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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの詳細な実行手順を記した文書はサイト-8122とサイト-8181のオブジェクト研究資料ロッカーにそれぞれ1部ずつ保管されています。

説明: SCP-XXX-JPは特定の現象を100%の確率で引き起こす儀式手順です。手順の一部と結果の差異によりSCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bに分類されます。17██年に蒐集院によって収容され、財団の統合の際に管理を委譲されました。以下は、蒐集院から委譲された記録の儀式手順に関する抜粋(現代語訳)です。

「██宮の縁切り呪詛」蒐集物覚書帳目録第二〇一番

準備物:
一、五寸釘二本
二、藁で編んだ人形二つ
三、表面に右から順に「沢原にまします」「金矢の貴人の」「悪魂に願い奉る」2の文字を書き、裏面に一つ矢尻紋の金張りをした木板
四、術者の血を含ませた筆

手順:
一、██の社の大樹に人形二つを打ち付ける
二、以下の手順を終えるまで対象とする愛し合う男女を思い浮かべ続ける
三、鳥居から大樹に向かい、藁人形を見ながら飛び石3のみを踏んで歩く
四、大樹に辿り着くまでに木板に筆で「████████」と書く

この手順を躊躇なく完遂することで、思い浮かべた男女は破局する。もし躊躇があったならば、呪詛は術者に返り術者は二日以内に馬に蹴られる等の理由により死に至る。

上述の結果の内、思い浮かべた男女を破局させる手順はSCP-XXX-JP-A、実行者が死亡する手順はSCP-XXX-JP-Bに指定されています。

SCP-XXX-JP-Aの手順が成立した場合、実行者が手順中に思い浮かべていた男女は次に顔を合わせた際に不定な原因で喧嘩となり、恋人であればその場で関係が破綻し、夫婦であれば離婚もしくは別居状態となります。この影響は一時的なものですが、喧嘩の内容が本人達にとって深刻なものになるため、直接的な影響が消えた後も復縁が困難となります。

SCP-XXX-JP-Bの手順が成立した場合、実行者は48時間以内に事故死します。現在財団で記録されている死因は乗用車やトラックによる轢死・ヘリコプターの墜落による圧死であり、蒐集院の記録と合わせて"なるべく自然な状況・タイミングでの乗り物による事故"が死因になるものと見られています。死因の厳密な特定や対象者の救命可能性に関する実験は倫理委員会による審議中です。

実験により蒐集院資料に記された特性は不正確であることが判明しています。現在までの██回の実験で確認された実際の手順の概略は以下の通りです。

  1. 縦横幅が9.1cm以上30.3cm以下の2人分の人を象った、人形・絵・写真4のいずれか(以下、人形)を視認できる位置に設置する
  2. 1行ずつ順番に「沢原」「金矢」「悪魂」と漢字もしくは任意の表音文字で書かれた53.0cm×6.1cm以上の平らな物体(以下、呪符)と112.5μg以上の金を同じ手に持つ
  3. 以下の手順を終えるまで対象とする愛し合う男女を思い浮かべ続ける
  4. 北東の方角に向かい、3m以上の暗色と明色の2色に別れた道の明色のみを踏んで歩く
  5. 人形から南西15.2cmの位置に入るまでに、呪符の文字が書かれた面を実行者のDNAを含む物質を用いて右・下・左・████████████████████████████████████████████・下の順番でなぞる6

5.の手順中、目線を水平より下に10°以上下げなかった場合はSCP-XXX-JP-A、1回でも目線が下がった場合はSCP-XXX-JP-Bとなる

収容に必要な条件は概ね判明したものとして、198█/██/██を最後に実験は行われていません。

補遺: 201█/██/██、██博士によるSCP-XXX-JP-A並びにSCP-XXX-JP-Bの成立条件に関する緊急の実験申請が提出され、現在審議中です。申請された実験項目は「儀式手順に用いる呪符は液晶画面で代用できるか」並びに「呪符の文言は歴史的仮名遣いでも有効か」です。

私の懸念が正しければ既に日本中で収容違反が発生しているだろう。実験結果次第では、特定の順番のフリックを検知してテンキーの表示を変えるプログラムをスマートフォンのOSに導入させる新しい収容プロトコルを提案する。 ──██博士