AAA9879の下書き市場

牙と死を交えた彼らに言葉は必要ない

只管に突き立てるだけだ

蜥蜴は滅び行く魂で憎しみを叫び、月桂冠の巨人はそれをいつでも相手にすると豪語した。その傲慢かつ冒涜的な態度に蜥蜴は生まれて初めて真なる"憎しみ"を知った。そして本来滅び行く筈の蜥蜴は滅びを拒否した。彼奴の腹わたを抉り出し地になすりつけ、脳みそをかき混ぜてやるまでこの憎しみは終わらないだろう。

目の前に月桂冠の巨人がいる。総てに終焉を齎す者。幾兆年の退屈がよほど応えたのだろう、口の端を上げて笑顔を作っていた。そして其れ等全てが蜥蜴の憎悪を倍増させる。

憎悪は蜥蜴を成長させ、蜥蜴は元の体躯の数千倍の巨人の腰ほどの巨大さになった。蜥蜴は背に6重もの甲羅を背負いそこらの死骸を喰らい極薄の骨から成る4枚羽を広げ飛翔する。

蜥蜴はこの憎悪に満ちた幾兆年を思い出す。地を這い、泥を啜り、恥辱に塗れた永い永い時であった。全てはこの時の為だ。あの憎たらしい顔面を地に叩きつけてやる為に蜥蜴はここまで生きてきた。

蜥蜴は問う。「何故生きる?お前の同胞は既に骨となり、貴様の朽ちた鎖と成り果てた。ただ破壊するのみで何も生み出さぬ生に意味はあるのか?」

巨人は地獄の門の如き口を開く。「終りを齎す為だ。形有る物も無き物も全ての存在を覆しこの宇宙を虚無へと還す為だ。」その声は大陸全てに響き渡らんとする程の大声であった。

蜥蜴は失望し、心の底から軽蔑する。「全くもって違う。耄碌したか、巨人。私がかつて見たお前は明確なる答えを持っていた。今のお前はどうだ?何も考えず、何も造らず、ただ本能に従っている。犬畜生と何ら変わりはない。いや、むしろ劣っているな。」巨人を見下し、やれやれと首を振る。

巨人は顔を顰める。「そうなれば、貴様はどうなのだ?只管に人の子を殺し続け、壊し続ける。何故貴様は生きる?」その声は震えており、あたかも誇りを冒涜された騎士であった。

蜥蜴は巨人の誇りを出来る限り踏みにじる様に答える。「お前はもう偉大なる破壊の巨人ではない。故に答える価値すら無し。去ね。」

巨人が顔を憤怒に歪め、怒りのままに蜥蜴を拳を打つ。その拳は蜥蜴の頭を吹き飛ばす。巨人は更に怒りを叩きつける。

蜥蜴は拳の雨から逃れ、チリとなった前半身を食べることでかろうじて再生する。そしてウォークライを叫び4枚羽を羽ばたかせ巨人へと砲弾のように突貫する。巨人は唸りを上げる憎悪の砲弾を叩き落とさんと手を合わせ戦鎚の如く振り下ろす。

蜥蜴の羽が半分ほど消し飛ぶが、巨人は蜥蜴の勢いを殺しきれず、鳩尾への体当たりを許す。巨人は驚愕に満ちながらも蜥蜴の尻尾を持ち彼方へと放り投げる。

蜥蜴は巨人よりも驚愕に満ちていた。今の突進は巨人の腹を貫通せしめんと全力の力を込めた筈であり、今までこれをまともに受け原型をとどめたものはいなかった。巨人も例外ではなく、かつて巨人と戦った時は脇腹を吹き飛ばす事が出来た。蜥蜴だけではなく巨人もまた成長していると言うのか。

蜥蜴は一撃に巨人を葬り去る事をやめ、嬲り殺す事に決めた。蜥蜴は残った羽を羽ばたかせ速さを落とし転がりながら長い滞空を終える。

蜥蜴は全身から無数の鮫歯を生やし、高圧ガスを大量に放出させ飛翔する。その速度は先程とは一線を画しており、着地点から巨人まで5秒とかからなかった。

狙うは足首の腱。人型では足元の防御は疎かになる。蜥蜴は長い戦いの時の中でそれを無意識に学んでいた。
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは30m×30m×15mの衝撃吸収に特化した強化合板を用いた収容室に収容してい下さい。部屋の四隅にEMP爆弾を設置し、即座に起爆可能な状態にして下さい。現在SCP-XXX-JPはエネルギー不足による活動停止状態の為如何なる職員も立ち入る事は禁止されています。

