アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: 19██/██/██、最後の感染者とされるSCP-XXX-JP-aの死亡が確認されました。その後SCP-XXX-JPの特異性を有する人物が現れなかったことから19██/██/██にNeutralizedに分類されました。
[隠されたテキスト]
説明: SCP-XXX-JPは人間の外界に対する認識の変化、及びそれに伴う精神影響を及ぼす感染性の認識災害です。
SCP-XXX-JPに感染した人物(以降SCP-XXX-JP-aと呼称)の身体の内部には頭頂部から股部分にかけて、その身体を左右に2分するかのように1本の糸(以降SCP-XXX-JP-bと呼称)が発生します。SCP-XXX-JP-bは肉眼で直接見ることでのみ視認が可能であり、写真や映像などを媒介に間接的に視認することは出来ません。またSCP-XXX-JP-bに触れることは出来ず、SCP-XXX-JP-bがSCP-XXX-JP-aの体内で貫通および接触している様に見える器官において、現在SCP-XXX-JP-bが原因で異常が引き起こされるという報告は受けていません。SCP-XXX-JP-bはSCP-XXX-JP-aの死亡により消滅します。
SCP-XXX-JPは
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作者:Unsplash様
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはUSBメモリ内に保管し、サイト-8181の低危険度物品用収容ロッカーに収容してください。SCP-XXX-JP-1は、SCP-XXX-JP-1-CからSCP-XXX-JP-1-BまでのそれぞれのSCP-XXX-JP-1を適正に保存するため温度を25℃前後、湿度を高湿度に保ち、別々に収容してください。またSCP-XXX-JP-1はその生態を記録し、1週間ごとの記録報告書をサイト管理者に提出してください。実験を行う際はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員またはサイト管理者から許可を得た上で行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは日本人ギタリストであった████氏が20██年に作成したと思われる楽曲の音声データです。████氏は作成から3年後の20██年に死亡しており、楽曲も未発表であったため、現存するSCP-XXX-JPは財団が保有するデータのみとなっています。
SCP-XXX-JPは音量の大小に関わらず、SCP-XXX-JPを再生する再生機器の半径100m以内に存在するスズムシ(学名:Homoeogryllus japonicus)に対し特異性を発揮します。この環境下に1日30分以上、1ヶ月以上の期間置かれたスズムシ同士を配合し、産卵、孵化させ、同世代をさらに同環境下に置き、これを繰り返すことで、徐々に前世代より丸みを帯びた個体が誕生します。第8世代以降(以降SCP-XXX-JP-1と呼称)になると体がほぼ円形となった個体となります。SCP-XXX-JP-1は
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1を知る民間人は発見が出来次第Aクラス記憶処理を行い、SCP-XXX-JP-1に関する記憶を処理してください。SCP-XXX-JP-1は歌詞、楽譜のそれぞれを記載したものをサイト-8181の低危険度物品用収容ロッカーに別々に保管してください。これを書き写すなどして複製することは許可されません。またSCP-XXX-JP-1の歌詞、楽譜の記載物を持ち出す際には、サイト管理者またはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員から許可を得た上で行ってください。現在SCP-XXX-JPの確保、収容は出来ていません。そのため実験を行う際はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員から許可を得たうえで、新たなSCP-XXX-JPの確保、収容案を計画し行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは約30~50cmほどの大きさのおおよそ楕円形の形をした生命体です。SCP-XXX-JPの体は全体が濃淡にムラのある黒色をしており、その体を覆うようにいくつもの眼球が付着しています。この眼球と体は常に脈動しており、1分間に60~70回ほどの周期で動きがあることが確認されています。またSCP-XXX-JPの眼球からは、この動きに合わせ、半透明色の粘り気のある体液が分泌されており、この体液によってSCP-XXX-JPは常に光沢を放っています。眼球の数には個体差があり、現在確認されているもっとも多いもので22個の個体差が見られています。SCP-XXX-JPの眼球から分泌される液体については現在詳しいことは分かっていません。またSCP-XXX-JPがどれほどの知能を有しているのかも不明であり現在調査中です。
SCP-XXX-JPは██県██村が発祥とされる童歌(以降SCP-XXX-JP-1と呼称)を歌いながら行われる遊び(以降SCP-XXX-JP-2と呼称)を行うことで出現します。SCP-XXX-JP-2は雨が降る視界の悪い日に5人以上の人間が傘を持って行う遊びです。SCP-XXX-JP-2を行う際、まず遊びを行う人物の中から1人「鬼」を選出します。それ他の人物は「鬼」を囲うような形で4mほど離れた場所で円を作ります。その後「鬼」はその場にしゃがみ込み、自分の傘を体を隠すよう差すことで周りが見えないよう視界を断ちます。その周りをその他の人物が傘を差しながら、SCP-XXX-JP-1を歌いながら回ります。SCP-XXX-JP-1を歌い終わると同時にその場に静止し、「鬼」に自分の顔を隠す様な形で開いた傘を向けます。その後「鬼」は自らの傘を閉じ、おおよそ自分の正面にいる顔を隠した人物が誰かを当てます。以前(補遺を参照)は、その人物を当てることで「鬼」を交代していき、当たらなければもう一度「鬼」を継続して遊ぶというものでした。しかし現在は、SCP-XXX-JP-1を歌い終わり、「鬼」が正面にいる人物を当てようと傘を閉じた瞬間、「鬼」は自らの意思で身動きが取れない状態になります。その後その他の人物は傘で顔を隠したまま徐々に「鬼」に歩み寄っていきます。この人物達が「鬼」に接触が可能な距離まで近づくと、自らの顔を隠していた傘を閉じます。この時、この人物達の頭部は消滅しており、代わりに頭部があった場所にはSCP-XXX-JPが出現します。その後、頭部にSCP-XXX-JPが出現した人物(以降被験者と呼称)達は、閉じた自分の傘を振り上げ、「鬼」に対し何度も傘の石突部分1を刺し続けます。この時の被験者や被験者が持つ傘は、人間の骨や歯を砕くのに十分な力と耐久性を要していると思われます。「鬼」に対し何度も傘を刺し続けることで、被験者は「鬼」を最終的におおよそ楕円形の肉塊へと変えます。その後SCP-XXX-JPと「鬼」であった肉塊はまるで溶けるかの様に消滅し、その場には頭部の無い死体だけが残ります。
歌詞
じゃじゃ様 じゃじゃ様 見ている
雨の中 濡れて
傘をさしては 見ている
濡れては 濡れては 傘をさす
見ている あなたに 傘をさす
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上のやつ: 音声
