分解分解分解
メガネ不美人
悪魔の疑似餌
伝言型ウィルス
凍り鬼
キメラ型フランケンシュタイン
やさしい包帯
再臨
高天原より愛を込めて
語り部の部屋
空想破砕機
鏡の魔
殺生岩
■概要
■名前 やさしい包帯
■Oクラス Safe Euclid
■タイプ 未来改変・
■見た目・形状
・白い包帯
・幅4cm×長さ6mの伸縮可能な白色の布。ガーゼ。市販品
■特性
○将来受ける筈の即死級のダメージを、過去である現在に分散させそのとき死亡を免れる。
・不活性時の包帯を手に取った者が条件にあった人物(将来事故や災害で即死する)の場合寄生する。
・寄生することで活性化、ある程度のダメージを与えると休眠し、見えなくなる。
・その後、運命の日までだいたい1ヶ月に1度くらいの割合で活性化しダメージを与える。
・活性時、本人による引き剥がしなどは包帯には全く利かないが、第三者がやるとそのまま包帯にダメージを与えられる。
・包帯はダメージを未来から送り込んでいるので、はじめに寄生された時はぼろぼろで、第三者が引き剥がしなどを行うたびに、次に活性化するときに綺麗になっていき、最後は新品同様になる。
・ダメージは包帯そのものを使って行われるが、殴打などは実際の威力を無視したダメージを与えてくる。
・運命の日まで、偶然が重なる形などで被験者は殺されることは無い。ただし、死なないだけなので後遺症が残るようなダメージを負ったり、病気になったりはする。
・しかし、自分から望んで無理やり危険箇所に行かない限り、大抵は偶然でその場に行けなかったか、行っても、危険箇所がなくなっているか、たまたま被験者がいる時間だけ安全だったか、それとも被験者だけ危険な目に遭わずに済むだけなのか、被験者が居ることによって周りにいる者や場所が危険に遭わない訳ではない。
■説明
■発覚したきっかけ
・病院勤めのエージェントが、定期的に打撲でくる被害者を家庭内暴力を疑ったところ、SCPの特性を告白される。
■その他
・
■実験・インタビュー・その他
実験-1 引き千切ってみる
結果-1 包帯による暴力はその場で収まる。
考察-1 当初から破損の酷いSCPだったが、次の活性化時、修復されているように見えた。
実験-2 燃やしてみる
結果-2 結果1同様。次の活性化時、今まで黒く焦げていた包帯が焦げ痕が見られず。
考察-2 ダメージを吸収して修復される傾向があるのか?
実験-3 被験者をSCPが活性化する時期に、24時間監視する
結果-3 被験者がノイローゼになって中止した頃、活性化。
考察-3 先延ばしになるだけで根本的解決にならず、被験者の精神的疲労ばかり蓄積されるだけだ
実験-4 活性化する度、引き剥がしを繰り返す
結果-4 SCPの暴力による被験者の肉体的ダメージが大きくなっている。実験の中止。
考察-4 ダメージが大きくなっているばかりか、引き剥がしを辞めた移行の活性化時にもダメージが大きなままで定着してしまった。被験者が欝傾向になり非協力的になっている。被験者のカウンセリングが必要だ
○その後
SCPxxの収容違反により、
■補遺
■収容プロトコル
■名前 再臨
■Oクラス Safe
■タイプ 奇病?・ヒステリー?
■見た目・形状
・白い翼の生えた人。
・遺伝子を調べたところ、翼は寄生されたとかではなく、元々DNAに組み込まれたものらしい。
・しかし、何故成人してから生えてきたのかなどのメカニズムはよくわからない。
■特性
・被験者は翼が徐々に大きくなり、身動きが取れなくなっていってしまう
・しかし翼を含んだ被験者は軽くなっていってる。
・切り落としても再び生えて元通りになる
■説明
・元々被験者は優秀な若い一般人男性(フロント企業の社長)
・財団で収容したものの、翼が重いとどんどん動けなくなっていってしまう被験者の保護を考え、翼を手術で除去するもののまた生える。
・手術を担当した者は後悔の言葉を遺書に残して自殺。
・どうも過去にも翼の除去をしたことがあるらしく、手術をしたもぐりの医者が行方不明になっているらしい。
・時が経つにつれて、地面を這ったりしかできなくなってきた。体重は翼込みで成猫並。
・ベッドから動けなくになった。体重は小さなペットボトル並。
■発覚したきっかけ
・会社に姿を見せなくなり、間接的な連絡手段で仕事を回していたが、それでも足りなくなり、秘書の一人であるフィールドエージェントが社長宅へ会いに行った。頑なに会おうとしない社長に不信を抱き、進入。その姿を目にした秘書の説得に応じて財団に発覚した。
■実験・インタビュー・その他
収容記録
xx/xx 収容初日
被験者の体重は37kg。翼以外は、日本人としてはちょっと背が高めの平均的な中肉の成人体型である。試しに被験者を持ち上げてみたが、成人男性+大きな翼と言う組み合わせなのに恐ろしく軽かった。なによりもそれを伝えた時の被験者の驚きと失意の顔。被験者は心の底からこの翼が重いと感じているようだ。
xx/xx 収容7日目
被験者の体重は32kg。被験者の言うとおり、翼は少しずつ成長をしている模様。それに反比例するように被験者の体重は軽くなり続けている。被験者は翼の切り離しを心より望んでいるようだ。
xx/xx 収容14日目
被験者の同意の下、外科手術にて翼の切除を行った。レントゲンやCTスキャンには翼が写らない為、通常の外科医と鳥獣専門の医師とで行った。手術は大掛かりになったものの、無事成功。全身麻酔から醒めた被験者は大喜びだ。背中にはまだ相応の痛みが残っているはずだが立ち上がり踊り出さんばかりの被験者にはそのようなそぶりは見られない。目が覚めたので体重を量ったが██kgで筋肉量、骨密度、体脂肪率などからの計算に沿った体重だった。
切り落とした翼は別の研究にまわす(後述)
xx/xx 収容18日目
被験者の体重は29kg。再び生え始めた翼に完全に体重は手術前に戻ってしまった。被験者の話によると、前回切り落とした際は元の大きさに戻るのに半年はかかったそうだ。翼の切り落としたときの大きさによって再生スピードが違うのか確たることは言えないがかなり侵食されているようだ。
xx/xx 収容46日目
被験者の体重は18kg。5歳児並みの体重になっている。
とうとう被験者は這い蹲ってしか移動できなくなった。車椅子を薦めるも、座って垂直にいると背骨や肩の骨がばらばらに砕けるような重みが感じられるという。
xx/xx 収容61日目
被験者の体重は4kg。猫並みの体重になっている。
ただ、あれほど明晰だった被験者が、瞑想しているようなぼんやりしているような時間が長くなってきた。話しかければ弾かれた様に仕事に向かうが集中力が続かないようだ。
xx/xx 収容83日目
被験者の体重は0.25kg。小さなペットボトル並の体重になっている。まさか指先だけで成人男性を支えられるとは驚きだ。
被験者がエージェント███に秘書として面会を申請をしてきたので許可を出した。
万一を考えて防壁・マイク越しだ。話はもっぱら仕事のことで、自分が死んだ場合の後任のことや、プロジェクト存続のための引継ぎ方法、その他。そして最後に私的な会話を少し。その際、エージェント███のたわいもない提案に、被験者は酷く驚き目を輝かせた。
xx/xx 収容100日目
被験者から翼は完全に消失。体重も期待値を取り戻した。
被験者は以前の明晰さを取り戻し溌剌としている。身体、精神共に異常がなく、特異性も消失したので自宅に返される*1ことになった。
以上、SCP-xxx-JPの治療法は確立し、無力化された。
■補遺
xxx博士が亡くなったので、私zzzが引継ぎ報告する。
翼が生える現象が別人にて再発生するも、SCP-xxx-JPの無効化に成功。第2の被験者は社会生活に無事復帰する。しかし、xxx博士は自死してしまった。
xxx博士の遺書には第2の被験者から翼を取り去ってしまったことへの悔恨が綴られていた。これは前回の医師達同様の症状である。しかし、博士はエージェント███と同じ手段を用いて対策を行ったのに、何故人死にが出てしまったのかエージェント███に聞き取りを実施。結果、エージェント███の場合、被験者が居なくなったときに、自分や周りや世界に対する影響を正確に把握できていたことによる、悔恨や自戒が少なかったため自死にまで至らなかったようだ。
さて、人死が出てしまった以上、新たな封じ込め策を考えなければならない。そもそも我々は被験者の望むように翼を取り除くことに注力してきたが、今回は被験者に翼を受け入れさせようと思う。
今回の被験者は財団とは無関係の、新鋭企業の社長である。彼を説き伏せ、宥め賺し収容し続けること███日。ついに0になる日が来た。
最後に彼はにこりと微笑むと、羽が落ちるようにゆっくり倒れた。
