アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは地下15m以下の地点に作られた半径5m、高さ3mの収容室の中心に鉄製の鎖を用いて収容してください。また、収容室の中心から最低でも縦・横半径10m以内に通路や収容室、その他の人が立ち入れる場所を作らないでください。扉は標準収容用防護扉を収容室入口とそこにつながる通路の2ヶ所に設けてください。SCP-XXX-JPの食事は1日1度、流動食を拘束具に繋いであるチューブから1800kcal分供給してください。この量は担当医師と担当職員の裁量により変更可能です。
その性質の為、拘束具の点検は一ヶ月半年に1度、研修を施したDクラス職員1名に行わせてください。じゃんけん発生時、後出しやその他禁じ手は決して行わないでください。SCP-XXX-JP-1が発生した場合、直ちに終了してください。
説明: SCP-XXX-JPは意思疎通不可能な人型実体です。2015年4月█日に日本生類創研が放棄した研究所にて確保されました。
自らの異常性によりいくつかの身体的損傷(以下障害)を負っていますが障害が原因で生命活動が停止されることはありません。
SCP-XXX-JPは収容に対し反抗的で、じゃんけん敗北時やSCP-XXX-JP-1が終了され障害が戻ってきたときに金切り声で叫び積極的に拘束具や扉の破壊を試みます。現在意図的に栄養失調状態にすることにより備品の消耗を大幅に防げています。
SCP-XXX-JPの異常性はそれの半径5mに人間が肉眼で視認できる範囲で2本以上の突起(便宜上"手"と表記)がある部位を持つもの(以下対象)が近づいた場合に発生します。対象がSCP-XXX-JPの異常範囲に入り込んだ場合SCP-XXX-JP含む対象全てとじゃんけんが始まります。この時、視覚の有無、国籍の違いなどがあった場合でも勝敗の認識とルールの統一が行われます。これを妨害する試みは現在成功していません。その後勝利した対象が出した型により敗者に以下の事象が発生します。対象が手を変化させることが不可能な場合SCP-XXX-JPは確実に勝利する手を出します。
勝ち手 |
事象 |
備考 |
パー |
対象の表面にランダムに対象の手が生える。 |
初回は口やファンなどの呼吸器に生えて、窒息死を誘発する傾向がある。2回目以降はチョキで切り落とされた部位に生える事が多い。 |
グー |
対象内にランダムに拳大の石が発生する。 |
人間の場合、皮と骨の間といった見た目の印象が強い場所や、内臓等の致死性の高い場所に発生する確率がやや高い。機械の場合も中枢に近い箇所に出現し、多くの場合において致命的な損害を与える。 |
チョキ |
対象のランダムな部位の切断。 |
腕などの突起物と血管や電線などの線の切断が占めていてそれ以外の箇所を切断する事例は確認されていない。 |
また勝敗が決しない場合は以下の通りです。
3人以上でそれぞれが違う場合 |
変化なし |
対象が同じ手を出した場合 |
最少1回~最多5回で対象がSCP-XXX-JPと概ね同じ性質を持つ実体(SCP-XXX-JP-1)に変化。この時SCP-XXX-JPにある自らの異常性を起源とした障害のおよそ半分がSCP-XXX-JP-1に移動する。これはSCP-XXX-JP-1を破壊することによりSCP-XXX-JPのもとへ戻る。 |
後出しなどの禁じ手をした場合 |
[データ削除済]。 |
補遺:
研究報告書兼████の個人的メモ 作成日2001年█月█日
作成者:日本生類創研[データ削除済]所属研究員████
研究目的:生物の芸術品としての運用価値の検証。
研究対象:
目標制作物 |
部品 |
結果 |
備考 |
ゼンマイで動く生きたネズミ |
市販のゼンマイ、ハツカネズミ、[編集済]、[編集済] |
成功 |
今後予算が出るようになった。 |
ガラス製の猫 |
ペルシャネコ、[編集済] |
猫製のガラス |
生きてる。予算を使い切ってしまったがフワフワの窓が手に入った。 |
レンジを搭載した犬 |
ポチ(私の飼い犬だ)、施設のレンジ |
成功 |
実験用の犬さえ許可が下りないから飼い犬を使った。今回は成功したのに上は文句ばかりだ。見た目が気に入らないらしい。こんなにも美しいのに。 |
じゃんけんマン |
適当な成人男性8歳の男子児童([データ削除済])、[編集済] |
実験中 |
息子がじゃんけんに勝ちたいと言っていたのを聞いて思いついた。完成図の絵画も非常に美しい!こいつの完成までを日記に記そうと思う。 |
日記:
4/9:今日じゃんけんマンのために必要な部品の申請を出した。
5/1:[編集済]は許可が下りたが人間がダメだ、だと。個人の趣味のために不要な人員は手配できないんだと!![罵倒]。なぜあの美しいフォルムを理解できないんだ!!
