けけくらいにちようび
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 2006年10月出荷分以降の『おいでよ どうぶつの森』カートリッジには情報修復エージェントが施され、SCP-XXX-JP発動の阻止が完了しています。
現在、SCP-XXX-JPはその発動条件を曖昧化させることにより、2006年10月出荷分以前のカートリッジでのSCP-XXX-JP発動を可能な限り防止します。検証サイトなどを通して曖昧化させたカバーストーリーが浸透しつつあること、また発売年やシリーズ展開により『おいでよ どうぶつの森』のプレイ人口が減少していることから、SCP-XXX-JPの正確な発動は困難だと予測されています。
SCP-XXX-JPは既に不特定多数への情報流出が確認されています。しかし、SCP-XXX-JP発動者はその作用のために情報拡散を行わず、加えSCP-XXX-JPの関与を明かさないまま死亡するケースが多数を占めています。よって、SCP-XXX-JP発動者が存在しても情報拡散には至らず、脅威とは見なされないと判断されています。
SCP-XXX-JP発動の明確な条件を口承により拡散している人物は、所属組織を調査した後にBクラス記憶処理を施してから解放します。
説明: SCP-XXX-JPはニンテンドーDS用ソフト『おいでよ どうぶつの森』にて確認されている異常現象です。財団が介入した2006年10月以前のカートリッジで以下の条件・手順を行うことにより、SCP-XXX-JPは発動します。
条件
- 自宅を最大まで改装している
- すべてのメインキャラクターと1回以上会話している
- 複数人の住人との[友好度]が一定値以上である
- [けけソング]をすべて入手している
- [はは]及び[ちち]、また住人から送られてきた[てがみ]を1度も捨てていない
- アバターがアイテム:どうぐ:[スコップ]を持つ
- [もちもの]スロット内にアイテム:かぐ:[ろうそく]:1個、アイテム:はな:[種類不問]:14個が存在する
- 所持金が[4444ベル]
- 以上の条件を、「SCP-XXX-JPの成功条件である」と断定していない
手順
- ゲーム内時間で土曜日PM7:30~AM0:00に出現するキャラクター:[とたけけ]にPM8:00以降に話しかけ、選択肢から[きかせて!]→[あるある!]を選択する
- 楽曲のリクエスト入力欄に[くらいにちようび]と入力する
- [とたけけ]との会話イベント終了後、通常のイベント進行と同様に椅子に座る
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Aへアクセス可能なリンクは、すべて██.██████.comの削除済みページへと移動するように変更されます。
現在、SCP-XXX-JP-Aの再生は禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは、アダルト系動画サイト██.██████.comで公開されている3DCG動画(以下、SCP-XXX-JP-Aと表記)に発生した、自律思考を有する仮想的存在です。
SCP-XXX-JP-Aの動画内容は、株式会社█████が権利を持つキャラクター''██ ██''が、BGMとして使用されている楽曲に合わせて踊ることを基軸としています。SCP-XXX-JP-Aに使用されている''██ ██''の3DCGモデルは、二次創作されたモデルがアダルト向けに改変されたものです。この動画が進行するにつれ''██ ██''は脱衣し、最終的には全裸の状態になります。また、動画途中で男性キャラクターとのセックスシーンが挿入されます。
各調査の結果より、他サイトより転載された動画であることが判明しています。転載元の動画に異常性が確認されなかったことから、転載後SCP-XXX-JP-Aに異常性が付与された可能性が高いです。
SCP-XXX-JPは、自身が動画内に登場する''██ ██''と同一の存在であると主張し、SCP-XXX-JP-Aの再生回数に応じて思考能力及び動画内容の改変能力を発達させます。SCP-XXX-JPにおける動画内容の改変能力とは、動画内にて''██ ██''がその行動を自由化し、SCP-XXX-JP-Aが元動画とは剥離した内容となることを指します。このとき、動画のBGMの歌唱部分を音声へと変換し、疑似的な発話を行う場合もあります。
加え、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aが再生されている機器周辺の情報を認知可能です。範囲は主に画面正面に限定されます。認識方法は視覚、聴覚など生物に基づいたものであると、SCP-XXX-JPは説明しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを囲むように建造されている収容サイト-8138は、表向きは変電施設として運用されています。SCP-XXX-JPの影響で民間人が周辺を訪ねてきた場合、新規に建設した西洋料理店''██軒''へ誘導します。このとき住所が異なる理由としてはカバーストーリー「立ち退き・移転」を活用します。人員の搬入などでSCP-XXX-JPの収容セルを訪れる場合、特別指定の搬入口より地下通路を通じて進入してください。
説明: SCP-XXX-JPは岩手県██市内██山にある一定の領域です。西洋風の建築物が存在し、''RESTAURANT 西洋料理店 ███████ HOUSE ██軒''と書かれた看板が設置されています。財団がSCP-XXX-JPを最初に発見したのは195█年ですが、SCP-XXX-JPは全体として劣化・老化の兆候を示さず、時代に適応して外観を変化させます。旅行雑誌、ガイドマップ、観光用サイト、案内所などでSCP-XXX-JPに関する情報を入手することが可能であり、すべての媒体で良評価がなされています。この情報を規制しようという試みはすべて失敗したため、SCP-XXX-JPには自身を''宣伝''する能力があると推測されています。
SCP-XXX-JP領域内へ進入する際、進入者の経歴によってSCP-XXX-JP内部は変化します。現在明らかとなっている条件は以下の通りです。
- 殺人、放火などの重犯罪の前科を持つ
- 重化学薬品を使用し、適切な処理をしなかった事例がある
- 娯楽目的で動物の殺傷をした、もしくはしようとした経験がある
これらの条件により分岐する変化を、該当していた場合を(1)、該当していない場合を(2)として記載します。集団意識を持った複数の人物が進入した場合、条件の該当者がいた場合には(1)の変化が優先され、該当者以外の進入者は██山の特定地点へと転移します。このとき、(1)該当者からは(2)該当者が急死・失踪したと認識します。
(1) 該当していた場合