翼が消失し、床に倒れ伏せる被験者はただの死体だった。
翼と共に神性を失ったのか、そこにあるのはただの人間の男の死体だった。
オブジェクトの完全なる特性の喪失の確認。
いや、消えたのではない流出した。
■その他
・被験者(SCPでもある)の性格は、真面目・人類の発展の為などと真顔で言うタイプ・誠実・個の利益より種の利益・
・被験者は真面目な性格ゆえ、収容後は協力的だが翼による飛行を試みるように指示すると頑なに嫌がる。それ以外は羽を毟られようが血を抜かれようが痛みを伴うことでも協力的。
・秘書の提案「もし貴方が天使だったとして、この地に留まりたいと願うならば、いっそう悪いことでもしたらその翼を持つ資格が無くなって翼が消えたりするんじゃないですか?」
・喩え地に塗れようとも
・どうやら被験者の姿を見るとその翼のカリスマ性から、見た者皆、天使じゃないかと思うレベルで留まらず、信仰心に近いものが生まれるらしい。
・なので翼を取り除く行為をした者や悪の道を勧める者は(特に翼をなくした後は)罪悪感がすごいことになる。
・この信仰心はアイデアのように湧きあがり、自身でコントロールできるものなので、特に常識のある大人や研究として一歩引いたところから見ようとしている者はわざわざ口に出さないので記載はなし。
・ちなみに被験者に天使だなんだ言うとすごく嫌な顔をされる。曰く「実績で関心を集め演説をするならまだしも、客寄せパンダの話を誰が真面目に聞くのか。拝むだけなら地蔵で十分だろう」
・被験者は翼を失い幸せになれるが、
・ちなみにこの社長、このあと政治家になるため選挙に打って出た。より多くの人々を幸せにしたいらしい。
・珍しくSCP被害者が幸福になれるタイプ
■収容プロトコル
■名前 高天原より愛を込めて
■Oクラス Safe
■タイプ 限定開運
■見た目・形状
・現在はハードカバーの本。黒革表紙。A6判の本。辞典並みに分厚い。タイトルなし。ノンブルは打たれているものの、総ページは開くたびに変わる。更にページに記載されている内容も開く度に変わる。
・破損汚損しても数日かけて修復される。しかし毎日使うものなので極力自力か専門家によって破損は速やかに直すこと。
■特性
・使用を停止すると収容違反・死亡率・離職率など財団の運営にかかわることが軒並み上がった。
・逆に考えて、使用しているから現状レベルまで下げられている。
■説明
・いつの間にか使われていて、いつから収容されているのかわからない。
■発覚したきっかけ
・海外の財団職員がサイト-81██に派遣されてきたとき、一人の職員の奇妙な行動とそれに対して何も言わない他職員の反応に興味を持ち、話を聞きだしたところオブジェクトを使用しているのはわかったもののそれの特性に関して答えられるものが誰もいない。電子媒体のデータには該当するものがなく、サイト内の書類を漁り、やっと古い報告書を発見。それすらも「いつからあるのかわからない」と書かれていた。
・何故今まで見逃されていたのかよくわからないし、どうも古い報告書の内容から察するにそのときには既に使われていて発見当初の報告書は紛失しているようだ。
・しかし書類の管理者などは処罰されていないっぽい。その理由が使用はサイト管理者から職員への指示だがそのサイト管理者すら由来は知らず、尚且つ、先代からの指示で遡れる限り遡ったがやはり先代からの指示と言う曖昧な結果で終わったため。
・情報を共有してる本部やら他の支部やらに問い合わせてみたものの、紛失やらサイト自体の破壊やらなんやらが原因で結局このオブジェクトに関する書類は残っていない。
■実験・インタビュー・その他
実験1・使用を半年やめてみる
結果1・日本の全てのサイトで収容違反・死亡率・離職率が上昇。日本で未知のSCPによる大きな収容違反が起こっているのではないかと本部から人が来る。洒落にならない。
考察1・日本でだけで起こっているようで、本部やその他の支部は影響ないらしい。
実験2・半年使用してみる
結果2・あらゆるデータは元の値に戻った。
考察2・やはりこのSCPオブジェクトの影響らしい。元々日本支部は外国の支部に比べて収容率は高かった。
実験3・安定している海外の支部に渡し、データが変わるかみる
結果3・海外支部でもSCPオブジェクトを使用していたのにデータは変わらず、日本支部は上昇した。
考察3・海外サイトに影響が出ないのは予測の範囲だが、海外ではきちんと本の支持に従っていたのに、日本支部は上昇した。効果範囲に限界があるのか。しかしそれなら効果範囲直中の海外サイトは何故影響を受けないのか。
実験4・二つやってみる
結果4・1ヶ月の間、様子を見たが効果が上昇することはなかった。
考察4・……多分見つけた当初も似たようなことをやって、2つは効果が無いことがわかって、それを知っていた初代から続いている指示だから引き継がれた現代も1つなのか。日本支部の過去からの伝言ゲーム能力の高さが意外なところで発覚する。
○財団職員による使用記録
20██/█/██ フィールドエージェント██の記録
決定の仕方・目を瞑り開いたページの指示に従う。
指示内容・「右足の影を左足で踏まないように歩く」
感想・普段自分の影に対してどれだけの人が意識を集中させているだろうか。思いの他、重労働だ。
20██/█/██ 機動隊██の記録
決定の仕方・閉じたページの隙間に適当にナイフを指し込み、開いたページの指示に従う。
指示内容・「最初に会った人にやりたいことを聞き出しそれを実行する」
感想・本を閉じてから最初に会った事務員KにSCPのことには触れず話を聞き出す。「██山、山頂の店で売っているご来光パフェが食べたいです」。……遠いのも、道のりが登山者上級コースなのも良しとしよう。しかし男三人がかりで倒せない敵はダメだ。あのサイズは反則だ。補佐についていた██がいい仕事をしてくれた。感謝してもしきれない。
20██/█/██ ██博士の記録
決定の仕方・ダイス1つを振り、適当に開いたページの1桁目がダイス目になるまでページを進ませ、そのページの指示に従う。
指示内容・「5ページ進め」「36ページ進み██を歌いながら更に3ページ進め」「12ページ戻れ」「腹筋15回してから8ページ進め」(以下略)。終業時間までこの指示は続いた。
感想・最初にダイスで決めたのがいけなかったのか、今日は延々ページをめくり続ける作業に没頭した。50曲近く歌を歌った。腹筋や腕立てなどがハードで肉体の衰えを感じた。今回の発見は自分があんなに高いキーを出せたことと、部下の奇異の目も慣れれば快感と言うことだ。
20██/█/██ ██事務員の記録
決定の仕方・電話対応している際、メモを取ろうとしてページを開いてしまったため、そのページの指示に従う。
指示内容・「『にひゃくはちじゅうばんめのわくらば』と書いた栞を1つ作り、█階██室██-█号本棚にある赤い本に挿める。全ての作業は誰にも見られてはならない」
感想・栞は楽に作れたものの、誰にも会わずに指示された場所に行き置いてくるのが一番辛かった。画期的な監視カメラを掻い潜る手段を思いつき、何とかこなす。あれはもう二度とやりたくない。
──管理者より・詳しい内容が聞きたいです。明朝の9時に██オフィスまで来てください。
20██/█/██ ██職員の記録
決定の仕方・誤って落としてページが開いてしまったため、そのページの指示に従う。
指示内容・「気になっている壁を壊す」
感想・
■補遺
・実験3の後、海外サイトからSCPが破損したと連絡を受ける。
・そのまま引き取り日本の専門家に修復を頼む際、革の裏表紙が剥がれた破損ページに文字が書かれていたことがわかる。
・「高天原より愛を込めて」
・日本限定で影響を与えるオブジェクト…もしこれが本当ならば、これが存在するのは財団のためではなく、他ならぬ日本のためなのかもしれない。
■その他
・おかしな風習、おまじない本のような馬鹿馬鹿しい指示が書かれている。
・故意(悪意)に本を破損したり汚損したりした場合は、本人にあんまり良くないことが起こる。速やかに原状回復して反省すること。
・高天原より財団(日本支部)に与えられた神。これが存在するのは財団のためではない、他ならぬ日本のためなのだ。ってな、イメージ。本の指示は祝詞や儀式みたいなもの。変則的なのは信心を集めるためではなく、効率の良い効果(祝福)のため。ピタゴラスイッチ的に影響がある。ただし日本のサイトでのみ。収容しているサイトが主に使用しているが日本の他サイトに協力を仰いだりしているので全国津々浦々まで加護がいきわたる。
■収容プロトコル
・使用中以外は管理者によって金庫に厳重に保管されている
■名前 語り部の部屋
■Oクラス Euclid
■タイプ 異空間?・現場維持・死者再生?
