アイテム番号: SCP-832-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-832-JPはサイト-8211の収容セル内に保管されています。現在、SCP-832-JPを用いた実験はすべて凍結されており、またセキュリティレベル3以上の人員以外による持ち出しは禁止されています。実験の再開に
は最低でも理事会メンバーのうち2人以上の承認が必要です。
説明: SCP-832-JPは、 です。SCP-832-JPの異常性は、SCP-832-JPを所持した人間が確率に基づく行為を試みた際に現れます。以下、SCP-832-JPの効果を暴露した人間をSCP-832-JP-aとします。SCP-832-JP-aが確率的な行為を行った場合、その結果において必ず確率の高い事象を引き当てます。
以下はSCP-832-JPの特異性に対する実験記録です。
この実験ではDクラス死刑囚にSCP-832-JPを所持させて行いました。
実験記録001 - 日付2012/05/02
実施方法: SCP-832-JP-aに、中に赤色のボールが9個、白色のボールが1個入った袋を手渡し、そこから一つだけ取り出させる。一度取り出したボールは一度の試行毎に袋の中に戻す。試行回数は100回。
結果: SCP-832-JP-aは100回中100回白色のボールを取り出した。
この事象が起こる確率は0.00002656139。分析: SCP-832-JPの異常性は一回の試行についてのみ有効であるらしい。累積した結果の確率に関してはむしろ非常に低いものになる。
実験記録002 - 日付2012/05/02
実施方法: SCP-832-JP-aに、赤と白のボールが一個ずつ入った袋を手渡し、そこから一つだけ取り出させる。試行回数は100回。
結果: SCP-832-JPは100回中42回赤色のボールを取り出した。
分析: 確率に偏りがない場合、異常性は表れないとみられる。
実験記録003 - 日付2012/05/02
実施方法: SCP-832-JPに、コイントスを行わせ、上面となった面が裏面であるか表面であるか記録する。試行回数は100回。
結果: SCP-832-JPは100回中100回裏面をだした。
分析: 興味深いことにコイントスでは結果は偏った。これは推測だが、コイントスに用いたコインの形状や実験室の状態、気圧などの要因が、コイントスの結果の確率を若干ながら偏らせている可能性がある。SCP-832-JPは行為における確率のほんのわずかな偏りでも感知できるものと考えられ、さらなる実験の必要がある。
補遺:
実験後、実験担当の ■■博士の車、家、本人にほぼ同時刻に由来不明の隕石が落下しました。これにより■■博士は死亡しました。この確率は2^(100)に非常に近い値であることから、SCP-832-JPはその試行結果から、SCP-832-JP-aが関与する事象を用いて、正規分布に基づいた確率事象の正統性を保持しようとしている可能性が示唆されます。これ以降SCP-832-JPに対する実験は禁止されています。