SCP-XXX-JP内は無人です。SCP-XXX-JP進入時点で、進入者は強い空腹感を覚えます。この空腹感により多くの進入者は建築物へと進入することを考えます。しかし、これは進入者の意志によっては拒絶でき、SCP-XXX-JPから脱出することも可能です。
建築物の内部空間は3m×3m×2.5mの正方形の部屋と、木製らしき材質のドアを基本として構成されます。建築物内では以下のような指示が与えられます。
- 身だしなみを整える
- 装備しているものを取り外す
- 身体に化粧品をつける
これら指示はドアに張り付けられた紙(以下、指示書と表記)により文字で進入者に伝達されます。この指示書は取り外すことで回収することが可能です。
指示を無視して進んだ場合、同じ指示内容の空間が次の空間に出現します。指示内容は進入者に応じて異なります。また、部屋にはその指示内容に適した家具が設置されています。前述の空腹感により、進入者はSCP-XXX-JP-1のさらに奥へと進むことを考えますが、これも進入者の意志によっては拒絶できます。進入側のドアより建築物内から脱出すると、それまで通過した部屋は省略され、██山の特定地点へと転移します。指示により回収された私物も同様に転移します。
また、外部から別の人物、または集団がSCP-XXX-JP内へ進入した場合も強制的に██山の特定地点へと転移されます。
財団による調査では、連続して出現させた部屋の総数が2███個を突破した段階で実験を中止しており、部屋出現の限度は現在判明していません。また、ドアを壁に固定させて進入することは、あらゆる方法を用いても失敗しました。
195█/██/██
実験概要: Dクラス職員の体内に発信機を埋め込み、SCP-XXX-JP-1へ進入させる。(体内にある金属類が指示の対象にならないことは確認済みである。)このとき、身の危険を感じた際は帰還すること、指示として貼り出された紙を必ず持ち帰ることを伝える。こちらで規定した時間を超過しても帰還しなかった場合、別の進入者が発生した際は強制的に██山の特定地点へと転移されるという特異性を活用し、進入者を強制帰還させる。帰還後は物品の捜索、Dクラス職員への事情聴取を行う。
実験記録番号 C-1
結果: 強制帰還によりD-XXX-C1は脱出した。D-XXX-C1は粉末と液体を全身にかけられた状態で発見された。特定地点に指示書が確認できた。
与えられた指示
- 「殺菌室です。空気を吸わないようお進みください。」
粉のようなものが舞っている部屋を抜ける。
- 「靴裏の泥は拭えましたか?すこし歩きにくいかもしれませんが、転ばぬようお気をつけて。」
部屋は床が坂になっており、1mmだけ黄色い液体で満たされていた。D-XXX-C1は何度か転倒したとも証言している。
- 「とある部屋にはお偉いさんがいらっしゃいます。同室で食事できる力量があるか、ちょっとだけお力を拝見させてください。」
砂のような物質で構成された壁を破壊して部屋を抜ける。
補足: D-XXX-C1に付着していた物質から小麦粉、卵黄の成分が検出された。
実験記録番号 C-2
結果: 強制帰還を実行したが、D-XXX-C2は発見されなかった。特定地点にDクラス職員用スーツと指示書が確認できた。
与えられた指示
- 「外はお暑かったでしょう。シャワーをご用意しました。是非浴びていってください。」
- 「香水も浴びていってください。」
- 「もう少しだけかかります。マッサージチェアに掛けてお待ちください。」
- 「たいへんお待たせいたしました。ドアよりお入りください。」
実験記録番号 C-3
結果: D-XXX-C3は脱出した。D-XXX-C3は脱出時コミュニケーション不全に陥っていた。特定地点に指示書が確認できた。
与えられた指示
- 「汗が気になっていることでしょう。服の上からで結構です、全身にこれを振りかけてください。」
スプレーが置かれていた。
- 「すこしお待ちください」
部屋で待機する。このときの部屋はひとつ前の部屋より格段に気温が低く感じられたとD-XXX-C5は証言している。体感時間で10分程度待機していたそうだ。
- 「たいへんお待たせいたしました。ドアよりお入りください。」
精神的不安により進入を拒んでいると、ドアの向こうより進入を催促する声がした。それはだんだんと脅迫めいた内容に変化したらしい。
実験記録番号 C-4
結果: 強制帰還によりD-XXX-C4は脱出した。D-XXX-C4は[削除済]の状態であり、脱出直後に後頭部からの多量出血で間もなく失血死した。特定地点にDクラス職員用スーツ、指示書、D-XXX-C4のものとみられる器官が確認できた。
与えられた指示
- 「まずは全身をこのタオルでよく拭いていってください」
- 「ジャグジーをご用意しました。どうぞつかってってください。」
- 「今回提供するお料理にはモツがあると大変危険です。また、ついでに爪もここでそいでいってください。」
- 「たいへんお待たせいたしました。ドアよりお入りください。」
補足: 検死の結果、後頭部の傷は他者性が高い。
(2) 該当していない場合
9:00~21:00の時間帯では、スタッフと見られる人型実体(SCP-XXX-JP-2A)と食事客と見られる人型実体(SCP-XXX-JP-2B)が存在しています。SCP-XXX-JP-2A、SCP-XXX-JP-2Bともに時間帯によって数が変化することはありませんが、SCP-XXX-JP-2Bは進入者それぞれで容姿に差があります。SCP-XXX-JP-2A、-2Bの基本的性質については別資料(文書: SCP-XXX-JP(2)観察録)を参照してください。
SCP-XXX-JP内に勤務しているSCP-XXX-JP-2Aは█人確認されており、こちらもSCP-XXX-JP同様老化しません。確認できる範囲の全員が''Miyazawa''という文字が掘られた金属製の腕輪を左腕に着用しています。この腕輪について尋ねるとSCP-XXX-JP-2Aは好感を示します。SCP-XXX-JP-2Aは40代半ばに見える日本人男性(SCP-XXX-JP-2A-1)をリーダーとして行動し、SCP-XXX-JP内で問題が発生した際はSCP-XXX-JP-2A-1が対処します。SCP-XXX-JP-2Aによって提供される料理に異常はなく、財団の調査範囲内では進入者の全員が「非常に美味」と回答しています。進入者がSCP-XXX-JP内にいる最中に別の人物、または集団がSCP-XXX-JPへ進入した場合、進入者同士での合流が可能です。
21:00~翌9:00までの時間帯では、建築物内部で作業を行っているSCP-XXX-JP-2A-1の姿が確認されています。この時間帯のSCP-XXX-JP-2A-1は何らかの作業を行っていると考えられています。
SCP-XXX-JP-2A-1は建築物内の奥に存在しているドアから赤い布のような物体が吊るされたハンガーを1つ持ち出し、厨房近くの別のドアに入りました。再びドアから出たSCP-XXX-JP-2A-1は同様のハンガーを持ち、建築物から出て敷地内にハンガーを埋めました。これは財団が██山の特定地点から回収したハンディカメラの映像を根拠としています。この映像には撮影者として財団が進入させたエージェント・██が映っており、エージェント・██はSCP-XXX-JP-2A-1によって捕縛され、部屋の奥に引きずり込まれた後、ハンガーが同室に保管されました。このときカメラもSCP-XXX-JP-2A-1と一緒に回収されています。財団は撮影者について調査を進めています。