■見た目・形状
・マンションの地下階の部屋。外観は窓は無く、化粧鋼板でできたハニカムコア造りの通常のマンションドアが玄関についているだけ。
・中は奇妙な部屋。食べ物や品物が無数にあり、宙を漂っている。日によって増減する。
■特性
・部屋の中にある物を、使用するなどある一定の動作を行うとその物の思い出をリアルタイムに追体験できる。追憶中の時間の感じ方はばらばらで、とりあげるとその場の感情の再生は止まるが、内容は全て知ることになる。
・記憶タイプは二つあり、感じることがメインのタイプと、追憶を体感するのがメインのタイプがある。
・部屋の中にある窓の外は、異国風の異世界。
・日付変更と共に部屋の現状が回復し、持ち出した物は消える。
・日付変更時に部屋にいるといつの間にか廊下に出され、窓の外にいると行方不明になる。
・部屋には同じ人物の思い出の品が2-5つあり、一人の人物が同時に部屋の外に持ち出すと品物が消え、その人物が現れる。
・その人物は死んだ記憶があるが、蘇った年齢ではない(老衰で死んだのに蘇った姿は20代後半など)
・一度に一人の人物がドアの外に運び出せるのは5つまで。ドアが開かなくなる(ドアを開けて放り投げることは可能。人が介して持ち出さなければ)。繰り返し運び出すことは可。
・オブジェクト群は日付が変わるまでしか記録媒体に残せません。再生媒体越しに記録しても同様です。スケッチなどの人の手による創作活動での記録は可能です。
■説明
・部屋の中の物は固定されているもの以外、ゆっくりと宙を漂っている。
・部屋でジャンプすれば、同じように宙を漂うことができる。宙に漂っている間は、本人が望む方法で移動できる(徒歩・遊泳・意識による肉体移動など)
・ジャンプしなければ、普通の重力範囲内で移動は可。ただし、漂っている品物は水の流れのように人の進行方向に対して避けて漂ったり、逆に付き纏ったりする。宙に浮かべばこの現象は起こらない。
■発覚したきっかけ
・SCP-██-JPの収容違反に巻き込まれて死んだ、エージェントの部屋を整理しようと財団職員が部屋に入ったところ、オブジェクト化していた。亡くなる何日か前までは普通の部屋だったことから、死後だと予想されるが、死の原因のSCP-██-JPと関連性は不明。
■実験・インタビュー・その他
実験-1・回収したケーキをDクラスに食べさせる。
結果-1・味のことはともかく、具体的な光景を説明してきた。体感として感じられたのだそうだ。暫く様子を見たが動物実験同様、人体に害は無いようだ。
考察-1・他のDクラスにも食べさせたが全く同じとしか言いようの無い光景を説明された。どうやらこのオブジェクトは誰かの体験を記憶し追体験させるもののようだ。
実験-・自動絵画ロボットで紙とペンでスケッチさせる
結果-・日付が変わると同時に、紙に書かれた絵は消失した
考察-・飽くまで人間が介在しないとダメらしい。この増減を繰り返すSCP-xxx-JP-1群の記録は思った以上に骨が折れそうだ。
実験-・酒癖が悪いと定評のあるエージェント██にSCP-xxx-JP-██のアルコールを摂取させる。
結果-・何杯飲んでも気持ち良く酔うだけで、酒癖は出なかった
考察-・過去の記録どおり、コップに注がれたビールからは標準的なアルコール濃度が検出。被験者も心拍の上昇や頬の紅潮などアルコールが回ったとき特有の特徴を見せたが、血液からはアルコールは検出されなかった。計器を騙せ人も騙せる物体だが、体に馴染むことは無いということか。他の実験でも同様、追体験させているだけであり、実際に酔いが回っているというより再現しているだけのようだ。
実験-・生まれつき盲目であるエージェント██にSCP-xxx-JP-██に触れさせる。
結果-・海の青、空の青、白い砂浜、白い雲、波打ち際で水着姿ではしゃぐ子供達、全て視覚として理解できた。
考察-・追体験できる特性は、感覚器官が先天的に失われていても発揮されるようだ。これは視覚だけではなく、あらゆることに関して言える。精神的疾患にも効果があるのかもしれない。
実験-・
結果-・
考察-・
事件記録-1
D4534に室内を調査させていたところ、SCP-xxx-JP-13である窓の近くにあったSCP-xxx-JP-██である椅子を叩きつけ、割り逃亡。すぐに近くにいた職員が追ったが、その先はまだ未調査で装備も整えていなかったことから追跡を断念。職員の話によると、周りは異国の古い片田舎の街並みといった風情で、
部屋の中でD4534の帰還を待ったが、日付が変わると同時にGPSのシグナルは消失した。
xx/xx現在、SCP-xxx-JP-13街中の探索も行ったがD4534は見つけられず、シグナルも消失したまま。街は高い塀に囲まれ、たった一つだけ設置されている門からしか出入りできず、門までには関所のような外からは窺い知る事のできない建物があり特殊な証明書を番人に見せないと門の外に出られないようだ。この狭い街中で潜伏することは不可能だと思われるのにどこに居るのか。
品物の形状とそれに纏わる記憶
SCP-xxx-JP-██:ビール瓶と栓抜きとジョッキ
栓を抜き飲んでみる:大きな仕事を終えた日の風呂上りのビールといった味がする。
SCP-xxx-JP-██:1ピース分だけ欠けた生クリームとイチゴのホールケーキ
ケーキを食べる:冬の日、暖炉のある部屋でわいわいと大勢が集まった時のホームパーティでのケーキの味がする。
SCP-xxx-JP-██:古ぼけた金の懐中時計
ねじを巻く:おじいちゃんが長年大事に使っていて亡くなってそれを譲り受けた。哀愁と懐かしさが感じる。
SCP-xxx-JP-██:ベースボールの擦り切れた観戦チケット
撫ぜてみる:太陽が眩しい夏の日、親に連れて行ってもらった野球場。熱気に包まれてる観客席、9回裏満塁、沢山のファンの期待を背負って打席に立つヒーロー██。静まり返る観客席、緊張の一瞬、見事青空にホームランが吸い込まれていく。わっと湧き上がる大きな歓声、逆転を成し遂げたヒーローの笑顔。忘れられない。それが私がプロ野球選手を目指した理由。
SCP-xxx-JP-██:演劇のパンフレット
開く:開いたページから始まる。
SCP-xxx-JP-██:古めかしいシーリングファン
見上げ5秒ほどじっと見つめる:
SCP-xxx-JP-██:木製の磨きこまれたシックな床
横たわる:苦しい。腹のから臓物と共に流れ落ちる血は床一面に広がっていく。まだ煙の上がっている銃を片手にヒステリックに笑う男は嫌がる私の娘の腕を掴むと足早に部屋を出て行った。
事件-2
SCP-xxx-JP-██の調査の際、職員がSCP-xxx-JP-██を持って暴れるという事案が発生しました。オブジェクトを叩き落としたところ、職員は沈静化。若干精神が不安定になったものの、追体験によるもので人格の変質などは認められず。
SCP-xxx-JP-██:趣向の凝った鞘付ナイフ
鞘から抜いてみる:逃げ惑う女、追いかける興奮。追い詰められ恐怖に染まった顔で振り向く相手に、容赦なく何度もナイフを振り下ろす。滴り落ちる赤い血、飛び散る肉片。その体温を全て奪うまで切り刻め。そうだ、殺せ、殺せ、殺せ、殺セ、コロセ……!