5/2:しかし私の筋力では人間の調達なんて不可能だし…どうしたものか。
5/3:GW明けまでに小学校の先生へどう説明するか考えねば…。
5/4:いい感じだ。まずは形から入ろう。
5/5~6/10:形はいい感じに整形できたがまだ不十分なため補助ツールみたいのを付与しといた。一週間もすれば効果が発揮するはずだ。それと彼が暴れ始めるようになったから拘束して、あとは十分な飯を流し込むチューブも用意した。
6/11~6/15:魅力的なガタイに成長するのに足りる食料をタンクに詰め込んだ。毎日は面倒だからね。時が来たら老化を止める薬品も入れといた。
6/7:さあ、整形開始だ。
最後の日記の続きは見つかっておらず、発見当時の施設の状況から、資料の作者はSCP-XXX-JPの能力により死亡したと思われます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは世界に普遍的に存在するため収容は不可能です。
説明: SCP-XXX-JPは正と負の指向性を持つ異常な現実子です。SCP-XXX-JPは一人の人間が操作可能な量を1とし、指向性によって+および-の区別をつけ表現されます。通常世界のSCP-XXX-JPの量は±0です。
SCP-XXX-JPは人間以上のEVEを持つ存在により操ることが出来ます。これを評価と呼称し、その対象を評価対象と呼称します。評価は無意識下で行われるようです。評価対象1つにつき±1だけ評価することが出来ます。
評価対象に対し、-3以上のSCP-XXX-JPが向けられた際SCP-XXX-JP-Aの現実性は72時間後に完全に消滅します。72時間以内に-2以上のSCP-XXX-JPが向けられた場合は現実性の消失は回避されます。逆に+の評価が生じた場合はその現実性は補強されます。この補強とは現実性が増すことではなく、存在が消滅する危険の減少を指します。
この効果による消滅を防ぐ試みは失敗しており、評価対象に成り得る事象が効果から逃げることは不可能であると現実子-奇跡統一理論により証明され、Thaumiel認定されました。実際にSCP-XXX-JPによりSCiPが消滅させられた記録がオブジェクトクラス:Decommissionedとしていくつか保管されています(このオブジェクトは後に廃止されました)。しかし、SCP-682のような終了命令が出てるにもかかわらず依然として多数の+の指向性を持つSCP-XXX-JPを得て、現実性を補強されたSCiPも存在しており、オブジェクトクラスの改定が検討されています。
警告: 下記ファイル-XXXはセキュリティクリアランス4/XXXを持ち、O5協議会により認証を得た職員にのみ開示されます。
SCP-XXX-JPが評価対象を評価する際に評価実行者のEVEが通常の数百倍程度に上昇することが確認されました。これにより、実際に評価を実行してるのはより現実性の強い、こちらよりも安定した世界の存在が私達を通してSCiPを評価しているのでは、という仮説が提言されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
機材故障によりモノクロ写真で撮影されたSCP-XXX-JP-A-890
特別収容プロトコル: 全世界の海に探査用ブイを設置し、SCP-XXX-JP-Aの反応を常に観察してください。陸上では三ヶ月に一度、人類の手が入ってない土地に絞り捜索をしてください。SCP-XXX-JP-Aの反応があった場合直ちに最寄りの軍事施設からGOIとの共同機動部隊G-61"蛾の使い"を派遣し速やかにSCP-XXX-JP-Aを破壊し、その後72時間反応地点の周囲30海里を索敵してください。海中も特殊戦艦"轟天"を用いて轟天の限界深度まで索敵してください。索敵の結果SCP-XXX-JP-Aの別固体を発見した場合即時破壊してください。民間人にSCP-XXX-JP-Aを視認した可能性がある場合クラスG記憶処理を実行してください。
