アイテム番号: SCP-1771-JP
荒船博士によるSCP-1771-JPのスケッチ
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-1771-JPはサイト-81██の生物収容施設にて収容状態にあります。SCP-1771-JPの性質に関してはその多くが未解明で、そのため収容方法が確立されていません。現在SCP-1771-JPは隔離されており、担当の職員による1日2回の食事以外の接触が禁じられています。SCP-1771-JPに対する実験も同様です。担当職員は特別な理由がない限り解任される事はありません。加えて、職員を含めるSCP-1771-JPを確認した者は、確認した姿や声などといった情報を全て報告する必要があります。その際の証言は、証言者とともに全て記録されます。
説明: SCP-1771-JPは正体不明の物体または生物もしくはそれ以外です。SCP-1771-JPはそれを確認した被験者によってその姿が異なる特性を有しています。そしてその姿は視覚的のみならず、聴覚、嗅覚、味覚、触覚までもが確認及び干渉した被験者によって異なります。この現象はいかなる手段においても同様に確認されます。SCP-1771-JPはいかなる姿(例え発声器官を持たない姿であっても)においても日本語でのコミュニケーションが可能です。加えてSCP-1771-JPの全ての姿(少なくとも現段階で確認された姿においては)は、全て動作を行う事が可能であるという点も共通しています。
今までで確認された姿は多岐に渡り、中には確認した被験者の記憶に存在しない物体や生物、それに未知の物体も含まれます。特定の被験者が確認するSCP-1771-JPの姿はいかなる場合でも変化する事はありません。複数の被験者が同時に見た場合においても、同様に被験者それぞれに個別の姿が確認されます。
SCP-1771-JPの最も危険な性質は、複数の被験者の間で生じる認識のズレです。SCP-1771-JPの外見や感覚は被験者により異なりますが、SCP-1771-JPの行動や発言の内容は基本的に変化しません。ただし、被験者の知覚したSCP-1771-JPの姿特有の干渉をSCP-1771-JPが行う、もしくは特有の影響や攻撃を受けることによる変化はその被験者のみ知覚します。そのためSCP-1771-JPが行動し、人間やその他の生物に干渉する度に、個人の世界と共通認識の世界にズレが生じ続けます。現段階でそれを修正することは不可能(例え記憶処理を対象に行っても)です。その結果不特定多数の職員が行動不能になる、または他のSCPオブジェクトに干渉してしまうことが懸念されます。財団はSCP-1771-JPにより[削除済み]となる可能性を想定し、荒船博士によってSCP-1771-JPはKeterクラスへ分類されました。
補遺: SCP-1771-JPは、群馬県の吾妻郡██町で「三本足の怪物を見た」や「やかんが道を跳ねていた」といった怪奇現象の目撃例が相次いだことで財団に発見され、エージェント四ッ又、██の2人が派遣されました。エージェント四ッ又が同町と隣町との境界付近で"喋る靴下"を確認、回収した時、エージェント██は、そのエージェント四ッ又が70代以上と見られる老婆を背負っていると認識していました。この齟齬により財団がSCP-1771-JPの異常性を確認しました。なお、SCP-1771-JPは同町の伝承に登場する妖怪"囀り石"の伝承と関連性を有している事が明らかになっています。