アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは
説明: SCP-XXX-JPは50代男性のような外見的特徴を持つ人型実体です。SCP-XXX-JPは宮城県██市に存在する「勝寿司」という看板が掲げられた建築物の中に滞在しており、この建築物の外に出ることはありません。
SCP-XXX-JPの異常性はこの建築物の中に自身を除いて2人以上の人物が侵入してきた際に発現します。侵入してきた人物は自身がここを訪れた理由を「寿司を回すため」だと認識し、SCP-XXX-JPはそれぞれの人物に自身が握った寿司を手渡します。全員に寿司を渡し終えると、「寿司の回し方」についての解説を始めます。SCP-XXX-JPに直接寿司の回し方についての指導を受けたうえで以下の動作を取ると寿司が高速で右回転を開始します。回転を開始した寿司はSCP-XXX-JP-1として指定されます。SCP-XXX-JP-1は寿司ネタと何らかの単語を合わせたような名称が付けられます。
- 1. 割り箸をできるだけ綺麗に割る
- 2. 割り箸で寿司を掴む
- 3. 湯呑で箸頭を全力で叩く
- 4. 右に回転
全員が寿司を回転させることに成功すると、次にSCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1を用いた競技である、「スシブレード」についての解説を開始します。スシブレードの大まかなルールは以下の通りです。
- 「3,2,1,へいらっしゃい」の掛け声を出しながら寿司を回転させる。掛け声を出し、寿司を回転させた後には両腕を大きく広げる。
- 直径50cmの土俵を模したような円形の台の上で寿司を回す。
- お互いのSCP-XXX-JP-1を台の上でぶつけ合う。
- 相手のSCP-XXX-JP-1が台の外に出るか、回転を停止、または寿司ネタとシャリが分離した際に自分のSCP-XXX-JP-1がまだ回転を継続していた場合、自分の勝利となる。
- 台の外に出たなどしたSCP-XXX-JP-1は捨てずに残さず食べなければならない。
SCP-XXX-JPはルールの説明を終えると全員に2人組を作成し、スシブレードを開始するよう促します。指示が出されると2人組は即座にスシブレードを開始します。決着がつくと、SCP-XXX-JPは両者に労いの言葉をかけ、勝利した人物に対して好きな寿司を獲得させる権利を与えますが、敗北した人物に対してはこのような行為を取るとこはありません。敗北した人物はそれに対してとても悔しがるような態度を見せ、建築物から逃げるように飛び出します。その後勝利した人物は頻繁にSCP-XXX-JPの元を訪れるようになりますが、敗北した人物は日数が経つにつれてSCP-XXX-JPやスシブレードについての記憶を失うため、再び訪れることはありません。
SCP-XXX-JP-1の性能について
名称 |
特徴など |
アルティメットマグロ |
これといった長所はないが、安定した回転が可能。初心者向き。 |
エビリュウオウ |
尻尾による攻撃が非常に強力だが、寿司ネタとシャリが分離しやすい。 |
イクラリオン |
イクラを周囲に拡散させることで相手のSCP-XXX-JP-1の回転を妨害することができるが、イクラが少なくなるほど回転速度が落ちる。 |
タコボーグO |
相手のSCP-XXX-JP-1に吸い付くように回転し、超至近距離からの攻撃が可能。バランスを取るのが困難であるため、上級者向け。 |
映像記録XXX-JP
付記: この映像は客を装っているDクラス職員に所持させた隠しカメラによって記録されています。
<記録開始>
SCP-XXX-JP: へいらっしゃい。……おっと。[笑みを浮かべる]
D-1028: 何ですか?
SCP-XXX-JP: へっ。寿司、回しに来たんだろ?
D-1028: [はっとしたような顔をする]そうです。
D-1228: [D-1028と同様の反応をする]俺たちに寿司の回し方を教えてください!お願いします!
SCP-XXX-JP:
D-1028、D-1228: ありがとうございます!
[前述した寿司の回し方、ルールを解説する。]
SCP-XXX-JP: と、まあこんな感じかね。
D-1028: なるほど……。
D-1228: 俺にもできるかな……。
SCP-XXX-JP: 大丈夫だよ、きっとできるさ。よし、じゃあ早速勝負してもらうかな。
D-1028: もうですか?
D-1228: すごく不安です……。
SCP-XXX-JP: いいからいいから。今 [[/footnote]]から土俵の準備するからちょっと待ってな。
[SCP-XXX-JPが割り箸、湯呑、円形の台を準備する。]
SCP-XXX-JP: これでよし、と。あとはそっちの好きなタイミングで始めてもらって構わないぜ。
D-1028: 頼むぞ、サルモン……。
D-1228: 頑張ろうぜ、カンパッチェ!
SCP-XXX-JP: 準備はいいか?
D-1028、D-1228: はい!
SCP-XXX-JP:
D-1028:
D-1228:
SCP-XXX-JP:
D-1028:
D-1228:
SCP-XXX-JP:
D-1028:
D-1228:
怪獣(仮)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは10m×10m×10mの収容室に収容されます。収容室は常時監視カメラによって監視され、SCP-XXX-JPの収容室への入室は必要でない限り禁止されています。
SCP-XXX-JP-1は3m×3m×3mの収容室に1体ずつ収容されます。SCP-XXX-JP-1が暴走した場合は、Dクラス職員に収容室内に建築物のミニチュアを設置させ、沈静化してください。それでも沈静化しなかった場合、収容室に設置されている催眠ガスを噴出させてください。
説明: SCP-XXX-JPはステーブルで止められた測定不明な枚数のB5用紙です。表紙にはマジックペンで「オメガマン」と書かれています。SCP-XXX-JPは基本的には非活性状態にあり、この状態では表紙以降の用紙には何も書かれていませんが、活性状態となった際に発光し、表紙以降の用紙に文章が出現します。その後、活性状態のSCP-XXX-JPを中心とした直径10mの円の内部に存在している人間(以降SCP-XXX-JP-1と表記)の手元に転移し、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを開いて内容を読んでいるような姿勢になります。その後SCP-XXX-JP、SCP-XXX-JP-1はその場から消失しますが、24時間が経過すると再びその場に出現します。SCP-XXX-JP-1の証言から、ミニチュアの街のような場所に転移していること、そしてその場には複数の人型実体が存在していることが判明しています。
転移後、SCP-XXX-JP-1は他の人型実体から「監督」と呼ばれている人型実体の指示の元、怪獣の着ぐるみを着用させられ、怪獣としての演技指導を受けます。そして監督がSCP-XXX-JP-1の演技に満足すると、「オメガマン」と呼ばれる人型実体との戦闘を行う演技が開始されます。この人型実体との戦闘はSCP-XXX-JP-1が倒されることによって終了します。この演技が終了すると、監督はSCP-XXX-JP-1に対して労いの言葉をかけます。その後SCP-XXX-JP、SCP-XXX-JP-1は消失前に存在していた位置に再び出現します。この際SCP-XXX-JPは再び非活性状態となり、表紙以降の用紙に書き込まれた内容は消失します。
この後、SCP-XXX-JP-1は食事、睡眠を必要としなくなり、怪獣に関する思考・行動を継続的に行うようになります。これは時間が経過するほど強いものとなり、最終的には身体にまで影響を及ぼすようになります。以下の図は解放からの時間の経過による影響をまとめたものです。
1~3ヶ月 |
常に怪獣に関することを考えるようになり、どう行動すればより怪獣らしいか等を模索します。 |
4~6ヶ月 |
知能が低下し、それに伴い徐々に人間としての言葉を忘れ始め、代わりに唸り声、咆哮等を上げるようになります。この頃から頻繁に暴れる等、攻撃的な行動を取るようになります。 |
7~10ヶ月 |
眼球の変形・犬歯の異常な成長・皮膚の硬質化等が発生します。 |
11~12ヶ月(ここで変化は終了) |
複数の爬虫類の特徴を併せ持ったような姿となります。牙の有無や、尻尾の長さが他個体より短い場合、体の一部が機械化された個体の存在等、それぞれ微妙に異なる点を持ちます。 |
インタビュー記録XXX-JP
付記: インタビューの対象であるD-XXX-3はSCP-XXX-JP内部から解放されてから約5ヶ月が経過しています。インタビューは安全のため別室でマイクを通して行われています。
<記録開始>
不条博士: インタビューを開始します。
D-XXX-3: [唸り声]
不条博士: ……話せますか?
D-XXX-3: あ……ああ。はなせ……る。
不条博士: 言葉を発するのは難しくなっていますか?
D-XXX-3: [頷く]ほえ……たりするほ、が、らく。
不条博士: なるほど。では、その目はどうですか?何か見え方が変わったりはしましたか?
D-XXX-3: まえと……いろ、が、ちがう。でも、も……なれて、きた。
不条博士: そうですか、では、SCP-XXX-JP、あの書類には何が書かれていたのか教えていただけないでしょうか。
D-XXX-3: ……台本、のこと?
不条博士: 台本、あれは台本なのですか。
D-XXX-3: ん。
不条博士: なるほど、では内容は?
D-XXX-3: いえない。
不条博士: 言えない?何故ですか?
D-XXX-3: ネタバレ、は、いけない。しちょ、しゃのみんな、たのしみにしてる。
不条博士: 視聴者……?そうですか、どうしても言えませんか?
D-XXX-3: う、いえない。ぜったい。
不条博士: ……分かりました。もし我々に言う気になったらその時はよろしくお願いします。では、体に不調等は[D-XXX-3の咆哮に遮られる]
D-XXX-3: [4秒間沈黙]あ、ごめ、我慢、できなく…….。
不条博士: いえ、構いませんよ。少し驚きましたが。では改めて、体に不調等はありますか?
D-XXX-3: ん。だいじょぶ。
不条博士: それは良かった。ではインタビューを終了します。D-XXX-3、お疲れ様でした。
D-XXX-3: [唸り声]
不条博士: D-XXX-3?どうしましたか?
D-XXX-3: おれ、おれは![暴れる]
不条博士: 落ち着いてください!
D-XXX-3: [唸り声]おれは怪獣、レプダイラスだ!オメガマンはどこだ!オメガマンを出せ!
不条博士: 落ち着いてください!