実験記録XXX-JP-1 - 日付19██/██/██
対象: Dクラス職員5名
実施方法: SCP-XXX-JP-2をビニール傘などの顔を隠せない傘にして行う。
結果: SCP-XXX-JPは出現せず。
分析: 傘で顔を隠すという動作はSCP-XXX-JPの出現に必須なようです。
実験記録XXX-JP-2 - 日付19██/██/██
対象: Dクラス職員5名
実施方法: SCP-XXX-JP-2を行う際に傘の内側にカメラを設置し、被験者の頭部がSCP-XXX-JPへと入れ替わるする瞬間を記録する。また出現した際に素手での確保を試みる。
結果: SCP-XXX-JP-2にて「鬼」に傘を向け、顔を隠した瞬間に頭部がSCP-XXX-JPへと一瞬で入れ替わった。また出現した際に素手でSCP-XXX-JPを確保しようとした所、SCP-XXX-JPは被験者の体と完全に繋がっており、力づくでの確保は不可能であった。刃物などでの切り離しも試みたが、どのような物でも切り落とすことが出来なかった。
分析: 頭部がSCP-XXX-JPへと入れ替わるにはSCP-XXX-JP-2にて最後の顔を隠すという動作がトリガーとなっているようである。またSCP-XXX-JPを被験者の体から力づくで確保するのは不可能な様である。この時刃物などによるSCP-XXX-JPの切り離しを試みたが、SCP-XXX-JPは何度刃物を突き立てようとも常にこちら側には無関心であり、ただただ「鬼」役のDクラス職員に何度も傘を刺し続けていた。
実験記録XXX-JP-3 - 日付19██/██/██
対象: Dクラス職員5名
実施方法: Dクラス職員5名全員の体と頭部にGPSをつけ、SCP-XXX-JPが出現した際にはSCP-XXX-JPにもGPSをつける。また肉塊となった人物が溶けるように消滅する際に確保を試みる。
結果: 被験者の頭部につけたGPSはSCP-XXX-JPへと変化した際に信号が途絶され追跡が不可能となった。肉塊となった人物、SCP-XXX-JPへとつけたGPSも消滅と同時に信号が途絶され追跡が不可能となった。また消滅する際に確保しようと試みたが、どの容器にどのような環境で確保しようとしても、最終的には跡形もなく消滅してしまった。
分析: GPSの結果から被験者の頭部がどこに消滅したのかを追跡することは出来なかった。しかし次に別のDクラス職員5名で実験を行った際、4名の被験者の頭部が入れ替わると同時に実験記録XXX-JP-3にて付着させたGPSの2つの信号がこの時のSCP-XXX-JPから捕らえられた。うち1つは実験記録XXX-JP-3にて肉塊と変わった「鬼」のものであった。これより、SCP-XXX-JPは「鬼」を肉塊に変えることにより新たなSCP-XXX-JPを生み出している事が分かりました。また消滅する際に肉塊となった人物の確保を行うことは不可能なようです。
実験記録XXX-JP-5 - 日付19██/██/██
対象: Dクラス職員5名
実施方法: 被験者が「鬼」に傘を刺す前に、腕を切り落としその後の行動を阻害する。その後被験者の体ごとSCP-XXX-JPを確保しようと試みる。
結果: 被験者の腕を切り落とすことに成功した。しかし被験者の腕を切り落とした後、被験者の腕があった部分が新たにSCP-XXX-JPへと入れ替わった。このSCP-XXX-JPは自らの体をいくつかに裂くことにより、簡易的な手を作り、再び傘を拾い上げた。頭部と入れ替わったSCP-XXX-JPと同様に腕と入れ替わったSCP-XXX-JPも切り離すことが不可能であった。その後今まで我々に無関心であった被験者が、その場にいた研究員にも「鬼」と同様に傘を刺し始め、最終的には彼らも肉塊へと変えた。
分析: 1人の被験者の右腕と入れ替わったSCP-XXX-JPの1つから、実験記録XXX-JP-3にて付着させたGPSの反応があったため、頭部と右腕、左腕のSCP-XXX-JPは別個体であることが確認されました。また被験者の体にSCP-XXX-JPの行動を阻害する程度の損傷を与えことで、我々を敵と判断したのか、初めてこちら側に攻撃を仕掛けてきました。これにより「鬼」、研究員を含めた7名が肉塊へと変えられ、消滅しました。このため以後被験者の体にSCP-XXX-JPの行動を阻害する程度の損傷を与える様な実験は許可されません。
補遺: SCP-XXX-JPに関する調査の結果、SCP-XXX-JP-1が現在我々の知る形となったのは最近の事だということが判明した。以前は現在の「じゃじゃ様」という歌詞ではなく、「父様」や「母様」といった血縁関係にある身近な人物が歌われていた。また「濡れて」という歌詞は「濡れぬように」、「見ているあなたに」という歌詞は「待っているあなたに」などといったように、以前は父や母が雨の中待つ子供を傘を差しながら迎えに行くといった意味合いが見て取れる歌詞であった。これに伴いSCP-XXX-JP-1の譜面も現在とは若干差異があるものであった。また以前のSCP-XXX-JP-1にてSCP-XXX-JP-2を行った所SCP-XXX-JPの発生は見られなかった。
対象: SCP-XXX-JP-1の発祥とされる██県██村の現村長(便宜上インタビュー中は村長と呼称)
インタビュアー: ████博士
付記: SCP-XXX-JPの調査のため、SCP-XXX-JP-1の発祥とされる██県██村の住人からのインタビューを行った映像及び音声記録である。
<録音開始,19██/██/██ >
████博士: 村長さんどうも始めまして。ではこれからインタビューを始めさせていただきます。今回はご協力ありがとうございます。
村長: いえいえ、私が協力できることであれば何でもおっしゃってください。
████博士: ありがとうございます。ではさっそくなのですが、██県██村で昔から歌われている童歌とその遊びはご存知ですね?
村長: …ええ、私も子供の頃は近所の友人とよくその遊びで遊びましたよ。それがどうかしましたか?
████博士: いえ、もし宜しければ、その歌と遊び方を教えていただけませんか?
村長: ええ、それくらいなら構いませんよ。
(約10分間、村長によるSCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2の説明が行われる。この際SCP-XXX-JP-2は上記で記載したものに相違なかった。SCP-XXX-JP-1においては我々が知る以前の歌が歌われた。)
████博士: ありがとうございます。
村長: いえいえ、これぐらいのことでしたら。…えーと、インタビューというのはこれだけなんですか?
████博士: いえいえ、他にも教えていただきたいことがあります。
村長: 何でしょうか?
████博士: 実は我々が知っている童歌と村長さんが知っている童歌とでは少々違いがあるのですが。
村長: …違いというのは?
████博士: それはですね…。(████博士がSCP-XXX-JP-1を歌い上げる)。というのが我々の知っているものなのですが、聞いての通り違いますよね?これについて何かご存知ないですか?
村長: …ええ、あの、それは…。な、なんで知っているんですか…。(明らかな動揺が見て取れる)。
████博士: 何かご存知なのですね?
村長: い、いえ、知らない…。いや、知っているが…。その、あの。
████博士: 教えていただけませんか?
村長: い、いや、言わない…。いや、言えない、…言えない。
████博士: 言えない?
村長: い、言えないんだ…。じゃ、じゃじゃ様が…。じゃじゃ様が見ている!!
