アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 発見されたSCP-XXX-JPはサイト-8123の標準収容ロッカーに保管されます。SCP-XXX-JP-1~6を同一のロッカーには入れず、必ず別々のロッカーにて保管してください。
説明: SCP-XXX-JPは異常性を持った伝統こけし群です。作りは一般的なこけしと変わりませんが、通常ならば生産地や制作者名などが書かれている底面には何も記されていません。
SCP-XXX-JPは他者が存在しない密室にて対面した時に回転運動を始めます。それを見た人はSCP-XXX-JPと同じ系統のこけしが生産されている温泉地に対し強い関心を持つようになります(この状態となった人を以下SCP-XXX-JP-Aと呼ぶ)。そしてSCP-XXX-JP-Aが当該の温泉地へ訪れた際には必ずその地にて大量のこけしを購入していくようになります。この行動はSCP-XXX-JP-Aの居住地や経済事情などに関係せず定期的に繰り返されますが、クラスA記憶処理を施すことで停止させることができます。
「2009年以降九州から毎月土湯温泉に来ては大量にこけしを買っていく人が現れ、どうして土湯温泉に興味を持つ様になったのかと聞いたら『家にいつの間にかこけしが置かれていて、不思議に思って見ていたら回り出した。それを見ていたらここへ行きたくなった』と答えた」という噂話が当該の温泉地内で広まっていたのを、偶然休暇に来ていた財団職員が聞いたことにより収容に到りました。
SCP-XXX-JP-1の収容以降ほかのこけし産地でも同様な状態に陥っているSCP-XXX-JP-Aが訪れていないかの調査が行われ、現在6人のSCP-XXX-JP-Aとそれらが所有していた6体のSCP-XXX-JPが発見されています。そのいずれもが異なる系統のこけしでした。こけしは一般的に11系統あるとされ、それぞれに産地が異なります。そのため未発見の温泉地にもSCP-XXX-JP-Aが訪れている可能性が高く、さらなる調査が要求されます。
識別番号 |
発見日 |
SCP-XXX-JP-Aの住所 |
SCPの系統 |
SCP-XXXの生産地 |
SCP-XXX-1 |
2009/██/██ |
福岡県北九州市 |
土湯系 |
福島県 土湯温泉 |
SCP-XXX-2 |
2009/██/█ |
新潟県長岡市 |
南部系 |
岩手県 花巻温泉 |
SCP-XXX-3 |
2011/█/█ |
北海道函館市 |
鳴子系 |
宮城県 鳴子温泉 |
SCP-XXX-4 |
2012/██/██ |
中国 四川省 |
津軽系 |
青森県 大鰐温泉 |
SCP-XXX-5 |
2014/█/██ |
アメリカ コロラド州 |
木地山系 |
秋田県 小安温泉 |
SCP-XXX-6 |
2017/█/██ |
[データ削除済] |
肘折系 |
山形県 肘折温泉 |
未発見の系統: 弥治郎系 遠刈田系 作並系 山形系 蔵王高湯系
SCP-XXX-JP-1~6を並べると回転しながら激しくぶつかり合います。そのとき空間内は硫化硫黄で満たされていき、人によっては体調に悪影響が及びます。
補遺: 2018年9月、第六十四回全国こけし祭りコンクールにて初めて中ノ沢こけしが独立した名称にて審査対象となりました。2017年まで中ノ沢こけしはSCP-XXX-1と同じ土湯系こけしの一種として扱われていて、同大会でも中ノ沢こけしは「土湯系こけし」として審査を受けていました。それでもあくまで土湯系の一種としての中ノ沢こけしという扱いではありますが、以前より独立した系統としての「中ノ沢系」を提唱する動きはありまして、2018年の件もこの流れの中で行われたことです。現行の「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(伝産法)による新たな系統の認定基準の一つ「百年以上の歴史がある」は2022年に達成されることからも、今後正式に中ノ沢こけしが新系統として認定される可能性は高いと考えられます。これにより新たなSCP-XXXが発生し得ると判断されるため、2022年以降は中ノ沢温泉も調査対象地域に加えることが委員会によって承認されました
