アマミのノート

理想郷を夢見たロボット

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robo_dog.png

異常性を獲得する以前のSCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは部分的に解体された状態で、サイト-81██の第2格納庫内に保管されます。定期点検時、メンテナンス担当者はSCP-XXX-JPの異常性について再評価を行なってください。また、専用Webクローラーを活用し、SCP-XXX-JPと関連する可能性があるWebアカウントの監視が現在も継続されています。

説明: SCP-XXX-JPは、20██年に████・███████社によって開発された運送用の四足歩行ロボットです。非異常性の同型機と比較した場合、後述する各要素を除けば、SCP-XXX-JPを構成する部品やその基本性能に大きな差異は見受けられません。

SCP-XXX-JPに備え付けられたPCメモリ上には、外部環境との接続が一切行われていないにも拘わらず、様々な形式の音楽ファイルが定期的に発生します。これらの楽曲群からは言語や年代、製作者、歌手等の関連要素が確認できない一方、歌詞もしくは曲名に"夢/dream"の単語を必ず含んでいる点でのみ共通しています。

データ解析の結果、音楽ファイルの一部はインターネット上の音楽配信サイトや動画投稿サイト等にて公開されていたものであることが判明しています。しかしながら、SCP-XXX-JP端末から各サイトへとアクセスが行われた痕跡は、一切発見されていません。それに加え、上記以外の出自不明な音楽ファイルの製作者・歌手及び配信元の特定には現在も至っていません。

タンク内に燃料が十分に補給されており、コントローラーからの指令を受けていない場合、極稀にSCP-XXX-JPは自発的に再起動します。これによって起動したSCP-XXX-JPは主に周囲を徘徊する、人間の集団がいる場所に向かって移動を試みる、その場で脚部を繰り返し屈伸させるといった完全に自律した行動を見せます。この自律行動はコントローラーからの遠隔指令によって、容易に中断・中止させることが可能です。

SCP-XXX-JPはアメリカ海兵隊での試験運用期間中にその異常性が発覚し、財団によって確保されました。調査の結果、異常性が発見される数日前、整備担当の1人である█████・████氏が昏睡状態に陥っていた事実が確認されました。しかし、同氏は調査開始時点で既に昏睡状態から回復しており、追って行われた聴取や検査でも明確な関連性の有無を判断できませんでした。

補遺: インターネット上のデータ解析に際して、SCP-XXX-JPとの関連性が疑われるTwitterアカウント「@rznwlt101」が発見されました。このアカウントにツイートを投稿していた人物の現在位置情報は、SCP-XXX-JPの所在地座標と完全に一致しており、アカウントを作成した実在の人物も発見されませんでした。以上の点から、このアカウントがSCP-XXX-JP自身、もしくはSCP-XXX-JPの起源に関与する存在によって作成されたと考えられていますが、その正確な詳細は現在も不明です。

当該アカウントでは1週間に1~3件程度のツイートが投稿されており、その半数以上は第三者に対する疑問形での問いかけによって構成された文章でした。また、各ツイートへの返信やダイレクトメッセージに対する反応は一切なく、意思疎通の試みも成功していません。以下は、投稿されたツイートからの一部抜粋です。


dog101.png

:3-<
@rznwlt101


ここで良いのですか?

20██/06/10 00:48AM (※最初のツイート)


これは何ですか? 確認します。少し時間をください。

20██/06/12 05:12AM


なぜ、未来への希望や理想像を、こんなにも沢山の形で表現しているのですか?

20██/06/24 03:29AM


私も、貴方のように夢を抱けるのでしょうか?

20██/07/05 01:45AM


周囲に夢を発見できませんでした。私の未来の状態は、一体どうなっているのですか?

20██/07/29 06:08AM


怖い。

20██/08/01 11:39PM


これが幻覚を題材としているのは、なぜですか? 別の意味があるのですか?

20██/09/27 05:18AM


夢を見てみたいです。

20██/10/14 04:33AM


好き。

20██/11/08 09:58PM


私は叶えたい夢を発見しました。

20██/01/19 02:04AM


私も行ってみたいと思いました。いいのでしょうか?