D-XXX-3: [咆哮]
[D-XXX-3の存在する部屋にあらかじめ設置していた催眠ガスを噴出させる。]
D-XXX-3: [うめき声を上げ、倒れる]
不条博士: [ため息]インタビューを終了します。
<記録終了>:
補足: このインタビュー以降、変化途中のSCP-XXX-JP-1へ「怪獣」、「レプダイラス」以外の呼称を用いることは禁止されています。
追記: 変化が完了した5体のSCP-XXX-JP-1全てが消失する事態が発生しました。SCP-XXX-JP-1の収容室に何者かが何らかの手段を用いて侵入し、SCP-XXX-JP-1を消失させたということがその場に居合わせた担当職員の報告から判明していますが、その際何故か監視カメラ等の全ての電子機器に不調が発生しており、何が発生したかは完全に把握してきれていません。SCP-XXX-JP-1の収容室には1枚の手紙と叫び声のような音を発するピンク色の布のような物体が落ちていました。以下の内容は手紙に記されていたものです。
この度は我々の台本をご使用していただき、誠にありがとうございました。
あなた方のような同業者がいるということはこちらとしても嬉しいことです。
流石に成長しきるまでのお世話までしていただくのは心苦しく感じますので、4世代のレプダイラス、改造レプダイラスは有難く頂戴させていただきます。全てのレプダイラスが成体になった暁にはぜひ皆さんにお披露目させていただく所存です。
調べさせていただきましたところ、そちらにも良質な怪獣が何体かいらっしゃる様子ですね。いつか怪獣の提供をお願いするかもしれませんが、その際はぜひよろしくお願い致します。こちらとしても撮影協力はいつでも受け付けておりますので。
お礼と言っては何ですが、私の母星、ディシ星の特産物のュワャニャを置いていきます。どうぞ皆さんでお召し上がりください。
プロダクション谷円ヤツブラ 造形担当 ドクィ
調査の結果、「プロダクション谷円」に該当する団体、ディシ星という惑星は存在が確認されておらず、更なる調査が予定されています。
侵入してきた対象を目撃した職員は、対象は「全身に眼球が存在し、浮遊するタコのような生物」であったと報告しています。
尊い命に感謝していただきます
クレジット
タイトル: SCP-XXX-JP -
著者: ©︎
bamboon
作成年: 2019
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP
説明: SCP-XXX-JPはブタ(Sus scrofa domesticus)です。SCP-XXX-JPは不定期に日本国内のランダムな小学校の校庭に木製の飼育小屋と共に出現します。対象となった小学校の生徒や教師はSCP-XXX-JPを見るとSCP-XXX-JPのことを「6年2組で育てている豚」だと認識します。SCP-XXX-JPが出現すると、6年2組の生徒、担任の教師は「このブタは4月に担任が連れて来た」「このブタは最後にクラスのみんなで食べることが目的だと伝えられている」等の記憶を共有します。
SCP-XXX-JPは非常に人懐っこい性格をしており、自身を撫でるよう促すような体勢を取る等の行動を頻繁に行います。また、SCP-XXX-JPは一般的なブタよりも比較的に高い知能を持っていると考えられており、こちらの言葉をある程度理解しているような行動を取ります。
死んだら負けなので死なせません
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは
説明: SCP-XXX-JPは宮城県に存在する███高等学校で発生している現象です。SCP-XXX-JPは███高等学校で「いじめ」を受けている人物(以降SCP-XXX-JP‐1と表記)が自殺をした際に異常性を発現します。SCP-XXX-JP-1が自殺によって死亡すると、SCP-XXX-JP-1が自殺によって負った傷などが完全に治癒され、生前と変わらぬ外見となります。大半のSCP-XXX-JP-1はこの現象に困惑しつつも即座に、または数日後に再び自殺を試みます。この現象の回数に制限はないと考えられており、これまでSCP-XXX-JP-1の自殺時に発生しなかった事象は確認されていません。
SCP-XXX-JP-1が1回目の自殺を終えると、SCP-XXX-JP-1をいじめていた人物、それが行われていたことを知っていた人物(以降SCP-XXX-JP-2と表記)の認識に異常が発生し、SCP-XXX-JP-2は自殺と死を結び付けて考えることができなくなります。SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1の自殺を目撃、または知覚しても動揺などの態度は見せず、笑う、罵倒するなどの反応を示します。この認識の異常はいかなる手段を用いても除去することができません。また、SCP-XXX-JP-1にはこのような認識の異常は発生しないため、さらに困惑を深めるなどの結果を招きます。
SCP-XXX-JPは初めて自殺を行ったSCP-XXX-JP-1が警察に通報したことによりその存在が確認されました。通報当初はいたずら電話ではないかとの疑いが持たれましたが、現場である校舎裏に飛散していた大量の血液、脳髄が通報したSCP-XXX-JP-1のDNAと一致したため、その異常性が認められ、調査が開始されました。SCP-XXX-JP-1が自殺を行った際、校舎には校長をはじめとする6名の教師が滞在していました。このうちの4名がSCP-XXX-JP-1の自殺を目撃していることが監視カメラの映像から確認されたため、記憶処理を施そうとしたところ、この4人全員がSCP-XXX-JP-1の自殺に対して興味を抱いておらず、それを馬鹿にするような態度を取っていたため、さらなる異常性が存在するのではないかと調査を進めたところ、SCP-XXX-JP-2の存在が判明しました。
死人に口だらけ
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは
説明: SCP-XXX-JPは全身に口腔のような器官を持つ身長165㎝のモンゴロイド系の男性の死体です。SCP-XXX-JPは両手で顔の全体を覆ったような状態で硬直しており、顔から両手を引き離す試みはすべて失敗しています。前述したSCP-XXX-JPの持つ口腔のような器官(以降SCP-XXX-JP‐1と表記)は発声することが可能ですが、声帯のような器官は存在せず、どのような原理で発声を可能としているのかは不明です。
SCP-XXX-JPの異常性は自身を中心とした直径50m以内で生物が死亡した際に発現します。対象の生物が死亡してから約5分が経過すると、SCP-XXX-JPの体のランダムな位置に対象の生物のものと酷似したSCP-XXX-JP-1が出現します。SCP-XXX-JPの体には人間のものだけでなく、爬虫類や昆虫類のようなSCP-XXX-JP-1も存在しています。人間の口腔のようなSCP-XXX-JP-1は出現してから絶えず人名、数字、死因を発言し続けます。これは対象となった人物のものと一致しています。人間以外の生物の口腔のようなSCP-XXX-JP-1は絶えず対象となった生物のような鳴き声を上げ続けます。
DVです
アイテム番号: SCP-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Jはその性質上完全な収容は不可能です。そのためSCP-XXX-JP-J-1に対しての封じ込めが行われます。
SCP-XXX-JP-J-1にはオブジェクトに対する財団の対応を知られないよう情報を遮断してください。もし知られてしまった場合は、対応を改める等し、SCP-XXX-JP-J-1をなだめてください。
説明: SCP-XXX-JP-Jは「財団は完璧である」という思考です。SCP-XXX-JP-Jは財団の存在を認知している人物に表れ、財団職員のみならず、その影響は要注意団体等にも及びます。(以降影響を受けた人物をSCP-XXX-JP-J-1と表記)
SCP-XXX-JP-J-1は財団の対応等に不備や見落としを発見すると、それに対して不満を抱き、激しく批判します。その批判の内容は主に「自身の持つ解釈と違う」のようなものです。批判は批判されている対応を財団が改め、そしてそれに満足するまで続行され、これは大変な労力を要します。
インタビュー記録XXX-JP-J
付記: インタビュー対象であるディーブ博士はSCP-XXX-JP-J-1です。
<記録開始>
不条博士: それではインタビューを開始します。
ディーブ博士: はい。
不条博士: まずはあなたが不満を持っている、SCP-███-JPの特別収容プロトコルについてですが、どのような点が不満なのでしょうか?
ディーブ博士: まあ、全部ですかね。
不条博士: 全部ですか。
ディーブ博士: ええ、収容に要する人数も必要なコストも全てダメです。もっと改善できると思いますよ。
不条博士: ですが、あの特別収容プロトコルは上層部で時間をかけて考案されたものです。あれが最善かと思われますが…..。
ディーブ博士: 甘い!そんなんでいいんですか?本当に?がっかりですよ。
不条博士: がっかりとは?
ディーブ博士: 財団は世界最高峰の頭脳を持つ人達が集結した団体なのではないのですか?あんなお粗末なもの、財団に相応しくないですよ!
不条博士: ですが…..。
ディーブ博士: 言い訳をするな!だいたいあの特別収容プロトコルはSCP-███のものとそっくりではないですか!本家のものを参考にすればいいという訳ではありませんよ!その記事独自の、日本支部ならではの…..
不条博士: うるさい!
ディーブ博士: うるさいとはなんだ!こっちは親切心で…..
不条博士: 黙って聞いてればいい気になりやがって!財団は完璧?失敗しない?そんな訳あるか!基本的にはみんな人間だから失敗することもあるわ!それなのにお前らはちょっとしたミスを見つけては「財団が無能」だの「面白くない」だの!うるせえ!ほっとけ!こっちだって完璧に書けるんだったら書いてるわ!散々推敲して人からアドバイス貰って書いてるんだよ!おい、お前だよお前!
[天井を指さす]
不条博士: そこのお前に言ってんだよ!だいたいなんだよお前!何が「ヘッドカ[突如入室してきたサイト管理者に口を塞がれる]
サイト管理者: それは!それ以上はまずい!やめて!
ディーブ博士: …..なんかすみません。
不条博士: [口を塞がれたまま部屋から出ていく]
<記録終了>
このインタビュー後、不条博士にこれらの発言の意図等について質問すると、「こんなことを言った記憶はない」と回答しました。また、サイト管理者も同様に「気づいたらあそこにいた。記憶はない。」と回答しており、SCP-XXX-JP-Jには財団が把握していない異常性があると考えられています。
ここまで
書く気があるやつ
SCP-XXX-JP-A、または似た個体を描いたと思われるもの
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはそれぞれ個体ごとの大きさに見合った収容室に収容されます。SCP-XXX-JPが暴れだした場合、読経や御札等を用いて沈静化してください。
説明: SCP-XXX-JPは異常生物群の総称です。SCP-XXX-JPの全ての個体の外見は日本の伝承である「妖怪」に酷似しています。SCP-XXX-JPは自身が行った一般的に「悪」とされる行為を最も近い位置に存在していた人間が行ったものである周囲の人間の認識を改変します。この際認識が改変されないのはSCP-XXX-JP、対象となった人間のみです。この認識改変はSCP-XXX-JPの異常性を認知することで回避が可能です。SCP-XXX-JPはこれを利用し認識の改変を防いでいると考えられています。SCP-XXX-JPには戦闘能力の高い個体、戦闘の意思を示さない個体等、様々な個体が存在します。全てのSCP-XXX-JP個体は読経や御札等に怯むという共通点を持ちます。
SCP-XXX-JPは2018年12月31日の深夜に福岡県福岡市に出現しました。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JPを目撃した住民からの「おかしな仮装をした集団が歩き回っている」という通報からその存在を確認されました。この通報を受け財団は直ちに機動部隊い-1("陰陽師")を派遣し、SCP-XXX-JPの収容を図りましたが、SCP-XXX-JPの異常性により機動部隊はSCP-XXX-JPの発生の原因は周囲に存在する一般市民だと認識してしまい、SCP-XXX-JPの収容作戦は難航しました。しかし、捕えられた一般市民全てが自分のせいではないと否定を続けたため、これはSCP-XXX-JPの異常性によるものではないかと仮説が立てられました。その後SCP-XXX-JPは消失したため機動部隊は撤退し、隊員全員にSCP-XXX-JPの異常性の仮説、一般市民には危害を加えないよう伝えました。翌日の同時刻にSCP-XXX-JPが再び出現し、再度収容作戦が行われました。その結果、ほとんどの隊員はSCP-XXX-JPの影響を受けず、その後3名の死傷者を出すも全てのSCP-XXX-JPの収容に成功しました。その後、SCP-XXX-JPにはリーダー格である個体が存在していることが判明し、この個体はSCP-XXX-JP-Aと指定されました。
インタビュー記録XXX-JP-1
実施日時: 2019/01/02
<記録開始>
鳥山博士: それではインタビューを開始します。
SCP-XXX-JP-A: [黙って頷く]
鳥山博士: まず、あの時周りに起こっていたことはあなた方によるものだということでよろしいでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: うむ。
鳥山博士: では、何故あのようなことを?
SCP-XXX-JP-A: 何故…..?何故だと?貴様ら人間がそれを言うか。
鳥山博士: 我々が何かしたのでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: 貴様…..まあよい、所詮は愚かな人間のことだ。自分達が犯した罪の重さすら理解出来なくとも無理はないか。
鳥山博士: 教えてはいただけないでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: [鼻を鳴らす]自分で考えるんだな。
鳥山博士: そうですか、では、あなた方のその力は先天的なものですか?それとも後天的なものでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: 後に習得した術だ。
鳥山博士: どのように習得したのか、それを教えていただけませんか?
SCP-XXX-JP-A: 人間には到底耐えることのできぬ、過酷な修行の末に手に入れたものだ。教えても無駄だろうさ。
鳥山博士: そうですか…..では話す気になったらぜひよろしくお願いします。
SCP-XXX-JP-A: [無視する]
鳥山博士: あ、そうだ。お名前などはありますでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: 名か。ぬらりひょんだ。
鳥山博士: ぬらりひょんですか。
SCP-XXX-JP-A: うむ。我こそ妖怪の総大将、ぬらりひょんである。
鳥山博士: 了解しました。ではインタビューを終了します。
<記録終了>
このインタビュー終了後、SCP-XXX-JP-Aが部屋の中で記録を行っていた2名の職員に襲い掛かりました。即座にその場にいた職員全員によって取り押さえられたため、2名の職員に怪我はありませんでした。SCP-XXX-JP-Aはこの行動の理由を「馬鹿にされた」からだと供述していますが、2名の職員はゲームの話をしていただけだと報告しており、それは鳥山博士も確認しています。SCP-XXX-JP-Aは理由をでっち上げて職員に襲い掛かったことから、より厳重な収容体制が取られました。
インタビュー記録XXX-JP-2
付記: このインタビューはSCP-XXX-JP-AがSCP-XXX-JPが発生した理由を供述する意向を示したため行われました。前回の事案を考慮し、SCP-XXX-JP-Aは椅子に拘束された状態でインタビューが行われました。
<記録開始>
鳥山博士: それではインタビューを開始します。
SCP-XXX-JP-A: ああ。
鳥山博士: 理由を話していただけるそうですが、何かありましたか?
SCP-XXX-JP-A: そういう訳では無い。話してやろう。だが、こちらにも要求がある。
鳥山博士: 何でしょうか?
SCP-XXX-JP-A: あの2人に、自分の発言について我に謝罪をさせろ。
鳥山博士: 謝罪?あの2人はゲームの話をしていただけでは?何故謝罪の必要が?
SCP-XXX-JP-A: いいから!謝罪をさせろと言っておるのだ![声を荒らげる]
鳥山博士: …..了解しました。
SCP-XXX-JP-A: なら良いのだ。[息を切らす]
鳥山博士: では理由を話していただけますでしょうか。
SCP-XXX-JP-A: ああ。この話は貴様らがこの世に生れ落ちる前にまで遡る。貴様も大昔妖怪が悪事を働いていたことは知っているな?
鳥山博士: 妖怪…..はい。
SCP-XXX-JP-A: あれは妖怪のごく一部のみが行っていたことだ。我々のような大人しい妖怪は人目を忍びひっそりと暮らしていた。だが…..だが人間共はそれすら許してはくれなかった。
鳥山博士: というと?
SCP-XXX-JP-A: 日常で起こる自分達にとって不利益なことを我々妖怪のせいにしだしたのだ。確かに悪事を働く仲間もいた!だが、大人しく暮らしていた我々まで悪事を働く妖怪とするとは何事か!
鳥山博士: つまり、あなた方は何もしていないのに人々の憎悪の対象になってしまったと?
SCP-XXX-JP-A: そうだ。だか、幸いにも退治されるのは大それた悪事を働く妖怪ばかり。我々は何とか難を逃れていた。
SCP-XXX-JP-A: そして我々は、これはしょうがない、人間共は弱い存在だから、と割り切るようになっていた。…..そうでもしなければやっていれなかった。自分達を納得させようとしていたのだ。
鳥山博士: …….はい。
SCP-XXX-JP-A: だがそんな日々も突然終わりを告げる。この日本が近代化を遂げることで我々妖怪の存在は非科学的であると断定され、妖怪は伝承となった。
鳥山博士: 今度は存在そのものを消されてしまったのですか。
SCP-XXX-JP-A: ああ。だが、それは良かった。元々妖怪というのは平穏を好む。存在が抹消されるということは、つまりもう干渉されないという事だ。
鳥山博士: なるほど…..。
SCP-XXX-JP-A: だが、またしても人間共は我々を陥れたのだ。
鳥山博士: え?再び我々はあなた方を迫害し始めたと?