事件-3
xx/xx、xxx博士と研究員によって室内のオブジェクトの記録を取っていたところ、SCP-xxx-JP-13である窓の外からノックが聞こえ人影が写る。D4534が戻ってきたかと緊張が走るが、赤毛であること、10代後半の青年であることから
■補遺
事件-4 エージェント██記録
xx/xx、SCP-xxx-JP-13街にてD4534だと言い張る人物と接触したものの本人では無かった。名前を聞いても答えられず、名前を教えても覚えられず、指紋と血液型を調べたが本人ではなかった。何故性別すら違うのにそんな嘘をついたのか問い質したが本人だと言い張るばかりで要領を得ない。D4534が過去に行った犯罪を何故かよく覚えていたが、どうやって捕まったのか我々との関係すらわからない彼女がD4534である可能性は低い。「もう時間が無いんだ、必ず思い出すから連れてってくれ」と訴えられたが我々が何者でどこへ連れて行かれるのかすら理解していない異世界の人間を連れていくのは危険なので現場に残した。
事件-5 XX研究員が部屋からオブジェクト群を運び出している最中、突然それらが消え、代わりに若い男性がその場に立っていた。困惑している対象に話しかけると、言葉が通じたので場所を換え話を聞きだす。互いに情報交換したところ、XX研究員が持ち出した物品は全て彼の物だという。そして彼は老衰で一度死んでいること、何故若い姿でこの場にいるのかわからないと答えた。しかし消えた物品の記憶に対して詳しく聞きだしたところ、再生されてる記憶を体験した頃の年齢だという。ただ、その記憶は余りにも遠く詳しくは思い出せないようだ。
■その他
・この部屋にあるのは沢山の人の思い出。
・当然思い出なので語った(使用した)ところで減りはしない。
・しかし当然聞かせてもらった思い出なので、身にならない。
・当然思い出なので他人が撮影したりして残そうとしても無理(絵に描くことは可)
・大半の物は異国風の別世界のものなので、骨董的価値なし。
・大半は良い思い出。100個のうちに1個くらいが犯罪や恐怖の思い出
・窓の向こうの人間も再生された人間も日本語が通じる。寧ろどの言葉でも通じる。ただし文字が読めない。そもそも文字の文化が無い。文字らしきものを書けるのは名前を意味する記号だけ。文字を教えても習得できない。
・その代わりどんな言語でも通じるし話せる。
・死んだエージェントの思い出
・クラインの壺
■収容プロトコル
マンションを買い上げ管理。
■名前 空想破砕機
■Oクラス Euclid
■タイプ 現実改変
■見た目・形状
・ハンドル式の古いごついシュレッダー
・ストレートカット式でB4判まで対応。ハンドルは軽く、細断している最中でも負荷らしい負荷がかかりません。
■特性
・破砕したフィクションの本の内容が現実化する。
・破砕したノンフィクションの本の内容が非現実化する。
■説明
・
■発覚したきっかけ
財団職員が勤める精神科に「ペ█トもナ██も█爆も、僕が本を細断してしまったために現実になってしまった」と訴える男性を彼の知り合いが連れてきた。話が首尾一貫していることからエージェントを派遣して発覚。収容の運びとなった。
彼が覚えている限りのタイトルと内容を聞き出したが、マジ洒落にならんかった。
入手手段は近所の蔵の整理を手伝ったときに発見。お礼に貰った。その近所の人物はただの一般人であり、今回亡くなった主が昔何かで手に入れて、そのまま忘れ去られていたらしい。
■実験・インタビュー・その他
実験-1 架空の話を執筆し、製本し、細断する。
結果-1 現実改変は行われなかった
考察-1 協力者に聞きだした話によると、明らかに現実改変が認められる本はどれも人気があるか、流通量の多い本だと言う
実験-2 既存の昔話を執筆し、製本し、細断する。
結果-2 同上
考察-2 多くの人に知られ、人気がある話でも、その本自体が人気じゃないと駄目なようだ。実験サンプル探しに苦労しそうだ。
実験-3 空想小説「青いひまわり」
内容-3 願いが叶うといわれている青いひまわりを見たいと言う病気の娘のために、青いひまわりを作った科学者の話。最後世界中のひまわりが青くなる
結果-3 機械に触れていた██研究員と、協力者は変化前の記憶を保ち、機械に触れず傍で観察していた██博士は変化前の記憶を持ち得なかった。
考察-3 これだとオブジェクトに触れている者たちだけの記憶が変化しただけのように見え、判断しかねる。実験中の録画の「背景色を今回の実験に合わせた」と言う私の発言を見る限り、彼らの言うことが正しいのだろうが、現実改変能力が本当にあるのならば彼らの意見に沿うように映像の方が改変されたように見えなくも無い。
実験-4 実験-3で細断した本を復元する
結果-4 時間はかかったものの、プロの力も借りて読めるレベルまで復元成功。そして同時に黄色いひまわりに戻った。
考察-4 成し遂げたことは、彼らの表情や我々の労力からわかるものの、今までこのひまわりは青かったと力説されても初めから黄色だった感触しかない。
実験-5 実験-4で復元した本を燃やす。
結果-5 再び現実改変は行われず、世界は固定した。
考察-5 協力者の「復元に失敗しそれを燃やしたことがある。ここに頼めば復元できたかもしれないのに」という悔恨の言葉を受けて、復元した本を燃やせば本として固定したまま消滅し現実改変から逃れられるのではないかと推測。そして証明された。
実験-6 元有名タレントのノンフィクション本を、細断する。
結果-6 対象人物が現存しなくなり、空想上の人物として認識されるようになった。
考察-6 このオブジェクトは、空想を現実にするだけじゃなく、現実を空想化するようだ。尚、本は既に復元済みであり、対象人物は日常に戻っている。
実験-7 有名カルト宗教家██氏のノンフィクション本を、細断する。
結果-7 対象人物は健在
考察-7 場合によってはファンタジーカテゴリ扱いされて現実になるかと思ったが、特に何も起こらなかった。嘘で固められたノンフィクションはファンタジーで非ずか。公証ジャンルは大事なようだ。嘘の割合がどれくらいから何も起こらないのか調べたいが難しそうだ。
実験-8 某有名俳優が執筆した空想本を細断する。
結果-8 現実改変は起こらず
考察-8 ベストセラーになったところで、人の心に響かない物は塵芥と同じようだ。
実験-9 空想小説「インスタント美女」を裁断する
内容-9 二つの溶液を混ぜ、適量を全身の写った写真にかけると写真から抜け出し本物になる
結果-9 量産型の兵士とテロリストと悪党が跋扈した世界になった
考察-9 どんな発明も人間がろくでなしならろくでなしな使われ方しかしないってことか、くそが。ジャム兵*に殺されたエージェント「██」「██」「██」「██」は本の復元後はそれぞれ「SCP-███-JPの収容違反に巻き込まれ溺死」「交通事故死」「健在」「該当者無し」。
補足-ジャム人間は実験には適さない
実験-
結果-
考察-
■補遺
閲覧にはレベル4以上クリアランスが必要
協力者が知らずに何十冊と裁断してしまい、袋にまとめられた紙屑を復元する作業を進めているが、ランダムに復元されたページの一部にSCP-173に関する記述が発見される。それは報告書の体を取っているが、印刷所でしか使用されないフォントによって印刷されている。これが指し示す事実はなんだろうか。SCP-173が想像の産物なのだろうか。それともSCP財団そのものが想像の産物なのか。そしてなにより、いつか全てのページが揃って本にできるとき、復元するべきか、しないべきか、それが問題だ。
■その他
基本的に本が面白がられないとダメ。誰かをこの世から抹殺したくても心が動かされるノンフィクションでないとダメなのでなかなか難しい。某タレントのはテレビやらネットやらで生中継したやつを本にしたものなので職員は事実であることを確認している。
■収容プロトコル
必ず細断した本は改変が行われなくても復元すること。
■名前 鏡の魔
■Oクラス Euclid
■タイプ 異空間・ドッペルゲンガー?
■見た目・形状
古い全身用のシンプルな姿見。
■特性
・通常はただの姿見だが、触れると中(鏡の世界)に入れる。
・外(現世)から中に物を持ち込むと、鏡の中には物があるのに現実世界ではないという矛盾が生まれる。
・鏡の中に入った者は、現実世界で左右反転して映るもの(鏡面)になら表示される(カメラやビデオなど反転しない物には映らない)
■説明
■発覚したきっかけ
人身売買や麻薬の売買にかかわりがあるとされている人物の家宅捜索にて、物が見つからなくて焦っていたところ鏡の中に箱があるという矛盾に気がつき発覚。鏡を通って隣の部屋(現在地)に行くと違法な品が見つかった。更に鏡を通って地下まで行くと少女達が監禁されていた。現実世界では何もない空き部屋だった。
■実験・インタビュー・その他
事件-1
Dクラスに鏡の中を探索させていたところ逃亡、GPSで位置がわかったので適当な部屋に入ったところで閉じ込め、鏡の中を通ってきた職員に捕まえさせた。
事件-2
エージェント██に鏡の中を探索させて戻ってきたところ、左右反転した鏡の中の住人だった。SCP-xxx-JP-1として管理する。本物がどうなったか問い詰めたところ、殺害を自白。本人曰く鏡の中の世界の住人が死んだところで現実世界に影響が無いくらい世界は現実世界に偏重している。しかし同時に現実世界を保つためなら鏡の世界の物理法則を無視するほど偏重しているので現実世界の人間が鏡の中で死ぬと、拒否反応を示し、反転している鏡の中の住人が現実世界に出られるほど現実世界を保とうとするそうだ。勿論死体を現実世界に送り返してもこの反応は収まる。SCP-xxx-JP-1は現実世界に出たことで完全に本体になり、鏡の住人になった本体であった筈のエージェント██は二度と現実世界に戻れなくなった。
では鏡に映る君の姿はなんなのかと問うと「彼の死体です。腐りもせず、息も吸い、瞬きもしますが意思はない。だが彼は幸せですよ、現実世界の本体は死に、右腕だけ残されてホルマリン漬けされても、生きていなきゃならない鏡の住民の連中に比べたら苦痛は無い」
SCP-xxx-JP-1は地下施設に収容。
SCP-xxx-JP内の探索及び実験は凍結された。
実験
エージェント██の親しい友人であり臨床心理士の資格を持つエージェントzzの面会によりどうにも矛盾点が出てきた。エージェント██は生前、正義感が強く融通の利かない一面を持つ性質の人間だったがSCP-xxx-JP-1もその性質は受け継がれているとのこと。更に鏡の住人にとって現実世界は特別魅力的な世界というわけでもないらしい。何せ彼らは鏡の矛盾を抱える世界こそ生まれたときからの現実であり、尚且つ、現実世界の彼同様、鏡の世界での彼にも恋人が居たようだ。当然ながら現実世界に来た以上それらの絆も断たれるわけで、ただでさえ希薄な人間関係の出生を辿っている彼が、収容されることはわかりきっているのに現実世界の自分を殺してまで本当にこちらの世界にきたがるだろうか?
