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【あの人の愛の言葉.mp3】

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはI端子に何も接続されてない状態で低危険度物品ロッカーに収容されます。半年に一度、電池の劣化防止に充電を行なってください。
SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際は、セキュリティクリアランスレベル3以上の研究職員1人の許可を得てから行って下さい。またパソコンを用いた実験及び解析は永久凍結・禁止されています。

説明: SCP-XXX-JPはソニー社が製造・販売している██████に酷似した携帯音楽プレイヤーです。見た目は市場で出回っている、ビビッドピンクカラーのものと変わりありませんが、非常に頑丈でいかなる圧力・燃焼・高所からの落下など、破壊行為に対して傷一つつきません。また内蔵されている曲はSCP-XXX-JP-1に分類される「あの人の愛の言葉.mp3」というタイトルの1分内の曲のみで、再生モードは1曲リピートに設定されています。
このオブジェクトの特異性は、意中の相手がいる者(以降SCP-XXX-JP-A)がイヤホンを装着し、再生ボタンを押した際に発現されます。SCP-XXX-JP-Aが恋愛感情を向けている人物の声が聞こえるとされ、全ての者が「恋人のように甘い言葉で語りかけてくる」とコメントします。詳細な内容や声質はその人物によって異なります。

視聴している間はドーパミンが分泌され、聞けば聞くほど曲の視聴に対する依存性が強まっていきます。この依存性は強制される行動1によって一時的に途切れますが、それを終えるとすぐに視聴を再開します。視聴時間が合計72時間を超えると、常時ドーパミンが分泌される状態となり、過剰な量によって精神疾患の発症へと繋がります。特に顕著なのが被愛型の妄想障害であり、声の主である人物を自分の恋人だと認識し、ストーカー行為を始めます。最終的に相手の近くに瞬間的に移動できるようになる、限定的な現実改変能力を得るまでになります。またこの状態のSCP-XXX-JP-Aはそのような事実がないにも関わらず、相手とのデートや性交渉に関する記憶を事細かに持ち、更にSCP-XXX-JPで聞いた言葉を実際に言われたという記憶も持っています。記憶処理で以上の特異性を取り除く試みが行われましたが、現実改変能力を得た段階においては一時的な効果しか得られませんでした。

20██年██月██日、██県の高等学校の█年█組の生徒数名それぞれが、同学校の生徒数名にストーカー行為をし、うち女子生徒一名がとある男子生徒と一緒にいた別の女子生徒に暴行するという事件が発生しました。警察の事情聴衆では「自身は男子生徒の恋人である」「あの女子生徒が彼を誑かしていたから、彼から引き離そうとした」と語っていましたが、そのような事実はありませんでした。「███さん(加害者の女子生徒の名前)がその場に突然現れた」「女子が目の前で突然消えた」という目撃証言、「学年内で流行っている、恋が成就するウォークマンを貸してもらったと言っていた」という女子生徒の友人の証言を得たことで、オブジェクトの存在を認知した潜入エージェントを通して確保するに至りました。SCP-XXX-JPを所持していた生徒はインタビューで「知らない同学年の生徒が貸してくれた」と供述しましたが、名前・性別・クラスなどの情報が一切得られず2、当の生徒の捜索は現在も進んでいません。このオブジェクトの確保後、█年の生徒全員にAクラスの記憶処理を行い、カバーストーリー「恋が成就するおまじない」が流布されました。
暴行事件を起こした女子生徒は現在、財団が経営・管理する医療少年院に収容され、治療を受けています。

補遺: 7度目の実験後、パソコンを用いて再生されたSCP-XXX-JP-1の内容を解析する試みが行われたところ、その場にいた研究員全員が声帯を失うという事態が発生し、SCP-XXX-JPの別の異常性によるものと想定されましま。声帯を失った一人の研究員が再びパソコンを通して視聴させた際に「微かにだが自分の声が聞こえた」と筆談で述べたことから断定され、パソコンを使用した実験と解析が禁止される運びとなりました。