(この言葉の後、映像と音声がともに乱れ、記録されていない。)
<録音終了>
終了報告書: この後インタビューを行っていた部屋を尋ねたところ、部屋にいた████博士、記録を行っていた研究員2名、警備をしていた警備員2名の合計5名が傘を握りしめ頭部が無い死体として発見された。この時村長の姿は無く、村長の大量の血痕のみが残されていた。
これらの状況からSCP-XXX-JPが████博士等の頭部に発生し、村長へ傘を突き立て肉塊へと変えたことは想像するにたやすいことです。████博士等が握りしめていた傘の出現元については現在不明であり、このインタビューの後なぜ、どのようにSCP-XXX-JPが発生したのか現在映像、音声を解析し調査中です。村長の最後に言った、歌詞にもでてくる「じゃじゃ様」、SCP-XXX-JP-1における「じゃじゃ様」などの歌詞の遍歴についても並行して調査するとともに、██県██村の住人に対するインタビューは同じ結果を生む可能性があるため以降禁止してください。
画像はこちらからお借りしました。
提供元:https://pixabay.com/en/rain-drops-drops-of-rain-cold-162813/
作者:makunin様
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1は442 hz2にピッチを合わせ調律を行い、サイト-8181の標準防音ユニットに保管してください。SCP-XXX-JP-2の譜面は劣化を防ぐため、温度を20~25℃、湿度を50~55%に保ちサイト-8181の低危険度物品用収容ロッカーに保管してください。SCP-XXX-JP-2を書き写すなどして複製することは許可されません。実験を行う際はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員から許可を得た上で行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、████████社が19██年にカエデなどの硬く緻密な木材を使用して製造したとされるグランドピアノ(以降SCP-XXX-JP-1と呼称)を使い、「最愛の者に神の奇跡を」と題されたピアノ曲(以降SCP-XXX-JP-2と呼称)を演奏することにより生じる現象です。SCP-XXX-JP-2はハ短調、3/8拍子の曲であり、SCP-XXX-JP-2の譜面にはピアノの調律のピッチを444hzに合わせることが記されています。演奏時間はおおよそ7分程度です。
SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JP-2の演奏が始まってからおおよそ3分後、SCP-XXX-JP-2の演奏を聴いていたもの(以降被験者と呼称)に対し、幻覚を発生させます。これによって生じる幻覚は、被験者に「神」と認識される姿で現れます。被験者によって容姿は異なります。この幻覚が現れた後、被験者はこの「神」の持つ超自然的な力をみせられるとされ3、SCP-XXX-JP-2の演奏が終盤にさしかかる頃には、この「神」に対し狂信的な態度が形成されます。被験者のこの一連の行動に対して、SCP-XXX-JP-2の演奏者は違和感を覚えますが、最後まで演奏をしなくてはならないという強い使命感にかられ、演奏を続行します。
SCP-XXX-JP-2の演奏が終了すると同時に幻覚は消滅します。しかし被験者の狂信的な態度は継続し、幻覚が消滅したことに対し激しい動揺や不安をおぼえます。その後、被験者は演奏者に対しSCP-XXX-JP-2を再び演奏するように願い出ます。この願い出に応じなかった場合、被験者は罵声を浴びせ、暴力的な手段で再び演奏をするように訴えかけます。この暴力は再び演奏をするか、演奏者が死亡するまで続きます。再び演奏を再開した場合、1回目とは異なり、演奏が開始したと同時に被験者に幻覚が現れます。このとき演奏者には1回目にみられた演奏を最後まで実行しよう、という強い使命感は消滅します。2回目の演奏後も1回目の演奏後と同じようなアンコールが起こります。これは演奏者に暴力的な行為が蓄積され、死亡または衰弱するなどして演奏が不可能な状態になるまで何度も繰り返されます。被験者は演奏者が演奏不可の状態になったと理解すると、深い絶望をおぼえ、発狂し、周りの人間や自らに対して無差別に攻撃を始めます。SCP-XXX-JPのこの一連の動きは、これらの被験者が全員死亡し活動が停止するまで続きます。
実験記録XXX-JP-1 - 日付19██/██/██
対象: 演奏者と聴衆に分けられた2名のDクラス職員
実施方法: SCP-XXX-JP-1以外のグランドピアノを使用しSCP-XXX-JP-2を演奏。
結果: SCP-XXX-JPは発生せず。
分析: SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの発生に必須のようです。
実験記録XXX-JP-2 - 日付19██/██/██
対象: 演奏者と聴衆に分けられた2名のDクラス職員
実施方法: ピッチを444hz以外に合わせ調律を行ったSCP-XXX-JP-1で演奏。
結果: SCP-XXX-JPは発生せず。
分析: ピッチ444hzに合わせ調律を行ったSCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの発生に必須のようです。
実験記録XXX-JP-3 - 日付19██/██/██
対象: 演奏者と聴衆に分けられた2名のDクラス職員
実施方法: SCP-XXX-JPに曝露した被験者に強力な睡眠ガスを投与。
結果: 睡眠ガスによる効果を一切受けず、SCP-XXX-JPの一連の行動により2名とも死亡。
分析: SCP-XXX-JPは脳に何らかの影響を与え、興奮神経を常に活性化させているため眠らなかったと思われます。
実験記録XXX-JP-4 - 日付19██/██/██
対象: 演奏者と聴衆に分けられた3名のDクラス職員
実施方法: 聴衆を█████を狂信する宗教家と無宗教者で実施。
結果: 2名とも幻覚による「神」を狂信し、SCP-XXX-JPの一連の行動により3名とも死亡。
分析: 宗教家であったDクラス職員がうわ言のように「あぁ、█████様、█████様!」と発言していた。これはこのDクラス職員の信仰するところのものではありません。また無宗教者であるDクラス職員には違うものが見えていたらしく、それを狂信していきました。そのため信仰や無信仰、何を信仰しているかは無関係のようです。また人によって見えるものも違うようです。
実験記録XXX-JP-5 - 日付19██/██/██
対象: 演奏者と聴衆に分けられた2名のDクラス職員
実施方法: SCP-XXX-JPに曝露した被験者にAクラス記憶処理を行う。
結果: 記憶処理に成功したものの被験者は激しい喪失感、虚無感に襲われ、1ヶ月後衰弱死した。演奏者も無事であったがその後[データ削除済]
分析: Aクラス記憶処理によるSCP-XXX-JPの幻覚の記憶の処理は可能なようです。しかしその後の喪失感や虚無感といった症状から、被験者にインタビューを行うことは困難です。演奏者は無事でしたが、驚くべきことに[データ削除済]。
補遺: SCP-XXX-JPは日本人ピアニストで夫である████が、妻で同じくピアニストであった██████のために開催した誕生日パーティーでSCP-XXX-JPを発生させたことで発見されました。このとき夫妻のほか、友人10名を含む12名が犠牲となりました。これを発見し、通報した隣人にはAクラス記憶処理が行われ、カバーストーリー“複数犯による強盗殺人”が実施されました。
その後財団により調査が行われ、SCP-XXX-JPの発生に関係すると思われる記載がある、夫の████の日記が発見されました。以下は日記の一部を抜粋したものです。
日付: 19██/██/██ (SCP-XXX-JP回収の2ヶ月前)
今日妻が肝臓ガンと診断された。
医者はすでに末期であること、余命が3ヶ月程であること、すでに手の施しようがないことを告げてきた。
妻は「なっちゃったものは仕方ない」と笑って言っていたが、動揺しているのは鈍感な私でも分かった。医者は自宅療養を勧めてきた。もちろん断る理由はなかった。
自宅につき私はこれを書いている。これから吐き出したいことはここに記そう。そうでもしないと私は壊れてしまいそうだから。何か私にできることはないのだろうか…。
日付: 19██/██/██ (SCP-XXX-JP回収の1ヶ月前)
今日知人からおもしろい話を聞いた。
いくつかの周波数には意味があり、528hzには「理想への変換、奇跡、神などの超自然的な力、細胞の回復」といった意味があるという。
細胞の回復とは、傷ついたDNAを修復するという意味であり、ガンから体を守ってくれるのだと…。
まだ私にもやれることはあるのだと言われた気がした。