SCP-XXX-JP非出現時のSCP-XXX-JP-A
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPをSCP-XXX-JP-A上から移動させサイト内に収容する試みは失敗に終わっています。そのためSCP-XXX-JP-Bを回収し被害を防ぐことが求められます。SCP-XXX-JPの出現時間帯に合わせSCP-XXX-JP-A下の川の中へ釣り人に扮した職員を配置させ、SCP-XXX-JP-Bを着水後すみやかに回収させてください。回収したSCP-XXX-JP-Bはサイト-8123の低危険性物体保管ユニットに保管されます。
現在SCP-XXX-JPは非出現状態を維持しています。今後SCP-XXX-JPやSCP-XXX-JP-Bの発見またはSCP-XXX-JP-Bによる被害が報告された場合にのみ職員をSCP-XXX-JP-Aに派遣しSCP-XXX-JP-Bの回収手順を行わせてください。
説明: SCP-XXX-JPは福島県福島市に設置された███橋(以下、SCP-XXX-JP-A)に現れる人型実体です。容姿は10代後半の少年をしていて、SCP-XXX-JP-Aの付近にある福島県立███高等学校の制服を着用しています。
SCP-XXX-JPは毎日午後16~18時の間にSCP-XXX-JP-A上に出現します。出現時刻は上記の時間帯内で毎日ランダムに変わり、出現は瞬時に行われます。出現位置はSCP-XXX-JP-Aの川下側の歩道の欄干近くです。その際必ず両腕を組んで欄干の上に乗せた体勢をとり、目線は川の先にあります。
SCP-XXX-JPが出現して10~30分後、SCP-XXX-JPは右腕を自身の左胸付近へ移動させ、SCP-XXX-JPの右手上にSCP-XXX-JP-Bを発生させます。SCP-XXX-JP-Bは15 ㎤に収まるほどの大きさで、ハートを逆さにした形状をしています。非常に硬い未知の物質にて構成されており、いかなる破壊実験も失敗に終わっています。SCP-XXX-JP-Bが発生してから数分後にSCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Bを投擲し、SCP-XXX-JPは消失します。SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JP-Aの下を流れる████川に着水し流れていきます。流されたSCP-XXX-JP-Bは一か所に停留する性質を持っていると考えられます。SCP-XXX-JP-Aから数km離れた位置にてSCP-XXX-JP-Bが複数個溜まり中州のようになっているのをみつけた地域住民が「川に不法投棄されたものがある」と福島市役所の河川課に通報したところ、市役所内に潜入していた職員がその情報を入手し、当オブジェクトの発見に到りました。SCP-XXX-JP-B群が停留していた箇所は川の流れから漂流物が溜まるような場所ではなく、そのため当該箇所にはSCP-XXX-JP-Bのみが停留していました。
出現したSCP-XXX-JPに触れることは可能ですが、SCP-XXX-JPを移動させることはできません。SCP-XXX-JP-Bを他者からの干渉によってSCP-XXX-JPから離すことにも失敗しています。またSCP-XXX-JPが行う投擲行動を阻害することもできず、SCP-XXX-JPは投擲を必ず遂行します。投擲後のSCP-XXX-JP-Bは掴んで移動させることが可能です。職員は投擲後なら特別収容プロトコルに従ってSCP-XXX-JP-Bを回収することができます。ちなみにSCP-XXX-JPは他者からの呼びかけにも応じず、初期体勢のまま在り続けます。視界の前を手でふさぐなどの干渉を行っても一切の反応を示しません。
