アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8137に保管されています。無停電電源装置に接続し、SCP-XXX-JPに接続されたモニターを常時監視してください。メッセージウィンドウに表示された文字はすべて記録してください。SCP-XXX-JPの収容室でヒューム濃度が変動した場合は直ちに研究員に連絡してください。ゲームの進行が「ラストダンジョン」に到達した時点でアラートを発報してください。アラートを確認した研究員はSCP-XXX-JPのリセットボタンに指を置き、「エンディング」後のスタッフロールが表示された段階でリセットボタンを押してください。
説明: SCP-XXX-JPは198█年に製造された家庭用ゲーム機専用ソフト「████████」のROMカートリッジです。SCP-XXX-JPに保存されているゲームプログラムには致命的なバグが存在しており、ゲームをクリアすることができません。そのため、SCP-XXX-JPの同一ロット製品は発売前に回収と廃棄が行われ、現時点での残存数は10個以下と推測されています。財団が保有するSCP-XXX-JPの同一ロット製品は7個ですが、異常性を示しているのはSCP-XXX-JPのみです。
ゲーム内のプレイヤーが操作するキャラクター(以後、"主人公"と呼びます)はゲームが開始されると自発的に行動します。時折、メッセージウィンドウが表示され"主人公"の台詞が表示されます。台詞は日本語のひらがなを用いて表示されています。すべての台詞が設定されたものではないことからSCP-XXX-JPは日本語を理解し表現する能力を得ていると推測されます。語彙を習得し記録する手段は一切わかっていません。財団が所有するスーパーコンピュータを用いてSCP-XXX-JPの言語能力を再現する試みは、スーパーコンピュータの処理性能不足により失敗に終わっています。
研究によりSCP-XXX-JP内のメモリ上にROMには存在しないプログラム(以下、SCP-XXX-JP-a)が存在していることがわかっています。SCP-XXX-JP-aは電源の投入時、本来はゲームのプレイデータが保存されている領域からメモリにコピーされ動作を開始し、"主人公"を操作する外部からの入力を偽装することで"主人公"を動かし始めます。これはSCP-XXX-JPの数あるバグの一つによる動作であることがわかっています。ゲームプログラム本来の動作によりSCP-XXX-JP-aが部分的に破壊されることがありますが、
SCP-XXX-JP-aは通常の操作では回避不能なゲームの進行が不可能になるバグに遭遇するとメモリを一定のパターンに改変し電磁波を放出させます。この電磁波によりメモリの内容は部分的に破壊されランダムな内容へ書き換えられます。ほとんどの場合ゲームの暴走や異常によりゲームはソフトウェアリセットされ、メモリは消去されますが、SCP-XXX-JPは未解明の手段でメモリ上にSCP-XXX-JP-aを再構築し、再びゲームを進行させます。これまでに███████回のリセットが行われ、SCP-XXX-JPに保存されたゲームの進行不可能なバグ5つを回避しています。SCP-XXX-JPの同一ロット製品を解析した結果、あと12個のバグを回避するとゲームクリアに到達できると予測されています。
補遺: 以下は画面上に表示された"主人公"の台詞です
記録00051 - 日付19███/███/███
台詞: まえにも ここで
かのし゛ょ を みたような
記録00195 - 日付19███/███/███
台詞: おおゆうしゃよ おまえのほ゛うけんは
まおうをたおすた゛けではない
せかいをむしは゛む かみがみのあやまちを
しゅうせいするのた゛わかりました
記録01740 - 日付19███/███/███
台詞: こんなせかい を つくった
かみか゛みは と゛こにいる?
け゛んし゛つは くそ た゛
記録09892 - 日付20███/███/███
台詞: みつけたそ゛ まおうをたおし
かみか゛みのなをよみおえたら
████████████をとおり
かみか゛みの せかいにいける
記録15066 - 日付20███/███/███
台詞: おれは あきらめないそ゛