曲を書こう、妻の為に。
思えば私にはこれしかなかった。妻が愛してくれた私の音色を聴かせるしか。
幸いにもピッチを444hzに合わせ調律をすると、Cの音が528hzになる。曲はハ短調にしよう、Cの音を主音におけるうえ、444hzなんて不吉な音を使わずに済む。
披露するのは1ヶ月後の妻の誕生日パーティーだ。
日付: 19██/██/██ (SCP-XXX-JP回収の1週間前)
ついに曲が完成した。
作曲をしていて私はこうも信仰深い人間だったのかと思った。
こんな迷信を信じ、毎日妻との思い出のピアノの前で、神にひたすら祈りながら作曲をした。傍から見ればついに狂ったと思われるかもしれない。こんなことでガンが治るなら苦労はしない。しかし祈らずにはいられなかった。思いつく限りの神に祈りながらピアノを弾いた。何度も何度も…。
もしかしたらと思ってしまうのだ…。あとは1週間後の妻の誕生日に向け、細かい調整をするのみだ。
あぁ、曲に題をつけなくては…。何にしようか。
日付: 19██/██/██ (SCP-XXX-JP回収の前日)
ついに明日、妻の誕生日パーティーだ。曲に題もつけた。
この1ヶ月間ピアノの前で、弱っていく妻の前で、祈り続けた。
どうかもう一度妻と笑いながらピアノを弾きたい。どうかもう一度妻とコンサートを観に行きたい。どうかもう一度あの日々を過ごしたい。もう一度、もう一度と。
こんな一時的な狂信者のアンコールを神は受け入れてくれるだろうか…。願わくば、最愛の者に神の奇跡を。
画像はこちらからお借りしました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPの土地は財団のフロント企業により買収し、民間人の立ち入りを禁止してください。SCP-XXX-JPを東口から入り、南側にある16本目のケヤキと17本目のケヤキの間によるSCP-XXX-JP-1の発生から消滅までの時間を記録し報告してください。
SCP-XXX-JPの土地は財団のフロント企業により買収し、民間人の立ち入りを禁止してください。SCP-XXX-JPを東口から入り、南側にある16本目のケヤキと17本目のケヤキの間を常に監視し、記録してください。
追記: 20██/██/██、SCP-XXX-JPの特異性は消滅しました。異なる場所がSCP-XXX-JPへと変化する可能性があるため、調査を進めてください。
説明: SCP-XXX-JPは██県██村の郊外に位置し東西に延びる並木道です。112本のケヤキ(学名:Zelkova serrata)から構成され、全長は300 m程になります。SCP-XXX-JPを東口から入り、南側にある16本目のケヤキと17本目のケヤキの間は、日本標準時における16時ちょうどから、10秒程度の時間SCP-XXX-JPに酷似した別の場所(以降SCP-XXX-JP-1と呼称)へと通じます。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPに濃い霧がかかったような場所です。SCP-XXX-JP-1ではSCP-XXX-JPにおける東口の出口が西口の入り口へと、西口の入り口が東口の出口へと通じています。
SCP-XXX-JP-1では15歳程度とみられる女性(以降SCP-XXX-JP-2と呼称)の存在を確認できます。SCP-XXX-JP-2以外の生物は確認されていません。SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1へ立ち入った人物(以降被験者と呼称)を認識すると、友好的な態度4で近づき、「かくれんぼ」をすることを提案してきます。この際SCP-XXX-JP-2は自らを「子」、被験者を「鬼」で開始することを要求します。この提案や要求を受け入れない場合、SCP-XXX-JP-1は消滅しSCP-XXX-JPへと戻されます。
この「かくれんぼ」では、SCP-XXX-JP-2は112本のケヤキのいずれかの裏に隠れます。この時隠れる場所に規則性はなく、ランダムであるとされています。SCP-XXX-JP-2と「かくれんぼ」を行いSCP-XXX-JP-2を発見した場合、SCP-XXX-JP-2は自らを発見した被験者に、その被験者がかつて「失くしたもの」を渡します。この際SCP-XXX-JP-2は「失くしたもの」の姿形を真似、自らを発見した人物に見つけてくれたことに対する感謝の言葉を述べます。この「失くしたもの」を受け取り、感謝の言葉を述べられたと当時にSCP-XXX-JP-1は消滅しSCP-XXX-JPへと戻されます。
実験記録XXX-JP-01 - 20██/██/██
対象: D-10020、D-10022
実施方法: D-10020とD-10022の二名をSCP-XXX-JP-1にてSCP-XXX-JP-2と「かくれんぼ」を行わせる。
結果: 先にD-10020がSCP-XXX-JP-1に入ったと同時にSCP-XXX-JP-1への入り口が消滅した。
分析: SCP-XXX-JP-1には1名しか入れないようだ。
実験記録XXX-JP-02 - 20██/██/██
対象: D-10118
実施方法: D-10118をSCP-XXX-JP-1にてSCP-XXX-JP-2と「かくれんぼ」を行わせる。
結果: D-10118がSCP-XXX-JP-2を発見した際、SCP-XXX-JP-2は膝を抱え、頭をうずめ、丸くなった状態であった。その後SCP-XXX-JP-2は「見つけてくれてありがとう」と述べ、角がとれ、小さく丸くなった消しゴムをD-10118に手渡した。受け取ったと同時にSCP-XXX-JP-1は消滅した。
分析: D-10118は消しゴムを受け取るまで、自分がこの消しゴムを失くしていたということを忘れていた。そのため本人に「失くしたもの」の記憶があるかどうかは無関係のようだ。
実験記録XXX-JP-03 - 20██/██/██
対象: D-10130
実施方法: D-10130をSCP-XXX-JP-1にてSCP-XXX-JP-2と「かくれんぼ」を行わせる。この際「かくれんぼ」後に渡される「失くしたもの」をこちらから指定する。
結果: D-10130が以前失くした靴をSCP-XXX-JP-2に「かくれんぼ」後に渡してほしいという旨を伝えた。SCP-XXX-JP-2はこれを了承、「かくれんぼ」後にD-10130が以前失くした靴を手渡した。この時SCP-XXX-JP-2は長座体前屈のような姿で、背中にリボン結びにした紐をつけていた。靴を手渡す際SCP-XXX-JP-2は「忘れないでいてくれてありがとう」と述べ、受け取ったと同時にSCP-XXX-JP-1は消滅した。
分析: 「かくれんぼ」後に渡される「失くしたもの」は指定が可能なようだ。またSCP-XXX-JP-2の言葉からSCP-XXX-JP-2は「失くしたもの」の気持ちを想像し、表現しているようだ。
実験記録XXX-JP-04 - 20██/██/██
対象: D-12880
実施方法: D-12880をSCP-XXX-JP-1にてSCP-XXX-JP-2と「かくれんぼ」を行わせる。この際「かくれんぼ」後に渡される「失くしたもの」をこちらから指定する。指定するものは人間にする。
結果: D-12880が昔死亡した婚約者をSCP-XXX-JP-2に「かくれんぼ」後に渡してほしいという旨を伝えた。SCP-XXX-JP-2はこれを「彼女はここにはいない」と拒否した。その後「かくれんぼ」を行った。SCP-XXX-JP-2発見時、SCP-XXX-JP-2は手を後ろに組み、D-12880を見上げるように立っていた。その後「ありがとう」と述べた。この言葉と同時にSCP-XXX-JP-1は消滅した。
分析: D-12880は「かくれんぼ」後何も渡された様子はなかったが、D-12880は「かくれんぼ」後、婚約者との思い出が鮮明に思い出されたと述べている。またSCP-XXX-JP-2を発見した際のSCP-XXX-JP-2の立ち姿が、婚約者を彷彿とさせるものであったと述べていることから、「かくれんぼ」後、婚約者との思い出を「失くしたもの」として渡されたと思われる。「失くしたもの」は形の見えるものだけではないようだ。またこの後も人間以外の生物を指定した実験を何度か行ったが、いづれもSCP-XXX-JP-2は「ここにはいない」と拒否をした。生物をSCP-XXX-JP-2が「かくれんぼ」後に渡す事はないようだ。
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: ████博士付記: インタビューは████博士がSCP-XXX-JP-1にてSCP-XXX-JP-2を発見したところから開始する。
<録音開始, 20██/██/██>
████博士: やあ、はじめまして。SCP-XXX-JP-2: はじめまして。おじさんは迷ってここに来たんですか?それとも最近よく来る人たちの仲間の人?