実験記録XXX-JP-1 - 日付2███/█/██
実施方法: 前日にSCP-XXX-JPが出現した場所へ出現時間帯前にコンクリートブロックを設置しておく。
結果: SCP-XXX-JPはコンクリートブロックの上へ乗った状態で出現した。
実験記録XXX-JP-2 - 日付2███/█/██
実施方法: 前日にSCP-XXX-JPが出現した場所へ出現時間帯前にロードコーンを設置しておく。
結果: SCP-XXX-JPはロードコーンを避けて前日の場所から少し右に移動した箇所に出現した。
実験記録XXX-JP-3 - 日付2███/█/██
実施方法: 出現時間帯前に橋の川下側の歩道全体へロードコーンを設置しておく。
結果: SCP-XXX-JPはコーンとコーンの間に足を置き、一つのコーンを股で挟むような体勢で出現した。
実験記録XXX-JP-4 - 日付2███/█/██
実施方法: 出現時間帯前に橋の川下側の歩道全体へ工事用の仮囲い(塀)を設置する。
結果: SCP-XXX-JPは仮囲いの上に出現した。仮囲いの厚さは薄く人間が上に立てるほどの幅は無いが、SCP-XXX-JPがバランスを崩すようなことは全くなかった。仮囲いの上であってもSCP-XXX-JPは欄干の上に腕を乗せているかのような体勢だった。SCP-XXX-JPの位置が高くなったためSCP-XXX-JP-Bの位置エネルギーも増え、着水時の水しぶきと音は従来の時よりも大きなものになった。
実験記録XXX-JP-5 - 日付2███/█/██
実施方法: SCP-XXX-JP-Aを完全に撤去する。
結果: かつてSCP-XXX-JP-Aがあった高さと位置にSCP-XXX-JPが出現した。周囲に何も無くてもSCP-XXX-JPは欄干の上に腕を乗せているかのような体勢だった。
分析: SCP-XXX-JPの出現位置は「SCP-XXX-JP-Aの上」ではなく、SCP-XXX-JP-Aがある座標なのかもしれない。
メモ: 実験のためSCP-XXX-JP-Aを撤去したところ、カバーストーリー「経年劣化による撤去」を適応していたのにも関わらず市役所へ多数苦情が寄せられた。SCP-XXX-JP-Aは市内の市街地と住宅地を結んでいる同地域内で最も大きな橋であり、また同地域は自家用車で出勤を行う住民が多数を占めていた。SCP-XXX-JP-Aが撤去されたことが原因で朝夕に交通渋滞が発生するようになってしまい、苦情の大多数はそのことについてのものだった。実験後にSCP-XXX-JP-Aは復旧された。これ以上の成果が得られる可能性も低いため、SCP-XXX-JP-Aを使用する交通へ影響を及ぼす実験を禁止する。
実験記録XXX-JP-6 - 日付2███/██/█
実施方法: Dクラス職員に出現したSCP-XXX-JPを羽交い締めにさせる。
結果: SCP-XXX-JPは一切の抵抗を示さなかった。
実験記録XXX-JP-7 - 日付2███/██/█
実施方法: Dクラス職員に出現したSCP-XXX-JPの体勢を変えさせる。
結果: SCP-XXX-JPは一切の抵抗を示さなかった。しかしDクラス職員が体勢を変えさせることはできず、SCP-XXX-JPは欄干に腕を乗せ続けた。実験中にSCP-XXX-JP-Bを発生させたためそれを奪うようDクラス職員指示したが、SCP-XXX-JPの手からSCP-XXX-JP-Bをとりあげることはできなかった。右腕を押さえつけるようにもDクラス職員に指示したが、SCP-XXX-JPは非常に強い力を以て投擲動作を完了した。Dクラス職員による投擲の妨害はSCP-XXX-JPに一切の影響を与えられなかった。
実験記録XXX-JP-8 - 日付2███/██/█
実施方法: 出現時間帯前に欄干の外側全面へ仮囲いを設ける。
