SCP-1066-JPとして登録させていただきました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在生物サイト-8102内の███番生物収容室に事実上収容されています。詳しくは実験記録SCP-XXX-JP-Aを参照してください。SCP-XXX-JPを実験以外で描写することは禁じられています。実験終了後は被験者に必ずAクラス記憶処理を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1として描写された場合のみ確認できる実体を持たない存在です。描写以外の方法でその存在を確認する試みは現在成功しておりません。SCP-XXX-JP-1は様々な視覚化表現で描写されたSCP-XXX-JPです。描写方法には絵やCG、彫刻などが含まれますが、小説や詩などの文章表現は含まれません。SCP-XXX-JP-1は一般的なカメ目の姿をしており、雑食です。またSCP-XXX-JP-1は描写が開始された瞬間のSCP-XXX-JPの姿を表していると推測されており、複数人で描写を行った際はSCP-XXX-JPに関しての知識の有無にかかわらず一様な構図・特徴を持つSCP-XXX-JP-1が描写されます。描写前後で描写した人物のSCP-XXX-JPに関しての知識が変化しないことから、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1として描写されている場合のみ何らかの方法で描写した人物に影響をもたらしていると推測されます。
SCP-XXX-JPはSCP-███-JPの実験において複数のDクラス職員に「一般的な亀」を紙面上に絵として描写させた際に、全員が同じ構図・特徴を持つ絵を描写したことが担当職員によって報告され、発見されました。当初はSCP-███-JPの報告書内でのみ記載されていましたが、その後の実験でSCP-███-JPと無関係な現象であることが分かり、SCP-XXX-JPとして報告されました。以降「一般的な亀」を描写する実験では異常性は発見されず、「SCP-XXX-JP」を描写する実験でのみこの特性が表れています。
実験記録SCP-XXX-JP-a - 日付████/██/██- 時間9:21
対象: D-100564
実施方法: SCP-XXX-JPをA4普通紙に鉛筆で描かせる。被験者は一般的なカメ目に関する知識を有しているが、SCP-XXX-JPに関しては全くの無知である。
結果: 上からのアングルのSCP-XXX-JPを描写した。
実験記録SCP-XXX-JP-b - 日付████/██/██- 時間12:46
対象: D-100986
実施方法: SCP-XXX-JPをデスクトップパソコン上でペイントツールを用いて描かせる。 被験者はカメ目に関して非常に精通しているが、SCP-XXX-JPに関しては全くの無知である。
結果: 確認のため被験者にインタビューを行ったところ、「小松菜を食べているところではないか」という証言を得た。
分析: 以降同様な様子が複数回確認されたことから、SCP-XXX-JPは一般的なカメ目と同様に摂食を行っていると推測される。
コメント: カメ目に対する知識があっても、絵心があるとは限らないんですね。-██研究員
実験記録SCP-XXX-JP-h - 日付████/██/██- 時間15:03
対象: D-100564
実施方法: SCP-XXX-JPをデスクトップパソコン上でペイントツールを用いて描かせる。被験者は一般的なカメ目に関する知識を有しているが、SCP-XXX-JPに関しては全くの無知である。
結果: イチゴを食べているSCP-XXX-JPが描写された。
分析: SCP-XXX-JPが食べるのは小松菜だけではないようだ。
実験記録SCP-XXX-JP-o - 日付████/██/██- 時間11:49
対象: D-100333
実施方法: SCP-XXX-JPをデスクトップパソコン上でペイントツールを用いて描かせる。被験者は一般的なカメ目に関する知識を有しているが、SCP-XXX-JPに関しては全くの無知である。
結果: SCP-XXX-JPが牛を咥えている様子が描写された。20分後再び実験を行うと、牛は消失していた。
分析: SCP-XXX-JPは雑食であり、牛を餌として摂取したのではないかと推測される。
コメント: SCP-XXX-JPの体の大きさに関して記録を見直す必要がありそうです。-██研究員
実験記録SCP-XXX-JP-p - 日付████/██/██- 時間12:05
対象: D-100029
実施方法: SCP-XXX-JPをデスクトップパソコン上でペイントツールを用いて描かせる。被験者は一般的なカメ目に関する知識を有しているが、SCP-XXX-JPに関しては全くの無知である。また、被験者はペイントツールを用いた描写に関して非常に高い能力を有している。