████博士: 後者の方だよ。でも今日は君と「かくれんぼ」をする前に少しお話しをしたいんだ。「かくれんぼ」はそれからでいいかな?
SCP-XXX-JP-2: ん?別に構わないですよ。
████博士: ありがとう。私の名前は████、皆から████博士って言われてるから、博士とでも呼んでもらえればいいよ。君の名前は?
SCP-XXX-JP-2: ・・・名前かぁ。覚えてないんですよね。
████博士: 覚えてない?
SCP-XXX-JP-2: そうなんですよ。ここに来る前の事に関して何にも思い出せないんですよね・・・。気づいたらここにいたんですよ。
████博士: ここに来る前ということは、君は昔違うところにいたということかな?私たちと同じ世界?
SCP-XXX-JP-2: たぶんそうですね、博士のいう世界が私の思っている世界なら。まあ、覚えてないからはっきりと断言はできないですけど。
████博士: なるほど。では君はこの世界に来てどう思ったのかな?SCP-XXX-JP-2: なんとも思わなかったですね、自分でも不思議なほどに。それどころか少し落ち着く感じもありました。それに最初はお腹も空かないし、眠くもならないから私死んだかな?って思いましたね。違うみたいですけど。
████博士: 違う?どうしてそう思ったのかな?
SCP-XXX-JP-2: 皆がここはそんな場所じゃないって教えてくれたんですよ。
████博士: 皆とは誰の事かな?
SCP-XXX-JP-2: 誰かが「失くしたもの」です。ここは誰かが「失くしたもの」が集まる場所なんですよ。誰かが何かを失くしてしまうと、皆ここに隠れてしまうんです。皆がそう教えてくれました。
████博士: 皆のなかには君以外の人はいるのかな?
SCP-XXX-JP-2: いえ、いないですね。それどころか私以外に生きているものもここに来たことはないです。どうしてかは分からないですけど。
████博士: そうか。では君はなぜ「かくれんぼ」をするのかな?
SCP-XXX-JP-2: それはですね・・・。ここにいる子たちは皆隠れてしまっている、けれど失くしてしまった人たちに見つけて欲しいと思っているんですよ。だから私が「かくれんぼ」をして、その子が隠れてしまっている所に一緒に隠れて見つけてもらうんです。皆は隠れてしまった場所から動けないから・・・。
████博士: 「かくれんぼ」の時の物真似やお礼も皆のため?
SCP-XXX-JP-2: そうですね。皆、私以外と話せないから・・・。そろそろ「かくれんぼ」しましょうか、博士に見つけて欲しがっている子5もいますし。
████博士: そうしようか、「かくれんぼ」なんて何年振りかな・・・。
<録音終了>
終了報告書: 今回のインタビューでSCP-XXX-JP-2が元々は我々の世界にいたかもしれない可能性が出てきました。このことに関しては調査を進めていくことで、SCP-XXX-JPの発生の原因を突き止めることができるかもしれません。さらなる調査のためSCP-XXX-JP-2のインタビューは、引き続き続行していきます。-████博士
補遺1: 20██/██/██、SCP-XXX-JP-1へと通じる時間が日本標準時における16時ちょうどから、おおよそ30秒もの間になっていることが判明しました。これに伴いSCP-XXX-JP-1の発生場所であるSCP-XXX-JPの16本目と17本目のケヤキを見張るよう監視員を2名配置し、SCP-XXX-JP-1の発生時間を記録してください。この他異常が発見されるようであればEuclidへのオブジェクトクラスの変更も検討されます。
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: ████博士付記: インタビューは████博士がSCP-XXX-JP-1にてSCP-XXX-JP-2を発見したところから開始する。
<録音開始, 20██/██/██>
████博士: やあ、ひさしぶりだね。
SCP-XXX-JP-2: 久しぶりですね博士、今日もインタビューしにきたんですか?
████博士: まあそんな感じだね。じゃあさっそく質問いいかな?
SCP-XXX-JP-2: いいですよ。
████博士: 最近ここに通じる時間が延びてきているんだ、なにか心当たりはないかな?
SCP-XXX-JP-2: ・・・ありますよ。たぶん私が原因ですね。
████博士: 君が原因?
SCP-XXX-JP-2: そうです。ずっとここにいて分かったんですけど、わたしはこの場所の親木みたいなものなんだと思います。この場所の親木に私は選ばれた。だからこの場所の親木の私が消えることで、ここも消えてしまう。そういうことだと思います。ここに通じる時間が延びてるのはその前兆だと思います。
████博士: 色々気になるがひとつひとつ聞いていこうか、親木に選ばれるとは?
SCP-XXX-JP-2: ここに来たとき皆が言っていたんです。「今回は君が選ばれた」って。最初は意味が分からなかったんですけど、最近そういう意味だって理解できたんです。詳しいことや私が選ばれた理由はわからないですけど・・・。
████博士: なるほど・・・。では君が消えるというのは?
SCP-XXX-JP-2: ここにいる皆はずっと隠れているわけではないんです。・・・ある時が来ると消えてしまうんです。
████博士: ある時というのは?
SCP-XXX-JP-2: 皆を失くしてしまった人が亡くなってしまった時です。
████博士: ・・・そうか、つまり君も皆と同じ誰かが「失くしたもの」であって、その誰かも亡くなりかけてるということかな?
SCP-XXX-JP-2: そうですね、なんとなくですけど自分がもう少しで消えてしまうと感じることができるんです・・・。
████博士: なるほど。それは困るな。私たちは君やこの場所を確保し、収容し、保護しなくてはならない。・・・だから消えてしまうのはこちらとしては困る。君が消えないよう私たちで善処させてもらうよ。SCP-XXX-JP-2: ありがとうございます。少し暗い話になっちゃいましたね。「かくれんぼ」しましょうか。
████博士: ああ、そうしよう。
<録音終了>
終了報告書: 今回のインタビューでSCP-XXX-JP-2が消滅しかかっていることが、SCP-XXX-JPの異変の直接の原因となっていることが分かりました。SCP-XXX-JPが消滅の危機にあるとして、その原因となるSCP-XXX-JP-2の消滅を防ぐため、調査を進めていきます。またSCP-XXX-JPが私たちの世界から親木となる人物を選出し、SCP-XXX-JPを作り出している可能性があります。こちらも調査を進めていきます。-████博士
補遺2: 20██/██/██、SCP-XXX-JP-1へと通じる時間が3時間~6時間ほどになり、発生時間にもバラつきがみられるようになりました。これに伴いSCP-XXX-JP-1の発生場所であるSCP-XXX-JPの16本目と17本目の欅を常に監視し記録し、報告をしてください。
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: ████博士付記: SCP-XXX-JP-2が20██/██/██のDクラスによる実験を行った際、████博士のインタビューを再び受けることを希望し、████博士が許可したためインタビューを実施しました。
<録音開始,20██/██/██ >
████博士: やあ、今日はどうしたのかな。指名してくるなんて。
SCP-XXX-JP-2: 深い意味はないですよ。ただ博士にお礼を言っておこうと思ったんで。・・・ありがとうございます。
████博士: ・・・私は君にお礼を言われることをしてきた覚えはないが。
SCP-XXX-JP-2: そうですか?私は感謝してますよ。・・・言いたいことはそれだけです。「かくれんぼ」しましょうか。
████博士: ああ、そうしよう
SCP-XXX-JP-2: ・・・博士。
████博士: なにかな?