補遺: 19██/██/██、新規開発された無人機によりSCP-XXX-JP内の様子を撮影しました。西洋建築物の廃墟が内部に存在しており、その廃墟中心に正体不明の人型実体が確認されました。実体は髪、髭ともが長く伸び、粗末な洋服を着用しています。顔立ちがSCP-XXX-JP-2A-1と類似しており、何らかの関係性が疑われています。財団はこの実体を保護する意向ですが、未だ保護には至っていません。
ホッチキスが突きつけられている眉間に、汗が流れる。つぅと鼻の右側から頬を伝ってそれは顎に達し、数秒で地面へと落下した。緊張から出たのではなくただ暑いから出た汗だろう、とミーナは考える。いつそこから殺傷性のある芯が飛び出すか分からないような状況下でも、彼女は冷静を保てていた。
脇に立っていた男が身体から手を離した。ボディチェックは終わったらしい。それに応じて、ホッチキスを構えていた男たちもミーナたちへの警戒と攻撃態勢を解いて後退する。男たちが整列したのを確認すると、リーダーと思わしき人物が前へ出て、此方の隊長であるニコラスに右手を差し出した。
「平和への献身的な行動に感謝する。君らに大したもてなしはできないかもしれないが、是非我々の活動を記録し、その精神を伝播させることで平和へと役立ててくれ」
ニコラスは迷わず手を握った。
ミーナはリーダーの顔を見た。歯を見せて笑っているが、胡散臭い笑みに見えた。厚い軍服一式とヘルメットを身に纏っていても、その顔に汗が一粒もなかったからだろうか。
SCP-400-JP。戦争状態にある地域に発生する軍隊だ。「平和」のために戦い、傷ついた者には日常が戻るよう公共施設を建設する。一番特徴的なのは、得物がすべて事務用品であることだろう。
そのSCP-400-JPの活動を、戦争報道を行うマスメディアを装って接近し、記録する。それが任務であった。直接SCPオブジェクトに職員を接触させるような真似は財団はあまり良しとしないようだが、研究情報の入手にはどうしてもその行為が必要だったのだろう。犠牲が出ても最低の被害で済むよう、Dクラス職員を中心として編成された機動部隊に-9("モータルオフィサー")のメンバーが動員された。また、追加して現地のエージェントと撮影専門の技師が一人ずつ加わっている。
ひとまず、初期段階は成功。財団は紛争を一時停戦させ、偽装マスコミを送り込めている。手持ちに銃器は敢えて持たなかったため、SCP-400-JP側の検査も難なくクリア。現在はバンで彼らの装甲車4台を追っている。運転手のエージェントと装甲車の様子を取っている撮影技師を除き、車内に忙しい人間はいなかった。機動部隊に-9メンバーである識別コード: D-376436、コードネーム"ミーナ"は、久々にシャツとジーンズというラフな服装をできているということもあってか、座席へともたれかかった。暇をもてあましていた。
「正せ」
横方向からの鋭い視線。ミーナは目だけを動かした。
老けた顔がこちらを見ていた。
「任務中だろう。いつ攻撃してくるか分からん。備えていろ」
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8141の植物棟にて管理されます。SCP-XXX-JPの視聴可能域内での音楽や踊りは禁止されています。
サイト-8141の半径10km以内の住宅地は毎年SCP-XXX-JPの対象となる女児が存在しているよう調整されます。また、夏季(5月~9月)の間、SCP-XXX-JP-A回収のために監視されます。SCP-XXX-JP-Aとその対象になる女児が接触しているのが確認された場合、女児に記憶処理を施した後に開放してください。
説明: SCP-XXX-JPは自律思考を持つと考えられるヒマワリ(Helianthus annuus)です。季節の変化によってSCP-XXX-JPが枯死することはありません。フランス語、ドイツ語、イタリア語、ラテン語、日本語を理解し、葉のうちの二枚を手、1つの花の額周辺の茎を頸部のように動かしての意思表示が可能です。また、SCP-XXX-JPは踊りを好み、クラシック音楽が流れると伸縮自在な茎を使ってバレエに見える動作をします。各器官の役割を果たす構造は未だ判明していません。
SCP-XXX-JPは夏季になると、自身から最も近い6~14歳の健康な女児の居住地周辺にヒマワリ(SCP-XXX-JP-A)を発生させます。SCP-XXX-JP-Aは季節で枯死する以外はSCP-XXX-JPと同様の性質を持ちますが、特定条件下以外は非活性の状態にあります。
SCP-XXX-JP-Aは周辺に女児が接近すると活性化し、女児にバレエの動作を視認させます。このとき女児の多くが動作を魅力的に感じるらしく、バレエについて強い関心を持ちます。やがて女児はSCP-XXX-JPの下へと通うようになり、次第に技術を習得しようと試みます。その過程の中でSCP-XXX-JP-Aは女児に自身のヒマワリの種(SCP-XXX-JP-B)を飲むよう勧め、概ねこれは成功します。なお、対象となった女児は以後対象にはなりません。
一連のサイクルが終了して一定の期間が経過すると、SCP-XXX-JPは音楽(人間の声を含む)を自身で発しバレエを含んだ一人劇を始めます。劇の内容は毎回変化し、それは過去にSCP-XXX-JP-Aが接触した女児の成長の過程と一致しています。財団がSCP-XXX-JP-Bを飲み込む前にSCP-XXX-JP-Aから引き離した女児が劇のモデルとなったことは一度もないため、SCP-XXX-JP-Bは記憶装置としてSCP-XXX-JPに情報を伝達している可能性が高いです。
目を開いても、一番最初と景色は全く変わっていない。ベッドに寝転がりながら視界に入るものを確認する。流し、ナイフ、パン、果物、照明、死体、便器、時計、ドア。流しは銀色に輝いている。ナイフは食物用で葉がギザギザ。死体はオレンジのジャンプスーツを着ている。便器はプラスチック製。時計は信用できない、あまり針が進まないからだ。
確認が終わると、また目を閉じる。そして開く。安堵した。状況は変わらない。ベッドに寝転がりながら視界に入るものを確認する。便器、時計、パン、照明、ドア、果物、死体…。
飽きが来た。正確に言えばそうではないが、飽きということにしておく。して、またやることがなくなった。目を青白い照明へやると、徒労感と一緒にこの部屋での出来事がぼんやりと頭に浮かんでは沈む。おれは笑った。浮かぶものを掴もうと、頭に意識をのぼらせる。