結果: SCP-XXX-JPは通常通り川下側の歩道に出現。SCP-XXX-JPの右腕は仮囲いを突き破り、投擲は遂行された。
実験記録XXX-JP-9 - 日付2███/██/█
実施方法: 出現時間帯前に欄干の外側へ厚さ10㎝のコンクリート塀を設ける。
結果: SCP-XXX-JPは通常通り川下側の歩道に出現。SCP-XXX-JPの右腕はコンクリート塀を突き破り、投擲は推敲された。突き破られたコンクリート塀の破片はSCP-XXX-JP-A下の川へ落下、非常に大きな音を発生させた。地域住民への説明としてカバーストーリー「工事業者のミス」を適応した。
分析: いかなる状況下であってもSCP-XXX-JPは投擲を遂行するようだ。
メモ: 地域住民に不満や不信感が溜まってきている。交通事情への影響の有無に限らず、これ以上のSCP-XXX-JPへの実験を禁止する。
補遺: 2███/██/██、職員が定例業務としてSCP-XXX-JP-A下に待機していたところSCP-XXX-JP-Bの落下地点を推測し誤り頭部に直撃させてしまいました。職員は自身の前方へ転がったSCP-XXX-JP-Bを、着水前に反射で掴みました。職員が頭上を見ると、SCP-XXX-JPは驚いた表情をしながら職員の方を向いているのを確認しました。SCP-XXX-JPはその後消失し、消失後にSCP-XXX-JP-Bは職員の手中で二つに割れました。後にサイト-8123にて保管されていたこれまでのSCP-XXX-JP-Bすべてが、低危険性物体保管ユニット内で突然二つに割れたことが確認されています。
この一件以降は出現時間帯になってもSCP-XXX-JPが出現しなくなったため、SCP-XXX-JPはNeutralized申請され、受理されました。
SCP-XXX-JP非出現時のSCP-XXX-JP-A
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPをSCP-XXX-JP-A上から移動させサイト内に収容する試みは失敗に終わっています。そのためSCP-XXX-JP-Bを回収し被害を防ぐことが求められます。SCP-XXX-JPの出現時間帯に合わせSCP-XXX-JP-A下の川の中へ釣り人に扮した職員を配置させ、SCP-XXX-JP-Bを着水後すみやかに回収させてください。回収したSCP-XXX-JP-Bはサイト-8123の低危険性物体保管ユニットに保管されます。現在SCP-XXX-JPは非出現状態を維持しています。今後SCP-XXX-JPやSCP-XXX-JP-Bの発見またはSCP-XXX-JP-Bによる被害が報告された場合にのみ職員をSCP-XXX-JP-Aに派遣しSCP-XXX-JP-Bの回収手順を行わせてください。
説明:SCP-XXX-JPは福島県福島市にかかる███橋(以下、SCP-XXX-JP-A)に現れる人型実体です。容姿は██年前にSCP-XXX-JP-Aにて投身自殺をした10代後半の少年に酷似しており、服装はSCP-XXX-JP-Aの付近にあり少年が当時通学をしていた福島県立███高等学校の制服を着用しています。
SCP-XXX-JPは毎日午後16~18時の間にSCP-XXX-JP-A上に出現します。出現時刻は上記の時間帯内で毎日ランダムに変わり、出現は瞬時に行われます。出現位置はSCP-XXX-JP-Aの川下側の歩道の欄干近くであり、必ず両腕を組んで欄干の上に乗せた体勢をとっています。その際のSCP-XXX-JPの表情は必ず悲壮感をおびていて、川の先を見つめています。