SCP-XXX-JP-A: …..やはり分かっていないのか。
鳥山博士: はい、申し訳ありません。
SCP-XXX-JP-A: 忘れもしない…..2013年、7月11日のことだ。
鳥山博士: ……その日に何かありましたでしょうか?私の記憶では思い当たらないのですが…..。
SCP-XXX-JP-A: その日、妖怪うおつちなるものが現れた。
鳥山博士: 妖怪うおつち…..?
SCP-XXX-JP-A: あれはまるで流行病のように広まり、童達は皆あれに勤しんだ!再び全てを妖怪のせいにしだしたのだ。何が「妖怪のせいなのね」だ!巫山戯るな!
鳥山博士: あっ、妖怪ウォッチのことですか。
SCP-XXX-JP-A: 一度我々の存在を忘れたのではないかと期待させておいて、再び我々をどん底に突き落とす、これが人間のやることか!我々は人間共を深く憎んだ。昔とは比べ物にならぬ程にな。
鳥山博士: それで修行を始めたと?
SCP-XXX-JP-A: うむ。山奥の人間共が立ち入らぬ場所に結界を張り、人間共を憎む仲間を集めて修行を行った。それはそれは厳しく辛いものだった。だか、皆人間共に一泡吹かせてやると誰一人諦めることは無かった。今度は我々が人間のせいにしてやる番だ、とな。
鳥山博士: 修行はいつ頃終わったのでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: 2018年の12月上旬頃だ。その頃には全員が術を習得した。そして、それは大晦日に決行されたのだ。
鳥山博士: 作戦は失敗に終わってしまいましたが、再び決行するつもりはあるのでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: は?失敗?作戦は概ね成功したぞ?
鳥山博士: え?でもあなた方の全員が我々に捕まってしまいましたが。
SCP-XXX-JP-A: よいか?貴様らは31日に我々を逃したな?
鳥山博士: はい。
SCP-XXX-JP-A: あれは何故だと思う?我々はもう少し暴れることができたのではないか、とは思わんか?
鳥山博士: 確かに…..何故でしょうか?
SCP-XXX-JP-A: 確認だ。
鳥山博士: 確認?
SCP-XXX-JP-A: 妖怪うおつちとやらを作った「れべるふあいぶ」なる者達が存在するのがあの地であることは確認済みだ。残念なことに発見には至らなかったが。
鳥山博士: つまり?
SCP-XXX-JP-A: 我々はあの後、童達のいる家を覗いて回った。するとどうだ!誰も妖怪うおつちで遊んでおらぬ!我々の恐怖が、人々に妖怪うおつちをさせなくしたのだ!これを成功と言わずなんと言う!
鳥山博士: あの…..
SCP-XXX-JP-A: ん?何だ?
鳥山博士: その、妖怪ウォッチですが。
SCP-XXX-JP-A: ああ。
鳥山博士: もう、ブームは終わっていまして…..。
SCP-XXX-JP-A: …..えっ。
鳥山博士: もう遊んでいる人はかなり少ないかと…..。
SCP-XXX-JP-A: えっ。
鳥山博士: はい。
SCP-XXX-JP-A: [言葉を失う]
鳥山博士: あー…..それでは、インタビューを終了します…..。
SCP-XXX-JP-A: はい。
<記録終了>
その後、SCP-XXX-JPの全個体はやる気を失ったような状態となり、財団の収容にも抵抗しなくなりました。このことからSCP-XXX-JPの脅威度は低下したとして、オブジェクトクラスがSafeに変更されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは低危険度物品保管ロッカーに収容されます。SCP-XXX-JPにはシートを掛け、SCP-XXX-JPを直接視認できないようにしてください。SCP-XXX-JPを用いた実験はレベル3以上の職員の許可の元で行ってください。
全てのSCP-XXX-JP-1はサイト-81██に収容されます。サイト-81██の外壁には防音性に優れたものが使用され、月に1回メンテナンスが行われます。
説明: SCP-XXX-JPはA2サイズの厚紙にプリントされた目覚まし時計とニワトリ(Gallus gallus domesticus)の画像です。
SCP-XXX-JPを直接視認した生物(以降SCP-XXX-JP-1)は、午前3時になると「今はニワトリが鳴くべき時間だが、ニワトリは寝坊してしまっているので、代わりに自分が鳴かなければならない」と認識するようになり、ニワトリの鳴き声を真似た声を出すようになります。この異常性はいかなる手段を用いても除去は不可能です。また、SCP-XXX-JP-1のこの声を聞いた生物もSCP-XXX-JP-1と同様の異常性を持つようになります。
補遺: SCP-XXX-JPの影響により、サイト-81██の職員の約7割がSCP-XXX-JP-1となりました。そのため、SCP-XXX-JP-1ではない職員はサイト-81██からの退去を余儀なくされました。その後、全てのSCP-XXX-JP-1はサイト-81██に移送されることが決定しました。SCP-XXX-JP-1達の報告から、サイト-81██に所属する全員が非常に規則正しい生活を送っており、業務効率が4割ほど上昇したことが判明しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは10m×10m×10mの収容室に収容されます。収容室は常時監視カメラによって監視され、SCP-XXX-JPが活性状態となった場合、収容室に誰も入室させないよう封鎖してください。SCP-XXX-JPの収容室への入室は必要でない限り禁止されています。
SCP-XXX-JP-1は3m×3m×3mの収容室に1体ずつ収容されます。SCP-XXX-JP-1が暴れだした場合は、Dクラス職員を用いて収容室内に建築物のミニチュアを設置し、沈静化してください。それでも沈静化しなかった場合、眼球へ注射による麻酔薬の投与が行われます。
説明: SCP-XXX-JPは測定不能な枚数のB5用紙をホチキスで止めたものです。表紙にはマジックペンで「オメガマン」と書かれています。SCP-XXX-JPは基本的には非活性状態にあり、この状態では表紙以降の用紙には何も書かれていませんが、不定期に活性状態となり発光し、表紙以降の用紙に文章が書き込まれます。その後、活性状態のSCP-XXX-JPを中心とした直径10mの円の内部に存在している人間(以降SCP-XXX-JP-1と表記)の手元に転移し、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを開いて内容を読んでいるような姿勢になります。その後SCP-XXX-JP、SCP-XXX-JP-1はその場から消失しますが、24時間が経過すると再びその場に出現します。SCP-XXX-JP-1の証言から、ミニチュアの街のような場所に転移していること、そしてその場には複数の人型実体が存在していることが判明しています。
転移後、SCP-XXX-JP-1は他の人型実体から「監督」と呼ばれている人型実体の指示の元、怪獣の着ぐるみを着用されられ、怪獣としての演技指導を受けます。そして監督がSCP-XXX-JP-1の演技に満足すると、「オメガマン」と呼ばれる人型実体との戦闘を行う演技が開始されます。これはほとんどSCP-XXX-JP-1が倒されることによって終了します。この演技が終了すると、監督はSCP-XXX-JP-1に対して労いの言葉をかけます。その後SCP-XXX-JP、SCP-XXX-JP-1は消失前に存在していた位置に再び出現します。この際SCP-XXX-JPは再び非活性状態となり、表紙以降の用紙に書き込まれた内容は消失します。
この後、SCP-XXX-JP-1は食事、睡眠を必要としなくなり、怪獣に関する思考、行動を継続的に行うようになります。これは時間が経過するほど強いものとなり、最終的には身体にまで影響を及ぼすようになります。以下の図は解放からの時間の経過による影響をまとめたものです。
1~3ヶ月 |
常に怪獣に関することを考えるようになり、どう行動すればより怪獣らしいか等を模索します。 |
4~6ヶ月 |
徐々に人間としての言葉を忘れ始め、代わりに唸り声、咆哮等を上げるようになります。 |
7~10ヶ月 |
眼球が爬虫類のように変化、犬歯の異常な成長、皮膚の硬質化等が発生します。 |
11~12ヶ月(ここで変化は終了) |
複数の爬虫類の特徴を併せ持ったような姿となります。牙の有無や、尻尾の長さが他個体より短い場合、体の一部が機械化された個体の存在等、それぞれ微妙に異なる点を持ちます。 |
インタビュー記録XXX-JP
付記: インタビューの対象であるD-XXX-3はSCP-XXX-JP内部から解放されてから約5ヶ月が経過しており、SCP-XXX-JPによる影響を受けている。
<記録開始>
不条博士: インタビューを開始します。
D-XXX-1: [唸り声]
不条博士: ……話せますか?
D-XXX-1: あ……ああ。はなせ……る。
不条博士: 言葉を発するのは難しくなっていますか?
D-XXX-1: [頷く]ほえ……たりするほ、が、らく。
不条博士: なるほど。では、その目はどうですか?何か見え方が変わったりはしましたか?
D-XXX-1: まえと……いろ、が、ちがう。でも、も……なれて、きた。
不条博士: そうですか、では、SCP-XXX-JP、あの書類には何が書かれていたのか教えていただけないでしょうか。
D-XXX-1: ……台本、のこと?
不条博士: 台本、あれは台本なのですか。
D-XXX-1: ん。
不条博士: なるほど、では内容は?
D-XXX-1: いえない。
不条博士: 言えない?何故ですか?
D-XXX-1: ネタバレ、は、だめ。しちょ、しゃのみんな、たのしみにしてる。
不条博士: 視聴者……?そうですか、どうしても言えませんか?
D-XXX-1: う、いえない。ぜったい。
不条博士: ……分かりました。もし我々に言う気になったらその時はよろしくお願いします。では、体に不調等は[D-XXX-3の咆哮に遮られる]
D-XXX-1: [4秒間沈黙]あ、ごめ、我慢、できなく…….。
不条博士: いえ、構いませんよ。少し驚きましたが。では改めて、体に不調等はありますか?
D-XXX-1: ん。だいじょぶ。
不条博士: それは良かった。ではインタビューを終了します。D-XXX-1、お疲れ様でした。
D-XXX-1: [唸り声]
不条博士: D-XXX-1?どうしましたか?
D-XXX-1: [不条博士に掴みかかる]おれ、おれは!
不条博士: 落ち着いてください!
D-XXX-1: [唸り声]おれは怪獣、トカゲラスだ!オメガマンはどこだ!オメガマンを出せ!
不条博士: 落ち着いてください!
D-XXX-1: [咆哮]
[職員3名が入室、D-XXX-1の硬質化していない部分の皮膚から麻酔薬を投与]
**D-XXX-1: ** [うめき声を上げ、倒れる]
不条博士: [ため息]インタビューを終了します。
<記録終了>:
このインタビュー以降、変化途中のSCP-XXX-JP-1へ「怪獣」、「トカゲラス」、以外の呼称を用いることは禁止されています。
追記: 変化が完了した5体のSCP-XXX-JP-1全てが消失する事態が発生しました。SCP-XXX-JP-1の収容室に何者かが何らかの手段を用いて侵入し、SCP-XXX-JP-1を消失させたということがその場に居合わせた担当職員の報告から判明していますが、その際何故か監視カメラ等の全ての電子機器に不調が発生しており、何が発生したかは完全に把握してきれていません。SCP-XXX-JP-1の収容室には1枚の手紙が落ちていました。その内容はこのようなものでした。
この度は我々の台本をご使用していただき、誠にありがとうございました。
あなた方のような同業者がいるということはこちらとしても嬉しいことです。
流石に成長しきるまでのお世話までしていただくのは心苦しく感じますので、もう4世代のトカゲラス、改造トカゲラスは有難く頂戴させていただきます。
調べさせていただきましたところ、そちらにも良質な怪獣が何体かいらっしゃる様子ですね。いつか怪獣の提供をお願いするかもしれませんが、その際はぜひよろしくお願い致します。こちらとしても撮影協力はいつでも受け付けておりますので。
プロダクション谷円ヤツブラ 造形担当 テレス
調査の結果、「プロダクション谷円」に該当する団体は存在しないことが判明しており、更なる調査が予定されています。
以下のイラストは侵入してきた対象を目撃した職員がそれを描いたものです。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは5m×5m×5mの収容室に収容されます。担当職員以外が収容室に入室することは許可されておらず、担当職員も必要が無い場合は入室してはいけません。現在SCP-XXX-JPを用いた実験は禁止されています。担当職員が収容室に入室する場合、十分なカウンセリング、身体検査を受け、問題がないことを確認してから入室してください。
SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度収容ロッカーに保管してください。SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際はレベル3以上の職員の承認が必要です。
説明: SCP-XXX-JPは度無しのレンズがはめ込まれた黒いフレームの眼鏡です。
SCP-XXX-JPは自身を中心とする直径約5mの円の内部に身体的、物理的な要因により不快感を覚えている人物(以降SCP-XXX-JP-1と表記)が侵入してくると、その人物の元に転移します。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPが転移してくると、SCP-XXX-JPを着用したいという衝動に駆られます。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを着用している間、自分ではない人物の視界を獲得することができます。この視界の持ち主の行動は共通して人間を殺害することであり、殺害方法、殺害現場は毎回変化します。SCP-XXX-JP-1がSCP-XXX-JPを外すと、この視界は失われます。再び着用してもSCP-XXX-JP-1がこの視界を獲得することはできません。これまでにSCP-XXX-JP-1から報告された殺害現場の様子などを元にそのような殺人事件があったかどうかなどの調査が行われていますが、該当する事件の発生は確認されていません。
SCP-XXX-JPを着用した後のSCP-XXX-JP-1は総じてポジティブな思考を持つようになります。以前であればショックを受けるようなことが発生してもポジティブな状態を保ちます。他者に対しても非常に好意的な行動を取ります。さらに自身の様々な能力を向上させるために努力をする傾向も見られ、全てのSCP-XXX-JP-1には何かしらの能力の向上が見られます。
SCP-XXX-JPは██県██町で「友人が落ちていた眼鏡をかけた後に様子がおかしくなった」という警察への通報により警察署内に潜伏していたエージェントの興味を引き、その後現場に向かったエージェントにより確保されましたが、その後SCP-XXX-JPの効果範囲内に侵入してきた男性の元へ転移、男性はこれを着用しました。約4分後男性はSCP-XXX-JPを外したため、SCP-XXX-JPは即座に確保、収容されました。その後の調査により一方の男性は鬱病であり、もう一方の男性は直前に財布が盗まれていたことが判明しました。
これらの結果を受け、SCP-XXX-JPは身体的、物理的に不利な状態にある人物の元に転移するのではないかと仮定され、実験が行われました。
実験記録XXX-JP-1
日付: 20██/10/28
被験者: D-8456
実施方法: D-8456をSCP-XXX-JPに最も近い位置に配置し、指の骨を折る。
結果: SCP-XXX-JPは問題なくD-8456の元に転移した。
報告された殺害方法: 鈍器による撲殺。
実験記録XXX-JP-2
日付: 20██/10/31
被験者: D-3621
実施方法: D-3621をSCP-XXX-JPに最も近い位置に配置し、D-3621が大切にしているコップを破壊する。
結果: SCP-XXX-JPは問題なくD-3621の元に転移した。
報告された殺害方法: ロープを用いた絞殺。
実験記録XXX-JP-5
日付: 20██/11/03
被験者: D-5030
実施方法: D-5030をSCP-XXX-JPから最も近い位置に配置し、D-5030が不要だと報告した本を破る。
結果: SCP-XXX-JPは転移しなかった。
実験記録XXX-JP-7
日付: 20██/11/08
被験者: D-1028
実施方法: D-1028に目隠しをして、SCP-XXX-JPに最も近い位置に配置し、D-1028が大切にしている写真立てを破壊する。
結果: SCP-XXX-JPは転移しなかった。
これらの結果からSCP-XXX-JPが転移する条件にはSCP-XXX-JP-1が不快感を覚えていることが含まれると判明し、特別収容プロトコルが改定されました。
インタビュー記録XXX-JP
付記: D-8456は最初にSCP-XXX-JPの収容を担当した職員です。また、SCP-XXX-JP-1の中でも最も著しく忠誠度が上昇しており、様々な功績を上げています。
<記録開始>
██博士: それではインタビューを開始します。
D-8456: よろしくお願いします。
██博士: お久しぶりですね、D-8456。あなたのご活躍は耳にしていますよ。
D-8456: ありがとうございます。これからも皆さんのために頑張りたいと思います。
██博士: 随分と言葉遣いが丁寧になりましたね。見違えるようです。
D-8456: (笑い声)ありがとうございます。そろそろ本題に入られてはどうですか?
