アイテム番号: SCP-009-YR
オブジェクトクラス: Esoteric/None
担当サイト: N/A
管理官: N/A
研究主任: N/A
部隊割り当て: N/A
SCP-009-YR領域範囲の東京都███市山間旧███線トンネル内部
アイテム番号:SCP-009-YR
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:SCP-009-YRは全国各地に点在する財団管理下の観測所からヒューム値計測により発生観測が行われます。SCP-009-YRの発生が確認され次第該当地域のフィールドエージェントは急行し通路封鎖及び継続的な監視を行って下さい。SCP-009-YR発生の際に付随して起こる熱圏下現象(SCP-009-YR-01)が一般人に認識される可能性がある場合はカバーストーリー「局所的な異常気象」を流布し、必要であれば記憶処理を実施して下さい。
フィールドエージェントがSCP-009-YR発生地点に到着した時点でSCP-009-YR領域内部の扉オブジェクト(SCP-009-YR-02)付近に一般人が居た場合、エージェントによる保護の後インタビューを実施し、必要であればカウンセリングを行い対象の精神状態に異常が無ければ記憶処理を実施して解放して下さい。SCP-009-YR領域内部の探査はフィールドエージェント主体で担当職員により早急に記録し、SCP-009-YR-02に対するヒューム値計測を標準値に戻るまで継続して下さい。またスクラントン現実錨等の機器を伴った突入及びそれに関連する実験の計画はインシデント-009/YRを引き起こす要因となる為に禁止されます。
説明:SCP-009-YRは確定的な外観や範囲を持たない異常時空間領域の発現イベントです。当該アノマリーは東京都に存在する廃れた人工物及び建造物や人通りの殆ど無い通路等の入口並びにその境界付近を起点に出現することが確認されていますが、発生予測は現状不可能です。SCP-009-YRは外部から発生を視認することは不可能であり、SCP-009-YR領域内部に入った際の熱圏下現象であるSCP-009-YR-01及び後述の扉オブジェクトであるSCP-009-YR-02への侵入による対象の消失でのみ存在を直接視認可能です。SCP-009-YR領域は扉オブジェクト付近でのみ発生する場合や領域上空にまで発生範囲が及ぶ場合があります。また財団保有ドローンによる測定からSCP-009-YR領域の範囲比率はユークリッド空間的定義において一定であるように見えます。特性として現実性が低くカント計数機を用いることでも観測可能であり、SCP-009-YRの平均ヒューム値は0.2Hm~0.27Hmです。この発現イベントはおおよそ1.0h以上継続し、最長で約24h継続したパターンも確認されています。発現イベント終了後は発生した後述の異常性が消失します。
財団によって初めてSCP-009-YRの発現が確認されたのは201█年12月24日の東京都███市山間旧███線トンネル内部です。該当地域上空が深夜帯であるにも関わらず夕暮れ時の様相だった所をフィールドエージェントが偶然発見し、付近の調査を進めたことで発覚に至りました。財団により発見される以前に一般人による発見及び曝露があったかについての調査は現在進められています。
SCP-009-YR-01は一連の発現イベントに付随して発生する熱圏下現象の包括的指定です。SCP-009-YR-01は如何なる時刻においてもSCP-009-YR発現領域範囲から視認される熱圏下がおおよそ可視光線波長570~780nm範囲の夕暮れ時の様相となります。またSCP-009-YR-01発生中の気象現象及び領域に内在する物質に現代科学を逸脱した事象も確認されています。カント計数機による測定の結果1.00Hm出力されたことによりSCP-009-YR-01そのものに現実性を変動させる特性は備わっておらず、SCP-009-YR発現イベントにおける派生現象であると推測されます。内在する物質はその性質によっては直接干渉が可能です。また干渉による時空間因果的なパラドクスの起因となる事象は現在まで観測されていません。以下、現在まで発生したSCP-009-YR-01のパターン一部抜粋です。
Pattern |
SCP-009-YR発生場所 |
熱圏下の可視光波長 |