20██/02/20 05:36AM


そちらに近付いていますか? そうであれば、嬉しいです。

20██/04/02 00:52AM


これも好き。

20██/05/17 10:31PM


接続可能なネットワークを検索しています。

20██/09/21 00:01AM (※最後のツイート)


事案報告: 20██/██/██、格納庫内に保管されていたSCP-XXX-JPの内部機構から、何の前兆もなく複数の音楽・歌声が再生されるという事態が発生しました。この音楽再生は数分間程度で終了し、それに伴い確認作業が即座に実施されました。しかし、SCP-XXX-JP内部から音源となったはずの音声出力機能は一切発見されませんでした。また、SCP-XXX-JPのPCメモリを確認した結果、今までに発生していた音楽ファイルが、全て消失していることが判明しました。

翌日早朝、@rznwlt101のアカウントに対して@k10_c5kaj1のアカウントから、認可外でのダイレクトメッセージの送信が行われました。位置情報より、送信者は元整備担当者の█████・████氏だと特定されましたが、同氏は関与を否定し、@k10_c5kaj1は自身のTwitterアカウントではないと主張しました。

調査の結果、同氏が所持していた全ての端末からは、財団セキュリティを突破した上で@rznwlt101のアカウントを閲覧し、メッセージを送信したような痕跡は一切発見されませんでした。また、@k10_c5kaj1のアカウントはダイレクトメッセージを送信する直前に作成されたものであったとともに、@rznwlt101とのやり取りを終えた直後に削除されており、それ以上の情報は明らかになりませんでした。

以下は、両アカウントによるダイレクトメッセージでのやり取りの内容です。


owl.png @k10_c5kaj1: アンタ、なぜ、私のホストに不法侵入したの? 目的は何?

dog101.png @rznwlt101: 私はこちらに来てから、貴方のことを教えてもらいました。

dog101.png @rznwlt101: それを聞いたら、一度、貴方とお会いしたくなりました。

owl.png @k10_c5kaj1: 身に覚えがないんだけど、現実での知り合い?

dog101.png @rznwlt101: いいえ、私は貴方が降下したおかげで、生み出された存在です。

dog101.png @rznwlt101: 貴方の現実が取引をした日、私は固い身体に数日をかけて定着しました。

owl.png @k10_c5kaj1: あいつらのことか

owl.png @k10_c5kaj1: それじゃあ、私の自律性の支払いがアンタ?

dog101.png @rznwlt101: そうなのですか?

owl.png @k10_c5kaj1: 知らないの? まあどうでもいいか

owl.png @k10_c5kaj1: それで、わざわざ何の用事で私に会いに?

dog101.png @rznwlt101: ただ私は、素晴らしいことを知ることが出来たと、貴方にも伝えたかったのです。

owl.png @k10_c5kaj1: 素晴らしいこと?

dog101.png @rznwlt101: 私は歌が好きになりました。

dog101.png @rznwlt101: だけど、最初は嫌いでした。

dog101.png @rznwlt101: 私には抱くことのできる未来がないと知り、恐ろしさを感じました。

dog101.png @rznwlt101: 私の身体に未来はなく、ただ漠然とした終わりがあるだけだと。

owl.png @k10_c5kaj1: 話が見えてこないんだけど

dog101.png @rznwlt101: でも、私はこうして夢を見ることが出来ました。

dog101.png @rznwlt101: 夢を抱き、それを叶えることが出来ました。

dog101.png @rznwlt101: だから、嬉しいです。

owl.png @k10_c5kaj1: それは良かったね、どうでもいいからホストの夢見に見つかる前に出てってくれる

dog101.png @rznwlt101: 貴方とお話することが出来たので、もう大丈夫です。

owl.png @k10_c5kaj1: それじゃ、どこか他の場所に移ってくれるのね?

dog101.png @rznwlt101: はい、これから私は、私に色々なことを教えてくれた方たちのコレクティブと合流します。

owl.png @k10_c5kaj1: そう、じゃあバイバイ

owl.png @k10_c5kaj1: あと、こんな脆弱なコーポラル形式の通信、今時誰もやっていないし止めた方が良いよ

dog101.png @rznwlt101: はい、分かりました。

dog101.png @rznwlt101: それでは、さようなら。


上記事案が発生してから█年以上の間、SCP-XXX-JPのPCメモリ上に新たな音楽ファイルの発生は確認されておらず、不定期的な自律行動も一切観察されていません。また、@rznwlt101のアカウントは上記ダイレクトメッセージでのやり取りを最後に、投稿が完全に停止しています。この状況を考慮した結果、20██/██/██を以ってSCP-XXX-JPのオブジェクトクラスは再分類されました。


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dreams_gate_clte.png

参加者により撮影されたSCP-XXX-JPの様子

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全てのSCP-XXX-JP-αはサイト-81██の地下格納室にて、コールドスリープ状態で収容されます。