██博士: おっと、そうですね。では、あなたはSCP-XXX-JPで何を見たんですか?改めて報告をお願いします。
D-8456: はい。男性が、殴り殺される様子が見えました。
██博士: それを見て、あなたはどう思いましたか?
D-8456: (10秒間沈黙)
██博士: どうしましたか?
D-8456: ……はい。言ってもいいのか分かりませんが……
██博士: どうぞ。
D-8456: こいつは自分よりも下だな、と思いました。
██博士: ……というと?
D-8456: 私はあの時いつ自分が死ぬのか、といつも不安に思っていました。そんな時です。あの眼鏡の収容を担当したのは。殺されると思いました。指の骨を折られて、ああ、私はここで殺されるんだ、と思いました。そしたらあの眼鏡が私の元に。
██博士: なるほど……
D-8456: 眼鏡をかけて、あれを見て思いました。私は生きている。こいつは今殺されている。ああ、自分よりも下だ。自分は恵まれている、と思ったんです。
██博士: 殺される男性を見てかわいそうなどとは感じませんでしたか?
D-8456: ……全く感じませんでした。
██博士: なるほど……では、その女性は実際に殺されているのか、それは分かりますか?
D-8456: ……はい。実際に殺されていると思います。
██博士: なぜそう思うのですか?
D-8456: 分かりません……ですが、なんだかそんな感じがするんです。
██博士: ……そうですか。
D-8456: お願いします。今はそんなこと思っていません。あの時はどうかしていたんてす。見捨てないでください。
██博士: 大丈夫です。あなたは頑張っている。それはみんな知っています。落ち着いてください。
D-8456: そうですよね。良かった。
██博士: 大丈夫ですか?どうしましたか?
D-8456: そう、今はそんなこと思っていないんです。
██博士: と、いいますと?
D-8456: 私は仕事柄、いつ死んでもおかしくないと思うんです。
██博士: …..まあ、危険な仕事ですので。
D-8456: 私もあいつと同じなんじゃないか。ただ少しあいつより長く生きれるだけで、あいつよりも酷い死に方をするんじゃないかって!たまに思うんです!どうすればいい?どうすればいいんでしょうか!(息を切らす)
██博士: 落ち着いてください!そんなことはありません!事実あなたは今まで上手くやってきたではないですか。大丈夫です。落ち着いてください。
D-8456: そうですね。ありがとうございます。
██博士: 落ち着いたようで良かったです。
D-8456: 私、これからも頑張ります!よろしくお願いします!
██博士: はい、頑張ってください。では、インタビューを終了します。
<記録終了>
他のSCP-XXX-JP-1にも同様のインタビューを行った結果、D-8456と同様の回答をしました。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1の価値観を一時的に変質させると考えられていますが、D-8456の事例の様に更なる精神の変質が発生する可能性から、SCP-XXX-1の精神状態には十分注意し、異常が生じた場合は竹林博士に報告してください。
追記: D-8456にSCP-XXX-JPを着用させてから1年後、D-8456が自室で自殺している状態で発見されました。D-8456にはしばしば不安定な様子に確認されていましたが業務への支障はなかったため問題はないとされていました。D-8456は遺書を残していました。以下の文章は残されていた遺書です。
あんなふうになりたくなかった
だからがんばった
いつもえがおでしごともがんばった
でももうつかれた
もううそはつけない
D-8456の自殺から3日後、D-3621が自室で自殺している状態で発見されました。これもまたD-3621がSCP-XXX-JPを着用してから1年後に発生しています。その後もSCP-XXX-JPの実験に用いられたDクラス職員が実験から1年後に相次いで自殺をしました。このうちのいくつかはD-8456の遺書の内容と同様の内容のものを残していました。
このことからSCP-XXX-JPにはSCP-XXX-JP-1を自身を着用させてから1年後に自殺させる作用があると考えられています。そのためSCP-XXX-JPを用いたこれ以上の実験は禁止されましたが、SCP-XXX-JP-1となったDクラス職員の勤務態度の改善、任務の成功率の大幅な向上を踏まえ、難易度の高い任務が発生した時のみ勤務態度の悪いDクラス職員数名を選抜しSCP-XXX-JP-1とする、デリジェンス・プロトコルが制定されました。
1年後に自殺するというのを分かっていてこのデリジェンス・プロトコルを行うということに抵抗のある職員もいると思う。だが、すぐに死にかねない無能を1年間有効に生かすことができる。これは財団にとって非常に有益な事だ。どうか理解して欲しい。- ハマーシュタイン博士
SCP-XXX-JP-J-1に相手にされなかった██博士。
アイテム番号: SCP-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Moter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Jの影響は全世界に拡大しつつあります。これ以上の被害の拡大を防ぐため、SCP-XXX-JP-J-1を発見した場合は即座にSCP-XXX-JP-J-1の思考を否定してください。また、SCP-XXX-JP-Jに関する情報の報道規制なども怠らないようにしてください。
説明: SCP-XXX-JP-Jは感染性を持った「顔がよければ良い」、「内面よりも顔が重要」などといった危険思考です。SCP-XXX-JP-Jは主に曝露者(以降SCP-XXX-JP-J-1と表記)の恋愛に対する思考に影響を及ぼします。全てのSCP-XXX-JP-J-1は性格に対しては目を瞑り、顔のみを判断基準として恋愛対象を選択します。しかし、全てのSCP-XXX-JP-Jは「見た目よりも内面が大切」などという趣旨の発言を頻繁に行います。実際にはそのようなことを思っていないにも関わらずこの発言をするという矛盾は我々には理解できません。
SCP-XXX-JP-Jに関する情報を聞いた殆どの人物はSCP-XXX-JP-J-1として活動を開始します。ごく稀にSCP-XXX-JP-J-1とならない人物も存在しますが、原因は判明していません。
SCP-XXX-JP-Jの影響により、顔が平均より劣っている人物と恋愛関係に発展する人物が減少しており、それにより急激な少子化が発生しています。このままSCP-XXX-JP-Jが促進すると、地球上から人間が消えてしまう可能性があるため、SCP-XXX-JP-Jには完全破壊命令が出されています。モテたい
我々は絶対に負けてはいけない。SCP-XXX-JP-J-1に相手にされなくても気にしてはいけない。人間は中身だ。泣くな。中身が大切なんだ。- O5-█
これ以降何も考えてない
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが生息している一帯の土地は財団のフロント企業により買収し、民間人の立ち入りを禁止してください。SCP-XXX-JPには1日に2度給水を行ってください。SCP-XXX-JPに関する実験は重要度が低いため凍結されています。SCP-XXX-JPに実った果実は回収し、種子に直接触れないよう注意してください。
説明: SCP-XXX-JPは██県██山に生息する葉、根はセイヨウリンゴ(学名: Malus pumila)、幹はウンシュウミカン(学名: Citrus unshiu)の2種類の植物の性質を併せ持つ高さ約30mの樹木です。SCP-XXX-JPは複数の樹木が絡みついたような外見を持ち、セイヨウリンゴ、ウンシュウミカンの果実をどちらも実らせることが可能です。これらの果実は摂食者に覚的に非常に高く評価されました。赤い果肉を持ち、それぞれ同一の種子を持つ以外に一般的なセイヨウリンゴ、ウンシュウミカンの果実と差異はありません。また、これらの果実は同一の種子を持ちます。これを植えると、通常のセイヨウリンゴ、ウンシュウミカンのいずれかの樹木に成長します。
SCP-XXX-JPの種子を生物が直接触れると、種子がその生物の皮膚に沈み込むように内部に侵入します。この際皮膚に外傷は残りません。その後種子は発芽し、異常な速度で樹木へと成長します。この際触れた生物は痛みを伴いながら樹木の内部へと巻き込まれます。この際その生物が傷を負っていた場合その傷は完全に修復されます。また、生物を覆った植物は高い破壊耐性を持ち、内部に存在する生物を摘出することは不可能です。なお、樹木の内部に存在する生物は生命活動の続行が確認されていますが、意識はなく、あらゆる事象に対して反応を示しません。 追記1を参照してください。
20██年に何者かにより日本生類創研の研究施設の住所が報告され、機動部隊た-3("愛")が確認に向かいました。研究施設は存在しましたが、中には日本生類創研の研究員と思われる5名の死体が存在するのみで、生存している研究員は発見できませんでした。隊員が研究員のデスクを調査していたところ、1枚の手紙が発見されました。以下のものはその手紙の内容です。
財団諸君へ
この研究員たちは俺が殺した。事情を教えたいところだが、あいにく時間が無い。
この施設の裏口から少し行ったところにおかしな木が生えているはずだ。その木を収容、保護してほしい。頼む。それと、俺のデスクの奥に入っている種子には触らない方がいい。お前たちの安全を思ってのことだ。よろしく頼む。
この手紙の内容の通り、デスクの中から「医療用植物 ██様用」と書かれた袋に入ったSCP-XXX-JPの種子が発見され、裏口から5分程度歩いた場所にSCP-XXX-JPが発見されました。その間、隊員の1名が誤ってSCP-XXX-JPの種子に触れてしまい、樹木に取り込まれました。
実験記録XXX-JP-1
被験者: 実験用マウス
実施方法: 実験用マウスの体にSCP-XXX-JPの種子をピンセットを用いて接触させる。
結果: 即座に実験用マウスの体に種子が侵入し、約2秒後に発芽、成長し、実験用マウスは約20cmの樹木に覆い尽くされた。
実験記録XXX-JP-4
被験者: D-3658
実施方法: 身長1.4mのD-3658の体にSCP-XXX-JPの種子をピンセットを用いて接触させる。
結果: 即座にD-3658の体に種子が侵入し、約5秒後に発芽、成長し、D-3658は約2mの樹木に覆い尽くされた。
実験記録XXX-JP-6
被験者: D-8456
実施方法: 身長2.1mのD-8456の体にSCP-XXX-JPの種子をピンセットを用いて接触させる。
結果: 即座にD-8456の体に種子が侵入し、約12秒後に発芽、成長し、D-8456は約3mの樹木に覆い尽くされた。この際D-8456は痛みから倒れ込んだが、不自然な動きで立ち上がり、そのまま樹木に覆い尽くされた。
実験記録XXX-JP-8
被験者: D-1028、D-3765
実施方法: それぞれ身長1.7m、1.8mのD-1028、D-3765の体にSCP-XXX-JPの種子をピンセットを用いて接触させ、2人の体を密着させる。
結果: 即座にD-1028、D-3765の体に種子が侵入し、約8秒後に発芽、成長し、D-1028、D-3765は約2mの樹木に覆い尽くされた。その後、2つの樹木は絡み合うように成長を続行し、約4mに到達し、成長を終了した。
9回にわたる実験から、SCP-XXX-JPの種子は生物の大きさ、人数により発芽のスピードが変化するということが判明しました。また、実験XXX-JP-3の結果から、SCP-XXX-JPの種子は自身に触れた生物を最も樹木で覆うことに適した体制にするという強制力を持つのではないかと考えられています。これらの実験の終了後、SCP-XXX-JPのこれ以上の実験から得られるものはないと判断し、SCP-XXX-JPに関する実験は凍結されました。
追記1: 財団がSCP-XXX-JPを収容下においてから約半年後、SCP-XXX-JPの表皮に人間の男性の顔のような模様が浮かび上がりました。(以降SCP-XXX-JP-1と表記)SCP-XXX-JP-1は発声が可能であり、意思の疎通も可能です。以下の内容はSCP-XXX-JP-1に対して行ったインタビューの記録です。
インタビュー記録XXX-JP
<記録開始>
██博士: では、インタビューを開始します。
SCP-XXX-JP-1: 俺は木原だ。よろしく。
██博士: 私は██と申します。あなたが研究施設の場所を通報したのでしょうか?