詳細 |
Pattern-001 |
東京都███市山間旧███線トンネル |
約590nm |
財団フィールドエージェントにより初めてSCP-009-YRの存在が確認された。 |
Pattern-006 |
東京都██区ビル群の裏通り |
約630nm |
幻日環とハロに類似した気象が太陽を中心に反エントロピー的縮小を繰り返している。またその現象に起因した微小な衝撃波が確認された。計測により衝撃波の周波数がおおよそ16,000~27,000Hzを示した。 |
Pattern-012 |
東京都港区███路地裏 |
約600nm |
観測可能な熱圏下ほぼ全域に極光に類似した気象が発生。その異常気象から電磁波や電流と磁場、熱などの放出は観測されず、該当日の太陽風の発生も観測されなかった。極光類似気象は通常の極光ではなく干渉縞による連続スペクトル類似の様相を呈していた。 |
Pattern-047 |
東京都███市███2 |
約770nm |
上空約50m位置に烏瓜の灯篭に類似した物体が複数浮遊しているのが確認された。またSCP-009-YR領域内部に直接視認可能なヒューマノイド型霊的実体が複数存在する。複数霊的実体へのインタビューを試みたが、微笑反応のみで対話は成立しなかった。 |
Pattern-169 |
東京都西多摩郡███町███ |
約640nm |
上空にブロッケン現象に類似した大気光学現象が発生。当現象の中でシュリーレン現象的流動の発生する不定形な影が不規則に揺れ続け、SCP-009-YR発現イベント終了間際に融解するように消失した。また当現象の中で複数パターンの表象的光景が確認された。 |
Pattern-394 |
東京都██区██小学校 |
約760nm |
上空から刺胞動物門型実体が縄状の物体により複数吊り下げられているのを確認。縄状の物体が吊り下げられている最終地点の確認の為にドローンでの調査を試みたが、SCP-009-YR領域外部に出た時点で観測不可能となった。またドローン撮影時に映像を確認していた担当職員から精神的な違和及び不確定存在からの視線を感じるなどの報告。 |
Pattern-591 |
東京都府中市██町█████ |
約590nm |
約490nm波長の反射を持つ天気雨が降ったのちに雨粒が地面で可視化出来る大きさの結晶状態に変化。その後大きな重力波を伴い上空へ再度上昇する異常現象を確認。当該現象はこのパターン以外にも複数回発生している。 |
Pattern-706 |
東京都中央区█████ |
約760nm |
地上30m付近にて海洋生物と思しき存在が遊泳動作を行っている。現代の一般的に生息する魚類から既知の現生種ではないカンブリア紀水棲生物と推測される異常存在までが確認された。また当該パターンの探査において担当職員が浮遊感及び強迫的な圧迫感、動悸、目眩を訴えた。 |
Pattern-926 |
東京都█████ |
約690nm |
領域上空で月が見かけ別天体に置き換わっている。調査の結果、木星ヒマリア群軌道衛星であることが確認された。また大気圏位置から複数の流星群及び火球類似現象が発生しており、領域内における予測落下地点にて痕跡が無かった為おおよそ地面への到達前に消失していると推測される。消失前の流星物体を観測すると日本製X線天文衛星の類似した物体の同一個体群であることが判明した。全てに規則性が見られない。 |
Pattern-591発生時のSCP-009-YR-02(画像左)
SCP-009-YR-02はSCP-009-YR領域に内在する乗用車などの人工物または建造物の扉に異常性が発現したオブジェクトです。当該アノマリーはSCP-009-YR領域の発現中心部に位置しており、ヒューム値変動の起点になっています。SCP-009-YR-02の外観はおおよそ一般的な扉と相違無く、カント計数機を使用したヒューム値の観測によって確認が可能です。SCP-009-YR-02は開扉することが可能であり、SCP-009-YR発現前の元来の扉が施錠されていたり封鎖施工が実施されている場合、また劣化腐敗が進行していた場合でも扉オブジェクトとして開閉が可能になりますがその原理は不明です。またSCP-009-YR-02となる扉オブジェクトの条件等は現在まで判明していませんが、現在まで人の気配が殆ど無い廃墟といった区域に発現しています。