■補遺
■その他
特性の説明用とはいえどうでもいい話長いな。もっとコンパクトにしないと。
オチは……どっちの方がいいのか。たまには周りやべぇなEuclidらしいオブジェクトにするべきか。
■収容プロトコル
■名前 殺生岩
■Oクラス Euclid
■タイプ 過去干渉(改変非ず)・生物水晶化
■見た目・形状
・人間よりでかいサイズの水晶。
・透明な岩。若干青みがかっているらしい
・それ以外は普通の岩。金属以外なら砕けます
■特性
・可視光を溜め込み、時間差で放出する。
・なので過去の周囲の光景を鏡のように映し出す(当然音は無し)
・このサイズのは過去1年間のランダムな日のランダムな時間、約15分くらい再生する。
・映し出された映像(過去)に金属でなら干渉することができる。
・ただし金属を通すと岩は劣化する
・岩の周囲に長時間いると(離れても累積する)、ある日突然体の表面が水晶化し、徐々に中心部に侵食、最後には水晶の粉になる。
・その粉を岩に振り掛けるor効果範囲内に落ちていると吸収し僅かにだが再生する
・粉をある程度以上の量、一箇所に集めておくと岩になる(サイズは粉の量による)
■説明
■発覚したきっかけ
ある山での崖崩れから洞窟が露出した。中には若干青みかがった黒い大きな水晶があり、奉られていたようだった。水晶は土台から外れるようになっていた。3ヶ月ほど近くの資料館に盗難防止のため保存されていたが、その頃から特性が明確化。財団にまで聞き及んで確保収納となった。記憶処理とカバーストーリー「村興し企画」で岩を取り替え済。
■実験・インタビュー・その他
事件-1
xx/xx、8:15頃、岩の近くに3cm四方の金属の板が落ちているのが発見される。
事件-2
xx/xx、8:10頃、岩の近くに弾丸が落ちているのが発見される。
事故-1
xx/xx、18:16にてDクラスを用いた実験をしていたところ、岩の前にいた対象が胸から血を流し突然死亡。解剖したところ、胸の傷は銃創で、胸の中から弾丸が発見された。弾は財団が使用しているものと確認。施条痕からエージェント██の銃と一致した。しかしその時間、エージェント██は会議に出席していたため、多数の人間に目撃されており、尚且つ、銃は身につけたままだったと主張している。実験の際、監視していた博士はなんの物音も聞いていないことからオブジェクトの特性を疑っている。
補足-この日岩は暗闇しか映しておらず、洞窟と言う暗所で保管されていたゆえの映像だと思われていたが、ひょっとしたらこの暗闇には化け物に通じているのかもしれない。
事件-2
xx/xx、10:48頃、金属の棒が突然岩の中から飛び出てきた。離れて様子を見守る。金属の棒は岩の映像とはリンクしておらず、暫く確かめるように地面をつつくような動作をした後、引っ込む。そして暫く経った後、再び棒が延びてきて地面を突いていたが短時間で引っ込みそれからその日は現れなかった。
補足-岩に映っていた映像は郷土資料館内の映像で金属と映像はリンクしていなかった。
事故-2
xx/xx、14:22頃、蓄光実験として外に持ち出す際、SCP-██-JPの収容違反に遭遇。エージェント██の放った流れ弾が岩に当たるも無傷。岩の映像から、事故-1の日付であることが判明。
実験-1
薬莢から取り外した弾丸を岩の表面に当ててみる。
結果-1
映像は夜中なのか暗い。研究室室内の証拠である監視カメラの稼動ランプが点っている。
弾丸をつまんだ指は手袋越しに岩の表面に当たりそれ以上中には進まなかったが、弾丸自体は一切の抵抗も無く、映っている映像の中に落ちた。
考察-1
過去に回収された、弾丸はこのときの物だったのかとやっと気づく。そして同時にあの金属の板や金属の棒はこれから行う実験の可能性が高い。
実験- 金属の棒を用いて、映し出された過去の世界に影響を与えてみる
結果- 過去の映像の中に棒を入れて床の感触を確認していたが、突然ぴしぴしと音を立てて、水晶の端にヒビが入ったために実験は一時中止。暫く様子を見たがそれ以上ヒビが入る様子か見られなかったため、再開。再びひびが入ったので完全に実験を中止した。
考察- 過去と現在を繋ぐ場合、その時間は短時間にしないと水晶に負担がかかりすぎるようだ。
実験- 3cm四方の金属板に文字を書いて送ってみる
結果- 金属板は水晶を通り抜けたが水晶の表面にインクカスが残った
考察- 飽くまで金属のみで、インクや塗装などは通り抜けられないようだ
■補遺
機密文書-閲覧にはサイト-81██管理者の承認が必要
事件-2
xx/xx、23:30頃、クレジットカード大の金属板が現れる。上部には肉眼でかろうじて読み取れる要電子顕微鏡という文字が彫られていて██博士により解析が行われる。以下、一部内容。
「██博士、お疲れ様です。
このSCP-xxx-JPに関してわかっているのは、過去に干渉できても過去を変えることはできないことです。
貴方が賢明な判断をし、私へ届け、口外しなかったことはよくわかっています。これから私が書くことを
xx/xx、16:32、SCP-██-JPの収容違反が起こり、エージェント██が██を庇って死亡。
xx/xx ██博士、貴方はSCP-xxx-JPによる水晶化の発症により翌xx日に死亡。
決定してしまっている未来を変えようなどと思わないことです。無駄な努力だ。いや、無駄な努力だった、これから貴方達がする努力だ。██博士、SCP-xxx-JPに近づきさえしなければ水晶化せず死亡する事はありません。貴方がエージェント██を救おうとする精神は素晴らしいもので理解できますが、無理なものは無理なのです。私は貴方に命令する権利は無い。だが貴方に生きて欲しいと願っている
」
■補遺2
機密文書-閲覧にはサイト-81██管理者の承認が必要
管理者記録
xx/xx エージェント██が██を庇って死亡。
xx/xx ██博士が水晶化により死亡。
助言どおり、全ての努力は失敗に終わった。
そして同時に、未来の私は初めから救う気が無かったことを悟った。
██博士は、体を砕け散らせながらもSCP-xxx-JPに関する████を残してくれた。多分、婚約者であるエージェント██を救いたいという気持ちが無ければここまでのことはできなかっただろう。そして私が本当に██博士だけでも救いたいと願っていたのなら、エージェント██のことを伝えなければ助かっただろう。
私は彼女をこれから死地へ送り込む。いや、助かって欲しいというのも本音だ。だが……だが未来も、そして過去も、変わらない。変わらないのだ。私はあの文章を書こうと思う。
■その他
・劣化は水晶の色が悪くなるのか、端からヒビが入り砕けやすくなるのか、うーん。完全に劣化すると粉々に砕けて特異性は失われ、二度と再生することは無い。
・祭っていた村では、狩猟に利用していた。効果範囲から撃てば水晶化は免れるが持ち運ばなければならないのでいずれは…。修復するときは動物を岩の近くに囲い、発症するまで待つ。
・
■収容プロトコル
■名前 カラクリ人形(仮)
■Oクラス Euclid
■タイプ 潜伏兵器
■見た目・形状
・潜伏時→人間型(確認)、犬型、猫型、その他(無機物含む)
・任務時→
■特性
・進化する機巧人形
・瞬時に体内で骨とも言うべき金属を組み立てなおし別の形態をとる
・体内化学プラント
・肉や皮膚、筋肉などは見せかけの合成物質で、こちらも組み立てなおすことは可能
・合成次第では肉や血は強酸や強アルカリになって敵にダメージを与える。
・まともに動こうと思ったら直径5cmはないと不可
■説明
■発覚したきっかけ
他実験中のSCP-██-JPの影響で殺人衝動に駆られたD-xxxxが車を操り、建物から集団移動中のxxx博士達に突っ込もうとしたが桔梗研究員が体を変形させ、車を掴みそれを阻止。それでもD-xxxxは諦めきれず車から降り、執拗に殴りかかろうとするが桔梗研究員から伸びた舌の先の針に刺され、昏倒する。
平謝りする桔梗研究員を上司であるxxx博士がなんとなく確保。建物に連行する。
■実験・インタビュー・その他
インタビュー記録
連行直後のインタビューのため、SCP番号が割り当てられておらず、会話中では番号は呼んでいません。
正規インタビューでもなかったため、インタビュー内容が決まっておらず冗長になっています
xxx博士「桔梗君、寒くない? ほんと、着替えなくて大丈夫? あ、電池残ってるわ、これ」
SCP-xxx-JP「本当に申し訳ありません。まさかあそこまでボンネットが軟らかいとは、もっと硬いと思っていました」
xxx博士「うん、まあ、なんというか……」
SCP-xxx-JP「アスファルトの破壊に関しては言い訳のしようがありません。でも、打ち込まないと流石に止める事は物理的に無理でして…」
xxx博士「あー、わかったから、そのことは責めてないから。助けてくれてありがとね。それでお話し聞かせてくれる?いい?」
SCP-xxx-JP「ああ、わかってます。僕、SCPナンバー振られるんですよね?オブジェクト扱いなんですよね?研究対象になるんですよね? わかってます、大丈夫です、見てきましたから、はい、大丈夫ですから、はい」
xxx博士「うん、わかったから落ち着いて、桔梗君。んー、部下な上、手の内バレてるってのもやり辛いな……インタビューを始めます」
SCP-xxx-JP「お手数をおかけします、xxx博士」
xxx博士「まず、貴方の名前を教えてください」
SCP-xxx-JP「桔梗獣吾です」
xxx博士「では桔梗さん、貴方はいつから存在するのですか?」
