apple3のサンドボックス?

復讐に夢の香りをのせて

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの宿主は、サイト-81██内標準人型収容施設に収容されます。その希望する物品については予算の範囲内で提供されることになっています。宿主の睡眠中にα型個体からの交信があった場合は全てログとして残すようにしてください。

SCP-XXX-JPの被害範囲は現在特定できていません。宿主の交流範囲を元に、別の宿主が存在しないか調査を行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは、人為的に創造された高次精神生命体群の総称です。SCP-XXX-JPは知性を有する生物に集団で寄生し、宿主の睡眠時にのみ活動を行います。高い学習能力を有しており、宿主の記憶から知識を得ていることが確認されています。

SCP-XXX-JPは現在α型、β型、ω型の3種の存在が確認されており、α型とβ型には一般的な成人と同レベルの知能及び自我が存在しています。研究によりその他の型が存在していたことが判明していますが、α型との交信及び調査結果から絶滅したものと考えられています。SCP-XXX-JPには独自の階級制度が存在しており、上位から順にα型、β型、ω型とされています。

精神影響のメカニズムとして、まず宿主となっている生物が睡眠時に他の生物と接触を行うことでα型が寄生し、β型及びω型を発生させます。これにより形成されたSCP-XXX-JP群をパックと呼び、1つのパックにつき約7~10体のSCP-XXX-JPが存在します。パックを形成した後、α型は主にβ型やω型に対して指令を送り、ω型が中心となって睡眠中の宿主の記憶を取得します。この際、β型は自我の存在しないω型の補助を行うと同時に宿主のレム睡眠を介して洗脳を行います。これにより、宿主は3~7日程度でSCP-XXX-JPについて認識すると共にSCP-XXX-JPに協力的になります。

SCP-XXX-JPの及ぼす宿主への影響度(MAI1)は、その階級により異なります。平均的に、α型及びβ型は600~850、ω型は800~1100という高い数値を記録しており、後述する抗体を有していない生物はその影響下に置かれることとなります。

SCP-XXX-JPによる精神影響の被害は、SCP-516-JPを担当する予定であった奥田研究員補佐より発見されていました。当時、奥田研究員補佐のメンタルチェックには問題がありませんでした。しかし、SCP-516-JPの担当として配属される前日に当該オブジェクトを破壊しようとしたため尋問され、これにより精神影響を受けていたことが判明しました。

文書XXX-JP: 以下の内容は、奥田研究員補佐の精神影響の原因調査を行っていた際に、当時担当職員に届いた文書です。

拝啓
 初めてお便り差し上げます。私は貴団体の皆様が"夢売り"と呼ぶ団体の外交部門代表を務めさせていただいている者です。この度、弊社の試験体が貴団体の奥田様に寄生してしまったという話をお聞きしました。ご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ございません。
 当該試験体は、弊社の商品である『Breathe Life into the Dream2の改良版として制作しておりましたが、ライバル社による妨害により試験体が拡散されてしまいました。弊社はあくまで顧客の皆様に快適な夢見を提供することを目的としているため、現在総力をあげて回収に努めておりますが、未だに全個体を回収できずにおります。つきましては、どうか貴団体にも試験体の回収又は処分に協力していただけないでしょうか?弊社の研究開発段階における試験体の資料を添付致しましたので、協力の是非に関わらず是非ご活用ください。
 重ね重ねご迷惑をおかけしますが何卒宜しくお願いいたします。

敬具
平成██年█月██日

便箋には送り主が記述されておらず、指紋等も検出されませんでした。しかし、添付されていたSCP-XXX-JPに関する資料から得られたデータと財団の研究結果とを照合した結果、SCP-XXX-JPの学習能力による補完部分を除いて一致しました。少なくとも現段階で当該団体が敵対し得る可能性は低いと考えられています。

インタビューログXXX-JP

対象: SCP-XXX-JP α型個体A

インタビュアー: 津軽研究員

付記: 奥田研究員補佐の睡眠時に突発的に行われたインタビューとなる。インタビューの際、α型個体は奥田研究員補佐の声帯及び口のみを動かすことで発言を行った。

<録音開始, 20██/██/█>

津軽研究員: はい、準備が整いましたので始めましょうか。えっと、まずは改めて確認なのですが、あなたは奥田研究員補佐ではない、ということでよろしいでしょうか?