一般人がSCP-009-YR-02が開扉した状態で佇む姿が発見されていますがSCP-009-YR-02を通過した様子は現在までに観測されておらず、後述のSCP-009-YR-02通過の実験計画はSCP-009-YR発生の事前に詳細な実験手順及び使用する技術、職員の調整等を申請完了しているにも関わらずその全てが実施に至っていません。
補遺.009-YR.1:SCP-009-YR-02の内部探査の為にDクラス職員を用いた実験が計画されました。以下の実験記録を受けて、現在SCP-009-YR-02に関する実験は永久凍結されています。
記録日: 20██/██/██
記録者: Agt.██
対象:D-6092
概要:出現したSCP-009-YR-02へD-6092に開扉及び通過するように指示。D-6092には遠隔カメラ、GPSを装着させる。
結果:実施に至らず。また計画段階かつ実施予定だった日にD-6092の勤務態度改善をはじめとする精神的変化の報告があったことへの当該実験計画との関連性について調査が進められている。
推察:反ミームの可能性がある為に、今までに一般人によってSCP-009-YR-02が開扉した状態で発見されている前提を基に条件を追加した新たな実験を計画する。
記録日: 20██/██/██
記録者: Agt.██
対象:D-6093
概要:出現したSCP-009-YR-02付近にD-6093を移送し、一般人と同じ条件下になるようにSCP-009-YR-02に関する指示を行わず自発的に開扉及び通過に至るまで待機。D-6093には当人が気付かないようにGPS付き小型カメラ及び遠隔マイクを装着させる。
結果:SCP-009-YR-02付近への移動は実施されたものの通過に至らず。しかしD-6093が精神的変化を報告し、当該実験への関連性が大いにあると推測される。
推察:SCP-009-YR-02を通過することでその事実を消去する反ミームを有していると思われるが、前回実験と消去されると思しき期間範囲が異なっているのにも通過する人間がSCP-009-YR-02を通過するという意識を有しているかが条件としてあるのだろうか?
記録日: 20██/██/██
記録者: Agt.██
対象:機動部隊█-█隊員
概要:改変を受けずに実施出来るように機動部隊█-█所属隊員にスクラントン現実錨を所持させた状態でSCP-009-YR-02を開扉及び通過するように指示。
結果:インシデント-009/YRの発生。
インシデント-009/YR
中央サーバ・インシデント記録参照
記録概要-財団機動部隊一編成の実質的な喪失。
当該実験の実施前に該当の機動部隊員及び所属する機動部隊█-█は財団に存在しないことが発覚し、CK-クラス:再構築シナリオの懸念がある為に当該計画は永久凍結となった。
反ミームセキュリティ情報取得
セキュリティ情報取得には認証が必要です。
閲覧端末のIDと認証コードを入力して下さい。
端末情報 ID情報-YR-EB6E20
臨時接続IDを取得しました。
閲覧承認:PT-0009ファイル(310twilight-PO) |
警告:
基底世界外情報への一時的接続を行います。
現実性認識ヴェール・プロトコル接種完了まで待機して下さい。 |
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[起動シーケンス制御ID取得]…MWB-WT/W.0012:0926:0024
[ID情報を反ミームセキュリティサーバへ送信]…YR-EB6E20 |
[現実性認識ヴェール・プロトコル接種確認]
…
[反ミームセキュリティ継続]
…
[PT-0009(310twilight-PO)ファイル展開]
…
今日を生きている。memento mori明日が終わっても良いように。memento mori
アイテム番号:SCP-009-YR
オブジェクトクラス:Euclid N/A
特別収容プロトコル:N/A
説明:N/A
情報:N/A
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[映像にノイズが走り、バーカウンターと推測される場所が映し出される。]
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