アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: その性質上、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JPの運転するバス(SCP-XXX-JP-1と指定)の完全な封じ込めは困難です。全国のバス会社、警察の協力のもと全てのバス停は常時監視されます。SCP-XXX-JPが出現した場合には収容違反がSCP-XXX-JPの担当者、機動部隊ほ-51("警察機動隊")に通報されます。機動部隊ほ-51は警察の協力のもとバリケード、輸送車両などを用いてSCP-XXX-JPを完全に包囲し、一般人がSCP-XXX-JP-1に誤って乗車することを防ぎます。その際にはバックストーリー"バスジャック"が適用されます。また、付近の監視カメラの記録等を確認し、誤ってSCP-XXX-JP-1に乗車した者がいればすべて記録します。もしSCP-XXX-JP-1から生還した者がいれば、SCP-XXX-JP-1での体験を聞き出し、後にBクラス記録処理を施します。SCP-XXX-JPの包囲はそれが消滅次第、解かれます。
説明: SCP-XXX-JPは40代後半とみられる一般的な日本人男性です。SCP-XXX-JPはあらゆるバス停留所にSCP-XXX-JP-1とともに出現し、他のバスと変わりなく乗客を乗せて発車します。また、発車後に「お客さん、どちらまで?」と質問することが確認されています。これまでの調査により、出現前に本来存在しないはずの路線・便が時刻表へ追加されている、付近の営業所で車両が故障するなどの現象が判明しています。これにより、SCP-XXX-JPの出現はある程度の予測が可能です。出現の経過はこれまで観測できておらず、記録映像ではバス停の100m~200m手前に瞬間的に出現しています。最も多くSCP-XXX-JPが出現したバス停は████県███市の███停留所で、現在までに███回の出現が確認されています。最初の観測例は197█/██/██です。SCP-XXX-JPの発生原因は不明です。
SCP-XXX-JPは既存の対人兵器での殺傷が可能ですが、一般的な人間よりも体力・回復能力に優れていることが過去の実験で判明しています(補遺2-実験あ-2の音声記録を参照)。一般的な9mm拳銃弾では死亡することはなく、7.62mm弾を使用した狙撃での死亡例が数例報告されています。SCP-XXX-JPの死体はこれまでに確認されておらず、死亡すると消滅するものと推測されます。
SCP-XXX-JP-1は東弊重工が製造した19██年式の█████という車種であることがこれまでの調査で確認されています。SCP-XXX-JP-1は当該のバス停を経由する路線を運営する会社のバスと同じ塗色に偽装されます。行き先表示は一部の例を除いて[編集済]から変わることはなく、多くの場合は表示と全く関係のない場所であることから注意していればSCP-XXX-JP-1の存在を認識できるでしょう。SCP-XXX-JP-1に乗車した人間は自動車が到底通れない道を通る、存在しないはずのバス停で降車するなどの不可解な現象に遭遇し、多くの場合はその後行方不明となっています。SCP-XXX-JPが短い時間で再び通常のバス停に停車する例が報告されており、これまでの生還者は一部を除きこの手段で降車しています。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの消滅後も消滅することはなく、これまでに█台のSCP-XXX-JP-1の収容に成功しています。回収されたSCP-XXX-JP-1はその全てがサイト-8181の大型収容ガレージ-19に収容されます。
補遺1 インタビュー-XXX-1:
実施日: 1990/05/██
対象: エージェント・███
インタビュアー: 日野川博士場所: サイト-7708・第41実験室
付記: エージェントは前日にSCP-XXX-JP-1に乗車しています。
<記録開始>
日野川博士: それでは、あなたが昨日体験したことについて聞かせてください。
███: はい。私は昨日、バスに乗って買い物に向かおうとしました。すると、時刻表に記載された時刻には10分ばかり早いのにバスが現れました。色もいつも乗ってるバスと同じだったので、早く着けるなら都合がいいと思って乗車しました。すると、運転士が「お客さん、どこまで?」と聞いてきたんです。妙だと思って私は降りようとしました。
日野川博士: なるほど、確かに妙ですね。
███: 降りようとすると、扉は目の前で閉まってしまいました。仕方ないので椅子に座ると、妙な放送が流れてきたんです。日野川博士: 妙な放送、とは?
███: このバスは[編集済]行きではなく地獄ゆきだ、という内容のアナウンスです。私は怖くなって、必死で運転士を揺さぶって降ろしてくれ、と頼みました。すると運転士はハンドル操作を誤り、近くのマンションに突っ込んで止まりました。
日野川博士: そのあとあなたは?
███: 歪んだ扉の隙間から這い出て、家に帰りました。それから先のことは、よく覚えていません…。
<記録終了>
後文: 証言通り、エージェント・███の自宅付近でマンションにSCP-XXX-JP-1と同一車種のバスが衝突する事故が発生していたことが確認されました。事故当該車両はサイト-8181に収容されます。
補遺2 実験あ-2の音声記録
実施日: 200█/██/██
実験概要: D-XXX-JP-02に無線通信機と拳銃を持たせSCP-XXX-JPへの攻撃を試みた。音声は中継され、実験は日野川博士が指揮した。
<記録開始>
D-XXX-JP-02: このバスか、これに乗ればいいんだな?
日野川博士: はい。乗車して車内の様子を教えてください。
D-XXX-JP-02: 中は普通の[編集済]バスと変わりないな。バスの前にある画面も同じ…ん?
日野川博士: どうしましたか?
D-XXX-JP-02: 運転手がどこまで行くのか聞いてきたぞ。なんでどこに行くのかなんて聞くんだよ、変な奴だな。
日野川博士: わかりました。それ以外は特におかしな点はないですか?
D-XXX-JP-02: ああ、他は普通さ。おい、本当に運転手を撃っていいのか?
日野川博士: はい、頭を撃ってください。
D-XXX-JP-02: へへ、行くぜ…(2発の銃声)
(約10秒間、D-XXX-JP-02の吐息のみが聞こえる。)
D-XXX-JP-02: やったぞ…脳天に2発だ。っておい!運転手がこっちに来る!やめてくれ!うわあああああああああああああ!
<記録終了>
後文: この直後に通信は遮断され、D-XXX-JP-02は現在に至るまで発見されていません。