使用された者(以下,被使用者)両方に特筆すべき変化は見られませんが,後述のインタビューにより潜在的な異常性があると考えられるため,被使用者の監視は続けられます。
SCP-XXX-JPは石川県██市にて回収されました。はじめ,同市の路上において「枝切りばさみを持った男が暴れている」との通報を受け現地の警察官が急行しました。その際,事件の犯人とされる男から当該オブジェクトを奪取した警察官が民間人に襲いかかったという報告を財団が傍受し,鎮圧のため警察官に偽装した機動部隊を派遣されました。制圧自体は問題なく終了しましたがオブジェクトを奪取した者が回収のため柄部分を持ちあげました。その結果,異常性の暴露,オブジェクトの使用,再び奪取という繰り返しにより計6名の警察官および財団職員が異常性に暴露し,最終的に自動操作ドローンを用いて回収されました。
インタビューログ1: SCP-XXX-JP暴露者へのインタビュー
対象: SCP-XXX-JP-1
インタビュアー: 南雲博士
付記: 対象は当該オブジェクト回収時,最初にオブジェクトを手にしていた人物である。
<録音開始, 20██/██/██>
南雲博士: さて,気分はいかがでしょうか、██1さん?
SCP-XXX-JP-1: あなたは私からあの鋏について聞き出そうとしている…違うか?
南雲博士: ……ええ,あの鋏は人に危害を与えうるものです。ですから,我々が回収し保管します。SCP-XXX-JP-1: 危害?否,我々は人を傷つけるようなことはしない。それだけは確かだ。むしろ救っているともいえるやもしれんぞ?枝の先には蜘蛛がいる。糸を垂らし人の在り方を搦め捕り、あざ笑う恐ろしい蜘蛛だ。無辜なる人々とその未来の可能性を守るため,たとえその先にまだ青い果実が成っていたとしても,蜘蛛のいる枝を打つ必要がある。分かるだろう?
南雲博士: 我々,と言いましたか?あなたの他にもあのオブジェクトを持つ人がいるのですか?それと,蜘蛛とはいったい何のことです?あなたのやっていたことは単なる危険行為です。救助行為ではありませんよ?
SCP-XXX-JP-1: いや,我々というのは私が捕えられたあの場での同士のことだ。我々の理念をすべて理解し我々の同士となった。彼らは無事か?
南雲博士: 私の質問に答えなさい。その返答によります。
SCP-XXX-JP-1:先ほど答えた通りだ。それ以上に語るべき言葉を持たない,語るべきではないというのがより正しい。あなたたちはそういうモノを探る,そういう集まりなのではないか?そうであれば,そうあるべきだ,そうある習わしで,(小刻みな痙攣)が,が…(SCP-XXX-JP-1が昏倒する)
南雲博士: 医療班を呼んでください!インタビュー対象が倒れました!
<録音終了>
SCP-XXX-JP-1の事前の周辺調査において興味深い結果として,「方言を多用し初対面の人であっても砕けた物言いをする」という報告がありましたが,そのような傾向はインタビュー中にありませんでした。このこともオブジェクトの特異性の一端として考えられます。さらなる検証が必要です。
また,SCP-XXX-JP-1の突然の昏倒も気になります。この現象が外部要因であれば,我々の対峙するものは予想よりも厄介なものとなるでしょう。その外部要因として考えられるのは,対象がインタビュー中に述べていた蜘蛛という存在です。オブジェクトの由来に関してはSCP-XXX-JP-1の回復を待ち,蜘蛛の存在については他の暴露者へのインタビューを追加で行うことを進言します。—南雲博士
結局途中まで書いて考えがまとまらず断念。