SCP-XXX-JP-2: 見つけてくださいね。私の事。
████博士: 見つけるさ。
<録音終了>
終了報告書: この「かくれんぼ」にてSCP-XXX-JP-2は、112本のケヤキのどこにも隠れている姿が発見されませんでした。それから数分後、SCP-XXX-JP-1は消滅しSCP-XXX-JPの特異性は消滅しました。
SCP-XXX-JP-2へのインタビュー記録-5からSCP-XXX-JPは親木を変え、異なる場所をSCP-XXX-JPへと変化させる可能性があります。そのためSCP-XXX-JPの調査は今後も進め、SCP-XXX-JPを見つけ出してください。-████博士
画像はこちらからお借りしました。
提供元:https://pixabay.com/en/avenue-parkway-road-street-autumn-336492/
作者:Unsplash様
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]
付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
インタビュアー: [会話]
誰かさん: [会話]
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
実施方法:
結果:
分析:
囲まれたテキスト
SCP-528-JP - 狂信者のアンコール
SCP-461-JP - 隠れ樹
隠れ樹
safe
・並木道、ケヤキ
・子供、「かくれんぼ」、失くしたもの
恥の王冠
safe
・女性物のパンツ
・男性が被る→全裸に似た羞恥心→顔にズボンかぶり窒息死。
鎖手結び
Keter neutralized
・昔からある地域で流行する風土病。
風土病は不規則に微弱な筋肉の痙攣を引き起こす、原因として██番目の染色体の長腕の欠損がみられることが分かっている。この染色体異常はこの地域にしか見られずこの地域にのみ遺伝する遺伝子疾患と思われる。この原因は分かっていない。
・この風土病を抑えるため「鎖手結びの儀」というものがその地域で流行る。
「鎖手結びの儀」
・風土病にかかった人物はこの世に不完全なまま生まれた存在とされ、不完全な身体を神の鎖によって現世に繋ぎ止めるという儀式。
8人の子供が手を繋ぎ円を作る。円の外では6分間5~10歳の子供たちによる演奏が行われる。円の中では鎖手の巫女と呼ばれる人物と対象が手を鎖で繋ぎ合い、互いに強く鎖を引き合う。演奏が終了することで儀式が完了。(もっと細かい設定にするかも)
このとき強く引き合い腕に刻まれた鎖の跡が現世とをつなぐ証とされた。
・1870年に鎖手の巫女となった8代目の鎖手の巫女が「鎖手の儀式」を行うことにより、SCP-XXX-JPは発症する。
「鎖手の巫女」
鎖手の巫女と手をつないだ人物は
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル:███村に指定される領域は高さ3mの鉄製の柵で囲われています。ここに10名の常駐警備員を配置しSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2が███村の領域外へ出ないよう監視を行ってください。SCP-XXX-JP-2は週に1度、財団による定期検査を行い███村の風土病に当てはまる症状の有無を確認してください。この際症状がみられたSCP-XXX-JP-2をSCP-XXX-JP-2-a、症状のみられなかったSCP-XXX-JP-2をSCP-XXX-JP-2-bと分類し、それぞれの調査を進めてください。SCP-XXX-JP-1によって「鎖手結びの儀」(補遺1: 鎖手結びの儀を参照)を行う実験はサイト管理者の許可を得た上で行ってください。
追記: 18██/██/██、SCP-XXX-JPの特異性は消滅しました。
説明: SCP-XXX-JPは██県██市の郊外に位置する███村の村人に生じる現象です。███村の村人の多くは微弱な筋肉の痙攣、皮膚の赤化といった症状がみられる風土病を発症しています(以降発症者と呼称)。この風土病は先天的なものが多いため遺伝子疾患によるものとみられていますが、現在詳しいことは分かっていません。███村の村人は16██年よりこの発症者に対し「鎖手結びの儀」と称される儀式を行っています。
鎖手結びの儀
発症者はこの世に不完全なまま生み落とされた存在とされ、不完全な身体を神の鎖によって現世に繋ぎ止めるという儀式。
村人から年に1度選出された8人の子供が手を繋ぎ、円を作る。円の中では鎖手の巫女と呼ばれる人物と発症者が両腕を鎖で繋ぎ合い、互いに強く鎖を引き合う。このとき鎖手の巫女と発症者の腕にはっきりと鎖の痣の跡が残るまで何度も引き合う。
強く引き合った結果、腕に刻まれた鎖の跡が現世とをつなぐ証とされた。
この「鎖手結びの儀」を8代目である鎖手の巫女(以降SCP-XXX-JP-1と呼称)が行うことにより、「鎖手結びの儀」を行われた発症者(以降SCP-XXX-JP-2と呼称)に特異性が生じます。
「鎖手結びの儀」を行われたSCP-XXX-JP-2は、その腕に残る鎖の跡の時間的経過による消滅6が確認されていません。この他SCP-XXX-JP-2には2つの特徴的な特異性がみられます。まずSCP-XXX-JP-2は「鎖手結びの儀」以降1年以内に風土病の特徴的な症状である筋肉の微弱な痙攣、皮膚の赤化といった症状がみられなくなります。症状がみられなくなるまで人によって差異がありますが、この差異や症状の消滅にいたる詳細な原因は現在不明です。
2つ目の特異性はSCP-XXX-JP-2が███村に指定されている領域を離脱することにより生じます。SCP-XXX-JP-2が███村に指定されている領域を離脱した際、███村の方向から強く腕を引かれるような形でSCP-XXX-JP-2の両腕が肩からちぎれ落ちます。この際、ちぎれ落ちた腕の接合手術が行われましたが、いずれも腕がちぎれ落ちてから24時間以内に壊死しました。
補遺2: 18██/██/██、現時点で発症者の数が15名になりました。風土病とSCP-XXX-JPの関連性の調査のため、発症者の中から健康的な人物を5名選出しストックをしてください。この5名はSCP-XXX-JP-1が行う「鎖手結びの儀」の対象外とします。
対象: SCP-XXX-JP-1
インタビュアー: ███博士
付記: SCP-XXX-JP-1が███博士との直接の対話を望んだため、███博士がこれを許可しインタビュー記録として記録しました。
<録音開始,18██/██/██>
███博士: 初めまして、こうして直接話すのは初めてですね。話したい事というのは何でしょうか?
SCP-XXX-JP-1: 初めまして、さっそくですが今日はお願いがありましてお呼びいたしました。
███博士: お願いというのは?SCP-XXX-JP-1: あなた方は風土病の発症者である村人を5名ほど隠していますね?お願いというのは彼らの返還です。
███博士: …隠してはいません。こちら側で風土病について調査をしているだけです。
SCP-XXX-JP-1: 調査など必要ありません。私であればそんなことをせずに治すことができます。
███博士: 我々は風土病の完治より、その実態を調べ、知ることが重要だと考えています。調査が終われば彼らもお返しします。
SCP-XXX-JP-1: …それはいつになるのでしょうか?