SCP-XXX-JP-1: ああ。そうだよ。
██博士: 何故そのようなことを?
SCP-XXX-JP-1: 好きな女のためだよ。
██博士: 女……ですか。
SCP-XXX-JP-1: おう。お前らに発見されるのを邪魔されないために研究員たちも殺したよ。
██博士: 女…..ということはあなたの木の大きさから見てかなりの人数の女性がその中にいるのではないですか?
SCP-XXX-JP-1: [ニヤリと笑う]よく分かったな。そうだよ。
██博士: 何人ですか?
SCP-XXX-JP-1: 知らねえなあ。さらってきた数なんざ覚えちゃいねえや。
██博士: どこから誘拐を?
SCP-XXX-JP-1: [笑い声]当ててみろよ?
██博士: [10秒間沈黙]
SCP-XXX-JP-1: いやあなかなか抵抗されたよ。麻酔も結構使ったな。
██博士: 麻酔?そんなものを…….
SCP-XXX-JP-1: しょうがねえだろ?抵抗されたんだし。
██博士: 真っ当にお付き合いするという選択肢はなかったのですか?
SCP-XXX-JP-1: 言ったよ。親御さんに娘さんをくださいってな。そしたらあの野郎…….馬鹿にするなって怒鳴りつけた上にもう来るなと言いやがった。俺を馬鹿にしやがったんだ。
██博士: それで頭にきてさらったと?ではなぜそんな人数に?
SCP-XXX-JP-1: 俺はこいつらのことを愛してるからな。
██博士: そうですか……では、インタビューを終了……
SCP-XXX-JP-1: なあ。
██博士: はい?
SCP-XXX-JP-1: 子供の名前は林檎と蜜柑ってのはどうだろうか?
<記録終了>
財団は現在SCP-XXX-JP-1によって行われたと思われる誘拐事件について調査を進めていますが、被害者が未だ行方不明の誘拐事件はSCP-XXX-JP発見以前の約8ヶ月間発生しておらず、判明していません。財団はSCP-XXX-JP-1が事件の隠蔽工作を行ったと見て事情聴取、調査を進めています。
追記2: SCP-XXX-JP-1の出現から半年後、SCP-XXX-JPの表皮からアジアゾウ(Elephas maximus)、カバ(Hippopotamus amphibius)、ワニ(Crocodilia)に酷似した凹凸が発生しました。これは鳴き声を発しており、SCP-XXX-JP-1同様自我を持っていると考えられています。SCP-XXX-JP-1はこれらを「恋人」と称しています。この結果を受けSCP-XXX-JP発見地点周辺の動物園を調査したところ複数の動物が行方不明となる事件が発生していたことが判明しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは3m×3m×3mの収容室に収容されます。担当職員以外が収容室に入室することは許可されておらず、担当職員も必要が無い場合は入室してはいけません。現在SCP-XXX-JPを用いた実験は禁止されています。担当職員が収容室に入室する場合、十分なカウンセリングを受け、精神に問題がないことを確認してから入室してください。
SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度収容ロッカーに保管してください。SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際はレベル3以上の職員の承認が必要です。
説明: SCP-XXX-JPは度無しのレンズがはめ込まれた黒いフレームの眼鏡です。
SCP-XXX-JPは自身を中心とする半径約5mの円の内部に身体的、または物理的に不利なな状態にある人間(以降SCP-XXX-JP-1と表記)が存在していた場合、その人物の元に転移します。この転移は1日に1度可能です。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPが転移してくると、SCP-XXX-JPを着用したいという衝動に駆られます。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを着用している間、自分ではない人物の視界を共有することができます。共有した視界で確認出来る行動は共通して人間を殺害することであり、この殺害方法は毎回変化します。SCP-XXX-JP-1がSCP-XXX-JPを外すと、この視界の共有は失われます。再び着用してもSCP-XXX-JP-1がこの視界を共有することは出来ません。SCP-XXX-JPを着用した後のSCP-XXX-JP-1は総じてポジティブな思考を持つようになります。以前であればショックを受けるようなことが発生してもポジティブな状態を保ちます。他者に対しても非常に好意的な行動をとります。これらの異常性を踏まえて、財団は忠誠度の低い職員をSCP-XXX-JPの収容に用いることで、収容と同時に忠誠度の引き上げを行っています。 この試みは廃止されました。詳細は追記1、2を参照してください。
SCP-XXX-JPは██県██町で「眼鏡が不幸な人の元に瞬間移動してくる」という噂が流行したことにより潜伏していたエージェントの興味を引きました。20██/7/23にエージェントはSCP-XXX-JPが転移した民家に潜入し、SCP-XXX-JPの回収に成功しましたが、エージェントが潜伏先の隣の民家で火事が起こったことによりSCP-XXX-JPが転移し、噂の内容と同じ現象が発生したことからSCP-XXX-JPの転移先の条件が判明し、現在の特別収容プロトコルが制定されました。██町の住民達にはAクラス記憶処理が施され、カバーストーリー「くだらない都市伝説」が流布されました。
実験記録XXX-JP-1
日付: 20██/10/28
被験者: D-3658
実施方法: D-3658をSCP-XXX-JPに最も近い位置に配置し、指の骨を折る。
結果: SCP-XXX-JPは問題なくD-3658の元に転移した。殺害方法は鈍器による殴打。
実験記録XXX-JP-2
日付: 20██/10/31
被験者: D-3621
実施方法: D-3621をSCP-XXX-JPに最も近い位置に配置し、D-3621が大切にしているコップを破壊する。
結果: SCP-XXX-JPは問題なくD-3621の元に転移した。殺害方法はロープによる絞殺。
実験記録XXX-JP-5
日付: 20██/11/03
被験者: D-5030、D-3765
実施方法: D-5030、D-3765をSCP-XXX-JPから同じ距離の位置に配置し、D-5030の指の骨を折り、D-3765は腕の骨を折る。
結果: SCP-XXX-JPはD-3765の元に転移した。殺害方法は複数の人物によるバット等の凶器を用いた暴行。
実験記録XXX-JP-7
日付: 20██/11/08
被験者: D-1028
実施方法: D-1028に目隠しをして、SCP-XXX-JPに最も近い位置に配置し、D-1028が大切にしている本を破壊する。
結果: SCP-XXX-JPはD-1028の元に転移し、D-1028は視界が塞がれているにも関わらずSCP-XXX-JPの着用、視界の共有に成功した。殺害方法は[データ削除済]。
インタビュー記録XXX-JP
付記: D-8456は最初にSCP-XXX-JPの収容を担当した職員です。また、SCP-XXX-JP-1の中でも最も著しく忠誠度が上昇しており、様々な功績を上げています。
<記録開始>
██博士: それではインタビューを開始します。
D-8456: よろしくお願いします。
██博士: お久しぶりですね、D-8456。あなたのご活躍は耳にしていますよ。
D-8456: ありがとうございます。これからも皆さんのために頑張りたいと思います。
██博士: 随分と言葉遣いが丁寧になりましたね。見違えるようです。
D-8456: (笑い声)ありがとうございます。そろそろ本題に入られてはどうですか?
██博士: おっと、そうですね。では、あなたはSCP-XXX-JPで何を見たんですか?改めて報告をお願いします。
D-8456: はい。女性が、殴り殺される様子が見えました。
██博士: それを見て、あなたはどう思いましたか?
D-8456: (10秒間沈黙)
██博士: どうしましたか?
D-8456: ……はい。言ってもいいのか分かりませんが……
██博士: どうぞ。
D-8456: こいつは自分よりも下だな、と思いました。
██博士: ……というと?
D-8456: 私はあの時いつ自分が死ぬのか、といつも不安に思っていました。そんな時です。あの眼鏡の収容を担当したのは。殺されると思いました。指の骨を折られて、ああ、私はここで殺されるんだ、と思いました。そしたらあの眼鏡が私の元に。
██博士: なるほど……
D-8456: 眼鏡をかけて、あれを見て思いました。私は生きている。こいつは今殺されている。ああ、自分よりも下だ。自分は恵まれている、と思ったんです。
██博士: 殺される女性を見てかわいそうなどとは感じませんでしたか?
D-8456: ……全く感じませんでした。
██博士: なるほど……では、その女性は実際に殺されているのか、それは分かりますか?
D-8456: はい。実際に殺されると思います。
██博士: なぜそう思うのですか?
D-8456: 私が……私が殺した女性も同じ表情をしていたからです。
██博士: ……そうですか。
D-8456: お願いします。今はそんなこと思っていません。あの時はどうかしていたんてす。見捨てないでください。
██博士: 大丈夫です。あなたは頑張っている。それはみんな知っています。落ち着いてください。
D-8456: ああ、良かった……。(俯いて6秒間沈黙)
██博士: 大丈夫ですか?どうしましたか?
D-8456: そう、今はそんなこと思っていないんです。
██博士: と、いいますと?
D-8456: 私は仕事柄、いつ死んでもおかしくないと思うんです。
██博士: …..まあ、危険な仕事ですので。
D-8456: 私もあいつと同じなんじゃないか。ただ少しあいつより長く生きれるだけで、あいつよりも酷い死に方をするんじゃないかって!たまに思うんです!どうすればいい?どうすればいいんでしょうか!(息を切らす)
██博士: 落ち着いてください!そんなことはありません!事実あなたは今まで上手くやってきたではないですか。大丈夫です。落ち着いてください。
D-8456: (激しい息遣い)…..ありがとうございます。気が楽になりました。
██博士: それは良かった。
D-8456: 私、これからも頑張ります!よろしくお願いします!
██博士: はい、頑張ってください。では、インタビューを終了します。
<記録終了>
他のSCP-XXX-JP-1にも同様のインタビューを行った結果、D-8456と同様の回答をしました。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1の価値観を一時的に変質させると考えられていますが、D-8456の事例の様に更なる精神の変質が発生する可能性から、SCP-XXX-1の精神状態には十分注意し、異常が生じた場合は即座に竹林博士に報告してください。
追記1: インタビュー記録XXX-JPの記録から1か月後、D-8456が自傷行為などを繰り返していると自主的に報告しました。D-8456の精神状態を考慮し、独房に隔離した上で定期的なカウンセリングが行われ、その経過が観察されました。
D-8456経過観察
1日目
D-8456は落ち着かない様子で独房内を徘徊している。特に異常なし。
2日目
何かをしきりに呟いているが聞き取ることができない。後でD-8456に何を言っていたのか質問をしたが「覚えていない」と報告。
5日目
突然自身の右腕を[編集済]し始める。職員が拘束し、カウンセリングを行い沈静化。その後治療が行われた。
7日目
D-8456は自傷行為を行っていないにも関わらず左腕に打撲傷が発生。監視カメラには何も写っておらず、原因は不明。
12日目
D-8456が壁の方に女性が立っていると報告。職員が確認するが、何も発見出来なかった。翌日D-8456の精神状態を考慮し別の独房にD-8456を移動させることが決定した。
13日目
こちらの独房にも女性が立っていると報告。カウンセリングを行い、精神の安定を図るが失敗したため鎮静剤を投与した。
15日目
D-8456が死亡した状態で発見された。体中に殴られたような傷が発見され、監視カメラの映像を確認したが、何も発見出来なかった。D-8456は何度も「こいつよりはマシだと思ったのに」と呟いていた。
この記録の3日後、この件とSCP-XXX-JPとの関連性を調査するためにのDクラス職員にSCP-XXX-JPを着用させたところ、「殺された人がD-8456に似ていた」と報告しています。竹林博士はこれ以上のSCP-XXX-JPの着用は人材を無駄に浪費するだけであると考え、特別収容プロトコルを改定し、これ以上の実験を禁止しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは3m×3m×3mの収容室に収容されます。SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際はレベル3以上の職員の承認が必要です。 SCP-XXX-JPを用いた実験は禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは50cm×50cm×50cmの立方体の形状をした装置です。SCP-XXX-JPの前面にはスピーカーが付いています。SCP-XXX-JPは金属で構成されていますが、経年劣化が進んでいるため、分解などは行われていません。
SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JPを中心とした直径約3mの円の内部に人間が侵入した際に発現します。(以降侵入した人間をSCP-XXX-JP-1と表記)SCP-XXX-JP-1が近づくと、SCP-XXX-JPのスピーカーから「なぞなぞの時間だよ」という音声が流れ、その後SCP-XXX-JP-1に対してなぞなぞが出されます。SCP-XXX-JP-1がこのなぞなぞの回答を1分間発言しなかった場合、そのなぞなぞの答えに因んだ「罰ゲーム」が発生します。なお、このなぞなぞの回答の回数は特に制限されておらず、何度でも発言が可能です。1日のなぞなぞの発生回数は最高で██回、最低で2回です。
SCP-XXX-JPは一般市民からの「変な機械から音が鳴ったけど無視をしていたらフライパンを持った人に殴られた」という通報により財団の興味を引きました。その後収容が実施されましたが、収容に向かった職員3名が蜂に刺されるなどして重傷を負っています。通報した市民にはAクラス記憶処理が施され、カバーストーリー「通り魔の犯行」が流布されました。
その後、SCP-XXX-JPの異常性のさらなる解明のために実験が行われました。これらの実験はSCP-XXX-JPの収容室内にDクラス職員を入室させ行っています。また、全ての実験に関わるDクラス職員にはなぞなぞには回答しないよう命令しています。
実験記録XXX-JP-1
SCP-XXX-JP-1: D-3658
なぞなぞの内容: 家に「ひ」をつけるとどうなる?(答え: 警察に捕まる)
実施方法: D-3658を入室させ、なぞなぞの内容を聞かせた上で退室させ、SCP-XXX-JPからできるだけ距離をとる。
結果: D-3658がSCP-XXX-JPから約20m離れたところで1分が経過。突如D-3658の周りに警察官のような格好をした人型実体3体が出現し、D-3658を拘束し、その後D-3658と共に消失。D-3658は付近の警察署内で発見された。
実験記録XXX-JP-2
SCP-XXX-JP-1: D-5031
なぞなぞの内容: 9匹の虎が乗っている乗り物は?(答え: トラック)
実施方法: D-5031を入室させ、なぞなぞの内容を聞かせた後にDクラス職員3名を入室させD-5031を囲ませる。
結果: 実験室内に時速███kmで走行するトラックが出現し、3名のDクラス職員をすり抜けD-5031を轢き殺した。その後、トラックは消失した。
実験記録XXX-JP-4
SCP-XXX-JP-1: D-3765
なぞなぞの内容: 世界の真ん中にいる虫は何?(答え: 蚊)
実施方法: D-3765を入室させ、経過を観察する。
結果: 実験室内を埋め尽くす程の数の蚊が発生し、D-3765は血液の[編集済]割を喪失し、失血死した。その後、蚊は全て消失した。
実験記録XXX-JP-6
SCP-XXX-JP-1: D-1028
なぞなぞの内容: [編集済]になるものって何?(答え: [データ削除済])
実施方法: D-1028を入室させ、経過を観察する。
結果: 実験室内にSCP-███-JPと酷似した生物が発生。D-1028は殺害され、その生物は消失した。
実験XXX-JP-8において、SCP-XXX-JPが今まで確認されなかった動作を起こしました。以下の内容は実験XXX-JP-8の音声記録です。
音声記録-実験XXX-JP-8
<記録開始>
(D-8456が入室する)
SCP-XXX-JP: なぞなぞの時間だよ!