SCP-XXX-JPが出現して10~30分後、SCP-XXX-JPは右腕を自身の左胸付近へ移動させ、SCP-XXX-JPの右手上にSCP-XXX-JP-Bを発生させます。SCP-XXX-JP-Bは15 ㎤に収まるほどの大きさで、ハートを逆さにした形状をしています。非常に硬い未知の物質にて構成されており、いかなる破壊実験も失敗に終わっています。SCP-XXX-JP-Bが発生してから数分後にSCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Bを投擲し、SCP-XXX-JPは消失します。SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JP-Aの下を流れる████川に着水し流れていきます。流されたSCP-XXX-JP-Bは一か所に停留する性質を持っていると考えられます。SCP-XXX-JP-Aから数km離れた位置にてSCP-XXX-JP-Bが複数個溜まり中州のようになっているのをみつけた地域住民が「川に不法投棄されたものがある」と福島市役所の河川課に通報したところ、市役所内に潜入していた職員がその情報を入手し、当オブジェクトの発見に到りました。SCP-XXX-JP-B群が停留していた箇所は川の流れから漂流物が溜まるような場所ではなく、そのため当該箇所にはSCP-XXX-JP-Bのみが停留していました。
出現したSCP-XXX-JPに触れることは可能ですが、SCP-XXX-JPを移動させることはできません。SCP-XXX-JP-Bを他者からの干渉によってSCP-XXX-JPから離すことにも失敗しています。またSCP-XXX-JPが行う投擲行動を阻害することもできず、SCP-XXX-JPは投擲を必ず遂行します。投擲後のSCP-XXX-JP-Bは掴んで移動させることが可能です。職員は投擲後なら特別収容プロトコルに従ってSCP-XXX-JP-Bを回収することができます。ちなみにSCP-XXX-JPは他者からの呼びかけにも応じず、初期体勢のまま在り続けます。視界の前を手でふさぐなどの干渉を行っても一切の反応を示しません。
実験記録XXX-JP-1 - 日付2███/█/██
実施方法: 前日にSCP-XXX-JPが出現した場所へ出現時間帯前にコンクリートブロックを設置しておく。
結果: SCP-XXX-JPはコンクリートブロックの上へ乗った状態で出現した。
実験記録XXX-JP-2 - 日付2███/█/██
実施方法: 前日にSCP-XXX-JPが出現した場所へ出現時間帯前にロードコーンを設置しておく。
結果: SCP-XXX-JPはロードコーンを避けて前日の場所から少し右に移動した箇所に出現した。
実験記録XXX-JP-3 - 日付2███/█/██
実施方法: 出現時間帯前に橋の川下側の歩道全体へロードコーンを設置しておく。
結果: SCP-XXX-JPはコーンとコーンの間に足を置き、一つのコーンを股で挟むような体勢で出現した。
実験記録XXX-JP-4 - 日付2███/█/██
実施方法: 出現時間帯前に橋の川下側の歩道全体へ工事用の仮囲い(塀)を設置する。
結果: SCP-XXX-JPは仮囲いの上に出現した。仮囲いの厚さは薄く人間が上に立てるほどの幅は無いが、SCP-XXX-JPがバランスを崩すようなことは全くなかった。仮囲いの上であってもSCP-XXX-JPは欄干の上に腕を乗せているかのような体勢だった。SCP-XXX-JPの位置が高くなったためSCP-XXX-JP-Bの位置エネルギーも増え、着水時の水しぶきと音は従来の時よりも大きなものになった。
実験記録XXX-JP-5 - 日付2███/█/██
実施方法: SCP-XXX-JP-Aを完全に撤去する。
結果: かつてSCP-XXX-JP-Aがあった高さと位置にSCP-XXX-JPが出現した。周囲に何も無くてもSCP-XXX-JPは欄干の上に腕を乗せているかのような体勢だった。
分析: SCP-XXX-JPの出現位置は「SCP-XXX-JP-Aの上」ではなく、SCP-XXX-JP-Aがある座標なのかもしれない。