結果: [編集済み]。後に██県在住の████氏であることが分かる。同氏は実験日の翌日行方不明者として届け出が出されていた。
分析: SCP-XXX-JPが現実世界に干渉する能力を有している可能性がある。██県付近の調査が必要であろう。
実験記録SCP-XXX-JP-u - 日付████/██/██- 時間12:11
対象: D-100377
実施方法: SCP-XXX-JPをデスクトップパソコン上でペイントツールを用いて描かせる。被験者は一般的なカメ目に関する知識を有しているが、SCP-XXX-JPに関しては全くの無知である。
結果: 被験者はバケツツールを用いて[編集済み]後、複数人の[編集済み]。今のところ身元は特定されていない。
コメント: SCP-XXX-JPが餌を摂取する頻度が明らかに多くなっています。詳しい調査、餌の身元特定のために、追加の実験を申請します。-██研究員
回答: 却下します。実験は通常通り行ってください。-█博士
████年██月以降あらゆる手段・時間帯において、SCP-XXX-JPを描写することが不可能になりました。SCP-XXX-JPを描写する試みに成功した場合は直ちに担当職員にご連絡ください。現在SCP-XXX-JPは収容状態にあります。詳しくは以下の記録を参照してください。
実験記録SCP-XXX-JP-A - 日付████/██/██- 時間12:09
対象: ██研究員
実施方法: 檻に収容されているSCP-XXX-JPをデスクトップパソコン上でペイントツールを用いて描かせる。██研究員はSCP-XXX-JPの実験担当職員1であり、SCP-XXX-JPに関して熟知している。
結果: 以降の実験においてSCP-XXX-JPは檻に収容された状態で描写されるようになった。
分析: 描写した人物の描写能力に関わらず、SCP-XXX-JPを認識していればこちらからの干渉が可能であることが分かった。また、生物サイト-8102内の███番生物収容室が実験時間に消失したことが確認された。
コメント: SCP-XXX-JPへの干渉が可能であることは非常に重要な発見であるといえます。特性のさらなる解明のために██度目の追加実験を申請します。-██研究員
回答: 却下します。-█博士
以下の情報はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員のみ閲覧することができます。
実験記録SCP-XXX-JPに関して(作成者:█博士)
正確なデータを得るために、実験は様々な環境、手段、時間で行われるべきです。しかし██研究員が報告した実験記録では、最初のたった1回を除いて全てがSCP-XXX-JPの摂食場面を描写するという結果に終わっています。どうしてこのような偏りが生まれたのか、これは可能性ですが、██研究員が何らかの原因でSCP-XXX-JPの影響下にあったとは考えられないでしょうか。
そもそも私たちはSCP-XXX-JPの能力が私たちにSCP-XXX-JPのほんの一瞬の姿を描写させるものだと思っていました。しかし、実験記録SCP-XXX-JP-Aを踏まえると、むしろ私たちによってSCP-XXX-JPが生み出されていたのではないかと思われてなりません。つまり、私たちが描写した瞬間にだけSCP-XXX-JPは存在し、餌を食べていたのではないか。そうさせることこそがSCP-XXX-JPの能力なのではないかということです。
SCP-XXX-JPの摂食頻度が明らかに増えたから実験回数を増やした、というのは本当でしょうか。むしろ実験回数を増やしたことでSCP-XXX-JPが多くの、新鮮な餌を獲得したと言ったほうが正しいのではないでしょうか。
これらはあくまで可能性の範疇を脱しませんが、しかし今後SCP-XXX-JPに関する実験は慎重に行うべきです。
実験記録SCP-XXX-JP-Aを踏まえ、”収容されていない、または餌を食べている"SCP-XXX-JPを描写することは禁止します。SCP-XXX-JP-1にそのような傾向が見られた場合は直ちに実験を中止してください。
SCP-960-JPとして登録させていたたきました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の特別収容ロッカーに上部を固定された状態で保管され、真下に設置された貯水バケツは水位が一定まで上昇すると自動的に交換されます。実験以外でSCP-XXX-JPから排出される水を直接飲まないように、十分に注意してください。また常に設置された時計を確認し、SCP-XXX-JPとの15分以上の接触は避けてください。