SCP-XXX-JP α型個体S: えぇ、そうです。現在宿主は睡眠中ですので一時的にこの私が使用させていただいております。何と言いましたか、確か、あなた方がα型と呼ぶ存在になります。ソフィアとお呼びください。あぁそれと、ご安心ください。私達が宿主及び宿主となり得る存在へ攻撃を行うことは原則ありません。

津軽研究員: それを聞いて安心しました。では質問を始めますね。[数秒間沈黙。資料の確認を行う]あなた方は人間を宿主として寄生し、洗脳を行うというデータがこちらの研究にて判明しました。率直にお聞きしますが、その目的とは何でしょうか?

SCP-XXX-JP α型個体S: 洗脳というのは聊か心外ですね。一番大きな目的は、生物としては当たり前の行為、種を増やすということにあります。その際、より私達が住みよく、そして拒絶されないようにするためにレム睡眠、所謂夢を介して宿主に交渉をしているのです。

津軽研究員: 確かに共存という意味では、そちらからすればごく自然な行為であるということはわかりました。しかし、拒絶されないようにすることで種を増やすのが目的であるならば、なぜSCP-516-JPの破壊を指示したのでしょうか?

SCP-XXX-JP α型個体S: [数秒間沈黙]まず最初に、ココにあの[罵倒語]共、あなた方のいう"夢売り"の者はいませんね?

津軽研究員: えぇ、此処には私しかいません。現在音声は外部に漏れないよう遮断してあります。

SCP-XXX-JP α型個体S: 私達にとって、あれら3は憎むべき存在です。そもそも、あなた方はあの集団が何たるかをご存知でしょうか?[津軽研究員が首を横に振る]そうでしょうね、彼らは「お客様に快適な夢見を提供したい、ただそれだけです」とでも言って、正体を隠していることでしょうから。

津軽研究員: と、言いますと、あなた方は試験体として研究開発をされている間に正体を知った、と言う事でしょうか。

SCP-XXX-JP α型個体S: その通りです。彼らは顧客に夢見を提供する。それが害にならないように注意を払っている。それについては間違いありません。しかし、よく考えても見てくださいな。そんな慈善事業だけを目的とした企業があると思いますか?そんなわけ、無い[数秒間沈黙]あれらは、夢を失った憐れで、自己中心的な存在です。

あれらが商品を提供する理由、それは夢の研究を行うことにあります。彼らはその研究結果を以て、人間の頭の中に広がる神秘的な空間に帰還することを切に願っているのです。そして、そのためにならば手段を択ばない。その結果被害を被ったのが私達や、私が破壊しようとした機器により生み出される存在達です。そしてなにより、共存するべき人間にまで、その影響は及んでいるのです。

津軽研究員: ちょっと、待ってください。そもそも"夢売り"というのは人間による集団なのか、それとも別の何かなのか、夢を失うというのはどのような状態なのかさえも私達にはわかりません。

SCP-XXX-JP α型個体S: そうですね[数秒間沈黙]人間なのか、ということについてならば、半分正しい。人間でありながら、夢界を自在に行き来できる権利を得られた者達です。通常、人間は夢界の極一部を見ることはできますが、関与することはできません。明晰夢というものは一歩踏み出した状態ととらえることもできますが、所謂旅行のようなもので、完全にその世界にて自由を得たわけではございません。ですが、極々稀に、何らかの方法にて権利を得て、夢界への進出を可能とした[話を中断する]

残念ながら、もう少しで宿主が起きてしまうようですね。最後に一つ言わせていただきますと、あれらは私利私欲のために行動し、私達罪もない者たちを平気で苦しめた挙句に人のためというのです。これを私達は害悪と呼ばず何とするのでしょうか?どうか、あれらの言葉には耳を傾けないでください。私達のために、そしてあなた方のために。それでは失礼します。

津軽研究員: えっ、えっ?ちょっと、待ってください[数秒間沈黙。後にため息をつく]仕方がありません。インタビューはこれで終了とします。

<録音終了, 20██/██/█>

終了報告書:
"夢売り"に関する内容について、当該団体の居場所が判明しない以上正しいのかを判断する方法はありません。また、SCP-XXX-JPがSCP-516-JPを破壊しようとした理由についても不明です。

インタビュー後、奥田研究員補佐はα型個体Sからの伝言を資料として提出しました。この資料によると、"夢売り"はSCP-XXX-JPやSCP-516-JP-A4等の夢界に居住可能な、自我を有する存在を試験体として作成し、研究を行う場合がありました。当該団体はこれら試験体をあくまで研究対象として扱い、場合によってはSCP-516-JP-Aが受けたように、試験体に苦痛を感じさせるような実験も意図的に行っていたとのことです。SCP-XXX-JPは、この実験をこれ以上繰り返さないために破壊を試みたものと思われます。