説明: SCP-XXX-JPは要注意団体"負号部隊"により作成された体高25m、重量53.2tの人型自律兵器です。SCP-XXX-JPの外殻は人工ダイヤモンドと鉄の合板により構成されています。

SCP-XXX-JPはその自重の為、二足歩行が不可能であり四足歩行を行っています。移動時の平均時速は42.5km/hです。また、SCP-XXX-JPの脚部と腕部の全長はそれぞれ15m程であり、これらを利用した跳躍が確認されています。

SCP-XXX-JPの内部構造は消化器官と非常に類似しており、タンパク質の摂取により活動が可能と判明しています。SCP-XXX-JPはエネルギーが不足した際、35度付近のタンパク質を識別し頭部の口1と考えられる部位で捕食します。12時間の活動に必要なタンパク質は約3t程であり、同量を摂取すれば捕食行動は停止します。休眠状態であれば1週間に0.5t程が必要になります。

SCP-XXX-JPは奈良県███村で活動中の所財団エージェントに発見され、到着した時には既に███村は壊滅しており、村の人口の█9%が捕食されていました。SCP-XXX-JPはEMP爆弾により一時停止しその後確保されました。カバーストーリーには「土砂崩れ」が流布されました。

SCP-XXX-JPは太平洋戦争の末期、本土決戦の戦略兵器として"ドロミヤコ"と呼称されるプロジェクトの下に作成されました。敵軍の兵士を捕食し続ける事により長期的に活動が可能な為、それに伴い敵の戦意喪失と時間稼ぎが期待されていました。

SCP-XXX-JPは音声入力による行動指示機能が存在しますが、SCP-XXX-JPが完成する直前に日本が敗戦し、他の人物の音声が未登録でした。その為"ドロミヤコ"の実質的なトップである藤本栄一郎氏(以下藤本氏)のみ可能です。藤本氏が自己終了した為現在は不可能です。SCP-XXX-JPの回路部分の特定が現在行われています。

以下は藤本氏が自己終了した際のインタビュー記録です。

インタビュー記録XXX-JP-2

対象: 藤本氏

インタビュアー: 内藤博士

<録音開始, 1945/09/27>

[前半は上記のSCP-XXX-JPの情報の為省略]

内藤博士: SCP-XXX-JPは何故人型で作成されましたか?コストが多大な形状と思うのですが。

藤本氏: [10秒間の沈黙]今日の新聞を見せてくれ。そうしてくれたら答える。

内藤博士: 分かりました。今持ってきます。[3分間の退室]貴方にとってかなり屈辱的かもしれませんが宜しいでしょうか?

藤本氏: 構わない。

内藤博士: では、どうぞ。

藤本氏: ありがとう。[8分間の黙読]君達が知りたがっている事について話そう。

内藤博士: ありがとうございます。

藤本氏: 端的に言うと、私達は神を作ろうとした。神は人を自身、つまり神に似せて作った。ならば私達、人が神を人に似せて作ることはそれと同義である。だから私達は人の形で作り上げたのだ。

内藤博士: 他に理由は無いのでしょうか?

藤本氏: [3秒間の沈黙]本当は、新聞を見せてくれなくとも私は今言った事を話すつもりであった。だが君達が新聞を見せてくれたお陰で2つ目の理由を話す決心がついた。ありがとう。

内藤博士: どういたしまして。では、2つ目の理由とは何でしょうか?

藤本氏: 呪いを放つ為だ。

内藤博士: 呪い?

藤本氏: 古代からの呪いを私達が強化したものだ。一盆地どころではなくこの国の全土が泥に包まれるだろう。そして呪うのはいつだって人だからだ。

内藤博士: 何故呪いを使おうと?

藤本氏: 先程も言ったが、本土決戦の際に敵軍を少しでも足止めする為だ。本当はな。

内藤博士: 今は違うと言うのですか?