説明: SCP-XXX-JPは長さ1.2mの鉄パイプです。周囲に水が存在しないにもかかわらず、その下部からは常に一定の質量の滴が発生しており変則的な周期で落下しています。落下周期は一時間ほどで変動し、現在0.012~10秒が確認されています。発生した水に異常性はありません。
滴の落下を何らかの形で20分以上認識した場合、認識した生物はその落下周期を1秒だと誤認するようになります。この誤認は軽度のもので、時計を確認する、または他人に合わせて行動するなどで容易に防ぐことができます。またAクラス記憶処理によってSCP-XXX-JPの効果は消失し、通常の時間感覚を得ることができます。20分以下の接触では落下を認識している間のみこの効果が発生します。
SCP-XXX-JPから発生した滴を直接飲んだ生物はSCP-XXX-JP-1と指定されます。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの落下周期を1秒として行動する生物です。身体能力、知能などは以前と同様ですが、動作は物理法則に反した速度で行われます。例えば落下周期が1秒よりも長い時間であった場合、SCP-XXX-JP-1の行動は常にスローモーションのように見えます。また肉体もこの影響を受けるため、SCP-XXX-JP-1は通常とは異なった速度で成長します。このような状態にもかかわらず、SCP-XXX-JP-1は通常通りに生活することができます。詳しくは実験記録を参照してください。
SCP-XXX-JPの下部を地面、壁などに接着させると、大量の水が発生することが分かっています。この時発生した水を認識した生物は同様の影響を受け、多くの場合は体感時間と現実時間の大幅な差異ために錯乱状態に陥ります。
目視実験記録1 - 日付████/██/██
対象: D-8891
実施方法: 長距離走を数回行ったD-8891にSCP-XXX-JPによる滴の落下を20分間目視させる。
周期: 1.2秒
結果 :行動に変化なし。長距離走を行ったところ、「いつもより早く走れた」と発言3。
分析: 体感時間は個人の主観的な部分が大きく、正確な計測は難しいかもしれません。
目視実験記録2 - 日付████/██/██
対象:D-8891
実施方法:D-8891にSCP-XXX-JPによる滴の落下を20分間目視させる
周期:0.8秒
結果:目視実験1と同様の手順を行うと、「遅くなった。」と発言。
分析:違う周期の落下を認識すると、効果が上乗せされるようです。
目視実験記録3 - 日付████/██/██
対象:D-8892
実施方法:D-8892にSCP-XXX-JPによる滴の落下を20分間目視させる
周期:0.1秒
結果:初めは混乱していたが、担当職員が腕時計を見せている間は通常通りの時間間隔を取り戻した。Aクラス記憶処理によって、SCP-XXX-JPの影響はなくなった。
分析:実際の時間を認識させることによって、効果を抑えることができそうです。
飲水実験記録1 - 日付████/██/██
対象: D-8894
実施方法: D-8894にSCP-XXX-JPから発生した水滴を飲ませる。
周期: 1.5秒
結果 :D-8894の全ての行動は実験以前の1.5倍の時間を要するようになった。また、時計を取り外した人型収容施設にて生活させたところ、36時間周期で食事、睡眠を行った。その後再び飲水実験を行ったが、変化は見られなかった。
分析: 飲水によるSCP-XXX-JPの効果は不可逆的なものであると予想されます。D-8894が正確な時間を認識していないにもかかわらず、このような行動をとることができる理由は分かっていません。また、相対的な光速、音速などの変化による影響は現在確認されていません。
19██年から██県██村において、動物がおかしな動きをする、突然動かなくなるなどの現象が多数報告されました。調査の結果、一軒の廃屋の天井に固定されたSCP-XXX-JPが発見されました4。また、SCP-XXX-JP-1-aとなった人物が発見されました。以下はSCP-XXX-JP-1-aへのインタビュー記録です。
対象: SCP-XXX-JP-1(本名████)
インタビュアー: エージェント・███
付記: インタビューを円滑に行うために、エージェント・███はSCP-XXX-JP-1の発言速度に合わせて話しています。
<録音開始>
エージェント・███: まず、お名前を教えてください。
SCP-XXX-JP-1-a: ████と申します。エージェント・███: あなたがそのような状態になった経緯を教えていただけますか?
SCP-XXX-JP-1-a: はい、もう何年も前のことですが、その頃私は役場で働いていて、結婚したばかりでした。妻は犬が好きで実家から連れてきて……太郎と言うんですが、そいつの散歩が私の日課でした。ある日いつものように散歩に出かけて、ほんの気まぐれにあの道を通ったんです。
エージェント・███: あの道というのは、廃屋のある通りのことですか?
