Arasumi

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準的な無生物収容ロッカーに収容されます。実験を行う際は担当者の許可を得るようにして下さい。

説明: SCP-XXX-JPは██████ 社のロゴが付いたアイマスクです。形状や色は市販のものと同一です。後述する特性にも関わらず、使用者は「これを着けるとよく眠れる」またはこれに類する感想を述べています。現在20本のSCP-XXX-JPが収容されていますが、これが存在する全てのSCP-XXX-JPかは不明です。
SCP-XXX-JPの異常性は、過去に定職についていた・もしくは現在ついている人間が顔に着用し、眼を覆った際に発生します。着用者は睡眠欲の程度にかかわらず30秒以内に睡眠状態に入り、8時間後に起床します。睡眠中に外部刺激により起こすことには成功していません。被験者が起床すると、オブジェクトを一度顔から外して着用し直すまで異常性は発揮されません。
睡眠中、被験者は自身の最新の職歴を反映した夢を見ることになります。その内容は、自身の職場で24時間、不眠不休で繁忙期の職務を遂行するというものです。途中で食事や休息を取ろうとすると、「突然降ってわいたトラブル」・「上司からの緊急の業務命令」・「クレーマーの出現」などにより常に妨害されます。
夢の中で蓄積された疲労は起床時被験者の肉体にフィードバックされ、実験直後に行われた健康診断では、疲労が蓄積しているとの診断がくだされます。また、起床直後は夢の内容を鮮明に覚えているものの、30分後には記憶が完全に消失します。この記憶の喪失は日常的によくあることとして使用者に疑念を抱かせることはありません。使用者は起床後オブジェクトを再度使用したいという誘惑に駆られますが、これは疲労の蓄積からくる生理的なものと考えられます。
使用前の健康状態に関わらず、通常の睡眠を間に挟むことなくSCP-XXX-JPを三回続けて使用し、計24時間の睡眠をとると着用者は三回目のプロセスの最後で起床することなく死亡します。解剖では、死因は脳溢血、急性心不全などによるものと診断されます。1

SCP-XXX-JPは、200█年に夏季休業中にも関わらず██社の社員█名が過労死したという情報が財団の注意を引いた事により発覚しました。社員の自宅を捜索したところ、共通してSCP-XXX-JPが発見されました。家族と██社の関係者に記憶処理を施した後、カバーストーリー、「酷暑による熱中症」を流布し、開放しました。記憶処理前に██社の社員に対するインタビューをした結果、夏期休業に入る前、「██████ 社試供品・持ち帰り自由」と書かれた紙箱がオフィス内に置かれており、その中にSCP-XXX-JPが入っていたのを見たという証言を得ました。██████ 社はアイマスクの試供品を当会社に提供しておらず、誰がどのようにしてSCP-XXX-JPをオフィスに配置したかは不明です。