藤本氏: 私達は負けた。だからあのような仕打ちは許し難いが敗者の運命である。だがな、だがな。[5秒間の沈黙] 新聞を見たか!?何だあの体たらくは!私達は誇り高く国と共に散ると決めたのでは無かったのか!何故討死や自決する事もなくのうのうと生きているのか!この様に簡単に屈するとは思いもよらなかった!決して屈しない神国の偉大なる国民では無かったのか!?

内藤博士: 落ち着いて下さい。誰か鎮静剤を。

藤本氏: ああ、分かっているとも!お前だって敗北を認め屈しているしのうのうと生きているじゃないか。そう思っているんだろう!?しかしだ。私はこの落ちぶれた国には屈しない!私は責務を果たす![机を叩きつけ立ち上がる]

内藤博士: 取り抑えて下さい!

藤本氏: [監視員に地面に拘束される]大日本帝国負号部隊自国自爆作戦"ドロミヤコ"最高責任者藤本栄一郎が人型機動兵器"カワラ"に命令する!蛇と鯰の再会を!千年の恨み募る鯰を解き放て!誇り失いし民に鉄槌を![舌を噛み切る]

内藤博士: 誰か急いで救護班を招集して下さい!

<録音終了>

終了報告書: 藤本氏は救護班による治療を受けましたが、多量出血により死亡しました。死亡が確認されたと同時にSCP-XXX-JPが突如起動し、収容室を破壊し収容違反が発生しました。SCP-XXX-JPは北西へと10分間移動した後、岩を掴み時計回りに回転させようとしました。SCP-XXX-JPは岩を僅かに回転させた後に到着した起動部隊によるEMP爆弾により停止しました。これにより特別収容プロトコルが強化されました。

[[/tab]
[[tab ケビン・ブラウン完全体の完全なる脊髄]]

評価: 0+x

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準観察用収容室に収容し常時監視して下さい。また、SCP-XXX-JPから発生した物体を回収する際は無人機を用いて回収して下さい。現在SCP-XXX-JPとの直接の接触が非常に危険な為、接触を必要とする際は担当職員に許可を取り、Dクラス職員または無人機を用いて下さい。

説明: SCP-XXX-JPはケビン・ブラウンのDNAが検出された直立する脊髄です。

ケビン・ブラウンはアメリカ合衆国アリゾナ州マリコパ郡フェニックス市出身の1870年生、1932年没の男性です。兄弟は存在しませんでした。両親は食料量販店を営んでおり、ケビン・ブラウンは大学を卒業した後これらを継ぎました。1876年に大学の同級生と結婚し、長男と長女2人の子供を持ちました。長男に店を譲り、隠居してから3年後の1916年に飲酒運転の車との接触事故を起こしました。一時は回復しましたが、この時の傷が原因で1930年に██病を患い、1932年にそのまま死亡しました。

SCP-XXX-JPは外部の衝撃に対して強固な耐性を持っています。また、粉末の状態からでも修復することが判明しています。

SCP-XXX-JPは不定期に旋回や異常な行動を行います。異常な行動は現在までSCP-XXX-JP自身のみに影響を与えるものしか発生していませんが、予想が不可能な為注意が必要です。以下は異常な行動の記録です。

1975/12/04: SCP-XXX-JPが突如粉末状になり、5秒後に修復。1965年8月21日に旋回などの活動を停止して以来初めての異常行動でした。

1976/02/07〜1988/08/12: この期間中、停止する事なくSCP-XXX-JPが5100rpmで回転しました。これによりSCP-XXX-JPの微小な破片が周囲に飛散し、SCP-XXX-JPの詳細な調査が可能になりケビン・ブラウンの脊髄と同様のDNAを持つと判明しました。

1996/10/09〜: SCP-XXX-JPが6体に増殖しその全てが12000rpmで回転しており、現在も継続しています。この際発生したSCP-XXX-JPの破片から、使用が確認されていない財団製の榴弾の破片が確認されました。

SCP-XXX-JPからケビン・ブラウンのDNAが検出された際に遺体の確認が行われましたが、脊髄は異常なく存在していました。

— Kevin Brown (1850〜 )


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