メモ: 実験のためSCP-XXX-JP-Aを撤去したところ、カバーストーリー「経年劣化による撤去」を適応していたのにも関わらず市役所へ多数苦情が寄せられた。SCP-XXX-JP-Aは市内の市街地と住宅地を結んでいる同地域内で最も大きな橋であり、また同地域は自家用車で出勤を行う住民が多数を占めていた。SCP-XXX-JP-Aが撤去されたことが原因で朝夕に交通渋滞が発生するようになってしまい、苦情の大多数はそのことについてのものだった。実験後にSCP-XXX-JP-Aは復旧された。これ以上の成果が得られる可能性も低いため、SCP-XXX-JP-Aを使用する交通へ影響を及ぼす実験を禁止する。
実験記録XXX-JP-6 - 日付2███/██/█
実施方法: Dクラス職員に出現したSCP-XXX-JPを羽交い締めにさせる。
結果: SCP-XXX-JPは一切の抵抗を示さなかった。
実験記録XXX-JP-7 - 日付2███/██/█
実施方法: Dクラス職員に出現したSCP-XXX-JPの体勢を変えさせる。
結果: SCP-XXX-JPは一切の抵抗を示さなかった。しかしDクラス職員が体勢を変えさせることはできず、SCP-XXX-JPは欄干に腕を乗せ続けた。実験中にSCP-XXX-JP-Bを発生させたためそれを奪うようDクラス職員指示したが、SCP-XXX-JPの手からSCP-XXX-JP-Bをとりあげることはできなかった。右腕を押さえつけるようにもDクラス職員に指示したが、SCP-XXX-JPは非常に強い力を以て投擲動作を完了した。Dクラス職員による投擲の妨害はSCP-XXX-JPに一切の影響を与えられなかった。
実験記録XXX-JP-8 - 日付2███/██/█
実施方法: 出現時間帯前に欄干の外側全面へ仮囲いを設ける。
結果: SCP-XXX-JPは通常通り川下側の歩道に出現。SCP-XXX-JPの右腕は仮囲いを突き破り、投擲は遂行された。
実験記録XXX-JP-9 - 日付2███/██/█
実施方法: 出現時間帯前に欄干の外側へ厚さ10㎝のコンクリート塀を設ける。
結果: SCP-XXX-JPは通常通り川下側の歩道に出現。SCP-XXX-JPの右腕はコンクリート塀を突き破り、投擲は推敲された。突き破られたコンクリート塀の破片はSCP-XXX-JP-A下の川へ落下、非常に大きな音を発生させた。地域住民への説明としてカバーストーリー「工事業者のミス」を適応した。
分析: いかなる状況下であってもSCP-XXX-JPは投擲を遂行するようだ。
メモ: 地域住民に不満や不信感が溜まってきている。交通事情への影響の有無に限らず、これ以上のSCP-XXX-JPへの実験を禁止する。
補遺: 2███/██/██、職員が定例業務として16時からSCP-XXX-JP-A下に待機していたところ、出現したSCP-XXX-JPへ話しかける民間人を確認しました。SCP-XXX-JPは反応を示しませんでしたが、民間人はSCP-XXX-JPと同じ体勢を横でするなどして干渉を続けました。なおもSCP-XXX-JPは一切の反応を示さず、通常通りSCP-XXX-JP-Bを発生させ投擲しようとしましたが、民間人は投擲された後のSCP-XXX-JP-Bを空中にて掴みました。SCP-XXX-JPは驚いた表情をして民間人の方を向き、民間人の顔を見つめた後に焼失しました。
SCP-XXX-JPの消失後、民間人には事情聴取を行いAクラス記憶処理を行いました。民間人が掴んだSCP-XXX-JP-Bは回収されたものの二つに割れていました。後にサイト-8123にて保管されていたこれまでのSCP-XXX-JP-Bすべてが、低危険性物体保管ユニット内で突然二つに割れたことが確認されています。
この一件以降は出現時間帯になってもSCP-XXX-JPが出現しなくなったため、SCP-XXX-JPはNeutralized申請され、受理されました。
https://ncode.syosetu.com/n7622dt/ これ使う
タイトル案
「こけし」
「おもうおもいをいわぬから」 ←堀口大学
「いい湯だな」
「みちのくみやげ」
safe いやEuclid? 全部収容できていないし