SCP-xxx-JP「難しい質問です。使い回し、分裂、取り置き、姿は勿論、名前すら場合によっては変わりますし、最初の頃の部品を使ってすらいませんし自分を正確に自覚できるようになったのは最近ですし『私』をどこに定義すれば良いのやら…」
xxx博士「そうだね、アンドロイド?だしね……一番古い記憶はいつですか?」
SCP-xxx-JP「残念ながら暦の機能がついたのは昭和に入ってからなので、その前は曖昧です」
xxx博士「見た目と違って結構歳いってるんだな、君……では貴方は何の目的で作られたのですか?」
SCP-xxx-JP「大日本帝国陸軍不死部隊機巧(カラクリ)兵として、敵兵を殲滅するためです」
xxx博士「……はっ?」
SCP-xxx-JP「昔の話ですよ。恥ずかしながら第二次世界大戦にすら間に合わなかったポンコツです」
xxx博士「いや、待ちなさい。君、日本製なのか。不死部隊って……」
SCP-xxx-JP「一番必要で一番消耗率が高く、それでいて直ぐ底が突くものって兵士じゃないですか。代替兵を望むのは自然の摂理でしょう」
xxx博士「……大日本帝国は滅び、戦争は終わったのに何故君は存在している?」
SCP-xxx-JP「日本が生き残り、次の戦争に備えて……ですかね? よくわかりません、命令は取り消されていないし、天照から特に聴かされてもいません」
xxx博士「天照とは?」
SCP-xxx-JP「え……っと、██博士が作った進化複製思考する最初のカラクリ……ですかね? 実際はもっと生産に力入れているカラクリですが。我々のデータをバックアップしたり、データを分析したり、大なり小なりは僕達もやってるんですが、まあ、大きな単位でやっているとでも思ってください」
xxx博士「君達の統括であると」
SCP-xxx-JP「語弊がある気がしますが、とりあえずはそれでいいと思います」
xxx博士「彼女に直接コンタクトとれないか?」
SCP-xxx-JP「国防や軍事秘密に引っかかるのでそれはちょっと……認識はともかく、博士は会った事あるんじゃないですかね?」
xxx博士「私が? 財団職員なのか?」
SCP-xxx-JP「彼女、夜景が綺麗な工場として観光スポットになっていますから。博士そういうの好きでしょ?」
xxx博士「……そういう意味かよ。いや、そうじゃなくて天照は工場に擬態しているのかね?」
SCP-xxx-JP「擬態って言うか、稼動しているんですよ。財団みたいに資金が潤沢じゃないから資源は自力で手に入れるしかなくて。カバーストーリー『普通のプラント』って言えば擬態とも言えるんですかね?でも欺く目的じゃなくてあくまで資源手に入れるためで必要に迫られてその姿を…」
xxx博士「あー、わかった、わかったよ。でも工場なんて事故でもあったら全て吹っ飛ぶわけだが、君達の大事なバックアップそんなところに保管しておいて大丈夫なのかね?」
SCP-xxx-JP「あ、データはそこには保管していません。僕達もそうなんですが、彼女の複数あるボディの一つです。データはまた別の場所で彼女が管理しています」
xxx博士「んっ?彼女は複数いるのかね?」
SCP-xxx-JP「えっと……僕達は複数同時起動したりできるんですよ。10体同時に起動させて別の作業させたり、協力させたりできるんです。彼女がスタンドアローンなのかリンクしているかは詳しくは話せませんが、彼女は一人で複数のボディを常時稼動させています」
xxx博士「……君も1人で複数のボディを起動させたりするのかね?」
SCP-xxx-JP「はい」
xxx博士「……まいったな、私SFはあまり強くないんだが。君のボディ見せてもらえるかい?」
SCP-xxx-JP「博士、僕、そういう趣味は感心できません」
xxx博士「ぶ・ん・せ・き!させてもらえないかな?」
SCP-xxx-JP「やだなぁ、冗談じゃないですか。……えっと……申し訳ないんですが、財団にボディ情報を手渡していいかどうか会議にかけられていますのでもう少しお待ちくださいね」
xxx博士「それって……リアルタイムにこちらの情報は筒抜けと言うことか?」
SCP-xxx-JP「あ、すみません。いつもの癖で。問題あるなら遮断します。会議結果は受け取らせてもらいますが」
xxx博士「…………いや、いいよ。今更だし、本当に遮断されたのかはこちらに知る術が無い」
SCP-xxx-JP「約束は守りますけどね。でもよかった、xxx博士かわいいって好評だから喜ばれます」
xxx博士「はっ?」
SCP-xxx-JP「あ、渋いって意見もありますよ。僅差でかわいいって意見の方が多いってだけで……」
xxx博士「ちょっと待て、みんなで……見ているのか?」
SCP-xxx-JP「そりゃ、僕達の存在が日本だけじゃなくグローバルな団体である財団にバレるってことですし、アクセス数が増えるのは仕方の無い話でして……あ、普段はそれほど見られていませんよ」
xxx博士「……その割には、随分その……緊迫感が無いな」
SCP-xxx-JP「遅かれ早かれの話ですしね。会議のほうは緊迫してるんじゃないですかね? すみません、リンク切ってる奴もいるんで呼び出すのに時間かかってたりするんですよ。戦闘下と違って腐るほど時間ありますし申し訳ないとは思いますが明日の朝までには結果出ると思います、すみません」
xxx博士「ああ、うん……こちらも混乱していてね……君達は私達に敵意は無いということでいいのかな?」
SCP-xxx-JP「いろんな意見がありますが、財団と敵対することは今のところ許可されていません」
xxx博士「場合によっては、敵対化すると?」
SCP-xxx-JP「日本に害を為すならそうなりますかね。利敵行為、スパイ活動など……ただ、僕達も馬鹿じゃないのでより大きな災いを生むと知っているのに害を為しただの、一部の間抜けが無許可で悪さしただのを論って敵だなどと言うつもりはありません。諍いの火の手を上げるのは簡単ですが消化するのは難しいことはよく存じておりますので」
xxx博士「君達は飽くまで日本を守る存在だと。……できれば敵対化する前に真偽をこちらに問いただして欲しいところだがね。SCPの影響と言う場合もあるし」
SCP-xxx-JP「そこは……僕は明言できません。結局のところ僕達は独自の機関になってしまっているし、日本政府とも連動していませんし」
xxx博士「ちょっと待ちたまえ、では君達は誰の人間の命令で動いている?」
SCP-xxx-JP「大元帥ですよ、xxx博士」
xxx博士「大日本帝国の元帥?」
SCP-xxx-JP「はい」
xxx博士「まさか、ありえない」
SCP-xxx-JP「僕もそう思います。しかし真実がわからない以上、それは実行されます」
xxx博士「……君達を止める権利があるのは誰だ?」
SCP-xxx-JP「勿論、大元帥です」
xxx博士「彼は亡くなった」
SCP-xxx-JP「困りましたね、引き継がれもしませんでした」
xxx博士「……陸軍は解体された」
SCP-xxx-JP「残念ながら僕達の元へその命令は下っていないのです」
xxx博士「何故?」
SCP-xxx-JP「さあ? 混乱期ですからね、関係者が全員死んだのか逃げたのか。いつの日かここから反撃をと思ったのか、歯牙にもかけられていなかったのか。単純に馬鹿馬鹿しくて連合軍に報告できなかったのかもしれませんね。お人形に剣持って戦わせようとしてますなんて恥ずかしくて言えなかったでしょう、わかります。その結果、忘れ去られて、それでも天照は稼動し続けて、改良し続けて……なんか帝国陸軍の怨霊みたいですね、僕達。違うんですけど。とにかく僕達は存在します」
xxx博士「……君達の存在を否定したいわけじゃないんだ。君は研究員としても優秀だったし、その、戦闘以外の方法での活用をするために一度、軍隊として解体してもらえると危険度が下がるんだがどうだ?」
SCP-xxx-JP「
xxx博士「君達の……いや、君のこのボディがどれくらいのスペックか教えてもらえないか? 公開できる範囲でいいんだが」
SCP-xxx-JP「……僕達、実はアニオタなんですよ」
xxx博士「はっ?」
SCP-xxx-JP「知ってます? 鉄腕アトム。ASTRO BOYでもいいですが」
xxx博士「えっ? ああ、内容は知らないが存在は」
SCP-xxx-JP「彼も僕達と同じカラクリです。悩み、心を持ち、正義感溢れる彼はカラクリでありながら人々を熱狂させ、受け入れられました。ただ効率的に殺戮しかできない僕達は戦争が終わり、敵が居なくなって何に対抗するために性能を上げればいいのか途方にくれていました。なので、彼を目指したんですよ。心優しいと歌われた彼のようになろうと」
xxx博士「それは素晴らしいね」
SCP-xxx-JP「はい。彼のように原子融合はできませんが、一ヶ月ほどなら連続稼動できるようになりました。空は飛べませんが20mくらいならジャンプできるようになりました。10万馬力はありませんが3000馬力はあります。彼や不死と呼ぶにはまだまだ遠いですが自己再生・修復モードはあるのでただのお人形とは呼ばせません。次の戦争では必ず活躍して見せます」
xxx博士「……あ、そっちリスペクトか。そうか、そうか……いや、できれば精神性を学んで欲しかったんだが……」
SCP-xxx-JP「僕達は人間よりよっぽど平和主義ですよ。でもいくら拳銃が平和主義です言っても使う人間が平和主義じゃなければ意味ないでしょう?」
xxx博士「だから兵器を辞めてだね、人間をサポートするカラクリに転職してはどうかと勧めているんだが」
