そばを食うコロッケ
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在個別に定義された物理的実体として存在していないため、物理的手段による収容は不可能です。カバーストーリー“関東近県の蕎麦屋”により、日本国内における全ての映像及び文章媒体で「コロッケそば」の起源について十分な論理性を保たれた架空の説明が為されます。同時に、この隠蔽措置に対して実態調査を行おうとする個人・組織に対しては、財団の標準的隠蔽手順に従って拘留した後に、動機及び要注意団体との関連を調査した上で、Cクラス記憶処理を施さなければなりません。

説明: SCP-XXX-JPは日付19██/10/██の時点で、財団日本支部サイト‐██の職員用食堂において、非異常性手段において調理された一つのコロッケである実体(以下SCP-XXX-JP‐1と呼称)でした。SCP-XXX-JP‐1は同日正午に当該サイトの食堂にてエージェント██のコロッケ定食の注文に応じて調理、提供されました。エージェント██は提供されたSCP-XXX-JP‐1を含む定食形式の料理群を摂食し、SCP-XXX-JP‐1は問題なく完食されました。同時に、SCP-XXX-JP‐1は異常特性を発揮し、エージェント██がSCP-XXX-JP‐1を含む昼食の以前、最後に摂食した調理済み食品である、「コロッケが██████熱い汁をかけただけの蕎麦」と概念的に融合しました。三日後、その異常特性を認識した財団の調査により以上の異常性発現までの経緯が特定され、現在までのSCP-XXX-JPの状態を財団は認識しました。

これ以降どのような手段を用いても、「コロッケが██████熱い汁をかけただけの蕎麦」を単独の完成された料理として成立させることは不可能になりました。ただし、「きつね蕎麦」、「わかめ蕎麦」などコロッケ以外の具材を中心として調理した場合、それらの料理はコロッケを具材として含まずに実体として成立可能です。日本国内の飲食店及び一般家庭その他内の調理によって作成される「コロッケそば」は使用された食材と調理工程において一切の異常は確認できず、摂食に伴う異常は報告されていません。

以上のことからSCP-XXX-JP‐1は、自己の完食を契機として、摂食者が直前に消費した調理済み食品に概念的に不可逆な侵食を行う異常性を有していたと考えられます。現在SCP-XXX-JP‐1は「コロッケが██████熱い汁をかけただけの蕎麦」というかつては固有の食品を指し示すものだった概念と一体化し、「コロッケそば」として自己の存在を確立しています。この「コロッケそば」の概念からSCP-XXX-JP‐1を剥離する試みは現在まで全て失敗しています。