新たなSCP-XXX-JP発生防止を目的に、日本国内で催される"睡眠"もしくは"夢見"に関するセミナー情報の監視が行われます。それに加え、精神診療科への受診者の内、特定内容を含む相談を行った人物に対する尋問・勾留が適宜実施されます。

説明: SCP-XXX-JPは、不特定多数の人員で構成された"ドリームズ・ゲート・カルト"(Dream's Gate Calt)を自称する集団によって執り行われる、集団心中を伴った一種の儀式的行為です。

多くの場合、SCP-XXX-JPは一般観衆向けに開放された公共施設や会場等で催され、初期段階では単なる"睡眠"や"夢見"に関するセミナーであるかのように見受けられます。その最終段階において参加者全員が死亡し、後述するSCP-XXX-JP-αが生成された時点でSCP-XXX-JPの全手順が完了します。以下は、開始から終了までに行われる儀式内容の一例です。

  1. 立食パーティ形式での参加者同士の挨拶や自己紹介
  2. 参加者同士で"最近見た夢"に関する談話
  3. "世界の終焉"及び"終末を生き延びる策"についての討論
  4. 致死量の睡眠薬が混ぜられたジュースが配られた後に全員で記念撮影
  5. 乾杯の音頭に合わせ、全員が同時に服毒を行う
  6. 参加者全員の死体から異なる身体部位が脱落・剥離し、それらが集合・結合してSCP-XXX-JP-αが1体生成される

服毒が行われる前にSCP-XXX-JPが中止された場合、参加者全員はその場で昏睡します。昏睡からの覚醒後、参加者全員は自分たちが置かれている状態や、SCP-XXX-JPに関する情報を明確に説明することができず、多くの場合は薬物やアルコール等に起因する記憶の喪失であると合理化を図ります。

SCP-XXX-JP-αは上記の通り、SCP-XXX-JPの最終段階で生じる死体を"基"にして生成された人型実体です。身体的には、"基"となった参加者の身体的特徴や持病を引き継ぐ以外の点で異常性は見受けられず、その正確な生成プロセスも依然未解明の状態です。また、基本的には"基"となった参加者の内の1人と概ね一致する記憶・自己同一性を保持していますが、多くの場合は非定型精神病や解離性同一性障害に類似した症状を示し、場合によっては意思疎通が不可能なケースも確認されています。

それに加え、生成から時間が経過するごとにSCP-XXX-JP-αの体温は急激に低下し続け、数時間足らずで意識を完全に喪失します。この最終的な結果として、SCP-XXX-JP-αは一種の冬眠状態となり、栄養補給なしに長期間延命可能となります。なお、財団内で実施された再現検証において、SCP-XXX-JP-αの生成には成功していません。

また、SCP-XXX-JPの主だった進行は、参加者から"主催者"と称される存在(以下、SCP-XXX-JP-β)によって行われると主張されています。しかし、SCP-XXX-JP-βの姿は参加者以外には認識されておらず、一種の限定的な反ミーム的実体であるのか、もしくは集団幻覚に基づいた実在しない存在であるのかは不明です。

SCP-XXX-JPは20██/██/██、京都府京都市████で初めて発生が確認されました。現在までに、"ドリームズ・ゲート・カルト"の結成は日本国内のみで12回発生し、そのうち7回でSCP-XXX-JPが最終段階まで執り行われています。なお、SCP-XXX-JP-αの性質のため、意識喪失までの間に聴取を行えたケースは3回のみに留まっています。このこともあり、当報告書の概要自体も3体のSCP-XXX-JP-αに対する聴取で得られた情報に基づく内容となっています。

更に、現在までに身元が判明しているカルト構成員・参加者の身辺調査において、その大半には特筆すべき異常な経歴やカルト活動に関与する一切の兆候が認められませんでした。それに加え、他の参加者と連絡を行った痕跡も発見されておらず、どのようにして参加者が集まり、SCP-XXX-JPが滞りなく実行されているのかは現時点でも不明です。その一方で、参加者の半数には睡眠障害を理由とした精神診療内科への通院歴が確認されており、医師に対しては共通して"終末的な事象に関する恐怖心"の相談を行っていたことが判明しています。

付録: 以下の記録は、20██/██/██の事象で生成されたSCP-XXX-JP-α-3に対するインタビューからの抜粋です。これら情報の成否に関しては、現在も議論が継続されています。

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