収容は低脅威度ロッカーで構わないが、-1~6は必ず別々に収容しなくてはならず、決して同一の区画内に入れてはいけない。
SCP-XXX-JPは異常性を持った伝統こけし群。
周囲に誰もいない状態でこけしとふたりっきりになるとこけしが回り出す。
それをみた人は当該こけしの生産地にある温泉に行きたくなる(この状態の人は-Aと呼ばれる)。さらに-Aはその地で生産されているこけしに多大なる関心を持つようになり、温泉街へ訪れた際には必ず大量のこけしを購入していくようになる。この行動は-Aの居住地や経済事情などに関係せず定期的に繰り返される。この現象はクラスA記憶処理を施すことで停止させることができる。
2009年から九州から毎月土湯温泉に来ては大量にこけしを買っていくことで有名な人が現れ、温泉街の人がどうして土湯温泉に興味を持つ様になったのかと聞いたら「家にいつの間にかこけしが置かれていて、不思議に見ていたら回り出した。それを見ていたらここへ行きたくなった」と答えた。この話は土湯温泉内で広まり、偶然休暇に来ていた財団職員が噂を聞いて収容に到った。
-1の収容以降、ほかのこけし産地でも同様な状態に陥っているSCP-XXX-JP-Aが訪れていないかの調査が行われ、現在6名のSCP-XXX-JP-Aとそれらが所有していた6体のSCP-XXX-JPが発見されている。そのいずれもが異なる系統のこけしであった。こけしは一般的に11系統あるとされ、それぞれに産地が異なる。そのため未発見の温泉地にも-Aが訪れている可能性が高く、さらなる調査が要求される。
識別番号 |
発見日 |
SCP-XXX-JP-Aの住所 |
SCPの系統 |
SCP-XXXの生産地 |
SCP-XXX-1 |
2009/██/██ |
福岡県福岡市 |
土湯系 |
福島県 土湯温泉 |
SCP-XXX-2 |
2009/██/█ |
新潟県長岡市 |
南部系 |
岩手県 花巻温泉 |
SCP-XXX-3 |
2011/█/█ |
北海道函館市 |
鳴子系 |
宮城県 鳴子温泉 |
SCP-XXX-4 |
2012/██/██ |
中国 四川省 |
津軽系 |
青森県 大鰐温泉 |
SCP-XXX-5 |
2014/█/██ |
アメリカ コロラド州 |
木地山系 |
秋田県 小安温泉 |
SCP-XXX-6 |
2017/█/██ |
[データ削除済] |
肘折系 |
山形県 肘折温泉 |
未発見の系統: 弥治郎系 遠刈田系 作並系 山形系 蔵王高湯系
-1~6を並べると互いに激しくぶつかり合う。そのとき空間内は硫化硫黄(いわゆる「硫黄の臭い」とされる臭いを発する成分。実際の硫黄は無臭)で満たされていき、人によっては体調に悪影響が及ぶ。
補遺
2018年9月、第六十四回全国こけし祭りコンクールにて初めて中ノ沢こけしが独立した名称にて審査対象となった。2017年まで中ノ沢こけしはSCP-XXX-1と同じ土湯系こけしの一種として扱われていた。しかしそれ以前より独立した系統としての「中ノ沢系」を提唱する動きはあり、2018年の出来事はその流れの中で行われたことである。現行の「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(伝産法)による新たな系統の認定基準の一つ「百年以上の歴史がある」は2022年に達成されることからも、今後正式に中ノ沢こけしが新系統として認定される可能性は高い。これにより新たなscpが発生し得ると判断されるため、2022年以降は中ノ沢温泉も調査対象地域に加えることが委員会によって承認された。
参考
http://www.minpo.jp/news/detail/2018090455054
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=349AC1000000057&openerCode=1
魚拓
https://archive.li/N2e5s