D-8456: おお、音鳴るのかこれ。
SCP-XXX-JP: (ノイズ音)
D-8456: ……おい、大丈夫かよこれ。
SCP-XXX-JP: じゃあ始めるよ!
D-8456: まあ、大丈夫か。
SCP-XXX-JP: 腕が[編集済]本、体に[データ削除済]がある生き物って何?
D-8456: ……は?いや、答えちゃいけねぇってのは分かってるけどさ、考えるだけならOKだよな?……何だ?それ?
SCP-XXX-JP: 1分以内に答えてね!
D-8456: 1分で分かるか?これ?……タコ、じゃねえよな?
SCP-XXX-JP: (不正解音)違うよ!
D-8456: だよなぁ。うーん、分からん。
(1分経過)
SCP-XXX-JP: 時間切れだよ!残念!
D-8456: いや分からねえよ!
SCP-XXX-JP: 正解は……██ ██だよ!
D-8456: [吹き出す]ふざけんなよ!そんなわけねえだろ!
SCP-XXX-JP: じゃあ罰ゲームを始めるよ!
D-8456: 罰ゲーム?何されんだ?俺。
SCP-XXX-JP: (ノイズ音)
D-8456: なんか体が痛えな。
SCP-XXX-JP: (ノイズ音が更に大きくなる)
D-8456: (叫び声)痛え!痛え!腕が!俺の!腕があ!(D-8456の両腕が破裂し、そこから[編集済]本の腕が出現)
SCP-XXX-JP: (ノイズ音の中に不明な音が混ざり始める)
D-8456: 何だこれ……(叫び声)
SCP-XXX-JP: (ノイズ音が止まり、子供のものと思われる笑い声が発生)
D-8456: [叫び声を上げながらD-8456の腹部、背部から[データ削除済]が出現]
SCP-XXX-JP: [笑い声が更に大きくなる]
D-8456: [体の変化が終了し、落ち着きを取り戻し始める]何が起こったんだ?……うわ!なんだこいつら!?
[D-8456が何かから逃れるように暴れ始める]
D-8456: やめろ!離せ!離してくれ!やめ……[D-8456は収容室から消失]
<記録終了>
この記録からSCP-XXX-JPによる「罰ゲーム」には対象を変質させる異常性があるとして、それを踏まえてSCP-XXX-JPを用いたこれ以上の実験は禁止されています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは3m×3m×3mの収容室に収容されます。SCP-XXX-JPは自身の意思で収容室から脱出することが可能であるため、「収容されるのが常識である」と認識させ続けてください。SCP-XXX-JPが収容違反を起こした場合、即座に担当職員に報告してください。
説明: SCP-XXX-JPは体長2.7mの人型実体です。SCP-XXX-JPは非常に高い再生能力、生命力を持ち、人間であれば死亡するであろう状態に陥っても即座に活動を再開します。また、SCP-XXX-JPはテレポート能力を有しており、最大50mの距離までのテレポートが確認されています。SCP-XXX-JPは発声が可能であり、意思の疎通も可能ですが、我々と大きく異なる価値観を持っているため注意してください。
SCP-XXX-JPが人間に触れると、触れられた人間(以降SCP-XXX-JP-1と表記)は自身の持つ一部の「常識」を改変されます。改変された常識はいかなる方法を用いても修正が不可能です。SCP-XXX-JP-1は以前までの自身の常識の記憶を喪失します。また、改変後の常識を実践する際にそれをしたことが無かったとしても問題なく行動します。
SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1の常識を改変すると、SCP-XXX-JPが失った常識を理解します。SCP-XXX-JPはこれについて「常識を交換している」と発言しています。
SCP-XXX-JPは、一般市民からの「知らない人に触れられた友人がおかしな行動を始めた」という通報によりその存在が確認されました。機動部隊が確保に向かいましたが、そのうちの1名がSCP-XXX-JPに触れられたことにより[データ削除済]を開始しました。部隊はその隊員の終了を余儀なくされました。その後、SCP-XXX-JPとの会話を経て、SCP-XXX-JPが財団に興味を示し、自主的に収容されました。なお、この会話の過程で2名が死亡しています。SCP-XXX-JPに触れられた██氏は回収され、目撃者にはAクラス記憶処理が施されました。
以下の内容はSCP-XXX-JPがもたらした常識の改変の一覧です。
SCP-XXX-JP-1 |
改変された常識 |
改変後の常識 |
██氏 |
歩く |
後ろに歩く |
D-3658 |
挨拶をする |
目玉をえぐり出す |
D-5030 |
食事をする |
自身の腕の肉を食べる |
D-3765 |
服を着る |
[編集済]する |
D-1028 |
[データ削除済] |
笑う |
インタビュー記録XXX-JP
付記: このインタビューはSCP-XXX-JPが財団に確保されてから約4時間後に行われました。
<記録開始>
██博士: では、インタビューを開始します。
SCP-XXX-JP: ほう。インタビューか。良かろう。貴様の問に答えようではないか。
██博士: ありがとうございます。では、あそこで何をしていたのですか?
SCP-XXX-JP: ふむ、強いて言うのであれば、視察だ。
██博士: 視察、ですか。
SCP-XXX-JP: うむ。我輩は貴様らとは異なる次元の者である。我輩はこちらの次元の視察に来たのだ。
██博士: 何を視察していたのですか?
SCP-XXX-JP: ……恥ずかしい話なのだが我々の次元の住民達は他の次元から品が無い、常識がなっていない、と言われていてな。この次元が最も他の次元の常識と近いと知り視察に来たのだ。
██博士: なるほど。ですが、それはここではなくても良かったのではないですか?
SCP-XXX-JP: 我々の次元から1番近いのがここであったのでな。急ぎだったのだ。
██博士: では、どのようにこちらへ?
SCP-XXX-JP: 貴様らでは理解出来ぬと思うが……そうであるな、わかりやすく言えば扉を開いたのだ。
██博士: では、あなたの種族がこちらに大量にこちらに来ると?
SCP-XXX-JP: いや、まだ来ない。我輩がこの次元の常識を学び、十分に理解した上でこちらに呼び寄せる予定である。楽しみに待っているが良い!
██博士: ……そうですか。では、インタビューを終了します。ありがとうございました。
SCP-XXX-JP: む。インタビューは終わりか?
██博士: はい。
SCP-XXX-JP: では。
(██博士の腕を引きちぎる)
██博士: (叫び声)一体……何を……
SCP-XXX-JP: む?インタビューが終わったため感謝の意を込めてな。
(職員が入室し、██博士を運び出す)
SCP-XXX-JP: (笑い声)どうやら喜んでくれたようであるな。では、与えられた部屋に戻るとしよう。(消える)
<記録終了>
以降、SCP-XXX-JPとのインタビューを行う際はモニターを用いて別室で行うよう規則づけられました。
このインタビューから、SCP-XXX-JPはこちらの「常識」を学びに来ているということが判明しました。財団はこれを利用し、SCP-XXX-JPに「収容室から出るのは1日1回まで」「収容室から出たら必ず戻ってくる」ということを常識として教えました。その結果、SCP-XXX-JPはそれを遵守し、収容違反の回数を大幅に減らすことに成功しました。
追記1: SCP-XXX-JPが収容されてから約半年が経過すると、SCP-XXX-JPが収容違反を発生させる頻度が1週間に2度程度にまで低下しました。これはこちらの常識を完全に理解し始めた兆候だと考えられています。
追記2: SCP-XXX-JPが収容違反を発生させ、3日間行方不明となりました。財団はあらゆる手段を用いて捜索を行いましたが、発見されませんでした。しかし、収容違反を発生させてから3日後、SCP-XXX-JPが収容室の中にいる所を発見されました。
以下の内容は発見後に行われたインタビュー記録です。
インタビュー記録XXX-JP-2
██博士: SCP-XXX-JP。あなたはどこに行っていたのですか?
SCP-XXX-JP: えっと、扉を閉じてきました。
██博士: ……その言葉遣いはどうしたのですか?
SCP-XXX-JP: え?敬語を使うのはおかしいでしょうか?
██博士: ……そうですね。すみません。続けます。なぜ扉を閉めたのですか?
SCP-XXX-JP: 常識を奪うだなんて間違っていると思ったので。みんなこっちに来たらこっちの人達の常識が私達のようになってしまいます。それはいけないと思ったんです。
██博士: どういう心変わりですか?
SCP-XXX-JP: 皆さんの常識を頂いてるうちに思ったんです。これは、間違っているんじゃないか、と。
██博士: 本当にいいのですか?あんなに熱く語っていらっしゃったのに。
SCP-XXX-JP: え。あのー。
██博士: はい。
SCP-XXX-JP: 常識的に考えてダメだと思います。
██博士: ……そうですか。では、インタビューを終了します。
SCP-XXX-JP: ありがとうございました。(手を差し出す)
██博士: (驚く)何を?
SCP-XXX-JP: 握手です。
██博士: あ、はい。(握手をする)
SCP-XXX-JP: お疲れ様でした。
<記録終了>
SCP-XXX-JPはこちらの常識を取り入れたことにより我々と変わりのない価値観を取得したのだと考えられています。財団はSCP-XXX-JPの危険性は低下したと判断し、オブジェクトクラスがEuclidに変更されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度収容ロッカーに保管してください。SCP-XXX-JPを用いた実験はレベル3以上の職員の許可が必要です。
SCP-XXX-JPは5m×5m×5mの収容室に収容されます。収容室に入室するためにはレベル4以上の職員の許可が必要です。現在、SCP-XXX-JPを用いた実験は禁止されています。
エージェント・時田は3m×3m×3mの独房内に拘束されます。食事は与えず、1日に3度点滴を行ってください。水分を与える際は担当職員が哺乳瓶を用いて水分を与えてください。担当職員は収容室内で発言する際は変声機を用いて発言してください。エージェント・時田の目隠しを外すこと、拘束を解くことは禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは4cm×4cmの正方形の装置です。SCP-XXX-JPの前面には小型のモニターがついています。SCP-XXX-JPは非常に高い破壊耐性を有しており、そのため構成物質の精密な検査は行われていません。
SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JPを中心とした直径5m以内で人間が死亡した際に発現します。この際死亡者は死亡すると約3秒後に生命活動を再開する異常性を獲得します。体の一部を喪失していた場合、約6秒後に喪失した部分が再生し、生命活動を再開します。この回数は無制限であると考えられています。(追記を参照してください)
SCP-XXX-JPはエージェント・時田がSCP-XXX-JPの付近にいた状態でSCP-███-JPにより殺害されたことによりその異常性が発覚しました。SCP-XXX-JPは当初破壊耐性を持つ以外の異常性が判明しておらず、Anomalousアイテムとして扱われていましたが、この事案によりオブジェクトクラスがSafeへと変更されました。
エージェント・時田は、SCP-XXX-JPに自身が登録された状態で危険なオブジェクトの収容にあたることを実験を兼ねて行ってほしいと希望しました。この申請は許可されました。
以下に記載されている収容記録は全て成功しています。
収容記録███-JP-1
日付: 20██/10/28
収容対象: SCP-███-JP
収容方法: SCP-███-JPの収容室内に発生する人型実体の殺害。なお人型実体は非常に敵対的である。
結果: エージェント・時田は噛みつかれ右腕に重症を負うも生存。SCP-XXX-JPの異常性の発現は確認されなかった。
収容記録███-JP-2
日付: 20██/11/02
収容対象: SCP-███-JP
収容方法: SCP-███-JPの収容室内に約4mまで溜まった液体をホースを用いて処理する。
結果: エージェント・時田は溺死。液体内から回収した3秒後に生命活動を再開した。体内に液体の残留は確認されなかった。
収容記録███-JP-4
日付: 20██/11/23
収容対象: SCP-███-JP
収容方法: SCP-███-JPと剣を用いて交戦する。勝敗は問わない。
結果: エージェント・時田は左腕、右足首が体から切断されたことにより失血死した。死亡した4秒後にエージェント・時田の体の切断面から新たな部位が発生した。切断された部位は消失した。
収容記録███-JP-5
日付: 20██/11/30
収容対象: SCP-███-JP
収容方法: SCP-███-JPに人間1人を捕食させる。
結果: エージェント・時田が捕食されると、SCP-███-JPは1cm未満の大きさの肉片を吐き出した。10秒後、その肉片が[データ削除済]し、エージェント・時田の体は完全に再生した。
インタビュー記録XXX-JP
付記: エージェント・時田はこのインタビューを行った段階で7回死亡している。このインタビューはエージェント・時田のカウンセリングも兼ねている。
<記録開始>
██博士: それでは開始します。
エージェント・時田: よろしくお願いします。
██博士: 体の調子は如何でしょうか?