SCP-XXX-JP-1-a: そうです。あの道沿いに廃屋があることは知っていましたが、特に気にしていませんでした。
エージェント・███: 続けてください。
SCP-XXX-JP-1-a: はい、それで、あの廃屋の近くまで来た時音が聞こえました。水道の水の音のようで……太郎が音につられて、中に入ってしまったんです。私も急いで追いかけました。
エージェント・███: 中はどのようになっていましたか?
SCP-XXX-JP-1-a: 暗くて、ほとんど何も見えませんでした。途中まで太郎の鳴き声が聞こえてたんですが、しばらくして途絶えてしまって…当てずっぽうで奥の部屋に入りました。手探りで太郎を探そうとしたんですが、部屋の入り口あたりで何かにつまづいて……転んで足を捻った上に、起き上がった時水のようなものが顔に降ってきたんです。散々でした。太郎も見つからないしひとりで出ていったんだろうと思って、少し休憩した後その廃屋から出たんです。それで、それで……
エージェント・███: 大丈夫ですか?
SCP-XXX-JP-1-a: ……大丈夫です。それで、外に出ておかしなことに気がつきました。さっきまで明るかったのに、あたりはもう真っ暗で…急いで家に帰りました。家にはいつもみたいに妻がいて、でもおかしくて…まるでビデオの倍速みたいに、動くんです。話していることもよく分からないし、怖くて、私は自室にこもって、カーテンを閉めて毛布にくるまっていました。それで何時間かたって…気がつくとドアの隙間に紙が挟まっていました。
エージェント・███: 紙?
SCP-XXX-JP-1-a: ええ、妻の字で、私のことを心配している、何があったのか話して欲しい、という内容の手紙でした。私は言葉が通じることに安心して、すぐに紙に今日起こったことを書きつけて渡しました。妻は私のことを理解してくれて、それから私に合わせて生活してくれました。
エージェント・███: どのような生活を?
SCP-XXX-JP-1-a: 生活自体はそれほど変わりませんでいた。カーテンを閉め切って、外の景色を一切見ないようにしていました。最初は通じなかった言葉もだんだん通じるようになってきて…妻と一緒にご飯を食べて、今日あったことを話して、以前と同じように寝ました。なかなか楽しかった。仕事にかかりきりだったものですから、あんなに妻と長い時間を過ごすのは初めてでした。あの時のことが夢だったんじゃないかって、時々思って…でも外に出ようとすると、いつも妻に止められました。
エージェント・███: 失礼ですが、奥さんは…
SCP-XXX-JP-1-a: 妻は…妻は█年前に死にました。私は妻と同い年だったんです。でも、彼女だけどんどん年老いて……私は取り残されていくようで…見ているのがつらくて、最後の方はほとんど話すことはありませんでした。一人になって、自宅はまるで時が止まったように静かでした。保存食品を食べて、寝るだけの生活でした。結構な量があったのでしばらくはもったんですが、ある日ついに食べ物が底をついたので、私は久しぶりに外に出ました。出て……それで、その時気が付いたんです。顔なじみだった煙草屋の█████さんも、同僚の████も、親友だった███も…それだけじゃない、この村に知り合いは誰もいませんでした。みんなみんな知らない顔でした。知らない公園で、知らない家族が笑っていました。…やっと分かったんです。妻が私にしてくれたことを。妻がどれだけ大きな存在だったかを。伝えたかった。でももう遅かった。もう二度と、妻と同じ時間を過ごせない。あの時初めて、私は一人になったんです。
<録音終了>
終了報告書: SCP-XXX-JP-1-aの妻である████氏は██年前に亡くなっています。またSCP-XXX-JP-1-aの自宅からは、時計が一切発見されませんでした。現在SCP-XXX-JP-1-aはサイト-81██の人型収容施設に収容されています。
補遺1: SCP-XXX-JPが発見された廃屋の部屋からは、鳥や猫、犬などのの白骨化死体が複数発見されました。これはSCP-XXX-JPの水滴落下周期が極端に短い時に、水滴を認識したためだと考えられます。
補遺2: SCP-XXX-JP-1となったDクラス職員の他実験への参加は現在検討中です。
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
SCP財団に関する個人的なノートです。