確認されたSCP-XXX-JP-Aが既知の物であった場合、補遺-怪獣図鑑を活用してください。SCP-XXX-JP-Aが未知の挙動を取った場合怪獣図鑑を追記、修正してください。
説明: SCP-XXX-JPは1946年以降世界規模で発生している巨大不明生物出現現象です。この現象により出現した巨大不明生物(以下SCP-XXX-JP-A)は既知の生物が変化したものであると推測され、元の生物に似通った特徴を持ちます。その体高は最低でも25m以上あり、最大で118mの種類のものが確認されています。殆どのSCP-XXX-JP-Aは海中より出現する傾向にあるようです。SCP-XXX-JPはその巨体にも関わらず陸上でも自重により自壊せず、また航空力学に逆らって飛行する個体もいるため、物理法則に対して何らかの異常干渉を発生させている可能性が示唆されています。
SCP-XXX-JPはその巨体故に秘匿することが非常に困難です。また、破壊時のデメリットの発生についても1件を除いて確認されていない為発見し次第破壊する事が推奨されています。その為現在はGOIとの共同機動部隊"蛾の使い"が設立されました。
殆どのSCP-XXX-JP-Aの外骨格や皮膚は通常兵器の攻撃を防御する程に頑強で、核爆発の爆心地に居たにも関わらず致命傷にまで至らなかったケースも存在します。攻撃手段は基本的には元となった生物の延長線上にありますが通常のそれよりも数倍に強化されている場合もあります。繁殖能力も有している為SK-クラス:支配シフトシナリオの危険が強く懸念されています。
SCP-XXX-JP-Aは同種の出現も確認されている為、特殊対処マニュアル"怪獣図鑑"が作成されました。
補遺:
初出現日時 |
番号 |
推定体高 |
出現回数 |
初出現地域 |
対処 |
備考 |
1946/07/01 |
SCP-XXX-JP-A-001 |
50m |
15回 |
ビキニ諸島 |
地中貫通弾による空爆 |
ヤシガニのような見た目をした巨大な甲殻類。記録上初めて出現したSCP-XXX-JP-A。偶然居合わせた米軍艦隊により攻撃を受けるが損傷を与えられず、水爆が用いられた。その後3回に渡る出現により地中貫通弾による空爆が有効な事が判明した。 |
1950/03/09 |
SCP-XXX-JP-A-002 |
25m |
9回 |
シベリア |
戦車による集中砲火対怪獣弾を用いた砲撃 |
シベリアの森中、財団サイト-█████に出現した巨大な狼とその群れ。SCP-XXX-JP-A-1ほどの頑強さはないが非常に筋肉が固く上に素早く、群れで連携をとるため兵器庫から戦車が動員されるまで一方的な蹂躙を受けた。結果として███名の死者と██個のSCiPの破壊(内keter個体2個)、███個のSCiPの収容違反を招いた。この事案以降芹澤博士率いる対策チームにより対怪獣弾が開発され、2回目の出現で実証された。 |
1954/10/08 |
SCP-XXX-JP-A-003 |
不明 |
1回 |
不明 |
小笠原諸島██島沖 |
財団サイトである小笠原諸島██島沖にSCP-XXX-JP-Aのものと思われる巨大な背鰭が観測される。また、周辺で微かなヒューム値の変化が観測されている。 |
1957/10/08 |
SCP-XXX-JP-A-004 |
50m |
6回 |
インド洋沿岸 |
翼膜に風穴を開け墜落後対怪獣弾で砲撃 |
巨大なコウモリのようなSCP-XXX-JP-A。亜音速で飛行可能。爪が鋭く対応した戦艦や戦車、戦闘機が毎回切り裂かれている。 |