エージェント・時田: 意外といいです。
██博士: では、体に違和感などは?
エージェント・時田: 生き返った時は感じましたが、今はもう大丈夫です。
██博士: 辛くはありませんか?
エージェント・時田: (5秒間沈黙)まあ、辛くないと言えば嘘になります。でも……
██博士: でも?
エージェント・時田: きっとあれが、SCP-XXX-JPが僕に勇気をくれるんです。
██博士: 勇気ですか。
エージェント・時田: はい。なんだか、ここ数年会っていない家族や友人が応援してくれている気がするんです。寄り添ってくれているような。
██博士: そうですか。
エージェント・時田: この前収容を行っている時に同僚が転んで、オブジェクトに襲われそうになったんです。その時も、「お前が助けずに誰が助けるんだ」と、親父の声が聞こえた気がして。
██博士: なるほど。他に言いたいことはありますか?
エージェント・時田: 僕は今のこの仕事に充実感を感じています。こんな僕がみんなの役に立てるのが嬉しいんです。これからもみんなの危険を減らせていけたら、と思っています。これからもよろしくお願いします。
██博士: 了解しました。では、これでインタビューを終了します。
<記録終了>
このインタビュー後、エージェント・時田は引き続き危険なオブジェクトの収容に携わることが決定されました。
追記1: SCP-████-JPの収容中にエージェント・時田が死亡し、生命活動を再開した後に、SCP-XXX-JPのモニターに文章が表示されました。モニターは約1時間後に消灯しました。以下の内容はモニターに表示された文章です。
時田様にお知らせ
⚠️残機が半分消費されました⚠️
使いすぎには十分ご注意を。
※残機の確認は[住所]にて直接ご確認ください。残機はあなたにとって大切な人でも代用が可能です。
この文章を受け、機動部隊がこの住所に向かいました。表示された住所には建造物などは見られませんでしたが、地下室に通じる扉が発見されました。機動部隊が突入したところ、男女2█名が機械によって拘束された状態で死亡、2█名が機械によって拘束されるも生存している状態で発見されました。死因は溺死、失血死など様々でしたが、共通している点としてこれらの人物は全てエージェント・時田の家族、または友人であることが判明しました。また、現場にはエージェント・時田の母親のみが存在しておらず、現在まで発見されていません。死亡者が拘束されていた機械は全て解除されており回収に成功していますが、生存者が拘束されている機械は解除されておらず、機械の破壊も不可能だと確認されているため、回収には至っていません。生存者は総じて放心状態にあり、意思の疎通は成功していません。
これらの結果から、SCP-XXX-JPを用いたこれ以上の実験は被害の拡大を招く恐れがあるため、無期限に禁止されました。
後日、エージェント・時田にこの事実が伝えられました。以下の内容はその際記録された音声です。
音声記録XXX-JP
<記録開始>
██博士: こんにちは。
エージェント・時田: こんにちは。どうしたんですか?今日は?僕の勘が当たっていれば……僕の家族のことでしょうか?
██博士: ……何故それを?
エージェント・時田: 最近家族の声が聞こえなくなってしまったので、何かあったのかと。
██博士: 実は……あなたのご家族、ご友人の2█名が死亡した状態で発見されました。
エージェント・時田: (5秒間沈黙) なんで死んだんですか?
██博士: 彼らはあなたが今まで死んできた状態で死んでいました。恐らくは……
エージェント・時田: 本当ですか!
██博士: (驚く) 大丈夫ですか?
エージェント・時田: 大丈夫もなにも!僕は嬉しいですよ!まさか本当にみんなが支えてくれていたなんて!
██博士: 落ち着いてください。
エージェント・時田: これが落ち着いていられますか!みんな……みんなぁ!(何度も机に頭を打ち付ける)
██博士: 誰か!誰か来てください!
エージェント・時田: 嬉しい!嬉しい!嬉しい!嬉しい!嬉しい!
(職員3名が入室)
██博士: 取り押さえてください!
エージェント・時田: 離してくださいよ!(机に頭を打ち付ける)僕は嬉しいんです!僕は(意識を失う)
██博士: 記録を終了します!
<記録終了>
エージェント・時田は至急医務室へと搬送されましたが、まもなく脳挫傷で死亡しました。生命活動を再開した後、エージェント・時田は独房に拘束されました。エージェント・時田の精神状態を確認するため、拘束された状態でインタビューが行われました。
インタビュー記録XXX-JP-2
<記録開始>
██博士: さて、エージェント・時田。あなたが先程言っていた「嬉しい」とはどういうことでしょうか?
エージェント・時田: そのままの意味ですよ!僕は嬉しいんです!
██博士: 家族や大切な人が死んだことがですか?
エージェント・時田: 彼らはただ死んだんじゃないんです!僕のために死んでくれたんですよ?そんなの嬉しいじゃないですか!もっと死にたいと思うじゃないですか!
██博士: ……あなたは家族や大切な人が行方不明になっていたことを知っていたのですか?
エージェント・時田: ええ。警察から連絡が来ましたから。
██博士: なぜ我々に報告をしなかったのですか?
エージェント・時田: え?だって、家族の声がするって言ったじゃないですか。だから問題ないかなーと思ったんです。僕にとってはここに居るも同然だったんですから。
██博士: ……そうですか。では、あなたが危険なオブジェクトの収容に携わりたいと言ったのは死にたかったからですか?
エージェント・時田: あの時は違いますよ。だってみんなが僕のために死んでくれているなんて知らなかったですし。ただ財団の役に立てたらと。それだけです。
██博士: 本当ですか?
エージェント・時田: そうですよ。そう……あれ?そう……です……よね?
██博士: エージェント・時田?
エージェント・時田: ……はい。大丈夫です。
██博士: 死ぬな、と言っても今のあなたには無理な相談でしょうね。
エージェント・時田: ええ。みんなのために死なないわけにはいきませんから。
██博士: そうですか……では、インタビューを終了……
エージェント・時田: ちょっと待ってください。
██博士: 何でしょうか?
エージェント・時田: あなたがSCP-XXX-JPの、僕の収容責任者でしょうか?
██博士: …….そうですが?
エージェント・時田: (笑いを浮かべ)分かりました。これからもよろしくお願いします。
<記録終了>
これらの結果を受け、SCP-XXX-JPは精神にも作用し、最終的にはエージェント・時田のような状態に陥ると考えられています。また、エージェント・時田のような状態に陥ると、積極的に自傷行為や自殺を試みるため、そのような状態に陥った人物は全て拘束し、SCP-XXX-JPの収容室には職員を近づけないよう特別収容プロトコルが改定され、SCP-XXX-JPのオブジェクトクラスがEuclidに変更されました。
追記2: インタビュー記録XXX-JP-2を記録してから1週間後、██博士が失踪しました。SCP-XXX-JP、及びエージェント・時田との関連性が疑われ、エージェント・時田の「残機」が拘束されている地下室に向かったところ、新たに██博士が機械によって拘束されている状態で発見されました。エージェント・時田との接触がこの結果を招いたと考えられています。エージェント・時田の収容担当職員はエージェント・時田に顔、声を認識されないよう注意してください。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度収容ロッカーに保管してください。SCP-XXX-JPを用いた実験はレベル3以上の職員の許可が必要です。 禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは4cm×4cmのモニターに長さ16cmのベルトが付いた装置です。SCP-XXX-JPは非常に高い破壊耐性を有しており、そのため構成物質の精密な検査は行われていません。SCP-XXX-JPのモニターの側面にはマイクのようなものが確認されていますが、20██/10/27現在までに作動している様子は確認されていません。
SCP-XXX-JPの異常性は着用者(以降SCP-XXX-JP-1と表記)が死亡した際に発現します。SCP-XXX-JP-1が死亡すると、SCP-XXX-JPのモニターが発光し、その約3秒後にSCP-XXX-JP-1は生命活動を再開します。この際SCP-XXX-JP-1は「誰かの声がした気がする」と報告していますが、そのような音声は確認されておらず、SCP-XXX-JP-1にのみ聞こえるものと考えられています。声の内容は総じてSCP-XXX-JP-1を慰める、応援するといった内容になっています。
SCP-XXX-JPは当初破壊耐性を有するだけのオブジェクトであると考えられていました。しかし、SCP-XXX-JPをエージェント・██が着用した状態で移送されていた際にSCP-███-JPの収容違反が発生し、エージェント・██が死亡したことによりSCP-XXX-JPの異常性が判明しました。
SCP-XXX-JPについて実験が行われましたが、被害を最小限に抑えるためにD-XXX-JP-1のみを対象としています。
実験記録XXX-JP
実施方法: SCP-XXX-JPを着用させた状態でD-XXX-JP-1を毒ガス室に入室させ、毒ガスを摂取させる。
結果: D-XXX-JP-1は死亡した後に問題なく生命活動を再開した。体調に異常はなかった。
実験記録XXX-JP-3
実施方法: SCP-XXX-JPを着用させた状態でD-XXX-JP-1を職員3名に発砲させる。
結果: D-XXX-JP-1は死亡した後に問題なく生命活動を再開した。銃撃により負った破損部位は再生し、動きなどにも問題は無かった。
実験記録XXX-JP-5
実施方法: D-XXX-JP-1に時限爆弾を所持させ、起爆する。
結果: 爆発によりD-XXX-JP-1の体の約4割が破損したが、死亡した後に再生し、生命活動を再開した。D-XXX-JP-1は少し体が動かしにくい気がすると報告。
実験記録XXX-JP-2█
実施方法: D-XXX-JP-1を[編集済]し、体を完全に消失させる。
結果: D-XXX-JP-1の体は完全に消失したが、その後回収されたSCP-XXX-JPを中心として[データ削除済]。D-XXX-JP-1は生命活動を再開した。
インタビュー記録XXX-JP
付記: この時点でD-XXX-JP-1は██回死亡している。
<記録開始>
██博士: それではインタビューを開始します。
D-XXX-JP-1: はい。
██博士: D-XXX-JP-1 、体の調子はいかがですか?
D-XXX-JP-1: そこそこいいです。
██博士: そうですか。それは何よりです。
D-XXX-JP-1: 心配してくれてるんですか?優しいんですね。(笑い声)
██博士: いえ、そういう訳では。
D-XXX-JP-1: (笑い声)わかりましたよ。
██博士: ……では、声、についてですが。
D-XXX-JP-1: ああ。あの声ですね。
██博士: はい。どのようなことが聞こえているのですか?
D-XXX-JP-1: 僕が死んだ時に、「大丈夫だよ」、「私達がついてる」とかって慰めてくれるんです。もしあれが無かったらもう僕は……
██博士: 私達?声は複数聞こえるのですか?
D-XXX-JP-1: はい。子供のものから、お年寄りのものまで、色々聞こえます。
██博士: なるほど。ありがとうございます。(10秒間俯く)
D-XXX-JP-1: どうしたんですか?
██博士: ……私がこんなことを言うのは立場上宜しくないのですが……。辛く、ありませんか?
D-XXX-JP-1: 辛くはないです。しょうがないんですよ。これは。僕があんなことをしなければこんなところにはいないんですから。これはきっと罰なんです。それに、僕にはみんなもついてますしね。
<記録終了>
このインタビューの後に行われた精神鑑定により。D-XXX-JP-1の精神状態は極めて良好であることが判明しました。現在、SCP-XXX-JPを危険な任務にあたる職員に支給するということが検討されており、そのために更なる実験を行う予定です。
追記: 実験XXX-JP-██の実施中に、D-XXX-JP-1が死亡したままの状態となり、生命活動を再開しませんでした。その際SCP-XXX-JPのモニターに文字が表示されました。以下の内容はモニターに表示された文章です。
⚠️残機が不足しています!⚠️
追加の残機を[住所]内部の専用の器具にセットしてください!
機動部隊が記載されている住所に向かうと、地面から地下室への入口が発見されました。機動部隊が突入すると、地下室内には金属のようなものでできた拘束器具に拘束されている█歳から7█歳までの██体の遺体が発見されました。遺体の一部には体中に穴が空いたものや、体の大半が失われたものが存在しており、SCP-XXX-JPとの関連性を現在調査中です。
地下室内に設置されていた机の上から1枚の紙が発見されました。以下の内容はそれに記載されていた文章です。
ここにきたってことは残機を全部使い切ったってことだね!
