akitaka
評価: 0+x

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 本報告書を除き、SCP-XXX-JPを記録した媒体は全て破棄されます。SCP-XXX-JPに関連すると思われる物流情報を得た場合、直ちに現地調査を行います。SCP-XXX-JPを知る人間にはBクラス記憶処理が行われ、実験に関わったセキュリティクリアランス3以下の職員に対しても同様の措置が行われます。
確保したSCP-XXX-JP-2については標準人型収容室に収容され、日に3度の一般的な食事が与えられますが、一度の事件に対して確保したSCP-XXX-JP-2が多すぎる場合、十分な情報が得られる個体数を残して終了する事が許可されます。

説明:

SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JP-1及びパラフィン製の等身大人形を材料とした人型生体の製造法であり、SCP-XXX-JPによって製造された人型生体はSCP-XXX-JP-2に指定されます。


これまで確認したSCP-XXX-JP-2は外見上人間との違いはほぼ見られず、その身体の質感も自律行動を取り始めた時点で人間と同質のものに変化しています。食事・排泄・睡眠も人間と同様に必要としており、行動のエネルギーも食事によるものだと予測されています。外傷を受けた時の出血は確認されていませんが、その断面組織は人間の物と近似しています。しかし、一定以上の外傷を負うと身体の材質は当初の材料の物へと変化し、また外傷がそれに達せずとも切り離された部位は同様の変化が発生します。
性格や知識量は材料となったSCP-XXX-JP-1に依存しており、知識的な部分を除く個人的記憶を最初から所有するSCP-XXX-JP-2は確認されていません。

SCP-XXX-JPは、███府███市内において19██年頃から出回り始めたとされる「ヨモツミの御守り」の調査において、その出所である████神社内にて目覚め前のSCP-XXX-JP-2が確認された事から発覚しました。
本来の調査対象である「ヨモツミの御守り」については数十個ほどの実在が確認されましたが、
・手に入れてから9日間は不幸を防ぐが、それを越えると不幸を呼び込む。その前に誰かに渡すか神社に返納しなければならない
・御守りの中身はヨモツミさまの身体の一部であり、ヨモツミさまへ祈る気持ちが強い程不幸を防ぐ力も呼び込む力も強くなる
という噂については効果が一切確認されず、中身は乾燥した豚肉でした。他にも異常な性質は見られませんでしたが、その噂の内容からSCP-XXX-JP-1として利用するために製造され、噂が流布された物であると推測されています。

SCP-XXX-JP-1に指定されるのは、人から人へ受け渡され強い感情に曝され続けた物品であり、それが何であるかは問われません。「ヨモツミの御守り」を製作した████神社の神主(事情聴取を行った後、財団監視下の元神社へ復帰済)はこのような物体を「信仰集積物」と呼称しています。多数の人間の感情集積を始点とした異常存在の生成は本件の他にも数例確認されていますが、関連性については明らかになっていません。
████神社では、19██年頃より社会の改善を目的としてSCP-XXX-JPを用いた実体を持つ神の製造を試みていたとする記録が発見されました。「ヨモツミの御守り」の様な物品を世間に流通させることでSCP-XXX-JP-1を調達し、それを用いてSCP-XXX-JP-2を製造しようとしていたもののその試みはこれまで成功せず、意識は曖昧で動作は緩慢な特別な性質を持たないSCP-XXX-JP-2に留まっていたと記録されています。
しかし、調査を行った半年前の時点において特別な能力は持たないものの外見上人間との区別が難しい程のSCP-XXX-JP-2の生産に成功しています。それらに使用されたSCP-XXX-JP-1は一般に流通する紙幣でした。
紙幣をSCP-XXX-JP-1として生産されたSCP-XXX-JP-2は10体程既に社会に解放しており、以降は当初の方法によるSCP-XXX-JP-2生産を試みていると████神社神主は口述しています。

SCP-XXX-JP-2を生産していた████神社神主の口述要約

私は先代から使命と技術を受け継ぎ、影から世の中の理不尽を減らし社会水準を向上させるためにこの研究を続けています。未だ世の護り手たる神の製造には成功していませんが、その過程で偶然にも優れた人材を生み出す事に成功しました。
彼らは豊富な知識と熟達した思考を持ち、神社に籠っていた私よりもずっと社会の構造について詳しいようでした。彼らが社会に出て活躍したならば、この世は少しでも良くなるでしょう。そう思い、人々の支えになると約束してもらった後に彼らを社会へと送り出しました。

補遺:

19██年██月█日、大手専門商社に対しSCP-XXX-JP-2の材料とされる物品の大量発注が確認された事から、発注者である█████有限会社に対し調査が行われました。
その結果、労働者の監禁を含む明らかな違法形態である事と、経営者から労働者までの█████有限会社に関わる全ての人物がSCP-XXX-JP-2であり、純粋な人間は存在しなかった事が明らかになりました。
収容プロトコルに基づき全てのSCP-XXX-JP-2は収容され、█████有限会社から他者に対して行われていた定期的な寄付契約については全て打ち切られました。

補遺2:

低コストで調達が可能であり、家族も戸籍も存在しない人間に極めて近い存在として、SCP-XXX-JP-2のDクラスとしての利用について適性を調査中です。異常存在が人間に及ぼす影響を調べる目的としては不適格である可能性が高いですが、異常な空間等に対する探索目的であれば十分に用件を達する適性を持っていると予想されています。
.
.