1959/01/01 |
SCP-XXX-JP-A-005 |
75m |
1回 |
オーストラリア沖 |
対怪獣用砲による砲撃 |
エリマキトカゲのようなSCP-XXX-JP-A。二足歩行と四足歩行、どちらも可能。動きが素早くオーストラリアへの上陸を許してしまった。撃破後のDNA鑑定でオーストラリア北部で見つかった全長1mほどの突然変異と思われるエリマキトカゲと親子関係にあることが分かった。 |
1963/10/08 |
SCP-XXX-JP-A-006 |
25m |
3回 |
大西洋 |
冷凍攻撃による頭部凍結 |
全長数kmの長身の魚。存在だけで海流を狂わす為接近すべきではないが現在の財団の技術では至近距離でなんらかの冷凍攻撃をし、脳髄を凍結させる必要がある。これはSCP-XXX-JP-A-005の鱗と皮下脂肪が厚く、対怪獣弾が効かないことに起因する。 |
中略 |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
N/A |
2018/11/03 |
SCP-XXX-JP-A-890 |
推定118m |
1回 |
小笠原諸島██島 |
調査中 |
██島で観測された未知の怪獣。特徴は三列に並んだ背びれとSCP-XXX-JP-A-005のような爬虫類のような風貌が挙げられる。初出現後██島の警戒施設含むほぼすべての人工物が一夜にして破壊されていたことから目下最大の脅威として捜索中。また、その特徴からSCP-XXX-JP-A-003との関連が疑われている。 |
以下事項はセキュリティクリアランス3/G保有者のみに開示されます
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter-Explaineded
特別収容プロトコル:検閲スタッフは常に世界中の論文を監視し、SCP-XXX-JP-Bと同内容の論文が発表された場合即時に削除し、著者及び閲覧者に対しAクラス記憶処理を実行してください。
説明:SCP-XXX-JPは1946年以降世界規模で発生している巨大不明生物出現現象です。これに発生しているSCP-XXX-JP-Aについては上記報告書の記載を確認してください。当初SCP-XXX-JP-Aには物理法則を無視する働きが生じていると推測されましたが財団研究員である山根博士が発表した物理法則、および生物学、生態行動学の論文により全て科学的に矛盾しないことが証明されてしまいました。この論文をSCP-XXX-JP-B-EXと指定します。SCP-XXX-JP-B-EXによるとSCP-XXX-JPの正体は2度の世界大戦による環境汚染及び世界規模での膨大なエネルギー消費により地球上の動植物が急速に進化する現象であることが判明しました。高威力の武器に耐えうる頑強な皮膚やそれを維持できる画期的エネルギー合成法、人が垂れ流す毒を吸収できる器官を持つように進化した動植物のみが生き残った結果がSCP-XXX-JP-Aの発生現象である上それらは皆正常な進化であるというのがSCP-XXX-JPの最も脅威的な事項です。異常物体ならば収容の仕方がありますが、正常な活動は止める方法それ自体が人類を死に至らしめるからです。SCP-XXX-JPはかつての恐竜がそうであったように地球の正常な世代交代でしかありません。ええ、つまり地球そのものが我々に牙を剥いてるのです。
また、地球の支配種がSCP-XXX-JP-Aにシフトする過程で現在の現実改変能力者のような存在がSCP-XXX-JP-Aの中から—現れる可能性があるということを示しています。-現れました。詳しい概要は補遺-SCP-XXX-JP-Gをご覧ください。