50分前は便器を破壊した。短くなったナイフを掴んで便器に手を突っ込んで中を掻き回した。穴の拡張を目指したのだ。水温が鳴る。数百数十回目にその音を聞くと、途方もないことが理解できた。衝動的にナイフで便器本体を殴りつけた。始めは目的意識が太かった。しかし攻撃する力が弱くなるとともに意識は薄れ、土をかき出す子どもみたいにただ腕だけを振り回した。とうとう便器を使用不可能にして、瓦礫を退かして水路を探ろうとしてみたが、やはり部屋を出る手掛かりにはならなかった。
130分前は壁を叩いていた。コンクリートで固められた壁はひんやりしていて、拒絶の意を感じた。ナイフを使って壁を切り出そうとしてみたが、ナイフの方がぱきっと折れて、長さは半分程度になってしまった。形容したくない思いが心をべたりべたり塗り上げようとしていたが、迷わず切り替えたのだ。やる前から結果のわかることに挑んでも得られるのは無力さだけである。
行動動機はすべて死体に起因する。
危険なものには近付かなければいい。それを忘れてしまっていた。若干水分を含んだ砂利は坂道を下る足をやや戸惑わせる。未だ、小動物が草を分けて走りくる音は後方からし続けていた。
甘梨 和明は走りながら、ポケットから携帯端末を取り出した。電源を入れてすぐ『発信』のボタンを押した。普通なら電波なんか届きそうにないが、その辺り財団は余念が無い。通信はすぐに繋がった。
『此方サイト-81中央管制室。どうぞ』
「助けてくれ、追われてる」
甘梨は自身の生存を確信できないでいた。理由は三点ある。
『対象は?』
「クマを殺しました、中型で。人間じゃない」
一つ、相手が最高位の野生動物をも殺傷する存在であること。
『所在は?』
「逆探知でなんとかしてくれ!」
一つ、現在地が人里離れた山奥であり、部隊の到着も時間がかかるだろうこと。
『では機動部隊の到着まで待機してください―』
最後の一つが最も残酷な事実だろう。
『―カメラマン・甘梨』
甘梨は財団に所属している人間ではあったが、オブジェクトと直接接触するために訓練を重ねたエージェントでも、それらに対する知識を持った研究者でもなかった。比較的遠距離からオブジェクトに関与する、撮影担当者でしかなかった。
甘梨 和明は木の後ろへと身を潜め、一眼レフのカメラを構え中腰になった。空を覆う葉から漏れる日光が照らす林の空間に、周囲には冷えた空気が充満している。移動中してきたサングラスを掛ける必要はなかった。カメラが時折発する電子音以外の音はそこにない。
とてつもなくラッキーだ。甘梨は口許を緩ませ、口内で転がしていた飴をこぼしそうになりながら思った。休暇を利用して北海道まで飛び、車を借りて山奥まで来た甲斐があった。自然風景を収め、ついでに鹿なんか撮れたら上々。その考えの下森を進んでいたところに出くわしたのがレンズの向こうのヤツだ。人間を軽く上回る体長、一律に生え揃う茶色毛。ヒグマである。餌を探しているらしく、草を掻き分けたり土を爪で削ったりしている。
危険動物との対面、本来なら誰もが飛び上がって逃げ出す事態だ。しかし、対処法さえ知っていればただの被写体でしかない。近付かなければいいのだ。彼はそれだけを念頭に置いて森を進んできた。本来地元民を一人は伴って案内を頼むべきところであったが、趣味の探検は極力一人でやるという彼なりのポリシーがそうさせなかった。うっかり近くに現れてしまっても、目を合わせながら後退すればいいというのはもはや報じられすぎていて一般常識レベルだ。何も心配することはなかった。甘梨は中腰の体勢でできるだけ体を前に傾けた。できるだけピントを調整し、シャッター速度を弄る。露出を上げて光を組み込み、絞りを開けて背景をぼかす。フラッシュは当然焚かない。一連の動作を確認しながら行い、シャッターを切った。電子音の後、画面に画像が現れる。画面中央に収められたヒグマは足元を見るように俯いていた。周りの土砂は冷たげな印象を際出させ、''主役''はその上にしっかりと立っている。悪くはない。またしても飴をこぼしそうにしながら笑うと、甘梨は再度カメラを構えようとした。
視線の先にヒグマはいなかった。先ほどまでの笑顔は顔から消え失せ、代わりに怪訝な表情が自身の顔に張り付いたのを感じた。見失ったか。いや、写真を確認しただけの、そんな短時間で見失うわけはない。走って移動しようものなら草の揺れる音だってするはずだ。人がいることが分かってどこかに隠れたのか。カメラを手から離して辺りを見渡すが、あの3m弱の巨体が隠れられそうなポイントはなかった。甘梨は自身の背筋が少し強張ったのを感じた。仕事柄、いやな予感というものがしたときは毎回こうなる。不安と同時に好奇心も湧き上がり、見に行かないわけにはいかなくなるのだ。甘梨はカメラを首に掛けた紐に預けて体を完全に起こして口内の飴をティッシュで包んでポケットに入れ、ヒグマのいた地点まで歩き始めた。不安が大きくなることはあれど、足を止めるつもりは少しもなかった。
ヒグマがいた地面が見えてきた。そこにはヘビの抜け殻を連想させるような、白い皮のような物体が少し膨らんで横たわっていた。大きさ、顔と思わしき部分がクマと同じかたちをしていたが、甘梨の中であのヒグマと結びつくには時間がかかった。見た限りではまるでビニールでできているようで、空気をさらに入れたなら弾みそうなものだ。皮の臭いは獣臭さを含みながらも、鼻につく刺激臭を同時に備えている。こんなものが自然発生するはずはない。心拍数が興奮で速くなるのを感じたが、甘梨は胸元に垂れ下がったカメラを構えた。カメラをその白い皮に向けたまま、フィルターを覗いた。いくら嫌悪に苛まれても、奇妙なものは撮らねばならない。撮って残さねばならないと、使命感がそうさせた。
飴色の目が甘梨を覗き返した。透き通った目の中に筋のような部分があって、左右に揺れる機械的な動きをした。甘梨は反射的にカメラを放した。紐が無ければ地面に落ちていたことだろう。首に衝撃が来たが、それがちょうどよく彼の視点を下げた。白の皮は徐々に膨らみ、体積を得ようとしているところだった。ちょうど足に当たっている。やはり白い皮の周囲に生物は何もいない。
後退する用意をしながら、甘梨は再びフィルターを覗いた。飴色の目は二つあった。口らしき器官はなく、目が顔の面積の四割を占めている。彼の腰丈くらいの白い体は腹が出ていて、四肢は尖っていた。両腕は白い皮に接続し、気体を送り込んでいる。プッカ、プーカ。擬音を当てはめるならそんなリズムだ。甘梨は後退りを始めた。目を合わせながら退いた。草を踏む音でさえ浮いてしまうような沈黙を、彼は保ちたかった。
破裂音。足に当たっていたゴムの触感も同時に失せた。レンズの向こうにいるヤツは、だらんと腕を地に垂らした。右腕の先からは透明感のある焦げ茶色の液体が流出している。ガラス、ゴムチューブ、注射器、裁縫針、血液。目は合わせた、ずるずると腕を引きずって、ヤツは小さな体をこちらに向けた。敵意。ヤツは向かってくる。どこか化学的な危険を察知した甘梨は、フラッシュをオンにしてシャッターを切った。
拡散する光。白い怪物の発生源不明の小さな呻きが耳に入り、即座に踵を返して走り出した。
SCP財団 職員終了後プロトコルマニュアル
当文書の
以下リビジョン(revision6.5)は
サイト-81圏域在籍職員の手引きとして
倫理委員会により
