11_mo_tsukino_on_17の個人的業務記録

裏表紙

この手帳をサイト内で拾ったら、私月乃までお届けしていただけると幸せます。

(本当に本当に本当にざっくりとした)メモ帳的な。

・胴託

このSCPは弥生時代の遺跡から出土した銅鐸の様なオブジェクトです。未知の金属で構成されていますが、その他に少量のカルシウムや珪素を含んでいます。表面には人婦や赤子の様な彫刻が施されており、生命の誕生を表していると思われます。このSCPに接触した人間は、種族性別関係無く身体のどこかに胎児を発現させます。現在報告されているものでは　子宮、右肺、背中、大腸、頭蓋　です。大抵の場合被験者は胎児の圧迫により身体機能に何らかの異常をきたし数分〜数時間後に死亡します。解剖の結果、通常の人間の胎児の他にも　猿、イルカ、コモドオオトカゲの幼体、更にはノアのものと思われる卵や大量の銀杏が摘出されました。そのうち女性の胎内に発現した奇形児をSCP-XXX-JP-01とし、現在財団の監視下にあります。
―――煮詰まってる

下書き

アイテム番号：SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス：Safe

特別収用プロトコル：

説明 :SCP-XXX-JPは高さ23.7cm、重さ3.2kgの平均的な青銅製の銅鐸です。外見に特異性は無く表面には豊作や繁栄を祈願する為であろう彫刻が象られています。しかし、舌の形状は妊娠12~13週目の人間の胎児のような形状をしており、材質は鹿角と思われます。
SCP-XXX-JPに直接接触した動物は、種族性別に関係無く身体のどこかへランダムに胎児のような生命を発現させます。現在までに確認されている事例では子宮、右肺、頭蓋などです。(記録XXX-JP-Aを参照)大抵の場合、被験者は発現した物体による圧迫で身体機能に異常をきたし数分～数時間後に死亡します。解剖の結果、胎生動物の胎児の他にも爬虫類、鳥類など卵生動物の幼体や卵、植物の種子などが摘出されました。この異常性は直接接触した場合のみ発現し、繊維など何らかの物体を間に挟むことで発現を阻止できます。
SCP-XXX-JPは██県██市の民俗資料館にケース展示されていたもので、資料館の職員が異常性に曝露したことで財団による収用へと至りました。

それはある意味でのはじまり

君はある本をデスクの上に見つける。一目で分かる。とても魅力的な本だ。例えばそれは瑠璃色の大洋に今沈まんとする太陽のように。どこぞの街で見かけたブロンド髪の女性のように。暗闇に浮かぶ猫の瞳のように。とてもとても魅力的だ。そうに違いない。君は迷わずその本へ手を伸ばす。少しだけ、読んでみよう。そう思い表紙を捲る。そして読み始める。文字列一つ一つを舐めるように。其処には君の知らない、君の知りたい、君が知る事の出来なかった事が事細かに、全て書かれている。君は読み進む。100ページ、200ページ、300ページ。残りのページ数なんて気にしない。とにかく読み進めるのだ。そしていつか読み終える。君はすべてを知った。そんな気分だ。いや、待て。全てとは何だ？何を以てして全てと言える？私は今全てを読んできたのか？全て、のその内容は何だった？分からなくなった。もう一度読もう。表紙を捲り、齧り付くように読み始める。そして読み終わる。分からない。もう一度だ。分からない。もう一度。しかし分からない。喉が渇いた、腹が減った。ええい後回しだ。分からないならば中断なぞできない、したくない。私はこれを読み、理解しなくてはならないのだ。まだ足りない―――
だが｢全て｣はいつも私の中に消えて行ってしまう。虚ろな相貌に本の背表紙が映る。｢捜し、収め、護りなさい。｣

タブ１

資料

白紙。