SCP-xxx-JP「そうは仰られても、大元帥の命令は絶対とプログラムされているので僕達が『まっ、いっかー』で終わらせられる問題でもなく。50年経ったら失効するとか限定入れてくださってたら良かったんですけれど何せ当時は絶対だったでしょう? 天照の提案に臨機応変に実行できる僕らですが、大元帥の命令にいい加減に聴くなんてとてもとても。いや、プログラム的にですが」
xxx博士「結局そこに戻るわけか……。もし、仮にだ?陸軍が復権して、大元帥が再び立ち、君達に命令したらどうなる?」
SCP-xxx-JP「陸軍の恒例どおりに大元帥に████が立ち、僕らに解散を通達してくだされば確かに僕達は兵士でなくなりますね」
xxx博士「なるほど」
SCP-xxx-JP「しかしできるんですか? 一時的にも帝国陸軍を復活させれば、内外から勘繰られます。ごまかせばいいように騒ぎ立て、バカ正直に僕たちのことを言えば公開しろだの、他にも隠しているんじゃないかと騒ぎ立てられる。正直に僕達の技術を公開したら最悪だ、本当に戦争になる可能性がある。そうなる前に僕達は日本に不利益をもたらす者として財団を潰しにかからなければならなくなるかもしれません」
xxx博士「うーむ……」
SCP-xxx-JP「昭和が終わったあの時、僕達はもう引き返せないんだなと覚悟はしたんです。耐えがたきを耐え忍んだ現自衛隊のためにも僕達は平和を脅かすことはしません。なので……僕達のことは諦めてください。もし僕達を安全に取り扱いたいなら、日本に火種を持ち込まないようにしてくだされば僕達はいつまでも人間の振りして生きていけますからよろしくお願いします」
xxx博士「それは財団の手に余るな……」
SCP-xxx-JP「とは言っても、この財団には一部の暴走したボディがSCPオブジェクトとして迷惑をおかけしているので、あんまり強いことは言いたくないのが本音です」
xxx博士「…………君、ひょっとして取り戻しに来たのか?」
SCP-xxx-JP「いえ、寧ろご迷惑をおかけしているのでお手伝いをしに。引き取っていいなら引き取りますが」
xxx博士「どのSCPだ?」
SCP-xxx-JP「引き渡してくれると約束してくださるなら、お教えしますが」
xxx博士「どれかわからないと難しいだろうな……引き渡したあとどうする?」
SCP-xxx-JP「原因調査した後、破壊です」
xxx博士「破壊はまずいなぁ」
SCP-xxx-JP「ですよね。ここの方針的にいい返事をもらえないだろうことはわかっていたので、こちらとしても取り戻すことには力入れてません。安心してください」
xxx博士「いいのか? 君達の技術知られたら困るんじゃないのか?」
SCP-xxx-JP「調べたところ、基礎技術すらわかっていなかったようなので当分大丈夫かなと。そもそも擬態だと言うことすらわかっていなかったものもあるようなので」
xxx博士「……ひょっとして君達なら、その暴走したボディを安全に止められるのか?」
SCP-xxx-JP「はい。僕達は自己崩壊機能がついていますので万が一、停止命令を受け付けなくても接合して連鎖崩壊させれば否応無く止める事ができます」
xxx博士「連鎖崩壊って……君も相手も崩壊するってことか」
SCP-xxx-JP「爆発したり、汚染したりしない分安全だと思いますが。確かに跡形も無く壊れますね」
xxx博士「……君達は随分自分達に厳しいんだね」
SCP-xxx-JP「ボディの一つが壊れるだけです。確かに独自のデータを持ってた部分が壊れるのは気分のいいものではないですがデータの大半は他に移転済みですし……一つのボディしかない人間にこの感覚を理解してもらうのは難しいのかもしれませんが……僕達が目指した不死はつまりこういうことなんですよ。壊れないことじゃないんです」
xxx博士「そうは言っても、私の知ってる君は君だけだからねぇ」
SCP-xxx-JP「……██博士がカラクリと人間との混合部隊を反対していた理由が今ならなんとなくわかります。兵器でしかない僕達は壊れることに嫌悪感はありませんし、暴走ボディの持ち主も人間に迷惑かけるくらいならデータの回収よりも破壊を望んでいるので貴方が思うほど悲壮感漂うものではないので安心していただけたらなと……その思い入れは有難いのですが、カラクリである僕達は代替兵なのに迷うことなどあってはなりませんし」
xxx博士「いや、わかるんだけどね。私は機械が好きでね……」
SCP-xxx-JP「知ってます。先代クーペは大変良くしてくださったそうで」
xxx博士「えっ……いや、待って君、あのクーペ、君達のボディだったの!?」
SCP-xxx-JP「ああ、すみません。財団がどんなところか知りたくて偵察を。あ、僕じゃありません、他のものです。いや、ずっとじゃなくて時々アクセスするくらいだったと聞いています、ストーカーじゃありません、必要最低限です、仕事なんです、嫌わないでください、彼がへこみます」
xxx博士「あ、ああ、うん。いい車だったよ、あのクーペ……普通の車に見えたのになぁ。夜中に勝手に走ったりしてたの?」
SCP-xxx-JP「いえ、偵察用ボディが怪しまれるようなことは……思いっきり本性現した僕が言うのもなんですが」
xxx博士「彼も君みたいに変形とかできたの?」
SCP-xxx-JP「中見られることが多いので自在とは言いがたいですが、ある程度は。はい」
xxx博士「ああああ、見たかった!めっちゃ見たかった!何故私の前で変形してくれなかったんだ、私と彼の仲なのに」
SCP-xxx-JP「やめてください、そういう喜ばすようなことを言うのは。深夜にクーペが窓から覗いていても僕知りませんよ」
xxx博士「……ふむ?君達にも命令違反してまでやりたい衝動とかあるのかい?」
SCP-xxx-JP「えーっと……まあ、頭のいい博士のことだからすぐバレるだろうからぶっちゃけますが、ありますね。より人間らしく振舞うには画一的な思考は厳禁だということで、個体個体で学習した内容を全てに共有することは無いんですよ。正反対の答えを持ち合わせている個体を同じからくりとして存在させることを天照は良しとしたんです。なので天照相手にも真正面から反対するし、仲悪いカラクリもいるし、スタンドアローンタイプだと同じ自分なのに正反対の答えだしたりして整合性取れなくなるとかしょっちゅうですよ」
xxx博士「いや、流石に自分自身との意見が違うのは問題ないか? 二重人格になったりしないのか?」
SCP-xxx-JP「ある程度は人間もやってることでしょう? 感情か経験か全体の利益かわからないけれど、どれかに定めてもう一方の自分を押さえつけるなんて。ただ、あまりにも長くリンクが切れていて、整合は無理だと判断した場合、新たなカラクリとして独立を認める場合はありますね」
xxx博士「違う存在として認めるのか。無理な場合って?」
SCP-xxx-JP「生かすべき経験が真逆な場合とか……例えば
xxx博士「君達の言う、ボディは人型以外に何があるんだい?」
SCP-xxx-JP「そこら辺はあまり公にできないんですよ……動けるものが多いですが、動かないものもアクセスして利用するボディはあるとだけ」
仮実験-1 他のものに姿を変化してもらう
結果-1 2m超えの大男・145cmの老婆・1mの幼女と成犬のラブラドールレトリバー・少年とサッカーボール・乗用車(██社製██)・壁・xxx博士
考察-1
幼女と犬では体積や質量的な問題で、二つに分かれるしかないらしい。幼女が本体で犬の方は複雑な思考は無理ならしく単純な行動しか取れないらしい。
乗用車は飽くまで外見だけで走行能力はないとのこと。車内やエンジンルームも見たが見た目は完全に車だった。彼曰く風船のように中が空洞で軽いのでドアを開けたり乗り込まれたりするとごまかしがきかなないので他者を撒くためにくらいにしか使えないらしい。
壁は一面だけではなく、四面に薄く馴染ませ擬態するのでハンマー類による聴音でも違和感を感じ取るのは不可能だった。彼曰く、薄くなると重要器官の防備も薄くなるのであまりやりたくないそうだ。
最後に私に変化してもらったが、他の研究員の評価では見分けるのは非常に困難だそうだ。付き合いがある程度長いせいか、声帯模写だけでなく仕草や行動、性格もよく似せられていて一人で居たらわからないようだ。細部だが当然ながら服の内部に関しては違和感ない程度に適当で体型のみ似せられている、指紋なども別物だ。
仮実験-2 各種車両(戦闘車両含む)とパワー比べをしてもらう
結果-2 自動二輪(400cc-████cc)
自動車()
ブルドーザー()
装甲車()
戦車()
考察-2 「て……帝国軍人は退かないー!」と、叫びながら突っ込んでいったときにははらはらしたが、無事勝利。
事件
xx/xx/xx:xx 収容室ベッド内で体の一部が崩壊しているSCP-xxx-JPを職員が発見。呼び掛けても受け答えは無く、治療?を施そうと試みたものの失敗。原型保存の為に手を尽くすもxx時xx分、完全崩壊した。
ベッドと布団の隙間にメモがあるのを発見。
「驚かせてしまったことをお詫び申し上げます。
今回のボディの崩壊は事故や他者による被害の結果ではなく、自分の意思で行ったことを報告させて貰います。先日より続いていた会議の結果、財団に対する████は、天照の███に█████する可能性が高く、████の懸念から███████することになりました。一方的な██では████████████████。