20██/██/██に承認されました。
当文書は財団職員が死亡、終了処理、行方不明の何れかになった場合に適応されるプロトコルについて記したものです。対象となる職員が所属していたサイト管理者、或いはそれに相当する権限を持つ人物を中心としてプロトコル担当班が選出され、実行されます。このマニュアルの情報は全ての職員に共有されます。
このプロトコルには2つの目的があります。第一は職員の死を通じて財団外部の人物に財団及びSCPオブジェクトの存在の露呈を防止することにあります。この財団外部の人物とは、職員の家族であり友人であり恩師です。第二は終了した職員の職務や遺品の管理を明確化することです。また、終了した職員の意向をできる限り引き受けて処理することで残留職員のメンタル・ケアに繋げることでもあります。
このプロトコルにはいくつかのパターンが存在します。そのパターンの多くは職員の終了時の様態、つまりは遺体の状況によって決定されます。決定はこのマニュアルを基準としますが、担当職員は審議を行い、ケース・バイ・ケースで処理を決定してください。
このプロトコルは大きく分けて以下2種類の処理から成り立ちます。
内部処理(ⅰ)
財団内部の処理です。対象職員が以下の条件に該当した場合、この処理は免除されます。
(1)Dクラス職員
※機動部隊所属など固定役職の与えられている一部の職員を除く
(2)O5の指示により当処理を免除された職員
外部処理(ⅱ)
対象職員の遺族などへ対応するための処理です。対象職員が以下の条件に該当した場合、この処理は免除されます。
(1)Dクラス職員
(2)既に戸籍上で死亡処置が行われていた職員
(3)O5の指示により当処理を免除された職員
内部処理
内部処理は職員の死亡(事故による失踪を含む)が確定した時点、または1年6ヶ月以上行方不明の状態が継続された時点で開始されます。
職務相続
遺留品の処理
サイト内の私室、及び財団施設外の住居にて対象者に関する物品を捜索・回収します。機密情報を含むものは除外され、近親者に譲渡されます。後述する遺書に指示などがあった場合、できる限りそれに従います。
- 遺書について
プロトコル対象者が生前、中央事務室(サイト-8181に所在)に遺書を提出していた場合、また対象者のものと思われる未公開の文章が発見された場合、その公開権は倫理委員会が持ちます。文章は倫理委員会により査読され、検閲された後、プロトコル担当班へと公開権が譲渡されます。公開の範囲は担当班により決定されます。
告別式の実施
プロトコル担当班の任意で、規模または参加者が決定されます。告別式の参加者を選定する際、人数が極力多くならないようにしてください。形式は対象者が信仰していた宗派に沿って行われます。
葬儀の前例 3件
外部処理
外部処理は検死の判定後に開始されます。検死の結果により処理の方法が大きく分岐します。
(A)遺体が公開できる場合
検死によって遺体の公開ができると判定された場合、すみやかに財団と協定関係にある病院・診療所に指示を送り、偽造された死亡診断書を確保してください。死亡要因を偽装し、財団外部の関係者に通達します。
例2件
関係者に通達後、財団フロント企業の葬儀会社である止水館(Shisuikan )の協力で葬儀を執り行います。遺体に接触する係は財団関係者に担当させます。なお、プロトコル担当者が選定した職員を監視役として潜入させてください。
(B)遺体が公開できない場合
遺体が公開できない場合とは、以下のような状況です。
- 遺体が回収できなかった
- 検死の結果、遺体が異常性を保有していた
- 遺体の損傷が酷く、倫理的に民間人に公開できない
この場合、元となる遺体を隠蔽する手段を確保してください。
例3件
この手順の後に、(A)を実施します。
補償金
このプロトコルが実施されることは、掛け替えの無い同胞を失ってしまったことと同義である。 しかし、我々が悲しみを死者に向けている時間はないとされている。一秒下を向いたそのとき、また別の墓標が立ち並んでしまうことを経験しており、事実それは何千というファイルの中に記録されている。未知の脅威から多くの人間を保護できるというのであれば、身内の死体などはぞんざいに扱ってもいいのかもしれない。我々は前を見るべきだ。だが、それが間違いであると気付くのもまた、前を見たときなのだ。我々は死体を足場にして前進している。人間は自分が進むために架けられた橋を蹴って壊そうなどとするだろうか。それは愚者の行為である。橋は丁重に、建築者への感謝を伴って渡るべきだ。我々はおびただしい死体の山の上に城を築いているに過ぎない。財団の中の話だけでなく、人類というものがそうであった。死者への恩赦というのは忘れてはならないものだ。その恩赦の証明として我々にできることは、彼らに引導を渡してやることである。
また、このプロトコルは我々に向けたものでもある。死に際が凄惨でないという保障がない我々にとって、死後の清算が保証されているというのは安心できる事項の一つであるはずだ。その理念に従い、当プロトコルを此処に制定する。
確保、収容、保護。
http://funeral-ceremony.com/01-funeral/001-funeral.html
配管 Plumbing
This was stupid. It was a stupid idea, thought up by stupid people, in stupid, safe offices. Agent Two looked around slowly, letting his flashlight play over the walls, one of the only items the Agents were allowed to carry inside SCP-015. Agents Six and Lon were standing just behind him, doing the same. The idle chatter and joking had died off about thirty seconds ago, each Agent slowly realizing that this was no simple little milk-run. Go in, find the observation unit, pull the data and recover the unit. Cake. They'd laughed, Lon asking if she should find a Mario hat to wear, them being plumbers now and all. Now, however…seeing the dim, cramped tunnel yawning before them, the only joke was them being there at all.
