SCP-XXX-JP-1-1: まさか実験を受ける側になるとはね
██研究員: 私もそう思います・・・
SCP-XXX-JP-1-1: まぁ、楽しいからいいんだがね。取り合えず何を聞くかい?
[茶をすする音]
██研究員: ええっと、実験後に身体への違和感などはありますか?
SCP-XXX-JP-1-1: うーん、[数秒空いて]全く無いね。落ちてあの凄い音を自分自身で聞いてから病巣からの悲鳴も何も無いよ。
██研究員: 全くですか、確かに痛み止めを申告しなくなりましたね。
SCP-XXX-JP-1-1: お陰で頭の中スカっとしたよ、ここまで気が楽なのはアメリカでマリファナパーティした時以来さ。
██研究員: そうですか。あとは何かありますか?
SCP-XXX-JP-1-1: サラッと流されるのは何だか悲しいのだが[3秒の間] 後は目の前の元部下が最近冷たいことと、ここ数日考えたあのSCiPの特性についての考察かな
██研究員: 元からです。それと考察ですか?
[茶をすする音]
SCP-XXX-JP-1-1: [数秒の間] 落下の瞬間、音はするだろう。
██研究員: しますね。
SCP-XXX-JP-1-1: 音はするのに、すぐには壊れない。さてこのSCiPを作った人が居たとしたらどんな理由なんだろうね?
██研究員: [数秒の間] 誰かに見つかってもすぐにはバレないようにしたかったから?
SCP-XXX-JP-1-1: それだと30点だね、悪戯っ子の発想なんだが。
██研究員: 博士よりはマシです。で、結局なんだと思うんですか?
SCP-XXX-JP-1-1: 私はこう思うかな、「自分の手で壊したかった」からだな。
██研究員: 発想がDクラスなんですが。
SCP-XXX-JP-1-1: 誉め言葉として受け取っとくよ。音に関しては「壊した」と実感が欲しいから、しばらくして壊れるのはその「実感」と「後悔」を愛でるためかな。
██研究員: 作った人とその発想に至った人はとんでもない[削除済み]ですね
SCP-XXX-JP-1-1: 君切れると怖いタイプか、口説かなくってよかったよ。
██研究員: XXXの効果がなかったら今頃トカゲの餌にしてましたよ。
SCP-XXX-JP-1-1: おおぅ、怖い怖い。あとその効果についてなんだが、さっきの理由を元に考えるならどこからエネルギーを引っ張ってきてるかなんとなくわかったよ。
██研究員: それは何ですか?人体に影響が出るものではないと思いたいのですが。
SCP-XXX-JP-1-1: 出ないさ、多分ソースは人の感情だと思うよ。
██研究員: [数秒の間] 感情、ですか?
SCP-XXX-JP-1-1: ああ、感情。証拠に今、私の落下音をわざと記録しないほどの研究者失格な奴が悪態をつけるほど精神が回復しているでしょ。
██研究員: [数秒の間] えっ?
SCP-XXX-JP-1-1: そのものが「壊れる」ことによって生じる強い感情、恐怖なり畏怖なり、探求心とかも含まれそうだね。その感情をどういうわけかエネルギーとして変換し現実改変を起こしているのではないのかと思うよ。
██研究員: 現実改変・・・
SCP-XXX-JP-1-1: ヒューム値でも調べてみない限りは断定できないけどね。でもリソースが感情だし、道具っていうのは製作者が「こうであってほしい」と作ったのが始まりだからそういうことだと思うよ。
██研究員: [数秒の間] 取り合えず審議会に元博士の強度実験の提案でもしていきますね。[削除済み]野郎。
SCP-XXX-JP-1-1: 照れ隠しとして受け取っとくよ。
[茶をすする音]