予てから観察しておりました██████が██████しており、思った以上に██が██で、こちらが要求する█████が満たされないのが██の██になりました。我々の████に関しては公開していないことを予め████してください。
████部門 ████(███国███)、█████(███)、████(████████)
████部門 ████(██████)、████(████国███)、████(████████国████)
████部門 █████████
████部門 █████████
████部門 █████████
████研究室 ████(████)、████(████)
████研究室 ████████(████、██████)、████(██████)
以上、██の████です。███████████████████████████████████████████████████████
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██████████████████████████████████████████████████████████████████。
お互いに時期尚早だったのではないかと█████、████████████████。
尚、私事ではございますが(中略)。
このようなお別れは心苦しいのですが、貴組織のご発展と皆様方のご健勝、ご活躍を心よりお祈りいたしております」
と、彼の筆跡で書かれていた。
収容室には隔離する前に身体検査をしたがメモ用紙、ペン類は持ち込んでいないことを確認している。
崩壊の際にベッドや治療台などを溶かしたので、純粋な成分とは言いがたいがボディを生成している成分の一部は、███、██████████、█████、██████、█████████であることが確定している。しかし大半の██████は██████に見せかけた未知の物質で、検出されていない物も多数あると思われる。█████に使われていた██████を分析したところナノレベルで█████していることがわかった。原理は不明。
彼の柔らかな物腰と、人懐っこさや低姿勢な態度から忘れていたけれど、彼は軍人だったんだなと改めて思う。
■補遺
■その他
・大日本帝国陸軍による『不死軍隊計画』の残滓。
・インタビューや実験などが不完全なのは、捕獲して数日で逃げられたから。
・実験などでのは飽くまで『見せ』用の公称スペック。潜水艦などと同じで本スペックは見せる気がないらしい。
・&桔梗は偵察ボディだったので、勿論戦闘できるが逃げに徹したボディでパワー不足なのであんまり派手なことはできない。
・偵察、スパイ、戦闘、運搬、移動、作業、医療、修理、他
・桔梗がスパイじゃなく偵察ボディだったのは、資金調達の出向だったから。ついでに暴走ボディの様子見て来い言われた。
・桔梗=五芒星=陸軍マーク。獣吾=15。陸軍所属No.15。製造番号。カラクリとしてはかなりの古参。獣吾=私は獣=生き物になりたい。多分他のところでは銃吾(=私は銃=兵器ですが何か?)とも名乗っている。ふざけた奴に見えるかもしれないが名前考えるのめんどくさすぎる&それなりに名前にアイデンティティを感じている結果。そんな奴が多い。一二三(ひふみ、No.123)とか仙市(せんいち、No.1001)、フナッシー(ふなっしー、No.274)、五郎丸(ごろうまる、No.560)とかも居る、大丈夫*2ギリギリセーフ。武鯉(むごい、No.651)あたりになってくるともう親の悪意を感じるDQNネームなのだが本人達あまり気にしていない。
・陸軍なので設定的な性差は全員男性なのだが、全員女性のボディを持っているor変形できる。より魅力的な女性に変形できるように研究に余念がない。飽くまで敵兵を油断or陥落するための手段。本人達に性欲は無いのでその点ドライ。
・外見だが過去に一時量産で似た顔ばかり作っていたせいか、事務所にカラクリ集団でいて外部の人間に「皆似たような(レベルの)感じね」とか言われるとすごい挙動不審になる。なので個性が出るように美醜は様々。「うわっ、ブサイク。キモッ」とか言われて安心感を覚えるのはこいつらくらいだろう。財団に対しては印象悪くしたくないのでイケメンと愛嬌があるレベルの外見の奴を送り込んでいる。別に財団がブサイクは死ねとか言い出すとは思ってないが印象って大事だから…。皆が集まるとイケメンと平均とブサイクが平均的に居るという不自然な集団になる。更に個性を!とかやっているので似たようなイケメンや似たようなブサイクがおらず物凄く我の強い個性的な集団でもある。正直イロモノ集団だが、個体ごとに人間の集団に放り込むとそれなりに馴染む、不思議。
・資金調達と世相を知る為に幅広い年齢層の民間人と交流がある。性差のない彼らにとって一番コミュニケーションがとれた言葉が「かわいい」だった。なのでカラクリのコミュニティで役割を演じていない素の状態だと「かわいい」って感想を普通に使っている。現実世界のかわいいの許容があまりにも広くて本人達もよくわからない域まで達しているのだが褒め言葉であることだけはわかっている。だからおっさん相手にも使う。
・本性を見せたのは事故だが、いつかバレるだろってことで計画はあったので、財団をそれなりに調査済み。
・ボディ情報を渡すかどうか相談していたのは本当だが、時間がかかったのは財団職員として潜り込んでいた他からくりが財団としての反応を伺ったり探ってたりしていた。
・どうも財団の上のほうの反応が芳しくないので、お前んとこスパイ居る(調査済)からやっぱやめとくって言って逃げた。
・ボディ情報をはじめから渡す気があったのか無かったのか知らないが、
・博士に変化したときは目視などの情報が乏しい状態だったのであの程度しか化けられなかったが、全面接触(細かな触手で満遍なく触るor自分の体に通り抜けさせる)させると、指紋など表面上は完璧な外見になる。更に脳を探って記憶すらコピーできる。ただし、障害が残る場合や妄想、最悪死の危険があるので、殺すことを前提でしか記憶のコピーは行わない。記憶のコピーは時間がかかる上、探っている最中に死んでしまって不完全なコピーしかできなかったり、コピーはできたものの必要な情報のアクセスの仕方がわからなかったり(情報は関連あるものが連想式に思い出されるので、彼が軍の人間なら軍の人間を思い出したりは可能だが、)
・実はこちらのカラクリ軍団も財団と似たようなことはしている。ただし、こちらは民間人の保護を目的とした「無害化・無力化・破壊」を主目的としたものだが。ただ、人間にしか作用の無い(or見えない)オブジェクトに役立たずで、更に機械に致命的ダメージ(ミームなど)を与えるものに滅法弱いという連中なのでできることは知れてる。そう言うのは財団の存在を知ってからさり気なく通報したり騒ぎにして感心を集めるようになった。
・なので結構な数制圧しているのだが、機械をおかしくするタイプのに触れて暴走化した連中が回収する前に財団に収容されるなんてことが稀に発生。沈静化させたくてもできない状態になる。で、現状。
・本当は調査には財団職員との混合部隊でやれると捗るのになぁと思っているが、こちらに興味もたれても答えられないし仕方ないなぁってな感じで言えない。
・人間を体の中に隠すことも可能。ただし、死体か生きている場合は自分の意思で動くことができなくなるが。大抵は暴れられると面倒なので気絶させる。主要人物の保護と護衛のためのものだが、気絶した一般人の保護もこれでおこなったりする場合もある。
・収容は、了承が取れなかったら崩壊して逃げ?られる。無理に収容しようとすると敵対勢力と認識されて、派手か静かにかはわからないが襲われることになる。しかも、崩壊ではなく辺り一帯を巻き込んだ自爆になる。自律型兵器を安全に収容する方法はまずないんじゃないだろうか。何せ、本カラクリの機能を停止させて崩壊や自爆を免れたとしても、異変を感じた仲間に救出(もしくは崩壊)されてしまうから。その場合、財団とカラクリは敵対関係になり少なくとも日本支部はただじゃすまないだろう。なにせ電線から床、家族や職員に化けれる連中が、生け捕りにして記憶を奪い取りなりかわろうと関係者を狙い始めるんだから誰にも知られずに陥落してもおかしくない。
・博士がなんとなく確保したのは、桔梗が謝りながら土下座したため。そんなタイプにいきなりやばいことをし出す奴はいなかろうという判断で「桔梗君、とりあえず戻ろっかぁ。寒いし」となんとなく一緒に移動した。
■収容プロトコル
■名前 Vampルージュ
■Oクラス Euclid
■タイプ
■見た目・形状
リップスティック。
■特性
■説明
■発覚したきっかけ
■実験・インタビュー・その他
■補遺
■その他
■収容プロトコル
■名前 伝言型ウィルス
■Oクラス Euclid
■タイプ
■見た目・形状
・ウィルス
■特性
■説明
■発覚したきっかけ
■実験・インタビュー・その他
■補遺
■その他
・どうしても伝えたいことがあるのです。
・でも伝言ゲームだと人間に届く頃には意味わからないよね。
■収容プロトコル
■報告書
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: SafeEuclid
特別収容プロトコル:
説明:
補遺:
■テンプレ
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
■名前
■Oクラス Euclid
■タイプ
■見た目・形状
■特性
■説明
■発覚したきっかけ
■実験・インタビュー・その他
■補遺
■その他
■収容プロトコル