Two stepped forward, slowly, fixing his flashlight on the ground. It was a hard mat of pipes, more or less level with the floor. A few small tubes stuck up here and there, snaking around like tree roots, or suddenly turning up in the middle of the floor like a pillar. The walls, the ceiling, every inch of the original structure was coated in pipes. Some researcher who led them up to the main door said that there wasn't anything left of the old warehouse really, except for the outer shell. He pushed away that whole line of thought, pointedly following the pre-mapped course they'd had to memorize, stepping around a pillar of tightly woven hair, the glossy surface steaming gently.
Six plodded along, taking the rear and keeping a close eye on Two and Lon. Skittish kids. Lon was jumping at every sound, and Two looked like he was ready to drop and run if he saw so much as a mouse. Kids. He sniffed in the dark, playing his light forward, smelling heat, sewage, and god knows what else. They needed a good military hand to lead them, but damned if Six was going to mollycoddle grown adults who were going to jump at shadows. The were going to get this goddamn job done, and get the hell back out. Fuck that bullshit SCP slip, they were just security blankets for eggheads and flakes. “Semi-sentient” my ass, they just didn't want people denting their pet horrors. He wanted out of this dripping nightmare. He was going to get this mission done with or without them.
Lon tiptoed over a thick, thorny mass of pipe, the surface like braided thistles, trying not to whimper. She kept close to Two, keeping the light at her feet so she wouldn't step on anything nasty. She hadn't wanted to seem like the little, weak girl…but she had a terrible fear of tight spaces…and this place was like walking around in someone's slowly closing arteries. Lon shook her head, hard, breaking off that whole train of thought. She was the tech, Six and Two were the safety. All she had to do was stick by them, pull the data cards out of the MRV, and then leave. She tried hard not to look back at the sealed doors in the distance behind them. Only a couple turns to the MRV, a little work, and then out. In and out, simple as pie. She ignored a softly throbbing pipe of leathery flesh near her arm with a focus that was almost physical.
They found the MRV after what felt like an hour of walking. It was hard to keep your bearings. The rampant growth of the pipes had cramped some areas down to crawlways, and snarled others in to random, claustrophobic mazes. Six had nearly gotten stuck twice, and had looked like he was about to murder Lon when she made a comment relating to Winne the Pooh. Lon was talking again, at least…but it was brittle, whistle in front of the graveyard chatter. Two kept trying to follow the directions…but even with them being less then a week old, they were little more then a guideline. When they'd finally found the MRV, it'd been a momentary relief. At least they were at the half way point. Then they'd looked at it in the light.