すごい!これには博士もびっくりだ!たくさん使ってくれてうれしいよ!
そんなキミにはもっといいものをおしえてあげる!まだ作ってるとちゅうだから、みんなにはナイショだよ?
博士のウルトラスーパーオメガハイパーマシン! これはなんと残機が100個も、いや、200個もはいるんだ!これさえあれば、もっともっとあそべるね!
楽しもうね!
これを受け、「博士」が新たなオブジェクトの製造を行っている、または完了していると考えられています。これが出回っていた場合、膨大な被害を被ることとなると考えられているため、探索が続けられています。
何より気分が悪いのは、地下室に拘束されていた遺体全員が満面の笑みを浮かべていたことだ。-██博士
アイテム番号: SCP-1250-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1250-JPはサイト-81██の低危険度物品保管ロッカーに収容されます。SCP-1250-JPを用いた実験を行う際はレベル3以上の職員の承認が必要です。
説明: SCP-1250-JPは全長280mm、頭径37mmの両口ハンマーです。高い物理的破壊耐性を持つため、構成物質の精密な検査は成功していません。
SCP-1250-JPの異常性は、SCP-1250-JPの使用者が「閉じ込められている」と認識している状態で使用者を閉じ込めている対象をSCP-1250-JPを用いて叩くと対象に人間が通れる程度の大きさの穴(以降SCP-1250-JP-1と表記)を開けることができる点にあります。SCP-1250-JPの発生は大抵の場合亀裂の発生を伴います。この異常性はどちらの面を用いても同様の結果となることが分かっています。対象が「閉じ込められている」と認識していなかった場合、通常のハンマーと性能に差異は見られません。
SCP-1250-JP-1はSCP-1250-JPが対象を叩く強さに関係なく人間が通れる程度の大きさになります。SCP-1250-JP-1が発生した対象は使用者がSCP-1250-JP-1内を通り脱出するまでいかなる破壊活動が行われてもSCP-1250-JP-1が開いていることを除き通常の状態を保ち、使用者はSCP-XXX-JP-1内部に存在する限り他的要因による被害を受けません。
実験記録1250-JP-1
日付: 20██/10/13
対象: コンクリート製の3m×3m×3mの部屋
実施方法: D-1028を入室させ、扉の鍵を閉める。その後、D-1028にSCP-1250-JPを用いて壁を叩くよう命令。
結果: D-1028が戸惑った様子で軽く壁を叩くと、壁が破壊され人間が通れる程度の大きさのSCP-1250-JP-1が開いた。
実験記録1250-JP-2
日付: 20██/10/14
対象: コンクリート製の3m×3m×3mの部屋
実施方法: D-1028を入室させ、鍵を閉める。その後、D-1028にSCP-1250-JPを用いて全力で壁を叩くよう命令。
結果: D-1028が命令通り全力で壁を叩くと、直径約2mのSCP-1250-JP-1が開いた。
実験記録1250-JP-3
日付: 20██/10/15
対象: コンクリート製の3m×3m×3mの部屋
実施方法: D-1028を入室させ、鍵を閉める。その後、D-1028にSCP-1250-JPを用いて全力で壁を叩くよう命令。SCP-1250-JPの影響下の対象の耐久を調査するためにダイナマイトを用いた爆破を行う。
結果: D-1028が全力で壁を叩くと、直径約2mのSCP-1250-JP-1が開いた。D-1028を対象内に待機させ、設置したダイナマイトを起爆する。対象は損傷を受けず、そのままの状態を維持した。
実験記録1250-JP-5
日付: 20██/10/18
対象: 廃校した小学校の体育館
実施方法: D-1028を入室させ、鍵を閉める。そして対象の壁をSCP-1250-JPを用いて軽く叩き、5分後に全力で叩くよう命令。
結果: D-1028が軽く壁を叩くと、直径約2mのSCP-XXX-JP-1が開いた。5分後に全力で壁を叩くと、直径約5mのSCP-XXX-JP-1が開いた。
実験記録XXX-JP-6
日付: 20██/10/20
対象: コンクリート製の3m×3m×3mの部屋
実施方法: D-1028にSCP-XXX-JPを用いて対象の壁を叩くよう命令。D-1028をそのまま待機させ、所持させた時限爆弾を起動する。
結果: D-1028が壁を叩くと、所持させていた爆弾が消失した。爆弾の行方は不明。
事案1250-JP: 実験1250-JP-7において、D-1028が「私は人間を超越する」と発言した後にSCP-1250-JPを自らの頭部に強く叩きつけました。するとD-1028の頭頂部に亀裂のようなものが入り、1分ほど経つとD-1028の体は灰のような状態になり、崩れ落ちました。その後、SCP-1250-JPは問題なく回収、再収容されました。
この事案のD-1028の発言により、SCP-1250-JPの破壊可能な対象は閉鎖された部屋などだけではなく、人間という存在も含むのではないかと考えられています。また、D-1028は無宗教であり、そのような思想も持っていなかったことが確認されており、SCP-XXX-JPの使用による精神汚染について現在調査中です。この事案により特別収容プロトコルが改訂され、SCP-1250-JPを用いた実験を行う際にレベル3以上の職員の承認が必要となりました。
SCP-1250-JPは██県██市に存在する廃墟の中から、空中に発生したSCP-1250-JP-1、1枚の文書と共に発見されました。文書はSCP-1250-JP-1内部の財団に該当する組織の個人によって書かれたものだと考えられています。
発見されたSCP-1250-JP-1内部をラジコン有線ドローンを用いて調査したところ、我々の世界と環境に差異は見られませんでしたが、SCP-XXX-JP-1内部には生物が存在しないことが判明しています。
以下の内容は発見された回収文書の一部を抜粋したものです。
俺達の世界について
脱出対象: 世界
実施方法: 俺はハンマーを使って穴を開けた。その中を通ってここに来た。
結果: こんなはずじゃなかった。俺が穴を開けたらみんないなくなった。俺はみんなを救いたかっただけなんだ。あんな状況でみんな生きていけるはずがなかった。限界だったんだ。上も認めてくれた。俺のせいじゃない。俺のじゃない。俺のせいだ。俺がみんなを殺したんだ。俺も[以下解読不能]
この時も危険要素を排除したのだろう。人間という危険対象をな。- ██博士
SCP-1250-JPの持つ危険性から、この情報を知っている職員がSCP-1250-JPを用いようとした場合、即座の終了措置が取られます。
プロトコル・タイマン終了後のSCP-XXX-JP。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは常に換気することが可能な収容室に収容されます。SCP-XXX-JPには1週間に1度Sプロテイン及び炭水化物を与え、希望した場合のみサンドバッグ等のトレーニング器具を支給してください。CP-XXX-JPに関する実験はレベル2以上の職員の管理下で行われます。
説明: SCP-XXX-JPは自我を持った内容量633mlのビール瓶です。██████製のビール瓶と同様に見えますが、異常な破壊耐性の保有から、構成物質の精密な検査は行えていません。SCP-XXX-JPは発声が可能ですが、どのような原理で発声を可能としているのかは分かっていません。SCP-XXX-JPは常に高揚した不明瞭な口調で会話し、その様子は酩酊期の飲酒者と酷似しています。
SCP-XXX-JPは食事やトレーニングを行う際、自身の側面から一般的な成人男性よりも発達した筋肉を持つ腕が出現します。この腕はSCP-XXX-JPの意思により出現、消失させることが可能です。SCP-XXX-JPはその腕を用いて自身の蓋を開けた後、食品を瓶の口に運びます。瓶の口に触ると、物体の触れた部分のみが消失します。SCP-XXX-JPは物体を全て消失させた後、腕立て伏せなどのトレーニングを開始します。SCP-XXX-JPは運動不足により収容室の壁の一部を5回に渡り破壊しています。これにより特別収容プロトコルにトレーニング器具の支給が追加されました。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP内に入った液体です。この液体は摂取が可能です。SCP-XXX-JPは自身をビールだと発言していますが、アルコールは含まれていません。全ての飲用者はSCP-XXX-JPを味覚的に極めて高く評価しました。SCP-XXX-JP内のSCP-XXX-JP-1は大量に流失しても一定量を保ちます。生物がSCP-XXX-JP-1を摂取すると、摂取した対象の身体能力の急激な上昇、筋肉の発達などが見られます。また、SCP-XXX-JP-1の味の質、得られる効果はSCP-XXX-JPの腕の筋肉が発達するほど上昇することが確認されています。
SCP-XXX-JPは一般市民からの「ジムに動くビール瓶がいる」という通報によりその存在が確認、収容が実施されました。SCP-XXX-JPは確保に向かった職員に対して「筋トレさせてくれるならいいよ」と発言し、自主的に収容されました。目撃者にはAクラス記憶処理が施され、カバーストーリー「見間違い」が流布されました。
実験記録XXX-JP-1
被験者: D-1028
実施方法: 平均的な身体能力を持つD-1028にSCP-XXX-JP-1を100ml与える。
結果: 身体能力は問題なく上昇。D-1028は加えて体の調子がいいと報告。
分析: 予想通りの結果。
実験記録XXX-JP-2
被験者: D-1876
実施方法: 事故により右足が切断されたD-1826にSCP-XXX-JP-1を150ml与える。
結果: 筋力の強化により左足のみで直立することが可能になった。
分析: 摂取量を増やせば身体能力が上昇するということだろうか。
実験記録XXX-JP-4
被験者: D-3524
実施方法: 高い身体能力を持つD-3524にSCP-XXX-JP-1を300ml与える。
結果: D-3524の170cmあった身長が筋肉の発達により250cmまで膨張。D-3524は体に異常はないと報告した。
分析: あんなになってまで異常はないとか何かの精神作用だろうか?
実験記録XXX-JP-5
被験者: 実験動物のマウス
実施方法: スポイトを用いてSCP-XXX-JP-1を経口摂取させる。
結果: 筋肉の発達によりマウスの体が約1cm膨張。
分析: 人間以外でも同じ結果が得られるようだ。
実験記録XXX-JP-██
被験者: D-8908
実施方法: 高い身体能力を持つD-8908にSCP-XXX-JP-1を[データ削除済]ml与える。
結果: D-8908の192cmあった身長が[編集済]cmまで膨張。D-8908は自身のことをSCP-XXX-JPだと発言した。
分析: 酒は飲んでも飲まれるなとはよく言ったものだな。
実験XXX-JP-██以降、SCP-XXX-JP-1を用いた実験を行う際はレベル2以上の職員の承認が必要となりました。
インタビュー記録XXX-JP-日付:20██/10/25
対象: SCP-XXX-JP
インタビュワー: D-████
付記: D-████は過去に1回SCP-XXX-JPと実験で接触しており、SCP-XXX-JPはD-████に好感を持っている。SCP-XXX-JPはインタビューを拒否し続けていたが、D-████とのインタビューを提示したところ承諾した。
D-████にはあらかじめインタビュー内容を記載した紙を渡しており、インタビューはそれに沿って進行する。
<記録開始>
D-████: あー。じゃあ始めます。
SCP-XXX-JP: はいよ。
D-████: えーと…..じゃあ、あなたはどのようにして生まれたのですか?
SCP-XXX-JP: そんな硬っ苦しい口調はやめろよぅ。俺とお前の仲じゃねぇか。
D-████: 質問に答えろ。
SCP-XXX-JP: わかったわかった。父ちゃんと母ちゃんが発酵し合ってできたのが俺だよ。
D-████: 真面目に答えろ。
SCP-XXX-JP: 知らねぇことを聞かれてもわからねぇよ。
D-████: …わかった。じゃあ何故お前はビールなのに腕が生えているんだ?
SCP-XXX-JP それも知らねぇ。
D-████: じゃあ…..何故お前の中身を飲むと筋肉がついたりするんだ?
SCP-XXX-JP: 俺が日頃から筋トレしてるからな。中身もいいもんになるさ。
D-████: 筋トレ…..まあいい。次だ。えーと、お前はどうやってメシを食ってるんだ?
SCP-XXX-JP: この蓋を開けたところがお前らでいう口みたいになっててな。
D-████: 食べた物はどこに行ってるんだ?
SCP-XXX-JP: 見えないと思うが瓶の中に入ってるぜ。
D-████: へえ…..ところでいつも何を食ってるんだ?
SCP-XXX-JP: プロテインとか筋トレにイイもんしか食ってねえな。
D-████: それはもったいねぇな!それ以外にも美味いもんはたくさんあるだろ?
SCP-XXX-JP: そうなのか?俺はそれ以外食ったことねぇから分からねえんだ。
D-████: スナック菓子とかも食ったことねぇのか。今度博士に頼んでみろよ。きっと人生、いや瓶生変わるぜ?マジで。
SCP-XXX-JP: そこまでか…..今度試してみようかねぇ。
D-████: そいつがいいや。
<記録終了>
その後、SCP-XXX-JPとD-████は無関係の会話を続けたためインタビューは終了されました。
このインタビューが終了した数日後、SCP-XXX-JPがスナック菓子などの食品を要求し始めました。プロテインなどの食品よりもコストが低いという点により、1日1000円までという条件の元、要求は承認されました。
追記: 20██/12/19以降、SCP-XXX-JPは栄養の偏った食品を希望する傾向にあります。また、1日の大半を寝て過ごすようになりました。理由を聞くと、SCP-XXX-JPは「これ食ってから今まであれ食ってたの馬鹿らしくなった」「まあ筋トレはそのうちやる」などと発言しています。また、現在のSCP-XXX-JP-1を摂取した職員は、その味について、「非常に不味い」と評価し、身体能力は急激に低下、脂肪が増加するなどの効果がみられました。