███博士: 今は何とも言えません。お話は以上でしょうか?であれば終了させていただきます。
<録音終了>
終了報告書: SCP-XXX-JP-1が我々のストックしていた発症者の返還を求めてきました。SCP-XXX-JPの調査のため、今後SCP-XXX-JP-1が返還を求めてきた場合も引き続き拒否をしてください。またSCP-XXX-JP-1が返還を強く求めるようになった場合、Aクラス記憶処理を行うことも検討されます。-████博士
補遺3: 18██/██/██に起こった事件XXX-JPによりSCP-XXX-JPの特異性が消滅したため、オブジェクトクラスがEuclidからNeutralizedへと変更されました(詳しくは事件記録XXX-JPを参照)。
事件記録XXX-JP - 事件発生年月日18██/██/██
事件概要: 18██/██/██、ストックとしていた発症者5名が監視員の下を離れ、SCP-XXX-JP-1の下へと移動しました。このとき少なくとも10名以上の村人がこの移動に協力したものと考えられます。この5名がSCP-XXX-JP-1の下にたどり着くと、すぐにSCP-XXX-JP-1は5名の発症者に対し「鎖手結びの儀」を行ったとされています。「鎖手結びの儀」を行った後、SCP-XXX-JP-1はその場に居た村人と数分の対話を行ったとされています。その後自ら用意したと思われる斧を床に固定し、自らの両腕をその斧に振り下ろし、切断しました。この際SCP-XXX-JP-1は治療を拒み、その後出血多量によって死亡しました。
事件報告: SCP-XXX-JP-1は死亡し、さらに発症者全員が「鎖手結びの儀」を行ったことにより、その後風土病の症状を示す人物が現れなくなくなりました。また事件XXX-JP以後、腕の鎖の跡は消滅し、███村の領域を離脱した際に起こるSCP-XXX-JP-2の腕が損失するといった特異性も消滅しました。事件XXX-JP後、村人全員にBクラス記憶処理が施されました。また███博士は事件XXX-JPの責任をとり解雇されました。
補遺4: 事件XXX-JP後、事件XXX-JPに居合わせた村人にインタビューを行い、最後にSCP-XXX-JP-1が死亡する前に行った発言を書き起こし記録しました。
皆さん、私は皆さんにお話ししなければならないことがあります。
私の肩からは鎖がぶらんと生えております。
何を言っているか皆さんは分からないと思いますが、私には、私の腕がそう見えるのです。この鎖は「鎖手結びの儀」を行うと、皆さんに結びついてしまいます。結びついてしまった人がどうなるか…皆さんはご存知のはずです。私から繋がれた鎖の跡は消えることなく、私の鎖に引っ張られ、この村を出ることができず、その腕を引きちぎられてしまいます…。
私には皆さんの病気を治す不思議な力があります。それと同時に皆さんをここに縛り付けてしまう恐るべき力もあります。何人かの腕を引きちぎり、私の鎖は赤く錆びていきました。しかしこの鎖は切れることなく、皆さんの自由を奪ってしまった…。
私はこの力を知ってから、心に決めていたことがあります。皆さんの病を治したら、自ら鎖を、この腕を断ち切ろうと、皆さんに自由を与えようと。皆さんは優しいから、こんな私を許してくれるでしょう、こんな私を心配してくださるでしょう。それでも私の腕は、鎖は多くの人の自由を奪ってしまいました。償わなければなりません。(SCP-XXX-JP-1は病を治してくれた、そんなことはしなくていいという村人の声)
…ありがとうございます。でも正直なところ、この鎖を断ち切ることは私のためでもあります。私も皆さん同様、この鎖に縛られているのです。だから私はこの鎖を切り落とします。
もしもこんな私が生まれ変われるのなら。もしも鎖ではなく翼が生えるのなら、噂に聞く薄紅色の花の舞う空を、その花と一緒に駆けていきたい。
もしも鎖ではなくエラが生えるのなら、広大な海の中で、流れに身を任せながら自由に泳ぎたい。
もしも鎖ではなく人の手が生えるのなら、その手で誰かの手と強くつながりたい。強く、強く、その手を結び合いたい。さようなら…。
(SCP-XXX-JP-1が腕を切り落とす)
画像はこちらからお借りしました。
夏が終わり9月に入ったというのに、日は未だこの街の低地と古びた木造家屋の境に留まり、燻り続けている。
街灯もなく延びる道路、街を見下ろす鉄塔の陰影、空の色を仕切る様に生えた送電線。最近重苦しく感じたこの街の風景も、今だけは私に何の重みも感じさせない。それは先ほど行った八つ当たりが理由だろう。
四畳半の部屋に死体が転がっている。私を取り立てに来た借金取りだ。これが先ほど行われた八つ当たりの矛先である。原因は積もりに積もった借金などではなく、あの日から一日一日と引き摺り、私の内に溜まり続けたものが辛抱ならず溢れたからだ。息子が消えたあの日から…。
息子が行方不明になった。
林間学校へと出掛けた息子は帰宅時間を大幅に過ぎても帰って来なかった。日は既に沈んでいる。不思議に思った私は担任に電話をした。
「申し訳ありません、点呼を行った際にどうやら見逃していたようで…。」
言葉がでなかった。担任の必死の謝罪も私の耳には届かず、この担任に対して怒りも沸かなかった。ただ、ただ息子はどうなったのか。そんな不安と焦燥だけがこのときの私の全てであった。
私には既に妻はいない、息子が生まれて間もなく死別した。妻は死ぬ直前、その骨ばった手を私の手に重ね言ったのだ。息子を頼んだと。今その全てが崩れようとしていた。
私はすぐに警察に捜索願を出した。服の色、髪型、身長、体重、身体的特徴、知っていることは全て答えた。その一つ一つが息子に通じるものであると信じていたのだ。
一日がたった。
私はいつも息子の通る帰路を窓から眺め、寝ずに息子の帰りを待った。夜が明けると、たまらず家を飛び出した。どこか、どこかに息子はいないのかと探し続けたのだ。
一週間がたった。
仕事先からもう会社には来ないのかという連絡があった。当然だろう、すでに無断で一週間も休んでいるのだから。しかし今の私は仕事どころではないのだ。息子を探さなくては…。
一ヶ月がたった。
息子はまだ帰って来ない。探しても探しても影すら見えない、何度も何度も息子の名前を呼んでも、返事はない…。
結局息子が帰ってくることはなかった。仕事をクビになった私はその日その日をわずかな蓄えを切り崩し、亡霊のように暮らした。そんな生活を続けていると金は日に日に溶けるように消えていくのだ。まずい、と思ったのは賃貸の家賃を払えなくなってからだ。この家がなくなってしまうと息子が帰ってくる時に困ってしまう、しかし急な金をつくろうとすると、仕事もない私に金を貸してくれるのは高利貸しの金融しかなかった。このときの私にこの金を返すアテもなく、借金は膨れ上がるばかりであった。
この頃から気づいたことがある。人は名前を呼ばれなくなると自分が分からなくなる、自分が消えていってしまうのだ。あの日林間学校へ出掛ける息子は、玄関の扉を開け「行ってきます、おとうさん」と言った。あの日から誰も私を「おとうさん」という名前で呼ばない、父親である私は日に日に消えていった。私から父親が消えてしまうとこんなにもダメになってしまうのか…。
四畳半の部屋に死体が転がっている。息子の帰りを待ち続け、眺め続けた窓から見える風景は、今だけは私に何の重みも感じさせない。
それからの事は詳しくは覚えていない。今わかることは、私はD-8765という名前で呼ばれ、理解が出来ないような実験の対象とされているということだ。
「D-8765」
D-8765という名前で呼ばれ私は立ち上がる。今日もその実験が始まるが、今日は特に意味が分からなかった。ただひたすらに点呼担当者を交代していき、私たちに点呼を繰り返していく。
すでに何度目の点呼だろうか…。ただただ繰り返される単調な行動に、私は退屈し、その苦痛から逃れようと思わず他の事を考えずにはいられなかった。
私がここに来ていったいどれほど時間が経ったのだろうか…。まあ、どうでもいいことだが。
他の人間はこの退屈な時間に何を思っているのだろうか…。ああ、これもどうでもいいことだ。
息子もこうして点呼を行われるはずだったのだろうか…。
そんな事を考えている間に再び点呼が繰り返し行われようとしていた。私は少しうつむいていた顔を上げ、D-8765という名前を呼ばれるのを待った。
点呼担当者が点呼を始める。
「D-8753」
「はい」
ん?な…なんだ。
…どういうことだ。そんなはずはない…。そんなはずはないのだ。でも…。