It had been speared, for lack of a better term. Pinned against a pipe of some kind of dense fabric, a smooth, black pipe had docked itself to the camera lens of the observation vehicle. It wasn't smashed or damaged, it just…connected, as if it was made for it. It had lifted the little treaded robot nearly a foot off the ground, and it looked like other, smaller pipes had started to connect to other open spaces on the vehicle. It just sat there, the wheels slowly turning as the battery died, like a bug on a nest of pins. Some clear, fowl-smelling fluid was dripping softly from the camera housing.
“Well.”
Two's voice echoed in the dark, a monument to pointless speech. The all stood, for a few moments, then Lon started to, carefully, look over the MRV. Six was looking around with an increasing restlessness, starting to mutter quietly. Lon was reaching for the data cards, before stopping, looking over at Two.
“Um…Two…since it's grown in to the MRV, do you think it…counts?”
“What do you mean counts?” Two kept the light on her and the machine, a hiss of steam behind him making him flinch.
“I mean as damaging 015. If I take out the data cards, do you think it will…react?”
Two looked around slowly, shining his light along the floor, a pipe as wide as a car and seemingly made of compacted lint.
“…this suddenly seems like a bad-”
“Oh shut the fuck up.”
Both Agents turned to stare at Six. He'd stepped up to the MRV, flexing his hands and reaching in to his coat with one hand. The other pushed Lon away none too softly.
“Move it. Reaction, for fuck's sake…they just say that shit to fuck with people and keep their toys safe. It's a bunch of weird pipes. Beginning and end, there. Maybe it grows or whatever, but the damn thing sure as shit isn't going to take offense to people. I'm grabbing this goddamn thing, and we're getting out of here.”
As he spoke, he stepped forward, flipping open the dataport cover. More of the clear, scummy liquid had pooled inside. The other two Agents froze, staring in shock a moment…and the building seemed to do so as well, the whispered sounds of venting steam, sliding materials, and soft pinging had all stopped. The heartbeat in Lon's ears sounded like gunshots. Two started forward, reaching for Six.
“Jesus, Six, what the fuck are-”
Six ignored him, slipping out the thin data cards. It felt like old, nasty water over them…bad, but they were built to resist it. He slipped them out, then put the bundle in his pocket. He prodded around the edge of the camera lense, shifting the MRV a bit, trying to see if it would work free as Two and Lon backed away, slowly, the slience around them seeming to crush inward. Six gave up, turning away from the helplessly trapped MRV and shining his light on the two white-faced Agents.
“Fucking kids. I don't know how you guys survive.”
The pipe under him opened with the soft sound of tearing felt.
Two and Lon didn't even have time to react, before he slid in to the widening gap up to his armpits, and started screaming horribly. Six's flashlight went tumbling away as the two Agents, galvanized by the big man's wretched screaming, ran to help him. A blast of heat and light was pouring up from under the man, as the two Agents grabbed his arms and looked down. He was submerged in a mass of thickly flowing molten glass. His clothes had already started to smolder and burn, the stench of seared flesh almost more overpowering then the reverberating screams. They pulled, and dragged up half of a man, with a ruined, seared mass of flesh and cloth where his lower body should have been.
The panted, trying to drag him, Lon starting to scream along with Six, Two's eyes wide and fixed on some point far away from there. There was a horrible swell of sound rising all around them, pinging, hissing, clicking, cracking, a pipe to their side bulging alarmingly and causing them to nearly fall. They regained their footing just as a wooden pipe above them burst open in a spray of splinters and clear, stinging dust.
Two and Lon spun away, gagging and choking, Two spitting out a sudden mass of blood. Glass. It was powdered glass. It poured over Six, muffling his screams, shifting as he struggled a few moments, then stopped, the glass quickly covering the body and spreading. Lon blinked, eyes red and puffy, looking over at Two. He nodded, and they bolted down the hall, trying to ignore the rising cacophony of sound, sounding like an approaching train. A mass of oily, reeking chemicals boiled up behind them, a jetting surge of rose thorns nearly cutting off their forward progress, forcing them to crawl along a bone pipe that was shuddering like an old man in the cold.
They ran, keeping just ahead of…whatever it was, hearing splintering explosions and shivering cracks all around them. They finally came to a snarled crawlway, barely a few feet wide, that was the only way forward. Two dived in, doing a low crawl, trying to will himself forward like a snake, knowing the passage was only about fifteen feet long, easy, wouldn't take any time. Lon hesitated, that tiny, black gap looking like a mouth, before a sudden burst of steam behind her sent her shrieking forward, sobbing as she started to crawl, calling after Two.
Two ignored the growing vibration all around him, the creaking ping near his head, and slid free of the opening, he turned…and saw nothing. No Lon, no sudden bursting…just the empty hole. He looked around, hands twitching, thinking, then slid back inside, trying to find Lon and physically drag her out. He could hear her, muffled, probably behind the next turn…and his flashlight revealed a solid wall of three thick, flaking white pipes. This was it, he was sure of it, the tunnel was right here…and then he heard the pitiful scream behind them. Lon begging, pleading, screaming for him. Two stared, eyes wide, then slammed his flashlight against the pipe. It burst, sending a reeking, corrosive slime over his hand, making him reel back down the crawlway, screaming as it ate in to his flesh. He stood outside the opening, holding his steaming hand away from him, trying not to look at the exposed bone.
“Oh…oh jesus…Lon…Lon, I'm sorry, I'll get help, I'll get someone, just sit tight, I swear…”
He bolted down the hall, his flashing seeming to dim in time to the rising sound.
Lon panted, screaming for Two, hearing the hard bang on the other side of the pipe and his sudden, shrieking retreat. She sobbed, her whole body shaking, and slowly started to work her way backward, crawling on her belly, crying as she muttered some half-remembered prayer.