「D-8754」
「 ██—。██なのか?」
「お..とう..さん?」
…今なら分かる、息子も私と同じだ。私と同じことを望んでいた。
ああ。きっと…きっとあいつは
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作者:kyu3様
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作者:TBIT様
提供元:https://pixabay.com/en/prison-prison-cell-jail-crime-553836/
作者:AlexVan様
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPの発生が確認される██県██村の███山を財団のフロント企業により買収し、民間人の立ち入りを禁止してください。また実験や調査を行う際、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員、サイト管理者の許可なくこの地に立ち入ることは許可されません。SCP-XXX-JPの生存する区域の気温が氷点下を上回った際にSCP-XXX-JPが生存していた場合、50匹のサンプルを捕獲したうえで、ただちにSCP-XXX-JPの生存する区域に人工的な排熱を行い、気温を上昇させ、SCP-XXX-JPを死滅させてください。
追記: 事件記録XXX-JPに伴いSCP-XXX-JPのオブジェクトクラスがKeterへと変更されました。現在サンプルとして捕獲している126匹のSCP-XXX-JP以外の全てのSCP-XXX-JPを、無人機械による人工的な排熱によって死滅してください。現在確認されている上空に漂う████████匹のSCP-XXX-JPの幼虫の死滅も推奨されます。
説明: SCP-XXX-JPは約0.1~0.5mmほどの大きさの昆虫です。体全体を覆う形で白い毛が生えており、体は一見雪のような形をしています。通常氷点下を下回る気温で活動し、氷点下を超えると死滅します。SCP-XXX-JPは樹木や土壌に張り付き、その場に寄生し、樹木や土壌が死滅しない程度に養分を吸収し成長します。2ヶ月ほど寄生し成長したSCP-XXX-JPは、一番近くに生存する別のSCP-XXX-JPと生殖行動を行い、半月後に排卵を行います。SCP-XXX-JPの卵は約0.05mm程の大きさであり、さらに半月後に孵化します。この時孵化したSCP-XXX-JPの幼虫は、空気の上昇や自身の羽を使用し、すぐにSCP-XXX-JPが死滅しない程度の気温の上空へと移動します。上空へと移動したSCP-XXX-JPは空気中の水分を吸収しながら9ヶ月程度の期間この上空を漂い続け、成虫になります。このときSCP-XXX-JPは██県██村███山の上空から風などによって流されることはありません。SCP-XXX-JPの有する羽を使用しても、この流れに逆らうことは不可能とみられているため、別の方法で███山の上空に位置し続けていると思われますが、詳細な原因は不明です。成虫となったSCP-XXX-JPは上空の雲で生成された雪に付着し、███山に雪と共に降り立ち、再び樹木や土壌に寄生し、このサイクルを繰り返します。
補遺1: SCP-XXX-JPは███山に雪解けの季節になったにも関わらず依然として、雪が残っているという噂のもと財団により発見されました。このとき、すでに数匹のSCP-XXX-JPが氷点下を超える気温に達していたにも関わらず生存していました。後の実験からこの数匹は環境に順応し新たに進化を遂げたSCP-XXX-JPであると判断されました。このSCP-XXX-JPは約3℃の気温まで生存できるとされています。
補遺2: 20██/██/██、███山の樹木が1本死滅しているのが確認されました。調査の結果SCP-XXX-JPが養分を過多に吸収したことが原因であることが判明しました。また近くに別の昆虫が捕食された跡が発見されました。調査の結果この捕食跡もSCP-XXX-JPによるものと判断されました7。
自らの寄生先を殺すということは、SCP-XXX-JPにとって寄生先である樹木が不要になったためと判断されます。SCP-XXX-JPが環境に順応した進化を遂げた事で、生存期間が延び、成長期間も延びたことによる結果であると思われ、さらなる成長を遂げたSCP-XXX-JPは寄生先を捨て自らの力で養分を探しに行く力をつけたと思われます。その養分の矛先として今回この区域に生存していた昆虫が標的となりました。SCP-XXX-JPは現在確認されているだけで███山に██████匹生存していることが分かっています。この全てが別の昆虫の捕食を行えば、一瞬にして███山の生態系が崩れかねません。このためSCP-XXX-JPの生存する区域の気温が氷点下を上回った際にSCP-XXX-JPが生存していた場合、50匹のサンプルを捕獲したうえで、ただちにSCP-XXX-JPの生存する区域に人工的な排熱を行い、気温を上昇させ、SCP-XXX-JPを死滅させてください。
-██博士
事件記録XXX-JP - 事件発生年月日20██/██/██
事件概要: SCP-XXX-JPの生存する区域の気温が氷点下を上回った際にSCP-XXX-JPが生存していたため、エージェント███を始めとする3名がSCP-XXX-JPのサンプルを捕獲しに行きました。このときエージェント███による救助を要請する通信を最後に連絡が取れなくなりました。すぐに救助部隊を派遣したところ███山にてエージェント3名が身体の約8割を捕食された状態で発見されました。
事件報告: 調査の結果エージェント3名はSCP-XXX-JPに捕食されたものと判明しました。エージェントの救助に向かった救助部隊の10名のうち3名もSCP-XXX-JPの犠牲となりました。このときの様子を生き残った救助部隊員に尋ねると「まるで雪崩のようであった。虫どもはゴゴゴと大地を鳴らすような鳴き声でこちらを襲いに来た」と答えています。SCP-XXX-JPは我々が考えていたよりも野性的で攻撃的な生物である事が分かりました。SCP-XXX-JPは養分を求め人間をも襲います。███山に生存する██████匹がこの程度まで成長を遂げれば、やがて我々の生活する環境に順応してしまえば、我々は雪崩に呑まれ骨すら残らなくなります。これにより現在███山に生存するSCP-XXX-JPはすべて無人機械による人工的な排熱により死滅させてください。
-██博士
補遺3: 事件記録XXX-JPの報告を受け、SCP-XXX-JPはオブジェクトクラスがKeterへと変更されました。現在███山に生存するSCP-XXX-JPだけでなく、上空に位置する████████匹のSCP-XXX-JPの幼虫の死滅も推奨されます。
…
…[承認しました]…
今から1万3000年前、最終氷期の終了に伴い温暖な亜間氷期が始まった。しかしその100年後の1万2900年~1万1500年前までの間、急激な寒冷化が進み、この時期に世界各国で大型の哺乳類生物が絶滅した。
今から6500年前、いわゆる恐竜という生物が絶滅した。現在有力説の1つとして、隕石衝突による急激な寒冷化というものが挙げられている。
現在我々の調査からSCP-XXX-JPは少なくとも2万年前から生存していることが分かっている。事件記録XXX-JP後███山の調査を進めたところ、あれほど人間に対し攻撃的な行動を起こしたにも関わらず、周辺に生息する蟻などの小型の虫や動物は捕食されることなく生存していた。
もしもSCP-XXX-JPが成長に伴い、より効率的な養分補給を欲したのならば、このような小型な生物など意にも介さず、より大型で、より養分を蓄えた生物を標的とするだろう。
もしも数十年、数百年とSCP-XXX-JPが成長を続けたならば、大型の哺乳類や恐竜を捕食するのに十分に足りうる攻撃性と数を有するだろう。
もしもこれから先、我々の想像しえない急激な寒冷化が始まった場合、何億、何兆と増殖するSCP-XXX-JPの雪崩に我々は飲み込まれるだろう。
偽物の雪で白く染まった未来を作ってはならない、それはつまり我々の終わりを意味するのだから。
画像はこちらからお借りしました。
提供元:https://pixabay.com/en/landscape-nature-forest-fog-misty-973262/
作者:Bergadder様