When her feet pushed against a sold wall of pipe, she couldn't even muster a fresh scream.
She was trapped, the space not much bigger then a coffin, helpless. She sobbed, face on the ground of warm, fuzzy pipes…and noticed the silence. Aside from her cries, there was nothing. No pinging, no cracks or explosions…nothing. She raised her head in the barely illuminated dark, looking around. She was alive. It was calming down. They'd come for her, Two would get help. She was getting out of here. She fought back her growing claustrophobia, looking along the walls. She noticed a small gap at the ceiling, and started shifting to get a better look, twisting back…and finding only the open end of a pipe. Lon sagged back, closing her eyes, tears leaking down her face.
The first sticky drips she simply assumed were the same tears. Then one fell on her mouth…and it was sweet. She opened her eyes, and saw a thick, quivering mass of amber goo splatter from the mouth of the pipe, coating her and the floor as it surged out. She coughed, shifting back…it was honey. Honey, or something like it. At least it wasn't molten lead or acid…then she saw the level rising. It wasn't draining. The pipes were packed too close. She looked around her tiny chamber with horror rising much faster then the honey oozing up her sides. Lon beat on the walls the floor, the ceiling, trying to block the pipe with her hands, heedless of provoking the thing more…as the honey rose and rose, as cloying sweet as a school age lover.
Her last, gasping breath was sweet and stale with honey and screams.
Two ran, totally lost now, his flashlight dimming by the moment, the sound of cracking and bursting pipes starting to trail off. Maybe it was done, finally. 015 was protective, but it didn't seem vengeful. People had gotten hurt before, and gotten out fine. It happened. They'd find a way to get Lon out too. She might even be out already, just found another way to get around the blockage. That was probably it, she was out of this stupid place. Six was a shame…but why had that lunatic opened the case? What the hell had possessed him?
He was still musing on this when he tripped over a unseen pipe in the dark around his feet.
He pitched forward, yelping a half-surprised, half-terrified bark as he went sprawling. Or he should have went sprawling. Instead, he fell past the floor, in to a yawning, open pit of a pipe, the slick, oozing sides plunging down at a sharp angle. He screamed, trying to grab something to stop or slow himself, but the walls were oozing and thick, his downward slide gaining speed. His dimming flashlight showing a seemingly endless tunnel stretching off below him. He slid, and slid, a scum of stinking, smooth ooze sticking to his clothes and skin.
The tube twisted, banging him against the wall as he followed it, his flashlight jittering and starting to flicker. Panic slammed down like a fist, Two grabbing the light and trying to keep it still, pleading with it, staring at the lamp bulb as it dimmed more and more. It surged a moment, then flickered out, the darkness pressing to his eyes like cloth, the Agent slipping down faster and faster, screaming until he was hoarse, screaming until his throat bled, screaming even as he passed well beyond the physical boundaries of that tangled web of pipes.
Days later, when his skin started to shred off, it was almost welcome.
SCP-015 Recovery Report
Agent Two: MIA
Agent Six: MIA
Agent Lon: MIA
MRV-889236 Status: Unrecovered
Data deemed non-vital in light of lost staff. SCP-015 classification level review suggested.
こいつは馬鹿だった。安全なオフィスの馬鹿みたいな奴らに考え出された、馬鹿みたいな考えだった。エージェント・トゥはゆっくりと周囲を見回し、懐中電灯を―エージェントがSCP-015の中でただの一つ持ち運べる道具である―壁で遊ばせた。エージェントのシックスとロンも彼のすぐ後ろに立って、トゥと同じことをしていた。うだうだなおしゃべりとジョークは約30秒前に次々と死に絶え、エージェントはそれぞれ、これが単純な巡回作業ではないことを徐々に認識していた。行って、観測ユニットを見つけ、データを取り出してユニットを回復させる。そんで仕事終わりにケーキ。今や皆配管工だから、被るマリオの帽子を見つけるべきかとロンが尋ねたために笑っていた。しかし現在では…薄暗く、狭苦しいトンネルが目の前に広がっているのを見て、ジョークといえばそんなところに自分たちがいることくらいだった。
トゥは前進し、ゆっくりと地面に懐中電灯を置いた。地面は多少床と水平に走っている硬いパイプの敷物になっていた。小さなチューブいくつかが木の根のように蛇行したり、突然柱のように床の真ん中に突っ込んだりして、あちこちに詰まっていた。壁、天井、元の構造は徹頭徹尾、パイプで覆われていた。正門まで案内してくれた研究者が言うに、外壁を除いてこの古い倉庫には何も残っていないらしい。すべての思考を追い払い、記憶が必要であった事前にマッピングされたコースに沿って、光沢面がしっとりと蒸し上がった、結束の固い髪のような柱の周りを踏みしめていった。
シックスはその後伝いにそろりそろりと歩を進め、背後を取りながらトゥとロンを注意深く見守った。臆病なガキか。ロンはどんな音にも飛び上がっていて、トゥにはそれが、ネズミでも見ようものなら投げ出して走り去る準備のように思えた。ガキか。ライトを前方へ向けながら暗闇の中で空気を嗅いでみると、熱や下水や、これまで嗅いだことのないような臭いがした。ガイド役の頼もしい軍人を必要としたかったが、ロンが影に飛び上がるいい歳の大人になっていたなら罵っていた。* このくそった仕事をやって、地獄を取り戻すつもりだった。 たわごとのSCPスリップ、彼らはちょうど卵やフレークのセキュリティ毛布だった。 "セミ・センチエント"私のお尻、彼らはちょうど人々が彼らのペットの恐怖を傷つけてほしくはありませんでした。 彼はこの落ち込んでいる悪夢の中から欲しがった。 彼は、この任務を彼らの有無にかかわらず行うつもりでした。
難易度:Safe/Euclid
Q.(クイズ内容)
1.
2.
A.1/2
難易度:Keter
Q.(クイズ内容)
1.
2.
3.
4.
A.1/2/3/4